禁忌書室
大分寒くなってきました!お体にお気をつけてお楽しみください!
次回更新は、12月1日 0時 更新です!
「これは…すごい量だな…」
シャーデン達と共に禁忌書室に入ると、全ての壁に多段の本棚があり、その本棚には空きスペースがないと言って良いほど、大量の本が置かれてあった。またその本棚は、全て3重構造になっていてスライドさせる事が出来たり、本棚の上の壁にはカーテンレールの様な溝から梯子が伸びていた。
「自力で探すのは無理だな…マギア?検索を頼めるか?」
「了解しました。少々お待ちください」
ソウルに頷き、マギアはウィンドウを表示させた後に検索を開始した。
「さて、マギアが見つけまで俺達は…っていないし!」
ソウルが、後ろを振り返ると仲間達の姿はなく、どこ行ったのか?と周りを見渡してみると、すでに禁忌書室内を探検し始めていた。
- アップルとマナリア -
「これは…なにかしら?」
アップルとマナリアの二人は、禁忌書室に入ると右手沿いに進んで行き、ふと見上げた所にあった一冊の本に注目した。
「悪魔の証明って書いてあるね?」
「無い事を証明したのかしら?それとも悪魔関係の本かしら?」
「悪魔関係じゃないかな?この世界の事だし…あ、アップルちゃんアップルちゃん!有名なのが隣の隣にあるよ!」
「隣の隣?…ああ、ネクロノミコンね!死霊術のスキルが取れそうね~」
「あ、その隣にも似た様な名前の本があるよ?」
「アル・ア・ノミコン?ネクロノミコンの上位版かしら?あれ?このマーク何処かで見た様な…」
アップルは、背タイトルの下に書かれていた捻じれた塔の様なマークを見て、首を傾げた。
「あー…何処で見たのかしら?思い出せないわ…」
本のマークをどこで見たのか思い出せず、アップルはその本を手に取ろうとした時、マナリアがアップルを止めた。
「アップルちゃん?こういうのって取らない方が良いと思うよ?呪われそうだし…」
「…それもそうね」
アップルの手が、もう少しで本に触りそうだったが、マナリアの言葉を聞いて手を引っ込めた。
「他にあるのは「嘆きの書」とか「ゼフィーロの柱—姫の真実—」とかナコト写本とか黒くてよく分からない物が沢山あるね?ここはそういう本がある本棚なのかな?」
「そうみたいね…ん?これは…死の宣告Lv7だって!中途半端ねー」
マナリアに頷いたアップルは、他に面白そうなタイトルが無いか探してみると、下から2段めの右端に、死神がこちらに向かって指を差している姿の絵が背表紙にある本を見つけて、アップルは面白がっていると、マナリアは顔を顰めながら口を開いた。
「アップルちゃん…絶対それ触っちゃいけない奴だよ…他の本棚に行こ?」
「そうね、ここにある本には用は無いし…行きましょう。…武術関連の本が置いてある本棚はないかしら?」
「あ、それなら私も見て見たい!探してみよう!」
アップルとマナリアの二人は、武術関連の本を探す為に歩みを進めて行くと、6台目に武術関連の本や巻物が置かれてある本棚を見つけた。
「あったよ!アップルちゃん!」
「沢山あるわねー。マナリアは槍に関連した物を探しているの?」
「うん。それと盾もだね」
「分かったわ。とりあえずそれっぽいタイトルの奴から読んで行くわね。マナリアも無手関連の物があったら教えて頂戴ね?」
「はいはーい」
2人は無手と槍、盾に関した本を探すべく、それらと思われる本を読んで行った。さすが禁忌書室に収められているだけあって、様々な流派の技や奥義などが記された本が数多くあり、読むだけで新しいスキルを獲得する事が出来た。
「関係ない物もあったけどなかなかに豊作だったわ」
「そうだね。中には「必勝邪拳」っていうジャンケンが必ず勝てる様になる変なスキルやら相手の衣服を破壊して裸にしてしまう「ウェアーブレイク」って言う名前の破廉恥なスキルとかもあったけど得る物は多かったね」
「今度ソウルに「必勝邪拳」を使ってみようかしら?きっと涙目になると思うわ」
「やめてあげて!…と思ったけど一度は見て見たいかも?…ん?…あれ?なんか光ってる?」
不敵な笑みを浮かべるアップルに、マナリアは否定しようとしたが好奇心が大きくなってしまい、肯定する言葉を言ってしまった時、本棚の下段に置いてある一つの巻物が突然、淡い赤色の光を出し始めた。
「光ってる…何だろうこれ?」
「え?光ってる?私には普通の巻物に見えるけど?」
「え?」
アップルの言葉に、マナリアは驚き自分にしか見えてない光だと知ると、マナリアはその巻物を広げて読んでみる事にした。
「鳳凰胤流長巻抜刀術?…わ!」
マナリアが、巻物に書かれていた文字を読むと、強烈な光を出し始めた後に炎の様に舞い上がり、その炎はマナリアの胸の中に入って行った。
「……」
「マナリア?大丈夫?」
「う…うん…大丈夫…チャットにはさっき言った名前のスキルを獲得したみたいだけで、変なデバフとか貰ってないみたいだし……あ!」
「え!どうしたの?」
マナリアが驚く声を上げると、先程の巻物をアップルに見せた。
「…何も書いて無い巻物なっちゃったわね…」
「もしかしてこれって1度使ったら2度と使えなくなる消費アイテムみたいな物だったのかな?」
「そうだったみたいね…」
「ど…どうしようアップルちゃん?」
2人は巻物を見つめた後、互いに視線を合わせ、また再び巻物を見ると言う2度見をすると、その数秒後マナリアは黙って巻物を巻いた後、元々置いてあった場所にそっと戻した。
「ソウルさんの所に戻ろう?」
「そうね。もうここには用は無いし戻りましょう」
