潜入経路
今回は物語の都合上少し短いです!3ページ分…
次回更新は11月3日 0時です!
22/11/15 施設のエネルギーについての話を追加しました。17日更新の話を作っている最中に「説明してないやん!」と思った為。
11/16 サブタイトルを侵入経路から潜入経路に変更しました。
「俺達以外にも禁書庫に入ろうとしているプレイヤーが居るかもしれない…」
「あーそれはあるかもね?MMOのゲームだし」
「そうね?でも何が問題なの?」
ソウルの言いたい事が分からず、ティカルとアップルが頭の上に疑問符を出しながら言うと、ソウルは視線を見取り図に向けながら話を続けた。
「問題はそれがいつかという事だ」
「何時って…あ!」
「確かに分かりませんね…」
「それが今夜なのか明日なのかは分からないが、俺達は急がないと行けなくなった…」
ソウルの言いたい事が分かり、仲間達は眉を曇らせた。
「それでどうするのよ?」
「…今夜決行しようと思う」
「えぇ!?今夜!?マジで!?」
「ああ、今夜だ。チャンスは一度…これを逃してしまうと再チャレンジは数か月後、更には強化された警備の中で行く事になってしまうからな」
「それは…困るわね…でも大丈夫かしら?今の私達って情報を集めただけで何の準備も出来てないのだけど…」
アップルが不安を口にしながらソウルに向かって言うと、眉間に皺を寄せたソウルの顔が真剣な顔へと変わった。
「やるしかない…皆、今からPTを一度解散するからリアルでの休息を取って来てくれ。再集合時間は21:00だ。それと注意してほしい事が一つあるのだが、さっき言った集合時間を5分以上遅れた場合は不参加と見なすから気を付けてくれ」
「わかったわ。じゃあ一度落ちるわね」
「分かりました。私も落ちてきます!」
「あいよ~…あれ?ソウルはどうするの?」
「俺は少し後に落ちるよ」
「…無茶はしない様に」
「もちろんです。プロですから」
ソウルは、三人が完全にログアウトしたのを確認した後に、急いでマギアに視線を向けた。
「ど…どうしよう?マギエモン!急すぎてなんも思いつかないよ!?それに潜入任務なんかこれまでの人生で4回しかやった事ないよ!」
「え?4回もあったの…いえ、マスターは特殊な人生をお歩みしているのでなんら不思議ではないですね」
「ん?今なんか含みのある事言ったか?」
「いえ、気のせいですよ?…では、集めた情報を元に作戦を組み立てて見ましょう」
「頼む(気のせいか…)」
ソウルは、マギアの言葉を聞いて心に疑問符を浮かべたが、気のせいかと思いそのままマギアの声に耳を傾けた。
「まず最初に侵入経路を決めましょう。この見取り図によりますと地下に行く為には司書長室がある通路の先にある階段から降りなくてはいけません」
「入れる場所はそこしかないという訳か…それにティカルが言っていたが階を繋ぐ所にはセキュリティゲートがあるって言っていたな?」
「はい、最初は指紋と声の認証が必要になってきます。そしてそのゲートを突破しましたら地下2階の右端に出ますので、左端にある階段まで移動します」
「右端から左端、左端から右端と行く構造…シンプルゆえに厄介だな…」
「そうですね。各階の通路に遮蔽物がなければ見つかりやすいでしょうし警備装置やトラップにも注意しませんといけませんからね」
マギアの言葉に、ソウルは顎に手を当てて少し考えた後口を開いた。
「警備装置の感知エリア?みたいなのを可視化できる物が必要になって来るな…それに身を隠す何かもだな」
「ノーキルノーアラートで行くなら気絶もしくは麻酔が有効と判断します。センサー類に関してはルーン魔法を利用したマントなどが良いかもしれません」
「う~ん…気絶か麻酔か…あ、いや、それは後で考えて話を戻そう。マギア続きを頼む」
「はい、地下3階に行く為にはカードキーが必要になるので、そのカードキーを持っている可能性の高い警備主任の「ロニ・シーザー」から奪取するしかありません」
「カードキーは一枚だけでいいのか?」
