インペリアル・ホテル
完成!
オタノシミクダサインジャー!
次回更新は、10月6日 0時です!
「大丈夫ですか?少し隠れていてください…オラァ!出てけ!馬鹿共!」
ソウルは、受付で腰を抜かしている女性を助けた後、ジンジャーを探して、図書館を襲撃して来たチンピラ達の一人を殴り飛ばし、図書館から叩き出した。そして、それを皮切りにアップル達も動き出し、チンピラ達を相手取った。
「私、こういうの苦手なんですが…よいしょっと!」
マナリアが盾を構え、チンピラの攻撃をパリィした後にそのままぶつかって行くと、チンピラがトラックに跳ね飛ばされた様に吹っ飛んでいった。
「Oh…」
ソウルが、吹っ飛んで行ったチンピラを見ながら驚くと、吹っ飛ばした当の本人も驚いた顔をしていた。
「ステータス差と言う奴ですね~。今のマナリアさんのステータスは巨象に差し掛かりそうな程なので、大の大人位なら軽く吹き飛ばせます」
「巨象のマナリアか…」
「巨象?…ふっ…いいね!」
「巨象?あら~すごそうねー」
「小さいのにおっきいのね!」
「や!やめてください!なんかすごく恥ずかしいです!」
ソウル達が、マギアの巨象と言う言葉に反応すると、マナリアが顔を真っ赤にしながら、巨象と言う言葉を否定した。
「仲間が二つ名持ちになったし、このまま外に全員叩き出すぞ!」
「やってやるぜ~!」
「分かったわ!」
「え!?私の二つ名って!?そんな!?」
「いけいけ!やれやれ~!」
マナリアは、いつの間にか決まってしまった二つ名に驚愕して固まっていたが、ソウル達が再び戦いを始めると、マナリアも渋々動き出して戦いに参加した。チンピラ達は、自分達よりも小さい女の子が、仲間の一人を吹き飛ばした事が理解できず、思考が停止してしまった為、ソウル達に不意を突かれてしまい、次々と外へ投げ飛ばされたり、意識を手放す者が多く続出してしまった。
「外に出るぞ!」
図書館内に入って来たチンピラ達を一掃した後、ソウル達は図書館から出ると、まだ20人程が待ち構えていた事に眉を顰めた。
「まだこんなにいるのか…」
「こいつらのボスは相当お怒りなみたいだね?」
「もういっその事こいつらのアジトに乗り込んで行って直接叩いた方が良いんじゃないかしら?」
「いや、こういう奴らの後ろには何かしらの大物がいる可能性が高いから、やるならしっかりと準備してからだな~」
「あ~…なんかそう言うのありそうね」
アップルは、自身に向かって来たチンピラの一人に拳を入れながら、ソウルの言葉に同意した。
「それにやるとしたら、一気にやらないといけないから、かなりの頭数も集めないと行けないぞっと!オラァ!」
「私達だけではきついのです?」
「下手に取り逃すと組織を立て直されたり、別の形になって再開するからな」
「はえ~…怖いですね…犯罪組織って…あ!ここ通りまーす!ごめんなさいー」
マナリアは、ソウルと会話しながら盾を構えた状態で直進すると、次々とチンピラ達を吹き飛ばしていった。そして、その吹き飛ばされたチンピラ達は、悲鳴を上げながら道に転がったり、壁や道に置いてある置物に衝突して意識を手放して行った。
「(う~ん…盾と武器の境界は何処だろうか?そこの所が分かれば街中でも「武器を抜く」という事が出来るかも知れないな…)」
ソウルは、殴りかかって来たチンピラにCQCで気絶させた後、マナリアを観察しながら考え始めた。
「ソウル?どうしたの?」
「ん?ああ、街中で盾が使えて武器が使えない理由な何だろうな?と思ってさ」
「え?そうなの?私いつも拳や蹴りで戦っているから解らなかったわ」
「なるほど、篭手や脛当ては大丈夫だとすると鎧も大丈夫っぽいな…う~ん?」
アップルの話を聞いて、ますます基準が分からなくなったソウルは、首をメトロノームの様に振りながら悩み始めた。
「よし、全員倒したなー…ってソウルはどうしたの?」
「街中で武器を抜く方法について悩んでいるみたいよ?」
「ん?どういう事?僕は普通に能力で作り出した太い棒を使ったけど?」
「え?太い棒?どう見ても棍棒に見えたけど?」
「いや、太い棒だよ?」
「…一体…どういう事だってばさ…」
アップルとティカルの話を聞いて、更に混乱したソウルだった。
「マスター?今は本来の事に集中しましょう?」
「あー…うん…そうだな…」
マギアに言われたソウルは頷き、頭を切り替えた。
「ここから移動する!」
