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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
カドゥケウス
179/329

禁書庫侵入 2

お楽しみください!


次回更新は11月17日、0時更新です!

「[妙に暗いな…]」


「[この通路には魔法明石(めいせき)による明かりしかないのでそのせいですね]」


「[魔法明石?]」


「[魔力を一定値まで込めると光る石の事です]」


「[バッテリーの役割と発光の役割を持つ石か…何かに使えそうだな?]」


「[そうですね。ですが、製作コストが異常に高く加工も難しいのでお薦めは出来ませんが…]」


 ソウル達が、図書館の階段を降りて行くと、一定間隔に明かりがある薄暗い通路に辿り着いた。その通路は、一定間隔で明かりがあるとは言っても、一部分の床を照らしているだけで、奥まで見回すことが出来ない位暗かった。


「[こういう通路ってよくホラーとかである奴ね!]」


 アップルが、通路の感想をチャット欄に書くと、その文を読んだソウルが顔御顰めた。


「[勘弁してくれ…]」


「[でもほら、数m先の明かりがそれっぽく明滅してるじゃない?これは…「…いる!」わね!]」


「[それ僕がこのゲームやる前にやってたよ]」


「[おい!いいから進むぞ!]」


 ティカルとアップルの二人が、ホラーゲームの話で盛り上がりそうになると、ソウルは慌ててチャットに書き込み、通路を進んで行った。


「[あれ?ソウル怒った?]」


「[怒ってない]」


「[ごめんなさいね?ちょっと調子に乗ったわ!だからほら?もう怒らないで?]」


「[だから怒ってないって!]」


 先へと進んで行ったソウルを怒らせたと思ったアップルが、謝罪の文をチャットに書くと、ソウルは怒ってないとチャットに書いて後ろに振り返った。


「[あ…]」


「[怒ってはないけど怯えてますね…]」


「[相変わらず怖いの苦手なんだね]」


 三人の目に映ったのは、青い顔をしながら涙目になり、口を固く結んでいる表情で、全身が小刻みに震えているソウルの姿だった。


「[なんかごめんね?](涙目でこっち見ないで…ドキドキしちゃう…)」


「[ああ、目が「早く行こう」って言っていますね!急ぎましょう!](スクショ撮っておこう…)」


「[行こう行こう](プヒュー!おもしろい!)」


「(きっと皆さん心の中で別な事考えていますね…間違いない!)」


 マギアは三人を態度を観察して、確信めいた事を考えながら、進み出したの全員の後を追って行った。








「(おかしいな…)」


 足音を立てない様に、慎重に進んでいたソウルだったが違和感を感じ、左手で停止のハンドサインをして仲間達を止めた。


「[ソウル?どうしたの?]」


「[この通路に人がいる気配が無い…あ、いや感じ取れるって言う意味ではなく物音一つ聞こえてこないんだ…]


