禁書庫侵入 3
お楽しみください!!
次回更新は11月24日 0時です!
「この階も暗いな…この階層も止まっているのか?」
ソウル達が、地下3階に辿り着いたが、やはりこの階も魔法明石のみの明かりしか無く、暗い通路だった。マギアは、ソウルの発言を確かめるべく左手を前に翳して集音し始め、その結果をソウル達に伝えた。
「止まっていますね…ですが、物音は聞こえて来ますので人はいると思われます」
「例のプレイヤーか?」
「可能性は大きいです」
「ねぇ?ソウル?もしそいつらと出会ったらどうするの?」
アップルが、少し首を傾けながら聞いてくると、ソウルはスリープショットを顔の位置まで持ち上げて答えた。
「とりあえず出会ったら全員が持っているスリープショットを向けて動きを止めた後、会話してみようと思う」
「え?最初から会話じゃダメなの?威嚇から始めるの?」
最初から、武器を向けて事に当たろうとするソウルに、アップルは呆れながら言うと、ソウルは少し困った表情をしながらアップルの問いを返した。
「それでもいいんだけど、上の階で警備員を殺っちまってるからな…危険な思想を持つプレイヤーかも知れないし警戒は必要だ…」
「マスター?彼の警備員は生きてますよ?」
「それはそうかもしれないけど…殺したからと言って最初から武器向けてたら話が拗れなそうじゃない?」
「アップルさん?彼は生きてま…いえ、もういいです…」
「そこは~ほら流れと言うか…あ!そうそう「私にいい考えがある」と言う奴だ!」
ソウルは、最初言葉を濁す様に言ったが、とある司令官の言葉を思い出して自信たっぷりに言うと、仲間達は苦笑いしながら呆れた。
「失敗する未来しか見えないわね…」
「ソウルのその出たとこ勝負嫌いじゃないよ?」
「それでも何とかしちゃうソウルさんはすごいと思いますよ?」
「失敗する名詞みたいになっているけど、成功率は高いんだぞ?なんと100%だ」
「そうですね。ですがマスター?先ほど調べて見た所、マスターが仰った様にwikiには全5回中全て成功させていると書いてありますが、違う作品では失敗する事が多いので一概にはそうと言えませんね?」
「…っく…あやふやな事がバレてしまったではないか!…はぁ…それでもやるしかない。行こう」
ソウルは、表情を曇らせながら先に進んで行くと、仲間達は笑いながらソウルの後を追って行った。
「[止まれ]」
ソウルは、チャット文と左手で仲間達を止めた後、スリープショットをいつでも撃てるように構えると、それを察した仲間達は一気に気を引き締め、緊張した面持ちでスリープショットを手に取った。
「警備員も全員ふん縛ったし、カードキーもようやく2枚目だ」
「不測の事態はあったけど何とかここまで来れたね」
「まさかあんな所から飛び掛かって来るなんて思いもよらなかったわぁ…」
ソウル達が立ち止まった場所から、一つ先にある部屋の中からプレイヤーと思わしき人物達が会話しながら出てきた。
「[皆、音を立てずにゆっくりと近づくぞ]」
ソウルは、チャットにその文を書いた後、仲間達に視線向けた。そして仲間達もソウルに目を合わせて頷き、部屋から出て来たプレイヤー達にゆっくりと忍び寄って行った。
「んじゃま、次の階にいきますかね~」
「こんばんわ!」
プレイヤー達のリーダーだと思われる青髪で剣士風の男に、ソウルは爽やかに元気よく声を掛けた。
「あ、こんばんわ~…え?」
「きゃ!」
「うわ!びっくりし…なんだお前なんだ!?」
「貴方達と同じ侵入者です!初めまして!」
突然のソウルの声に、プレイヤー達は心底驚いた後、自身達が持っている武器をソウル達に向けた。
「(あれは…暗器か?すごいな‥‥忍び鎖鎌に鉄扇や手甲鉤か…)まぁまぁそんな慌てずに私の…」