ソウルの言葉にアップル達は頷き、図書館から離れようとした時、図書館の中からソウル達を呼び止める女性の声が聞こえた。
「お待ちください!」
「えっと~…貴女は受付にいた~…」
「あ、はい。この図書館で司書をしているフラヴィ・シグネットです。この度は暴漢からお救い下さりありがとうございました」
「いえ、一冒険者として当然の事を下までですよ」
フラヴィの言葉に、笑顔で謙虚に言ったソウルだったが、内心冷や汗が止まらなかった。そもそもの原因がジンジャーの起こしたトラブルであり、ソウル達もそれに関わっていたからだった。
「お優しい方なのですね…皆様はこれからどちらへ?」
「あいつ等に狙われる立場になってしまいましたから、安全な場所を探しに行かないといけません」
「で、あるならこちらをお持ちください」
フラヴィはソウルに、蝋封された封筒を一枚渡した。
「これは?」
「それは私からの紹介状です」
「紹介状ですか?」
「はい、この街の南にある「インペリアル・ホテル」と言う名の宿泊施設があるのでそこの受付にお渡しください。そうすれば大丈夫になりますので」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」
「ありがとねフラヴィちゃん!また来るよ!」
「うるせぇよジンジャー!てめぇが原因だろうが!もう二度とくんな!…あ、オホホホ…それでは失礼いたします」
ソウルには丁寧に接していたフラヴィだったが、ジンジャーが軽口を叩くと、ドスの効いた声で言葉を返した。その声にソウル達が驚いて目を大きくさせると、慌てて口元を押さえたフラヴィは、誤魔化すような笑いをしながら、その場から滑る様にして図書館に戻って行った。
「もう、フラヴィちゃんの自は相変わらずなんだから~」
「フラヴィさんとはお知り合いなのですか?」
「え?中学院時代からの付き合いよ?さっきはフラヴィちゃんがお仕事モードだったから私もちゃんと敬語で対応していたけだし、そうしないと後で怒られちゃうしね~」
「…なるほど、フラヴィさんが死ぬほど苦労して来たという事は分かりました」
「え?どういう事?」
ソウルの言葉に、その場にいたジンジャー以外の全員が深く頷いたが、ジンジャーだけが、ソウルの言っている事が分からず、頭にクエッションマークを出しながら首を傾げた。
「とりあえずインペリアル・ホテルに行こう。確かこの街の南にあると言っていたな?」
「マスター?ルート設定しますか?」
「頼む」
「了解しました」
マギアがウィンドウを操作すると、ソウルの足元に光の線が現れ、ソウル達はその光の線を辿ってインペリアル・ホテルへと向かって行った。
「ここがあの女のホテルね!」
「…貴女は一度本気でフラヴィさんにどつきまわされた方が良いかもしれませんね?」
「えぇ?なんでよぉ!?」
嘆くジンジャーを他所に、ソウル達はインペリアル・ホテルに入るとすぐに受付へと向かった。
「いらっしゃいませ。ご予約のお客様でしょうか?」
「いえ、予約はしていないのですがこちらの紹介状を貰いました」
ソウルは、フラヴィから貰った紹介状を、優しい目つきをしている受付の男性に渡した。
「拝見します。……ふむ、どうやら本物の様ですね。重ねて失礼になりますが、これをどのように入手なさいましたか?」
「図書館に暴漢達が襲って来たので、それを撃退したらフラヴィさんからのお礼にとこちらの紹介状を頂きました」
「な゛に゛?……あ、失礼いたしました。大至急お部屋をご用意いたしますので少々お待ちください」
「ア、ハイ」
ソウルの言葉を聞いた男性が、一瞬だけ歴戦の殺し屋のような鋭い目をしたが、すぐに元の優しそうな目つき戻ると、すぐ後ろにある扉の中に入って行った。
「あの目はガチでヤバイ人の目ね?」
「ああ、思わず条件反射で銃に手が伸びてしまった…フカク!」
「珍しい…ソウルが思わず反応しちゃうって事は本物なんだね~大人しくしとこ…」
「え?本物さんなんです!?はえ~…びっくりしました」
「レオンさんは優しい人よ?だってフラヴィちゃんの家に遊びに行くといつも美味しいパイを焼いてくれて持て成してくれるし」
先程の男性が、レオンと言う名前だと分かると、ソウル達はとある有名な俳優が演じている映画を頭に思い浮かべた。
「そういえばあの女の子ってその後どうなったの?」
「さぁ?」
「今検索してみましたら、あの映画の続編として作られるはずだった物が、大人の事情という物で実現で出来ず、独立という形で作られた物がありますね」