2人は、何事も無かったような顔をして、ソウルの所に戻って行った。
- ティカル -
「なにかいいのはないかな~?」
ソウル達から離れたティカルは、左手沿いに進んで行き、何か自身に役立つ本が無いか探していたが、ふと横に視線を移すと、気になるタイトル名が書かれている本を見つけた。
「(未確認生命体解体新書?なんだこれ?)」
ティカルは、その本を手に取った後、中を開いて読んでみる事にした。
「うわ!解剖学の本だ!それも人じゃなくて化け物の類の奴…」
その本に書かれていたのは、2頭4椀4足の生物や多目多口で肉塊の様な姿をしている生物等を隅々まで解剖し、絵や写真を添えて解説してある本だった。ティカルは、あまりのリアルさゆえに顔を顰めながら読み進めて行くと、自身の種族が掲載されているページを見つけて目を大きく見開いた。
「(これ、僕の種族じゃん。新しく追加された種族じゃなかったの?なんで載って…ああ、そうか!僕の種族は昔から居る事が分かっていても、認知されてなくて未確認生物とされていたんけど、ソウル達が活躍したおかげでちゃんとした種族として世界に認知されたんだ。きっとそうに違いない!)」
頭の中で確信を突いた様な事を考え、うんうん頷いた後に読み進めていった。
「(キーメラはイシ・ナ・アタと呼ばれる異形の頭を使って対象の一部を喰らって取り込み、その食らって得た情報を元にして自らの体に生成した後、行使する事ができる種族である。このイシ・ナ・アタは、右腕から伸びて喰らい付くが、それは幼い者や能力が未熟な者に限った話であり、十分に成長した個体は体の何処からでも出す事ができる。)(…これってまじ?…尻からも出す事ができるって事かな?)」
ティカルは、くだらない事を考えながら続きを読んでいった。
「(またイシ・ナ・アタでエンファタオーガ種が有する巨大化能力を取り込んだ場合、質量を無視して巨大化する事ができ、巨人種特有の力強さを発揮する。何故質量を無視して巨大化できるのかは未だ研究中ではあるが、解明出来た場合我ら人種に多大なる恩恵が約束される事だろう。)(…巨大化か~すごく欲しい!)」
ティカルは、頭の中で巨大化無双する姿を思い浮かべた後、本を閉じて元の位置に戻し、エンファタオーガ種の事が載っていそうな本を探した。
「エンファタオーガ種って魔物かな?なら…これかな?「魔物大辞典」」
ティカルの身長より、頭二つ程上の段にある本を数回ジャンプして取り、本を開いた後、エンファタオーガ種の事が載っているページを探した。
「(エン‥エンファ…あったこれだ!…えっと何々?…エンファタオーガ種は、遥か南西にあるガボコン大森林に生息している魔物で、頭に3~4本の角を生やし赤黒い肌のオーガ種である。更には巨大化能力を持っており、普段は3m程の大きさなのだが、巨大化した場合、周りに生えている木々(約10m)すら超える程大きくなる。もし討伐するならば、それほど知能は高くないので、罠などで身動きを封じ込めた後に急所を狙うのがいいだろう。)(なるほどなるほど…)」
ティカルは、ふんふんと頷きながら、続きを読んで行った。
「だが、時稀に知能が高い個体がおり、しかけた罠が見破られてしまう為、そうなった場合は一目散に逃げた方が良いだろう。弱点属性は氷と雷、食性は雑食…)(これだけか…)」
この本には、これ以上の情報は載っていない為、ティカルは少し残念と思いながら本を閉じ、再びジャンプしながら元の位置に本を返した。
「とりあえず一旦ソウルの所に戻ろうかな?まだ時間があるなら別の事も調べたいし…」
ティカルはそう呟いた後、ソウルの所に戻って行った。
「マスター、検索結果が出ました。この部屋の一番下にあるようです」
「一番下?結構あるな…」
ソウルは、少し前に進んだ後、落ちない様に設置されている柵から下を覗き込むと、50mはありそうな程の深さがあった。
「渋谷10Qの建物が丸々入る位です」
「飛んでは…いけないよな?」
「飛行禁止エリアな為、ジャバワークは出せません」
「そうか…」
ソウルは、マギアの言葉の聞いてうんざりしていると、そこにアップルとマナリア、ティカルがソウルの所に戻って来た。
「ソウルさん場所が分かりましたか?」
「一番下だと…」
「この部屋…深い!」
一番下と聞いたティカルは、わざと遅くおっとりとしたような言い方で行った。
「地道に行くしかないわね」
「そうだな…」
アップルの言葉に頷いたソウルは、仲間達と共に一番下へと向かって行った。
今回はマナリアとアップル、ティカルの話になります。一話で終わらせるのはなんだかな~?と思った為です!
ネクロときいたらマーカーですね! デッドな宇宙のえげつないアレです。おっと気になって検索するなら自己責任です!
「必勝邪見」 最初からグーチョキパーの一つを作って置き、じゃん、けーと言った時に相手の手が動いたら違う手に変える…と言う設定を考えてみましたが、どうだろうか?
鳳凰胤流長巻抜刀術は火の塔にいたエンペラーフェニックスが人型状態で使って来た技です。
禁忌書室には禁忌認定された本だけではなく、希少過ぎる本や巻物等が収められてます。
ティカルがおっき(い)するフラグが立ちました。
総一郎達の世界では10Q
禁忌書室をゲームで例えるなら、一室を使ったギミック構造で、通路のいたる所に行き止まりがあったり上や下に行きながら最下層を目指して行くめんどくさい奴です。
この川…じゃなくて部屋…深い!
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