禁書庫潜入
お楽しみください!
次回更新は11月10日 0時です!
段々と寒くなってきました。お体にお気を付けてお読みください。
22/11/07 サブタイトルを侵入から潜入に変えました。侵入は無理やり、潜入は秘かにだった為。
「これで大体できたな」
「休憩なさいますか?」
「ああ、2時間しかないが風呂と飯済ませて来る。後の調整は任せていいか?」
「了解しました。行ってらっしゃいませ」
競売所で素材を購入した後、ホテルに戻って来たソウル達は、侵入の為の道具を製作して細かな調整を残すだけになると、その調整をマギアに頼み、ソウルはログアウトボタンを押して、現実世界に帰っていた。
「黒之巣〇の白髪イケメンは何かありそう…ってあれ?皆は?」
「ご休憩なされています」
「あ、そうなんだ。ん?それ何?」
ゲームに夢中になっていたジンジャーが一息つき、マギアに視線を向けると、マギアが作業している物に興味が湧き、近づいて見る事にした。
「これは銃なの?」
「そうです…が、詳しく言うならおもちゃの銃ですね」
「え?玩具?」
「はい玩具です」
「なんで玩具?そんなんで大丈夫なの?」
「まだ試していないのではっきりと大丈夫だとは言えませんが、成功する確率は高いと思われます」
「ふーんそうなんだ…」
「あ」
ジンジャーは、机の上に置かれていた4丁の銃の1つを持つと、アタッチメントとして着けられていた、照準器のダイヤルやレーザーポインター等を弄り出してしまった。
「ジンジャーさん!何をしているのですか!?触らないでください!折角調整したのにやり直さないといけなくなったではありませんか!?」
「あーそうなの?ごめんごめん」
「いや、ですから弄らないでください」
「えー?でもかっこいいよ?これ?」
「理輔になっておりません。放してください」
「このポーズかっこよくない?」
マギアが、言葉で制止しても一向に弄るのを止めず、更にはポーズを取り始めたジンジャーに、マギアは暫く黙って見ていたが、突然右手を機関銃に換装してジンジャーに銃口を向けた。
「今すぐ、銃を、元の位置に、戻してください」
「どう?このポーズ?」
マギアの言葉を無視して、ポーズの感想を求めたジンジャーに、マギアはジンジャーの頬をギリギリ掠める一発を発砲した。
「ひゃ!」
「これが最後通告です。今すぐその銃を元の位置に戻してください」
「あ…ハイ…ゴメンサイ…」
マギアに言われた通り、ゆっくりと机の上に銃を戻したジンジャーは、ベッドに戻ろうとしたが、マギアはそれを制止した。
「ハッハッハ!どこへ行こうと言うのかね?」
「えぇ?急に男性の声が!?」
「貴女には一度みっちりと説教をします。そこで正座してください」
「え?いや、だからごめんな…」
ジンジャーの口答えに、マギアは数発の発砲で答えた。
「そこに正座です」
「はい…」
ジンジャーが、そのまま床に正座したのを確認したマギアは、両手だけを遠隔操作で後ろに飛ばした後、調整途中だった道具の調整を再開した。
「良いですか!貴女ははまず…」
「(こんな事なら調子に乗るんじゃなかった…とほほ…)」
マギアが、両手だけを後ろに飛ばして作業している姿と、その姿のマギアに大の大人のジンジャーが、正座して説教されているという変な絵面が出来上がり、その説教はソウルが帰って来るまで続いた。
「ただいま~」
「お帰りなさいませ」
「お帰りですソウルさん」
「お帰り~」
「お帰り、もうみんな集まってるわよ?」
「そうか、残り20分で道具の説明をしよう。マギア、出来ているか?」
「はい、各種調整は済んでおります」
「ありがとう。じゃあ皆、机の上にある銃を一つ持ってくれ」
ソウルに言われた通り、アップル達は机の上に置かれてあった銃を手に取った。
「これは…銃ですか?えっと…確か名前は~デンジャーでしたっけ?」
「おしい、デリンジャーだ」
「え?デリンジャーってもっと小さくなかった?ほら、よく映画で女スパイが隠し持ってて掌くらいの奴…」
アップルが持っている銃は、装填数2発のダブルデリンジャーの形をしているが、隠し持てるというサイズではなく、普通の拳銃の大きさと言って良いほどだった。
「空気ボンベが予想より…あ、何でもない。それよりも説明するぞ。その銃の名前は「スリープショット」といってカテゴリーは「玩具」の空気銃だ。本来の銃なら2発装填できる奴なんだが、下の装填箇所をレーザーポインターと空気ボンベに変更した為、装填数1発になってしまったが、空気銃だから消音性も高いし、スライドをする必要も無いから、撃鉄を起こす時に出る音も限りなく小さい。計算上での有効射程は20~40mだ」
「ちょっとしたエアガンなんだね?」
「ああ、実銃ではなく「玩具」のカテゴリーだから皆も使えるはずだし、その銃の弾は睡眠弾を発射するから、ダメージを与える事も無い」
「弾はBB弾より少し大きいですね?」
マナリアが、机の上に置いてあった紫色の丸い弾を持つと、ソウルは慌てて忠告した。
「おっと!ある一定以上の力が加わると粉末状になって広がるから取扱いには気を付けてくれ」
「分かりました」
「じゃあ、次はこのマスクとマントを説明する」
