トリアン記念図書館
完成しました!お楽しみください!
次回更新は、9月22日(木)0時です!
「よっと」
ソウル達が、図書館の入り口に到着すると、丁度アップル達が図書館の中に入って行く姿が見えた。
「アップルさん達は先に入って行ったようですね?マスター?」
「そうだな。俺達も中に入ろう」
ソウルは、マギアに頷きつつも、入り口に立て掛けられている看板を見上げた。
「トリアン図書館というのか…」
「学術都市の図書館ですから、いろいろ専門的な本も揃ってそうですね?」
「…気になる本を見つけても熱中しすぎないでくれよ?」
「…善処したいところです」
「そこははっきりと「します」と言ってくれ…」
マギアに呆れながら、ソウルは図書館の中に入って行った。
「あら?ソウル。着いたのね?大丈夫だった?」
「何の問題も無く引き継を済ませたよ。そっちは?」
「こっちも何の問題もなくたどり着けたわ」
ソウル達が図書館に入ると、入り口近くにある受付にアップル達がいた。だが、その受付でジンジャーと司書の女性が話していたのだが、司書の女性がやけに嫌な顔をしている事に、ソウルは只ならぬ不安感が沸き起こり、ティカルに尋ねてみた。
「なぁ…ティカル?俺達はここを利用できるのか?」
「無理かもしれない…」
「理由を聞いても?」
「ジンジャーさんがここにある本を何回も汚しちゃって、出禁になっていたらしいよ?」
「はぁ?マジかよ…」
ティカルの言葉を聞いたソウルは、ジンジャーを睨むと、威圧感を背中に感じたジンジャーは、必死にお願いし始めた。
「お願いしますよ!」
「と、言われても規則なので…」
「ソコヲ、ナントカ、オネガイシマスヨー!」
「き…規則なので…」
「オ゛ネ゛ガイ゛ジマ゛ズヨ゛ー!」
背中の威圧感に耐えられなくなったジンジャーは、司書に自身の顔を近づけて行きながら懇願したが、許してもらえなかった。だが、最終的にジンジャーが号泣し始めると、司書の方が折れ、図書館を利用してもいい事になった。
「はぁ…ではジンジャーさん…今後本を涎塗れにしないと誓う文をこの紙に一筆書いてください」
「涎塗れって…」
「本読んでたらいつのまにか爆睡しちゃって~…」
「…」
ジンジャーは、司書の女性に言われた言葉を紙に書きながら言うと、ソウルはその言葉を聞いて眉間に皺を寄せた。
「これでよしっと!良かったですね!皆さん!ここの図書館は、学術都市に所属している人から紹介状が無いと利用できないんですよ!感謝してくださいね!」
「そうですね…その学術都市に所属しているとある女性のやらかしのせいで最初から利用できない所でしたね。張り倒したくなる程感謝しますよ…」
「アハハ・・・」
突然偉そうに話してくるジンジャーに対し、ソウルは皮肉を込めて言いうと、ジンジャーは冷や汗をかきながら笑った。
「えっとー…あははは…あ!…早速行きしましょう!本はこっちです!アハハハ…」
ジンジャーは、気まずい雰囲気の中、空笑いしながらソウル達を案内し始めた。
「ここの棚にあるのが古代語に関する本です」
「じゃあ、皆。この文字が書かれている本を探してくれ」
ジンジャーの案内で、古代語に関する本が置いてある本棚に辿り着くと、ソウルはアイテム欄から冒険手帳を取り出し、模写した文をアップル達に見せた。
「ヘブライ語と楔形文字を足した様な文字ね?」
「謎を解き明かすってワクワクしますね!」
「楽しみだね」
ソウルの冒険手帳に、記された文字を見たアップル達は、それぞれ感想を述べた後、その文字を翻訳するのに役立ちそうな本を探し始めた。
「お?これか?」
アップル達に続き、ソウルも役立ちそうな本を探していると、気になる題名の一冊を見つけて中を開いて見た。
「これ…似てるな…」
その本に書かれていたのは、冒険手帳に記した文字と似ていた為、試しにソウルはその場で翻訳をしてみた。
「その者、青き衣をまとい、巨なる白狼に跨りて、金色の野に、矢を…うん。なんかすごく有名な奴が混ざってるけど…これは違うな…」
この本は違うと確信したソウルは、手に持っている本を元の位置にそっと戻した。
「ソウルさん、これはどうですか?」
「どれどれ?」
マナリアが見つけて来た本を受け取り、ソウルは翻訳してみた。
「若き少年、白き巨人を操りて、公国に鉄槌を…あーこれも違うね」
「そうでしたか…」
ソウルが、受け取った本をマナリアに返すと、マナリアは少し残念そうにしながら次の本を探しに向かった。
「ソウル~これかも?」
「貸してみ?」
次にティカルがソウルに本を持ってくると、ソウルは先程と同じように翻訳し始めた。
「神が、黒き鳥を使わし、救済を阻む者を、撃ち滅ぼす…これは~…あれだな」
「あのゲームの事だね…違ったか~」
ティカルは、ソウルから返してもらった本を胸に抱え、次の本を探しに行った。
「ソウル?これじゃない?」
「翻訳してみよう」
アップルが一冊の本をソウルに渡すと、ソウルはその本を使って翻訳してみた。