「いえ、セキュリティ上それは問題があるので階層ごとに持っている人物から奪取する必要があると思われます」
「そうか…」
ソウルは、目をつむって腕を組むと、唸る様な声を出して悩み始めたが、マギアはそのまま話を続けた。
「カードキーを持っていると思われる人物は先程の「ロニ・シーザー」、地下4階へ行く為のカードキーは「エド・ドルドナ」最後の扉のカードキーは「ルネス・ヴァルド」の三人と思われます」
「名前だけしか分からないのがきついなぁ…」
「現場で探すしかありませんね」
「う~ん…それしかないか…」
「以上が侵入経路となります。質問はありますか?」
「他に通れる所は無いんだな?」
「この見取り図を見る限りではありませんね。各階の通路には複数の部屋がありますが、繋がってはおりませんし、通風孔等は人が通れる大きさではありません」
マギアは、立体的に表示された見取り図を動かし、一つの部屋を拡大して説明した。
「通路の部屋に入って隣の部屋まで穴を開けると言うのは?」
「部屋の間隔は空いていて壁は厚いですし、穴を開ける音もかなりの音が出ますので止めておいた方が良いでしょう」
「じゃあ、警備装置やらを動かしている動力を止めるのはどうだ?」
「階層ごとに別の発生体からエネルギーが供給される仕組みになっているので、それをするならば発生体を探して止める班と潜入する班の2班が必要になります」
「停止して潜入するという事は可能か?」
「不可能です。重要施設には必ずと言って良いほど自動復旧させる手段があり、停止して潜入しても復旧されて警備装置に引っ掛かる可能性が大きいです。停止し続けるには完全に発生体を破壊するか人を配備する又はそういった機械装置を取り付ける必要が出てきます」
「俺達にはそれに割ける人員も探す時間も無いって事か…分かった。質問は以上だ」
「了解しました。では次に必要になる道具を考えましょう」
「その事なんだが、少し試したい事がある」
「試したい事ですか?それはどんな事でしょうか?」
「少し考えて見たんだが街中で…」
ソウルは、試したい事をマギアに説明していった。
「布にインゴット、魔物素材に毒草っと…おっと忘れちゃいけないアイゼン強化素材も必要だな」
「マスター?染料も必要です」
「おおっと!そうだったそうだった」
ソウルとマギアはこの街の競売所へ赴き、禁書庫に忍び込む為の道具を作るべく素材を購入していた。ブルーローズを使って、自身の祖父の顔に変装したソウルは、妙なリズムを取りながら競売所のウィンドウをタップしたり、スクロールをしながら次々と素材を購入していると、透明化したマギアが、何かを感じ取り、その場で横に一回転した後にソウルに報告して来た。
「マスター?チンピラの反応を複数検知しましたがその全員が目を細めたり、眉を寄せる様な表情をしていますよ?面白いですね?」
「あの顔似てるな…って疑われてるな」
「似てるけど違う…でも…という心境なのですね。とても興味深いです」
「興味深いとは?」
「別個体なはずのに同じ表情をしていますし、近くに行って確かめようとしてくるのですが、仲間に止められその場で上へ後ろへと移動してます。傍から見れば奇行な行動している人ですよ?」
マギアは、両手で口を抑える様な仕草で笑っていると、ソウルが競売所のウィンドウを閉じた。
「必要な物は買ったし帰ろう」
「了解しました」
ソウル達は、チンピラ達に怪しまれながらホテルへと戻っていった。
禁書庫侵入するのがソウル達だけっていうのがおかしいと思ったので急遽他のプレイヤーも侵入を企てている設定にしました。
ソウルは特殊な人生なので何の不思議でもないですね。
マギアに助けを求めたのは、リイルフ防衛戦で自信を無くしてしまったからです。急いでいかなくてはいけなくなったのも半分あります。
ソウルが試したい事とは一体! 次回X00話 「失敗」 デュエルスタンバイ!
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