懸念
完成しました!お楽しみんくださいんジャー!
次回更新は、10月27日 0時です!
「ただいま~っと」
「今戻りました」
「おかえり~」
「お帰りなさいです」
ソウルとマギアが、インペリアル・ホテルに戻って来ると、すでにティカルとマナリアが戻って来ていた。
「あれ?アップルは?」
「さっき連絡したらこっちに戻って来てるみたいです」
「わかった」
マナリアの言葉にソウルは頷き、ふと視界を左に動かしてみると、謎の黒い塊がベッドの上にあり、ソウルは思わず二度見をした。
「何だあれ?」
「えっと~あの~…ダークサイド?の物質はジンジャーさんです」
「え?…いったい何が?」
「暇すぎて暗黒面に落ちた後に腐ったみたいだよ?」
「えぇ‥‥」
ティカルの説明が意味不明過ぎて、ソウルが困惑していると、部屋の扉が開きアップルが入って来た。
「ただいま~…え?…何あれ?」
「腐りし暗黒物質ジンジャーさんです」
「…ああ、そう。…あ、ソウル!ちゃんと情報集めて来たわよ!」
ジンジャーの姿を一瞬だけ見て、それ以上踏み込む事や考える事を放棄したアップルは、話題を変えようと少しわざとらしく言うと、ソウルはアップルの姿を見て目を細めた。
「随分とお楽し…コホン!積極的に集めて来てくれたようで」
ソウルの目に映るアップルの姿は、指に様々な指輪を付け、両手に持ち手付き紙袋を複数持ち、頭には謎の仮面、服装は大正ロマンを感じさせる服にブーツを身に着けていた。
「なんかこう…お祭り帰りの太正桜にロマンの嵐的な格好だね!アップルちゃん?」
「そう?なんかお店の人に勧められるまま買っちゃったのだけど…」
「そうだなぁ…今にも霊力と蒸気で動く人型兵器に乗って「そこまでよ!」って言いそうだな~」
「ぼくは〇リアが好きだったなぁ~特に可愛い衣装を体に当ててる所を見られてしまうイベントなんかはグッと来たし」
「「「あ~分かる~」」」
「え?蒸気で動く兵器?何それ?」
兵器と言う言葉に耳が動いたジンジャーは、暗黒物質だった姿から元に戻ると、そこから這いずる様に動き出しソウル達に近づいて来た。
「俺らの世界のとある物語に出て来るロマン兵器ですね」
「へ~それもうちょっと詳しく聞かせてくれる?」
「あ~…すみません。俺は説明できる程そこまで詳しくないので~マギア?どうにかできるか?」
「お任せください。では、ジンジャーさん?こちらをぜひプレイしてみてください。あ、それとここに設定資料集をおいて置きますのでご自由にどうぞ!」
「え!?な!…なにこれぇ!?」
マギアが自身の指を鳴らすと、床に魔法陣が現れ、そこからキャスター付きのテレビ台と19インチブラウン管テレビ、三日月形のコントローラーとグレーの四角い箱が魔法陣の中から出て来た。
「わぁ!僕ブラウン管テレビなんて久しぶりに見たよ!」
「あれ?私の家にある例の四角いハードは白かったんですが…グレーもあったんですね?」
「白は確か廉価版だったはず…」
「あ~そういえばお父さんなんか言ってたっけなぁ…昔はお金なくてグレーが買えなかったって…」
「あ~あるあるだなぁ~」
ソウルがしみじみ言うと、ジンジャーがコントローラーのボタンを色々押して弄り始めた。
「これを使えば操作できるのね!わー凄い!来訪者の世界にはこんなのが沢山あるのね!羨ましいわぁ!」
ジンジャーが、ブラウン管テレビに映った映像や昔の次世代機に興奮すると、ソウルは視線をジンジャーから仲間達に向けた。
「ジンジャーさんが熱中し始めた事だし、俺達は集めた情報をまとめよう」
ソウルの言葉に仲間全員が頷くと、部屋にあるテーブル席に集まって椅子に腰を下ろした。
「まず最初に俺から話そう。俺は、図書館の見取り図と警備員の人数が担当する場所によって違ってくると言う話を聞いた。マギア、見取り図を出してくれ」
「畏まりました。拡大して表示します」
マギアがウィンドウを操作すると、ソウル達の中心に大型のウィンドウが現れ、図書館の見取り図が表示された。
「地下四階構造なのね?」
「ああ、俺の予想では一番下の~ここだ。この丸い部屋が禁書庫だと思う」
ソウルが、見取り図の一番下に書かれている丸い部屋を指差しながら言ったが、ティカルが微妙な顔をしながら口を開いた。
「う~ん…平面だといまいち分からない…3D表示とか出来ない?」
「マギアどうだ?」
「可能です。3D表示にしますか?」
「頼む」
「了解しました。少々お待ちください」
マギアはソウルに頷き、半透明なキーボードを目の前に表示した後、自身の指が中心から割れる様に開いて行き、指の本数を増やしていった。そして、その増えた指で高速にタイピングを始めると、図書館の見取り図が徐々に立体的に表示されて行った。
「おーすごい!これなら分かりやすいね!」
「ソウルが指差した部屋かなり大きいわね?」
禁書庫と思われる場所は、円柱の形で下へと長く伸びており、上にある図書館がそのまま入ってしまう程大きかった。
「これほど大きいと目当ての元本を探すのも一苦労しそうですね?」
「実際行ってみて探すのに時間が掛かりそうならマギアに頼もうと思うが~…大丈夫か?」
「お任せください」
「じゃあ、頼む。次は~ティカル、報告してくれ」
「ほいほい」
ソウルは、右隣にいたティカルに視線を向けて言うと、ティカルは頷き、集めてきた情報を話し始めた。