「[そういえばそうだね?]」


「[それって普通の事ではないのですか?]」


「[いや、ここの通路は床、壁、天井に至るまで全て石作りだからここまで静かなはずがないんだ…マギア?何か機械の動作音とか聞こえるか?]」


「[集音してみます。しばらくお待ちください]」


 マギアは、自身の前にウィンドウを出した後、左手を前にかざしてゆっくりと右から左、左から右へと動かした。


「大変ですマスター!何の動作音も聞こえません!どうやら停止しているようです!」


「くそ!先を越された!急ぐぞ!」


 マギアの言葉を、チャットではなく言葉で聞いたソウルは走り出し、アップル達も後を追った。


「先を越されたって例のプレイヤー?」


「ああ、まさかそいつらの決行日が今日だったとわ…急いで正解だったな…」


「そいつらは何時入ったのかな?」


「分からないが明るいうちにはやらないと思う…やるとしたら日が落ちてからだな」


「う~じゃあ2時間か3時間前かな?」


「多分そうだろう」


「見えました!あそこから地下2階に行けます!」


 マギアの声に、ソウル達は視線を奥に向けると、横にスライドして開閉する鉄製の扉が見えた。


「…なんだ?あのへこみは?」


 ソウル達が、地下2階へ行ける階段に到着すると、そこにある鉄製の扉に大きな力で無理やり開けた様な痕跡があった。


「人の手で開けた様なへこみしてるね?」


「確かに人の手で開けた様な形をしているな?…でも可能なのか?」


「不可能ではありませんが、かなりのSTR値が必要になります」


「私の身長より高い位置にありますけど…これをやった人はどの位大きい人なんでしょう?」


「きっと身の丈3mの化物みたいな奴だと思うよ?」


「はぇ~…そんなプレイヤーもいるんですね~」


「おい、マナリア…真に受けるな。ティカルの冗談だ」


「えぇ!?」


 ソウルの言葉に、マナリアは驚いた後にティカルを見ると、ティカルはあざとく舌を出して片目をつぶっていた。


「っく…騙されてしまいました…期待してたのに…」


 その言葉と共に、マナリアは両手を床についてガックリと項垂(うなだ)れた。


「落ち込んでいる所すまないが先に進もう」


「急ぐんでしたね…行きましょう」


 マナリアは立ち上がって気を取り直し、ソウル達と一緒に地下二階へ降りて行った。








「地下2階はどうだ?」


「警備システムは止まっていますが何かの音が聞こえます…」


「どういう事だ?」


 地下2階へ降りた時、ソウルはマギアに何か音が聞こえるか調べてくれと言うと、マギアは先程やったように集音機能を使って調べた。そしてその結果、動作音は聞こえなかったが、何かの音がすると伝えると、その答えにソウルは怪訝な顔をして悩み始めた。


「悩んでも分からないし、進んだ方がいいんじゃ?」


「そうだな、ここからは静かに行こう」


 ソウルの言葉に仲間達は頷き、音を立てない様に進んでいった。


「[皆さん止まってください。この部屋から音が聞こえました]」


「[さっきの何かの音って奴か?皆スリープショットを持ってくれ。少し調べる]」


 ソウル達が通路を進んでいると、突然マギアが左側の部屋の前で立ち止まり、全員の足を止める様にチャット欄に書き込んだ。マギアが止めた理由を知ったソウルは、全員に銃を持たせた後、音が鳴らない様にゆっくりと扉を開いた。


「(鉄の臭い…まさかこれは!)」


 扉を開けた時、鉄の様な臭いが鼻に付き、ソウルはまさかと思い一気に部屋の中に入って行くと、そこには粗い呼吸で血まみれの警備員が一人倒れていた。


「マギア!」


「お任せください。それとマナリアさん回復魔法は使えますか?」


「初級の回復なら使えます!」


「では回復魔法を使い続けてください。処置は私がしますので」


「分かりました」


「頼んだぞ。残りの俺達は周辺警戒だ」


「分かったわ。マナリア頑張ってね」


「頑張ります!」


「あーソウル?これを見て欲しいんだけど…」


 部屋の奥に進んで行ったティカルが、困った表情でソウルを呼ぶと、呼ばれた理由が解ったソウルは目を大きくさせて驚いた。


「んー!」


「ん゛ん゛ー」


「んー!んー!」


「(うわぁ…数人のおっさん達が猿ぐつわされて縛られながら顔から色々垂れ流してる…)」


「この人達どうする?」


「放置で」


「んー!」


 ソウルが放置と言うと、おっさん達は騒ぎだし、睨み殺してやると言うような目つきで、ソウルを見つめた。


「何か言いたい事あるのかな?」


「じゃあ、一人だけ喋れるようにしよう」


 ソウルは適当に、近くに居た警備員の口にある紐をほどいた。


「てめぇら何なんだ!何であいつをやりやがった!なんでだよ!くそ!ほどきやがれ!ぶっ殺し…」


 ソウルは、がなり立てる警備員にスリープショットを撃って眠らせた。


「んー!」


「安心してください、ただ眠らせただけです。さて、皆さん?俺と落ち着いて会話したい人はいますか?」


 ソウルの言葉に、警備員達は暫く沈黙していたが、深呼吸した後に声を出す警備員が一人いた。


「貴方ですね。では、会話しましょう。ああ、先程の男性と同じように騒いだら全員眠らせるのでそのつもりで」


 警備員はソウルの目を見ながら深く頷き、ソウルはその警備員の猿ぐつわを外した。


「お前らは何者だ?」


「貴方達を襲った奴らとは別の侵入者の一人Sです。こんばんわ!」


「ふざけ!…スゥーハァ…すまない。何をしに来たんだ?」


「ここに来る理由は一つしかありませんね?」


「禁忌書室が理由か…お前ら本気か?」


「ええ、本気ですよ。ただまぁ今回は誰にも知られず誰も殺さず入る予定だったのですが、先に入った奴らがやらかしやがったので、計画はめちゃくちゃになってしまいましたが…」


