隠匿災呪部隊
お楽しみ頂けたらこれ幸いです。
次回更新は12月8日 0時更新です!
2022/12/12 スライムの色を追加し誤字を修正
「やっとついた・・・」
「結構長かったわね・・・」
「なんでこういう所って行き止まりが多いんでしょうか?」
「ほんとにだね〜ドラ○エを見習ってほしいよ・・・」
ソウル達は、禁忌書室内を上がったり下って行ったりしながら、最下層へとたどり着き、面倒な道順に対する不満を各々口にした。
「皆さん?ほんのもう少しで原本がある場所に到着しますよ!頑張りましょう!」
マギアが、手招きしながら促すように言うと、ソウル達はマギアに従って歩みを進めた。
「到着です」
「これか・・・」
ソウル達が進んでいくと、立ち見型の書見台があり、その書見台には鎖で繋がれた本が一冊だけ置いてあった。
「本に鍵がかかっていますね?開場するので少々お待ちください」
「頼む」
マギアは、ソウルの言葉に頷いた後、本に付いている南京錠の解錠を始め、ほんの数秒で解錠に成功すると、ソウルは早速、本を開いて中を確認し始めた。
「あ!そうそう、マギア?ついででいいんだが、ルーン文字に関する本を探しておいてくれないか?」
「了解しました」
「さてと・・・ここで翻訳作業はできないからスクリーンショットで撮影して後でやろう」
ソウルはそう呟くと、両手の親指と人差し指を伸ばして、互いに反対になるようにして指をつけると、ゲームの機能にあるスクリーンショットモードが起動した。そしてソウルは、手の形をそのままにしながら付けた指を斜めに離して行き、本の文がはっきり見えるくらいにサイズ調整した後、目の瞬きを2回連続する事でカメラのシャッターを切り、スクリーンショットを次々と撮っていった。
「マスター!ありました!ありましたよ!」
ソウルが、原本の文をスクリーンショットに収めていると、マギアが嬉々としながら、一冊の本をソウルの所に持って来た。
「あったか?(ルーンの本)」
「はい!ありました!媚薬の本です!」
「・・・・・・済まないがもう一度言ってくれないか?何があったって?」
「媚薬の本がありました!それもマジ物のやつです!」
聞き間違いでは無かった事に、ソウルは手で目を覆った後、天を仰いだ。
「お前は何ていう物を持ってきたんだ・・・」
「これはすごいですよ!ちゃんと効果がある媚薬ですから!雑誌の最後の方とかに載っていそうなまがい物ではないんですよ!まぁ・・・ただちょっと・・・いえ、かなりの中毒性がありますが・・・」
「ただのあれなヤベェ薬じゃねぇか!」
「問題ありません。私に掛かれば中毒性0の薬が作れますから!・・・早速○クサロイド計画に組み込まなくては・・・」
「え!?あれってまだつついてたのか!?・・・・・・ってそうじゃない!マギア!ルーンの本は?」
「それならもうすでに見つけてあります」
マギアは、媚薬の本を読みながら、片手で雑にルーン関連が書かれた本を渡すと、本を渡されたソウルは顔をしかめた。
「(雑に渡された・・・こいつ徐々に俺の扱いが適当になってきてないか?気の所為か?)」
ソウルは、そう思いながら首を傾げた後、スクリーンショットを撮る作業に戻って行った。
「あの場所にあるはずだったんだけどなぁ・・・」
「その情報間違ってたじゃない!」
「これはちょっとまずい状態ですね・・・」
スクリーショットの作業が残り僅かとなった時、禁忌書室に一緒に入ってきたシャーデン達の声がソウルの耳に届き、その声がした方に顔を向けると、目当ての本が見つからない事に焦り、言い争っている姿が見えた。
「・・・どうしましたか?」
大きな声で言い争っているので、これまずいと感じたソウルは、スクリーンショットの作業を一旦止め、シャーデン達に声を掛けてみる事にした。
「ちょっと聞いてよ!シャーデンが自信満々に目当ての本があそこにあるって言っておきながら、実際行ってみたらなかったのよ!終いには「お前らもう取っていて黙っているんだろう?」って人のせいにするし!もうホント信じらんない!馬鹿じゃないの!?もちろんそんな事する人うちらにはいないのに!疑うなんて!あー!!もうどうすんのよ!最下層にあるかもって言ってここまで来たけど・・・こんなに本がある中から一冊を見つけるなんて無理よ!」
「とりあえず落ち着いてください。深呼吸です。深呼吸」
マキが捲し立てて言うと、ソウルは一旦落ち着かせる為に、深呼吸するように言うと、マキもソウルに従い深呼吸をして落ち着いた。
「落ち着きましたか?」
「うん・・・なんかごめんね?変なこと言っちゃって・・・」
落ち着きを取り戻したマキは、ソウルに頭を下げて謝罪した後にシャーデンを睨むと、シャーデンはマキに言われた事が堪えたらしく、しょんぼりと身を縮こませた。
「お手伝いしましょうか?俺の相棒には検索能力があるのでお探しの本を持ってこさせますよ?」
「お願い」
「分かりました。マギア!ちょっと手伝ってくれ」
「はい?何でしょうか?」
ソウルの言葉に反応したマギアは、読んでいた本を原本が置いてある書見台の置き、ソウル達がいる所に向かっていった。
「マキさんたちが探している本を探してやってくれ」