「僕はこの街の「マジックアイテム開発局」という所に行ってどんな警備装置があるのか調べて来たよ」
ティカルは、そう言った後にアイテム欄から一枚の紙を取り出し、そこに書かれてある文字を読み始めた。
「え~っとまず~壁を移動する監視カメラに動く赤外線センサー、熱感知センサーに重量感知版、魔力感知センサーと熱源探知センサーだね。で~下の階に行くには各階を繋ぐ所にドアが設置されてるみたいなんだけど、指紋認証と声認証が一緒になった奴が最初に会って、次の階層にはさっき言った指紋と声、それにカードキーみたいな奴が必要になって来るらしい。更に下に行くには前の三つと網膜スキャン装置が必要になって、最後の扉はその全部があるらしい」
「下に行くにつれてセキュリティか厳しくなっていく訳か…」
「カードキーみたいな物って言ってたけどそれってどんな物?」
「魔法のインクで作られたカード―キーみたいだよ?読み込み装置にかざすとそのインクが特殊な波動を出すらしくて、その波動で識別するらしい…あ、カードの形は僕らの世界にある物と変わんないね」
「監視カメラとかがある場所は分かりますか?」
「ごめん、探してはみたけどそこまでは分からなかったよ…」
「罠の類は?」
「う~ん…あるっぽい?」
ティカルの歯切れの悪い言葉に、ソウルは首を傾げた。
「ぽいっとは?」
「僕も罠とかあるかな~?と思って調べてみたんだけど、設計図はあったのに発注書やら受領書の類が何処にもなくてさ…あるっぽいていう事しか分からなかったよ…」
「そうか…じゃあ、「ある」という前提で動こう。他に報告する事はあるか?」
「それだけだね~」
「二人とも質問は?」
「無いです」
「無いわね」
「わかった。じゃあ、今度はマナリア報告を頼む」
「はい、わかりました」
マナリアはUIを開き、メモ機能を立ち上げた。
「私は警備員を調べてきました」
「あ、それなら私も調べて来たわ」
「それならアップルも報告してくれ。マナリアもそれでいいか?」
「大丈夫です」
「それでしたらお二人とも、御調べした内容をキーボードでどんどん打ち込んで行ってください。情報の整理は私がやりますので」
「分かりました」
「分かったわ」
マギアが、二人の前に半透明なキーボードを出すと、マナリアとアップルは調べて来た内容をタイピングしていった。
「すごいな…二人ともよくこれだけの人数を調べて来たな…」
「すごい…」
立体的に表示された見取り図の周りに、次々と表示されて行く名前や情報の多さに、ソウルとティカルは目を大きくさせて驚いた。
「今60人目を入力し終えましたが、まだまだありますね」
「私もまだまだあるわよ」
「いったいどうやって集めたんだ?」
「すっごい喋るおばさん達がいろいろ教えてくれました」
「私はいろいろお店を回っていたら自慢話してくる店員いたからその人から話を聞いて来たわ。…3軒に一人の割合でいたんだけど…土地柄みたいな物かしら?」
「え?自慢話で?」
「そう。自慢話」
「あー…アップル?ちなみにその店員は普通の人だったか?」
「え?それってどういう事?たしかに目つきや目の動きが怪しかったりやけに鋭かったりしてたけど…普通の人だったわよ?」
「そ…そうか…」
「??」
ソウルの言っている事がよく分からず、首を傾げたアップルだったが、先程のソウルの言葉で思い出した事があり、視線をキーボードに向けたまま口を開いた。
「そういえば「警備員の話をするのは今日で二回目ですが」って言う人が1人いたけど…どういう事かしら?」
「…え?マジか?」
「マジよ」
「‥‥‥‥」
急に黙ったソウルに驚いて、アップルは視線をソウルに向けると、眉間に皺を寄せて何かを考えているソウルの姿が見えた。
「そういえば私もおばさんから「とある司書の家に泥棒が入った」という話を聞きました」
「…その泥棒は捕まったか?」
「いえ、捕まってないそうです」
「そうか……」
マナリアの話を聞いた後、また黙って考え始めたソウルは、その数分後に口を開いた。
「もしかしてだが…」
ソウルは、困った表情をしながら言葉を一度区切り、少し間を置いた後に続けた。
そりゃあ、PCやら携帯やらネットも無いですから退屈過ぎて腐ってしまうのもシカタナイデスネ!
娯楽品という物もありませんですし。
アップルの頭に着けているお面はホ〇ウの仮面に似ているかもしれない
マギアの攻殻めいた演出…好きだろ?こういうの?
サク〇大戦…ティカルはマ〇アさん推しですが、私は李紅〇です。
ゲームは実際やる事で深く入り込めるというと思うので、皆も動画だけで満足せず実際にプレイしてみよう!
あ、時間が無いと言う人はこう言われます。「どうにかして作るんだよ!アクシロヨ!」と。
なので注意してください。
マナリアが出会ったおばさん達は所謂「近所の世間話大好きのおばさん」というものです。捕まってしまったら、大体3時間は拘束されてしまうアレです。
アップルさんが入ったお店はこの街の「情報屋」がいるお店。なので謀らずもその店で品物を買った為に情報屋が情報を教えてくれた訳です。そしてそういったお店を梯子していったのです。
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