碌でも無い閃き
今回は、物語に深みぃを入れたい為回想話です!いろいろな調整の為の理由もあります。
次回更新は、2023年1月12日(予定) 0時です! では皆さまよいお年を!
29日、5日のその間、特別話を入れようか考えています。まぁやるかは、その時の気分ですが!
「詳しく話を聞きましょう…っとその前に二人は落ちても大丈夫だぞ?」
「え?!ソウルさん!?そんな!」
「えぇー!?こんな面白そうなイベントが起ころうって時に!?…っく!学生の身分が恨めしい」
「許せ二人共…リアルが優先だ…」
ソウルの言葉に、アップルとマナリアの二人は渋々従い、ウィンドウを操作し始めた。
「本当に残念ですが、今日はもう落ちます…」
「次インしたら詳しく話してもらうわよ?約束だからね?」
「ああ、了解した」
ソウルはアップルに頷き、二人のログアウトを見送った後、再びレオンに視線を向けた。
「失礼しました。では、話を聞きましょう」
「はい。ですがここでは何ですし、会議室がありますのでそちらへ…」
ソウル、マギア、ティカルの三人は頷き、レオンの案内で受付の奥にある部屋を通って、会議室へと案内された。
「えー…どこからお話をいたしましょうか?」
「最初からお願いします」
「畏まりました」
会議室の席に着席したソウル達に、レオンが問いかけると、その答えに頷き、ゆっくりと重々しく話を語りだした。
「外国の子は早いわね〜その歳でボーイフレンドだなんて…それにしてもこのなんとかって言う甲冑はすごいわぁ…蒸気と霊力?っていう物だけであれだけの事ができるんだから…実際に作れないかしら?」
ベッドに寛いだ姿勢で、テレビに映るゲームキャラの幼女を見ながら呟くと、突然ジンジャーのお腹が鳴り、空腹感が襲ってきた。
「そうえば逃げるのに必死でお昼食べてなかったなぁ…何か注文しよ」
ジンジャーは、ベッドにコントローラを置いてテーブルに移動し、その上に置いてあったルームサービスのメニュー表を開いた。
「えっと〜食べ物…食べ物っと〜…あった!へ〜軽食だけかと思ったら結構本格的なコース料理まであるのね!よし!一番高いやつを頼もう!こんだけ高いんだからきっと美味しいはず!」
そう確信したジンジャーは、ルームサービスのメニュー表と一緒に置いてあった、長方形の機械に目を向けた。
「この機械にあるベルマークを押せばいいのかな?」
今、目を向けている機械の中心にはベルのマークが描かれており、ジンジャーは人差し指で恐る恐るそのマークを押すと、そのベルマークからコール音が鳴り響き、3コール目で受付と繋がった。
「はい、こちら受付です」
「あ、すみません〜食事のルームサービスを頼みたいのですけど〜」
「畏まりました。ご注文はお決まりですか?」
「えっと、この「海と山の幸 ま…満…おとこ?漢?全席コース」っていうのをお願いします」
「海と山の幸 満漢全席コースですね!少々お時間を頂きますがよろしいでしょうか?」
「はい」
「ありがとうございます。では、お部屋の方にお持ちいたしますので少々お待ち下さい」
「分かりました〜」
ジンジャーが、機械に向かって頷きながら言うと、長方形の機械からスイッチが切れる音が聞こえ、それ以上何も聞こえては来なかった。
「おー注文できた。…それにしても満漢全席ってどういう意味?…まぁいいや!続きやろう〜」
満漢全席の意味がよく分かっておらず、メニューの中で一番高額な料理を注文したジンジャーは、まぁいいかと思考するのを放棄し、気分上々でベッドに飛び込んだ後ゲームを続行した。
「ジンジャー様、大変お待たせして申し訳ございません。お食事を運んでまいりました」
「はーい、今開けます〜」
注文してから2時間が経過し、ドアから数回のノック音の後に声が聞こえると、ジンジャーは「やっきたか…」と思いながら、部屋のドアを開けた。
「お待たせいたしました」
「あ、レオンさんがわざわざ?ありがとうございます」