ソウルは、プレイヤー達が持っている武器を見て感心した後、話を続けようとしたが、更に部屋の中から出て来たプレイヤーの一人に、目を大きくさせて言葉を詰まらせた。
「え?ブ…ブ〇リー?」
「激おこ時の〇ロリーだね!」
「肌の色だけ違うので2Pカラーと言う奴ですね!」
「わぁブロ〇ーだぁ」
「まごう事なき〇ロリーね!」
ソウルが驚き、言葉を詰まらせるほど驚いたプレイヤーの姿は、肌の色だけ違う某有名漫画の映画版にだけ出て来る伝説の戦士にすごく似ている姿だった。
「オレが〇ロリー?…違う、オレはリフラーだぁぁぁ!」
リフラーと名乗ったプレイヤーは、氣を放出する様なポーズで否定すると、ますますその姿がブロ〇ーに酷似しており、ソウル達は「もう本人じゃねぇか(ないの)…」と心の中で思った。
「ほら、やっぱりお前ブ〇リーって言われるじゃないか!」
「そうねぇ~名前もカリフラワーから来ているみたいだし、もう本人だって言っても問題ないわよね?」
「違うぅぅ…オレはリフラーだ!」
「なんで頑なに否定しているか…コレガワカラナイ…」
リフラーは仲間達からも指摘されたが、頑なに否定した。
「あ~っと…話を戻してもいいですか?」
「ん?ああ、どうぞ」
ソウルは、リフラーをチラチラ見ながら青髪の剣士に話しかけると、青髪の剣士もソウルに同意して頷いた。
「俺達も禁書庫~じゃなくて禁忌書室?に用があるので一緒に行きませんか?」
「はぁ?なんでだ?用があるなら勝手に行けばいいじゃないか?」
「そうですね。ですがそうすると俺達のPTと貴方達PTで戦う事になってしまうのでそれは避けたいのですよ」
「ハッ!別に俺らは戦ってもいいんだぞ?負ける気はしないし…第一あれだろ?あんたら街で騒ぎを起こした人達だろ?そのせいで何日もかけて計画していた事が大きく変わっちまったんだ。恨みこそあれ一緒に行く道理は無いね!」
青髪の剣士は、値踏みする様にソウル達の装備を見て笑った。
「それは申し訳ないと思っています…ですが、それでいいのですか?見た所~貴方達は今持っている武器は慣れてないのではありませんか?それに戦ったとしても全員無事に生き残れるとお思いですか?俺達もそこそこ修羅場を超えて来ているので、2人は確実に取れる自信はありますよ?もしその2人のどっちかがフラグ持ちだった場合、また最初からやり直しになりますね?そんな時間はありますか?また、最初からやり直したとしても、今回みたいな事が起こらないと言う保証はどこにもないんですよ?それでもやりますか?」
ソウルは真っ直ぐに青髪の剣士の目を見て言うと、その青髪の剣士は頭を掻いた後に口を開いた。
「…ッチ…あー…分かった。一緒にいこうじゃねぇか……だがしかし!禁忌書室に入るまでだ!その後は知らねぇからな?」
「ええ、それで結構ですよ?あ…申し遅れました。俺の名前はソウルと言います。この浮かぶ球体は俺の相棒のマギアと言います」
「シャーデンだ」
「獣人種族のマキよ」
「エルフ種族のスターライトです。短い付き合いですがよろしくお願いします」
「リフラーデス…」
アップル達も自分の名前を言って自己紹介した後、シャーデン達と共に奥へと進んで行ったが、その道中でソウルとリフラーが横に並ぶ時があり、ソウルはリフラーの顔をまじまじと見つめながら歩いていた。
「何か?」
「なんで〇ロリーしてんの?」
「ブロ〇ーじゃない!リフラーだよ!」
「シーシー!そんな大声出したら下の警備員が来ちゃいますよ!」
などとふざけながらソウル達は進んで行き、地下4階へ行ける扉に辿り着くと、リフラーがその扉を力任せにこじ開けた後、その行為にソウル達は驚きながら階段を降りて行った。
「この階の奥が禁忌書室だ」
禁忌書室がある地下4階に辿り着くと、シャーデンが通路の奥を指差しながら言った。
「あの大きな鉄製の扉の先が禁忌書室ですね」