「大人の事情で正当な続編が作れないって悲しいなぁ…」
「その独立した物の評価点は?」
「5点満天中3点としているサイトが多いですね」
「う~ん微妙な位置の点数ね…分かったわ、後で私も見る事にするわ」
「では、視聴後に感想をお聞かせください」
「メールで送るわ」
「お待ちしています」
受付のレオンが戻ってくるまで、ソウル達はその場で雑談をしていると、その20分後にレオンが受付に戻って来た。
「お待たせしましたお客様。お部屋にご案内いたします」
「確認は取れましたか?」
「…はい。この度はお嬢様をお助け頂きありがとうございました。一番いい部屋をご用意しましたのでごゆるりとご滞在ください。あ、もちろん宿泊費はもちろん、サービス等も全て無料で使えますので、お気軽にお申しつけください」
「ありがとうございます。少しの間お世話になります」
「では、こちらです」
レオンは、丁重にソウル達を部屋へと案内していった。
「ここがお部屋となっております」
エレベーターで4階へと上がり、右の角部屋に案内されると、レオンは部屋の鍵を開けて先に入室した後、体の向きを変えて、ソウル達を部屋の中へと招き入れた。
「御用の際はベッドの近くにあるボタンを押してください。係の者がご用件を聞きに参りますので」
「分かりました。あ、それと一つお願いがあるのですが…」
「はい?何でしょう?」
ソウルは、レオンに一つお願いを言うと、最初は驚かれたが快く引き受けてくれた事に感謝した。
「畏まりました。では、そのように致しますね。他に何かありますか?」
「今は特にないです」
「分かりました。では、心行くまでお楽しみください。失礼いたします」
レオンは、深々と頭を下げた後、ゆっくりと部屋の扉を閉めて受付へと戻って行った。
「ヒロイ!キレイ!」
「大げさねぇマナリアは…」
「だってアップルちゃん!私こんな綺麗な部屋に泊まるなんて初めてだもん!ベッドも枕もフカフカだし!」
「まるで子供みたいねぇ…あ、子供だったわ」
アップルの一人ツッコミを視界の端にして、ソウルは部屋の中を見回すと、外国のスイートルームのような大きい部屋に少し感動した。調度品のセンスも高く、パーティー料理を作れる程しっかりとしたキッチン、冷蔵庫や電子レンジのような見た目の大型の家電、街を一望できそうな程天井から床まである大きさのガラス張りの窓など、全てにおいて最高ランクだった。
「さて、無事に拠点も出来たし~早速街で情報収集と行こうか?」
「ああ…もうこの部屋から出ないといけないのですね…」
「許せマナリア。この部屋の滞在時間は犠牲になったのだ…いまだ続いている原本探しの犠牲にな…」
「悲しすぎて抜け忍になりそうですよ…」
「え?抜け忍?どういう事?マナリアちゃんは騎士じゃないの?」
「いえ、こっちの話です」
ジンジャーが首を傾げながら聞くと、マナリアは苦笑いしながら答えた。
「図書館で言った通り、禁書庫に関するありとあらゆる情報を集めてくれ。それがどんな些細な事でもだ。それと何かあった場合は、すぐに連絡してくれ」
「分かったわ!じゃあ、行きましょうか」
「皆さん行ってらっしゃい」
アップルの言葉に頷いたソウル達は、街で情報収集をしに向かって行った。
「暴走特急」や「走る城壁」などの2つ名を考えましたが、巨象がしっくり来たので巨象にしました。
おい!だれだ!別の意味で捉えている奴は!そう言う人にはクリシュ〇の走る城壁をけしかけますよ!?
ソウルが街中で武器を抜く事ができるようになるのは、もう少し先の話なのじゃ
フラヴィ・シグネット トリアン記念図書館で司書をしている女性。 主な業務は受付、本の整理、修繕等多岐にわたります。そんな彼女には誰にも言えない秘密があるらしいそうです。
レオン・ポートマン インペリアル・ホテルの副総支配人。 7年前までとある組織で掃除を担当していた人だったが、今では立派なホテルマン。
私が修学旅行で沖縄に行った時、その時に泊まったホテルのベッドがすごく快適でした。当時雪降る季節だったのですが、沖縄は真夏並みに暑く、夏バテを起こしてしまいましたが、それでも爆睡できる程心地よかったです。
抜け忍という言葉を見て、なんか魔乳秘剣〇を見たくなったのはなんでだろうか?え?知るかって?そりゃそーだ。
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