「これも仕事の内ですのでお気になさらず…ご入室してもよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ〜」
ジンジャーが部屋のドアを開けると、装飾されたワゴンを横にしたレオンが部屋の前に立っていた。レオンは、許可を得てからワゴンと一緒に入っていくと、部屋のダイニングテーブルへ向かい、食事の準備を手早く始めた。
「流石プロだねぇ…」
「ありがとうございます」
手早く準備を行うレオンの姿に、ジンジャーは感心しながら席に座って待っていると、眼の前にクローシュで蓋をされた料理が運ばれてきた。
「おお!これが満漢全席!」
「いえ、こちらは…」
レオンは、ジンジャーの言葉を否定しながらクローシェを持ち上げると、中にあった料理は一人用の鉄板に香ばしい匂いと食欲をそそる音を出しながら焼かれているステーキ肉だった。
「あれ?私の満漢全席は?」
「ジンジャー様?…失礼ながら〜…アホですか?」
「え!?」
レオンの思いがけない言葉に、ジンジャーは驚愕した。
「満漢全席をご注文されたようですが、こちらで勝手に変更させていただきました。申し訳ございません」
「そんな〜…」
「そんな〜ではありませんよ!ジンジャー様はお一人でお食事をなされるのでしょう?なのに満漢全席を注文するって貴方の頭は正気ですか?…ん?…その反応…もしかして満漢全席の意味も知らずにご注文されましたか?」
「えっと〜その〜えへへ」
「本気かよ…」
ジンジャーの態度に、レオンは思わず心の声が漏れてしまい、慌てて口を抑えた。そして、誤魔化すように咳払いした後、気を取り直すように背筋を伸ばした。
「いいですか?満漢全席というのは最低でも108品の料理が出され、それを3日に分けて食べ終えるのです。いわばパーティ用の料理なのですよ?それをお一人で食べ切れますか?」
「ひゃ…108品…3日かけても無理です」
「ええ、そうでしょう。私でも無理です。本来のお客様でしたら、普通に提供して残されてしまった分は追加料金をふんだく…ゲフン!頂く所ですが、お嬢様の御学友なのでそんな事はできませんし、こちらもすべて無料と言った手前、それを覆す事はいたしません。いたしませんが、残された料理を処分するコック達が泣きますよ?せっかく丹精込めて作った料理を一匙も付ける事無く処分しなければいけないのですから」
「ごめんなさい…」
「まさか、ソウル様が仰言った様な方がいるとは思いも寄りませんでしたよ」
「えっと、彼はなんて?」
「「ジンジャーさんは必ず何かしらの一番高い物を要求してくるだろうから、程々の物を彼女に渡してやってくれ」と」
「う!…今日合ったばかりの人なのに私の事よく理解されてる…これは…恋?」
「違うと申しておきます。…はい、ステーキが丁度いい焼き加減になりました。どうぞ召し上がりください」
レオンは、チラチラと懐中時計を見ながらジンジャーを説教し、ステーキが丁度いい焼き加減になると、スッとパンが入ったバスケットをジンジャーの側に置いた。
「説教する時間すら計算に入れてステーキを用意してきた…だと…やはりプロ!」
「恐れ入ります」
レオンの巧みな仕事ぶりに、ジンジャーは目を大きくして驚いた後、フォークとナイフを手にして食事を開始した。しっかりと計算されて焼かれたステーキ肉は、ナイフを安易に通して抵抗無く切れると、そこから肉汁が溢れ出し、下の鉄板に落ちていい音を奏でた。
「美味しい!」
「それは何よりでござい…」
ジンジャーは、レオンが途中で言葉を止めた事に疑問を感じて、視線を向けてみると、先程まで笑顔だったレオンの表情が険しい表情に変わっていた事に気がついた。
「え?ど…どうしたの?」
「今、フロントから賊が襲撃してきたと報告がありました。その賊はジンジャーはどこだ!探せ!と言っているので、ジンジャー様が目的の賊に間違いありませんね」
「え!え!ど…どうしよう!」
「落ち着いてください。ジンジャー様は、私がこの部屋を出たらドアに鍵をして隠れていてください」
「え?レオンさんはど…どうするの?」