地下4階は1~3階とは違って、蛍光灯に照らされた様に明るく、最奥まで見通す事ができる程だった。更には通路のあちこちに、木箱や綺麗に山済みされた本があり、身を隠すのに丁度いい高さがあった。
「通路に本があるという事はここには罠が無いのですか?」
「いや、ありゃあ全部罠だ。あれは幻惑魔法の類で、そこの物陰に隠れても反対側から透けて見えてしまう物だったり、発光や音を出して隠れている事を知らせる物だ」
「安心感を利用した罠という訳ですね…それでどう進むのですか?」
「少し待ってろ」
シャーデンは、半透明なキーボードで何かの文を打ちはじめた。
「あんたら暗闇でも見える何かは持ってるか?」
「ええ、ありますよ」
「じゃあ今から20秒以内にそれを付けてくれ」
「あ、もう身に着けているので大丈夫です」
「その仮面かなんかか?…まぁいいか…暗くなったら一気に警備員を制圧するから協力してくれ」
「分かりました」
シャーデンの言葉に、ソウルは頷いた後スリープショットを準備するよう仲間達に視線を送った。
「6…5…4…3…2…1…行くぞ」
シャーデンがカウント数え、0になった時、通路が真っ暗になり、シャーデンのPTとソウルのPTは駆け足で前に動き出した。そして突然暗くなった事に、この階の警備員達は驚き、状況を確かめようと次々と通路に出て来た。
「何が起こった!?」
「分かりません!急に暗く…うぅん…」
「おい!どうし…アウゥン…」
「なんだ!何が起こって…ウッ!」
「な!なんだ!この巨…ゴフゥ…」
「し!…侵入しゃ…ドゥフ…」
シャーデン達は、持っている武器で警備員を気絶させて行き、ソウル達はスリープショットで狙いを付けて眠らせて行くと、物の数秒で制圧する事に成功した。
「マキ?他に敵は居るか?」
「ちょっと待って‥‥う~ん音は聞こえないからこれで全員かも」
シャーデンがマキに尋ねると、マキはスキルと獣耳を動かして、他にいる警備員が居ないか確かめた。
「(あれってちゃんと機能してるんだ…ただの飾りかと思ってた…)」
「何?」
「あ、いや、その耳飾りかと思って行ったのでちゃんと機能している事に驚いたのです」
「あ~他のゲームだとそうだけどこのゲームだとちゃんと使える耳よ?ほら、交互に動かせるし」
「わぁ…すごい動いてる」
マキが獣耳を交互に前後に動かすと、ソウルは余りの感動に素の感想を口にした。
「おい!そこ!遊んでないで行くぞ!」
「あ、ごめーん!」
「申し訳ない」
ソウルとマキは、謝罪の言葉を述べた後、仲間達がいる禁忌書室の扉の前に向かった。
図書館を供給しているジェネレーターについて「潜入経路」で追記があります。
イボンコ!ペッタンコ!イェイ!
シリアスが始まると思った?残念!まだギャグパートでした!
いる訳…いたぁぁぁ!
ブロ〇ーの身長を調べて見たら3mあるという事でした。比較として、見かけなくなった電話ボックの高さは2m26cm、コンビニの自動ドアが2mくらい、バスケットゴールの高さが3.05mです。
その3mの巨体が超高速で動いて来たりするんですね~怖いですね~
リフラーはスキル「パンプアップ」を使って巨大化しています。
マキは貴方のお好きなケモミミでお楽しみください。
シャーデン達が持っている武器は、カテゴリー「暗器」になり暗殺者系ジョブのみ作ることが出来ます。また「暗器」は街で自由に抜くことが出来ます。
忍び鎖鎌、鉄扇、手甲鉤は気絶属性が付いています。発動確率は70%です。
リフラーは無手です。
ようやく禁忌書室に辿り着いたソウル達は、はたして無事に原本を見つけられるのだろうか?
次回 Ⅹ00Ⅹ話! 「見つからない!」 熱き血潮にロマンの嵐!
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