 ソウルは、後ろで治療中の警備員に視線を一瞬だけ向けて言うと、警備員はその姿を見ながら先程より低い声でソウルに尋ねて来た。


「ホズルーは無事か?」


「マギア?どうだ?」


「問題ありません。この方は助かりますよ」


 マギアの言葉に、警備員達は安堵の息を吐いたが、猿ぐつわを外した警備員だけが泣いて喜んだ。


「良かった…良かった…」


「貴方とホズルーさんとはどんな関係で?」


「俺の妹の旦那だ…最近結婚したばかりで‥‥グズッ…未亡人になる所だった…」


「そうでしたか…(…そう言えば情報収集の時に新婚の女性がいたな…あの女性が言っていた旦那さんは彼か?)」


 ソウルは、治療されている男性を見ながら頭の中で考えていると、処置が済んだのか、マナリアが回復魔法を掛けるのを止め、マギアがソウルに視線を向けて来た。


「処置が完了しました、傷口も残らず朝には全快するでしょう。あ、それとおまけでですが胃に悪性腫瘍があった為、それもチュチュっと吸い出して治療しておきました」


「お?それはばっちりだな!まさに「パーフェクトだマギアー」だな!」


「感謝の極み!アァァァ!」


「ちょっと!それは止めてって前に言ったわよね!?」


「勘弁してくださいよ!マギアさん!」


「怒られてしまいました…何故?」


 アップルとマナリアの二人が、マギアを叱る様に言ったが、その意味を理解できないと言うようにわざとらしく球体の体を傾けた。


「さて、彼も助けたましたし、そろそろ行きますね」


「ま!まて!まだ言いた‥‥」


 ソウルは、警備員の言葉を最後まで聞かずにスリープショットを発砲すると、ティカルもソウルと同じように発砲して行き、次々と警備員を眠らせて行った。


「そういえば思いっきり名前言っちゃったけど…まずいんじゃない?」


「問題ない。ここに入る前にカメラに映っても認識阻害されるって言ったな?あれは人間にも効果あるから、「マギア」と言っても認識されないし、俺達の顔もモザイクされて脳に記憶されるだろうよ」


「えっと~つまりバ〇ーさんの「目を盗みやがったな!」状態になるっていう事?」


「う~ん…似ているけど違う…けど…あー…説明すんの面倒だからそういう事だと言っておこう」


「ふ~んそうなんだ。多分説明されても理解できないから説明しなくていいよ?」


「そっちが話振って来たのに…貴公…」


 警備員を全員眠らせた後、ティカルがマギアの名前を言った事に不安を感じ、ソウルに大丈夫かと聞いて来たが、マスクの認識阻害で大丈夫だと言った。そしてその認識阻害の事を例えで聞いたティカルだったが、説明が面倒だとソウルが言い、ティカル自身も説明されても理解できないと思い、その事をソウルにそのまま伝えると、ソウルは理不尽だと言いたげな表情をしながら、冗談の混じった言葉で返した。


「マスター先を急ぎましょう。ホズルーさんの容体を見るからに数分前に事が起こったと思うので、急いで進めば先に潜入したプレイヤー達に追いつけるかもしれません」


「なら急ぐか」


 マギアの言葉に、ソウル達は頷き合うと、地下3階に向けて進んで行った。

魔法明石は、魔力持ちの警備員が一個ずつ魔力を込めている為、設備のエネルギーが断たれても問題なく使えます。


怒ってないよ?怯えているだけ。


身の丈3mの化物みたいな奴なんかいる訳ねーだろいい加減に(ry


マナリアは、SPを振り直す事ができる課金アイテムを使って、盾スキルと槍スキルを中心にSPを振った為、回復魔法が初級しか使えなくなっています。課金アイテムの価格は1000円(税別)です。


ホズルーさんはマギアのナノ、ピコマシンで全快しました。マナリアの回復魔法で手術痕も残りません。


きっと警備員達が事情聴取されるときは、例のマークが描かれるかも?カモ?


モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!


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誤字脱字報告 オキガルニ!

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