狼狽えるジンジャーに対して、レオンは真剣な眼差しでジンジャーと視線を合わせた。
「ちょっと離れた所で「お持て成し」をしてきますよ」
「アッハイ…」
レオンがニヤリと笑いながら言うと、ジンジャーの背に冷たい物が押し付けられた様な感覚が襲った。その感覚が危険な物だと判断したジンジャーは、大人しく指示に従い、レオンが部屋から出て行った後、ドアに鍵をを掛けた。
「しっかりと鍵は掛かっていますね。…さて」
部屋から出たレオンは、しっかりと鍵が掛かっているのを確かめた後、懐から黒いレンズの丸メガネと黒い手袋を取り出て装備した。
「お客様?申し訳ございませんがここから先はお通しできませんよ?」
「ちっ!」
更に、手袋の上に鉄製の指輪を各指に一つずつ付けながら、誰も居ない筈の廊下に向かって言うと、どこからか舌打ちした音が聞こえてきた。
「やっぱあんたはごまかせねぇか…」
「ええ、見事な【ゴーズトハイド】だとは思います。が〜…あまり私を見縊られては困りますね。一線を退いた身の上だとはいえ、まだまだ衰えてはいない筈ですよ」
レオンが、声が聞こえた方に向かって言うと、誰も居なかった筈の通路に、突然複数の男達が現れた。
「一応聞いときたいんだが〜大人しくジンジャーを渡しては貰えねぇか?」
「それは出来ない相談だと貴方が一番理解しているはずですよ?デリー・バートン?」
レオンに名指しされたデリー・バートンは、最初男達に紛れ込む様にしていたが、真直こちらを見てくるレオンの視線に、ため息を付いた後、先頭に立った。
「聞いてみただけだ!いくぞお前ら!伝説超えだ!」
デリー・バートンの大声が廊下中に響き渡り、その声と同時に周りに居た男達が、手にしていた武器を振り上げ、レオンに立ち向かっていった。
「ぬるいですよ!」
レオンは、服の下に隠す様に身に着けていた腰のポーチから、柄や鍔など一切付けられていない、刃だけの短剣を数本纏めて取り出すと、襲ってきている男達に向かって勢いよく投げた。
「グッ!」
「ぎゃ!」
「ぐえ!」
「まずは三人ですね」
勢いよく投げられた短剣は、全て致命傷になる箇所に刺さり、男達は刺された所を手で抑えながら、床に倒れていった。
「次はどなたが?」
そう質問してくるレオンの姿は、まさに化け物と言う様な姿で男達の目に映り、後に続いていた者達も恐怖に飲まれ、足を止めてしまった。
「ビビるんじゃねぇよ!俺達はもう後がねぇんだ!」
デリー・バートンが自身の部下達を叱咤するが、この場に目の前に迫る「死」を克服できる者は居なかった。
「勢いだけでどうにか出来るとでも思いましたか?愚かですね!」
「ちぃ!クソがぁ!」
デリー・バートンが、怒りを露わにしながら手にしている斧を振り回し、投げられてくる複数の短剣を撃ち落としていると、足元に死んだ部下の遺体がある事に気が付き、デリー・バートンいやらしい笑みを浮かべた。
「おい!お前ら!俺にいい考えがあるぞ!」
「その選択は実に不愉快だと申し上げておきますよ…」
デリー・バートンの、碌でも無い閃きをすぐに理解できたレオンは、顔を顰めながら言った。
回想話、2話構成です。
リアルは大事。リアルは大事。大事な事なので(ry
俺もなー○○な彼女欲しいなぁー…あ、前にも言いましたが、コンな人ではありません。「も」な人です。
レオンさんはプロ。
満漢全席を一人で食べきった人っているんですかね?
やっぱりステーキが一番。
レオンさんの片耳にはイヤホンが付いており、各部署と連絡が出来るトランシーバーのような機械と繋がっているので、襲撃された事もいち早く知ることが出来たのです。
何故デリー・バートン達やレオンが武器を使う事ができたのか…それはまだ秘密です。
「襲撃者バートン達とレオンの戦い!一体どういう結末になってしまうのか! 次回X2X0話 「決め手は大トロの握り寿司!」 SHALLWY DANCE!」
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