次にソウルは、机の上に置いてある目の穴も鼻の穴も開いていない白いお面を手に取った。
「といっても実際使ってみた方が早いだろう」
ソウルは、白いお面を顔に付けてマントを羽織ると、お面がスライムの様なゼリー状になって顔を覆い出し、白い狐のお面の形になった後、羽織っていたマントが、周囲にある家具の色と同化する様に変わって行った。
「最初は分かりやすく白い狐のお面にしたけど、本来ならマントと連動して周囲の色と同化する色合いになる。マスクの形も自分の意志次第で変更可能だ。それで~マントは周囲の色と同化する機能だけだけど、マスクには監視カメラ等の感知エリアを視覚化して見る事が出来たり、壁や床に埋め込まれている動力の線…というか、その中を流れているエネルギーの流れを見てトラップ等が何処にあるのか調べたりできる機能がある」
「このマスクってどんな形にもなるの?」
「ああ、装着してイメージすればその通りの形になる」
「どれどれ…」
「わ!あの人にそっくりですね!…えーっと…あー名前が出てこない…あの有名な人型兵器アニメのWで全てのMSの原型になった機体に乗っている~あの~…」
「ゼク〇よ!」
「そう!その人です!でも何で〇クスなの?」
「パッと思いついたのがゼ〇スだったからよ!特に意味はないわ!」
「なるほど。じゃあ私は赤い彗星さんの偽物さんのマスクをやってみますね!」
アップルとマナリアの二人が、マスクを色々な形にして遊び始めると、その様子を見ていたソウルが、言い忘れていた事を思い出して口を開いた。
「あ、それともし監視カメラに映っても顔の辺りがモザイク処理される様に認識阻害の機能もあるから、侵入中は外さない様にな」
「分かりました」
「分かったわ」
「あいよ~…ねぇねぇ見て見てソウル~」
ティカルに呼ばれたソウルは、二人から視線をティカルに向けると、ティカルの顔に有名忍者漫画に出て来る渦巻き仮面が着けられていた。
「それは~…お約束と言う奴か?」
「からの~!」
「おい!まったく忍ぶ気の無いゲルマン忍者は止めろ!」
「じゃあ最後に忍者つながりで~」
「…おい…もう赤い影さんなんてほとんど知っている人いないぞ?昭和ヒーローだし」
「えぇ!?嘘でしょ!月光な仮面さんや七色な仮面さんやマグマな大使もご存じなくなったという事!?」
「うん。今の人には分からないね。名前も言っても「え?何それ?」とか「ん?誰?」とか言われるな」
「そんな…ばかな…」
「いや、お前わざと昭和ヒーローの名前出したろ?って!ああ、もうグダグダやっている内に時間になった!行くぞ!」
わざとらしく気落ちしたティカルを放って置き、ソウル達は準備された物を身に着けてホテルを出発した。
「よし、始めよう」
空は完全に暗くなり、通りにも人の姿も見えなくなった道を駆け足で進んで行ったソウル達は、図書館の入り口に辿り着くと、ソウルが全員の顔を視界に入れながら言った。そして仲間達は、言葉ではなく頷きで答えると、ソウルは視線をマギアに向けた。
「マギア、入り口の鍵を開錠してくれ」
「了解しました。1分ください」
ソウルに頷いたマギアは、両手から開錠道具を展開させた後、図書館の開錠に取り掛かった。
「ここから先は声を出さずにチャットで会話を頼む」
「[分かったわ]」
「[分かりましたー]」
「[ういー]」
アップル達が、チャットで返事をしたの確認したソウルは、頷いた後にマギアに視線を向け、扉の鍵が開錠されるのを待った。
「[開きました]」
「[行こう]」
ソウル達は、音を立てない様にゆっくりと図書館の中に入って行き、禁書庫へと通ずる階段を降りて行った。
ソウルが試したい事とは、つまり玩具の銃なら行けるんじゃないか?という事です。身に着けるだけでしっかりと装備されていない物になってしまいますが…
それと補足ですが、武器等しっかりと装備欄で装備された物は、手をぺチンとされても武器を落とすことはないですが、装備されていない物は、「持っているだけ」と言う判定なので、ぺチンとされると簡単に落としてしまいます。マスク然りマント然りです。
ティカルの場合、種族特性で武器や防具を装備出来ない事になっていますが、「身に着ける」なら問題ないです。ですが攻撃されたら簡単に落としたり壊れたりします。
武器や防具をしっかり装備しないと~と言うのはこういう意味があったからですね!
マギア、キレる!
説教は、的確に心を付いて抉って来るタイプです。怒らせないようにしましょう。
なぜデリンジャーなのか…それは潜入といったらデリンジャーだろと思ったからです!大型化してしまいましたが…
マントとマスクは、M〇S4のオクトカムみたいなものです。
分からないと言う人は、〇GS4をプレイしてみましょう!
Q,何故ゼクスの仮面なのか?
A,作者がガンダムアニメを見ていたから。
今時の若い人で、昭和ヒーローが好きって言う人はいるのでしょうか?
書く言う私も名前しか知らなかったりします。
図書館に潜入したソウル達は、果たして秘密裏に禁書庫に辿り着くことが出来るのか? 次回X000話 「警報作動!」 熱き闘志にチャージIN!
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