「了解しました。本のタイトル名をお教えください」
「シャルドネアの本だ」
「検索します。少々お待ちください」
マキの変わりに、シャーデンが探している本の名前を言うと、マギアはウィンドウを表示させて検索を開始した。
「では俺は戻りますね?まだやるべき事の途中なので」
「ありがとう。この借りはいつか何かで返すわ。・・・シャーデンが」
「俺かよ!?」
「当然よ!」
「当然ですね。あれだけ大見得切ったのに見つからず、剰え俺等を疑ったんですから」
「謝罪は大事・・・しなかったら星の彼方に全力で投げ飛ばす!」
「・・・わかったよ」
スターライトとリフラーも、マキの言い分に頷き、シャーデンは渋々了承した。
「気負わなくて大丈夫ですよ?では〜」
ソウルは、シャーデン達に笑顔で会釈した後、原本が置いてある書見台に戻って来ると、原本の上にマギアが読んでいた媚薬の本があることに気が付き眉を寄せた。
「なんで上に置くかな?」
ソウルは、少し不快に思いながら媚薬の本を手に取って退かそうとしたが、ちょっとだけ媚薬のことが気になり、少し読んでみることにした。
「(マンドラゴラの根を乾燥させて砕き、サキュバスバットの牙を粉末状にして砕いたマンドラゴラの根と合わせる。そこに蒸留水を入れて、しばらくかき混ぜた後、乾燥させた混沌茸の笠を粉末状にして入れたら、火にかける「※注意60度以上にならないように気をつけること。」そして桃色に変色したら火から外し、残っていた混沌茸の柄を入れてゆっくりと冷ましていく。普通に触れる位に冷えたら柄を取り出し、ろ過で不純物を取り除けば完成か・・・)・・・っは!」
ソウルが、ハッとして横に顔を向けると、マギアが両手で口を抑えているようなポーズでいることに気が付き、ソウルは何事もなかったように視線を戻した後、媚薬の本を横の地面においた。
「あれだけ呆れておきながらマスターも興味がお有りだったのですね!」
「さてと!残り少しだし頑張ろうかな!」
わざとマギアに応えず、誤魔化すように態とらしい動作で、ソウルはスクリーンショットの作業を再開し始めた。
「フフフ、マスターも男の子だったのですね!」
「・・・うっさい」
「私はてっきりこういう事には興味がないと物だと思っていましたが、やはりと言うべきですね!いえ、隠さなくても結構です!むしろ健全な男子の反応だと言えるでしょう!」
「ああ、もう!そうだよ!興味があるよ!仕方がないだろ!男の子なんだから!性に興味がある年頃なんだから!」
「フフフ、大丈夫です。大丈夫です。言い訳しなくても分かってます。分かってますよ」
ソウルは、顔を真赤にさせながら自己を肯定するようにいうと、マギアは同じ言葉を2回繰り返して、ソウルを落ち着かせた。
「え?なに?どうしたの?」
「ソウルがまた何かのトラブルに巻き込まれたの?」
「どうしましたか?」
ソウルが作業している間、各々最下層の本を物色しに行っていた仲間達が、ソウルとマギアの声に驚いて戻ってきた。
「いや、何でもない。皆そろそろ終わるからここで待(おやおや何が終わるのですかねぇ?貴方達の命ですか?)・・・な!」
ソウルが、皆に向かって「もうすぐ終わるからここで待っていてくれと」伝えようとしたその時、ソウルの言葉を途中で遮るようにして、こちらに向かって話しかけて来る男がいた。
「・・・誰だ?」
「おっと!申し遅れました!私は隠匿災呪部隊所属、武装司書の第六項「シープ・レザー」です!」
シープ・レザーと名乗った男は、禁忌書室の壁に垂直に立ちながら、深々と紳士のお辞儀をして、ソウル達に挨拶をした。
「初めまして。・・・それで?俺達になにか御用ですか?」
「ええ、大いにありますとも!ここで見た本の内容を外に出す訳には行かないのです!なのでここに置いて行ってもらいますよ!」
シープ・レザーは、ソウル達に殺気の混じった目つきで睨むと、ソウル達はその殺気に反応して身構えた。
「スロータースライム達!出番ですよ!」
シープ・レザーが、その場で手を3回叩くと、上から銀色の塊が複数個降ってきた。その上から降ってきた塊は、地面に激突して液体をぶち撒けた様に広がったが、すぐさま物体の中心点へと集まりブヨブヨとした塊に戻っていった。
「・・・スライムか・・・まずいな」
「どうする?」
「街の外まで逃げる!」
アップルの質問に、ソウルはシープ・レザーにスリープショットの銃口を向けて、発砲すると同時に言うと、仲間達は堰を切った様に、禁忌書室の出入り口に向かって走り出した。
ドラ○エのダンジョンとかは誰でも簡単にクリアできるように作られているらしいです。どこかの動画でそう言っていた記憶があります。
マギアはつまり「うるせぇ!そんな事より(ry」な状態なので渡し方も雑になっています。
マキさんヒートォアップゥ!
シャルドネアの書 クエストアイテム この書には強大な祝福の力が封じられており、この封じられた力を開放すれば、どんな呪いも打ち消すことができる。
媚薬と聞いて気にならない男子はいないはず!女の子も然り
中二病的な組織の名前・・・好きだろこういうの?
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