「空遠き霜の月、この地に御旗を掲げ宣言す、この地に知識が集まり昇華させ、我ら学術の徒を更なる高みへと至るだろう、故に今皆に我誓う、我とこの杖が、汝らを星の輝きの如く、導き輝かせるだろう…これだな」
「あら?正解?やったわね!」
「ああ、ありがとうアップル。俺はこれから続きを翻訳するけど…その間アップル達はどうする?」
「せっかく図書館にいるのだしいろいろ見て回るわ」
「そうか。了解した」
翻訳している間、アップル達の予定についてソウルが頷くと、先程の本を、元の棚に戻して来たマナリアがアップルに近づいて来た。
「ねぇねぇ?アップルちゃん?ソウルさんが翻訳している間、アップルちゃんも何か手に職付けられるもの探さない?」
「手に職…私は何が出来るのかしら?」
「それを今から探しに組んだよ!レッツゴー!」
「ちょ!マナリア!図書館では静かに!…引っ張らないで!ちゃんと歩けるから!」
アップルの手を、少し強引に引っ張って行ったマナリアは、職業専門書が置いてある棚に向かって行った。
「ティカルはどうする?」
「僕も少し見て回るよ。まぁ…それに飽きたらソウルを手伝うからさ」
「分かった」
ソウルは頷いた後にティカルと別れると、近くの机に着席して翻訳作業を開始した。
「マスター、マスター」
「どうした?」
しばらく一人で翻訳作業をしているソウルの所に、複数の本を積み重ねて、持って来たマギアが話しかけて来た。
「そこで寝ているジンジャーさんがやばいです。もしあの寝顔を見てしまったら千年の恋も絶対零度並みに冷めてしまう位ヤバいです」
「え?…そんなお前言い過……マジだ…」
ソウルは、マギアの言っている事が大げさだと思いながら、ジンジャーに視線を向けるとそれが真実だった事に驚愕した。そのジンジャーの姿とは、小さな丸いソファーをベッドにしながら、両膝を床に付け、体を反らすような仰向けで寝ている姿だった。更に言うなら寝顔もひどく、まるでゴリラが涎を垂らしながら寝ている様な酷い寝顔だった。
「…歯ぎしりやいびきをかいて無いのが唯一の救いか…」
「どうしましょうか?」
「とりあえず電気ショックで起こそう。起きるまで徐々に電圧を上げて行く感じで」
「普通に起こさないのですか?」
「あの女に近づきたくない、知り合いだと周りに知られたくない、あの酷い寝姿を視界に入れたくない」
「3つも理由があるのですね…分かりました。私が電パチして起こしてきます」
持っていた本をソウルの横に置いたマギアは、ジンジャーを起こしに向かって行った。ソウルは、ジンジャーの所に向かうマギアの姿を少しだけ見た後、視線を戻して翻訳作業へと戻った。
「アババババババ‥‥」
そして、その数秒後にソウルの後ろで、女性が痺れる声が聞こえたが、ソウルはあえてその声を無視して作業を続けた。
「ふぅ…覚醒完了です」
「お疲れ…なんかちょっと焦げ臭いけど…大丈夫か?」
「問題ありません。反応はない状態ですが覚醒はしました」
「そうか…」
マギアの言っている事を、深くは考えないようにしたソウルは、翻訳作業に戻ろうとしたが、ふと視界にマギアが持っていた本の題名が目に入って来た。
「女体の神秘?何だこれは?」
「ああ、それは私が作ろうとしている物の資料です」
「何だそれは?」
「人類が絶滅する程エロい体している〇クサロイドです」
「‥‥‥」
マギアの驚愕の言葉に、ソウルは再び絶句しながら思考を停止した。
「あれ?聞こえませんでした?ではもう一度言いますね。人類が絶滅する程…」
「いやいやいや!ちゃんと聞こえているから言わなくていい!お前はなんて物を作ろうとしているんだ」
マギアの再び言われた言葉で、ソウルは思考を回復させた後、慌てて問い詰めた。
「最初は普通のガイノイドを作ろうとしていたのですが、性能やら技術を突き詰めていった結果こうなった次第です」
「…なんか嫌だな…そんな技術向上…」
「何を言いますか!?エロはすごいのですよ!世界平和にもつながるのです!今からそれを説明しますね!まず初めに…」
「あー…ハイハイ…」
マギアの語りを話半分…いや、話一割で聞き流しながら、ソウルは翻訳作業を続けた。
ジンジャーは、ポンコツ故にいろいろな所を出禁になっています。
本を読むと爆睡しちゃうジンジャーさん。…何で学術都市にいるんだこの人?
翻訳のネタですが…分かる人いますかね?
アップルさん、手に職を付けられるのか?こうご期待!
皆様は、千年の恋も冷めない様に少しだけ努力しましょう。
マギア、人類滅亡させる物を開発しようとしている…なんて恐ろしい物を作ろうとしているんだ…(棒)
ガイノイドは、女性型のアンドロイドの名称です。アンドロイドは、男性型の名称です。
セ〇サロイドは、○○Xに特化したと言えば分かりますか?
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