学術都市ベリタス 3
完成しました!
ですが、何故か今週は忙しかった為に9ページ分です!
次回更新は、9月15日 0時更新です!
「きゃ!」
「ごーめんなさいよー」
ジンジャーを逃がす為、公園で騒ぎを起こし、仲間達から離れたソウルとマギアは、公園を出た辺りで一旦足を止め、ソウル達を見失っているチンピラ達に向けてわざと大きな声を出すと、その声でチンピラ達がソウルに気が付き走り出してきた。ソウルは、こちらに向かって来たチンピラ達を確認した後、再び走り出したが、目の前に白衣を着た女性が居る事に気が付かず、ぶつかりそうになってしまった。だが、ソウルはギリギリで回避し、ぶつかりそうになった女性に、謝罪の言葉を口にしながらも走り続けた。
「までゴラァ!」
「待つかバァァカァ!」
追って来たチンピラに、ソウルは煽る様な言い方で言葉を返し、前にいる通行人を避けながら道なりに進んで行くと、別区画に差し当たる辺りでマギアが話しかけて来た。
「マスター?今どのようなルートで走っていますか?」
「いや、適当に走っているだけだ」
「で、あれば私がおススめするルートがありますが…どうしますか?」
「なら頼む」
「了解しました。では、足元に出る光の線に従って走ってください」
「わかった」
マギアは、ソウルと並走しながらウィンドウを操作すると、ソウルの足元に光の線が現れた。ソウルは、足元に出た光の線に従ってしばらく街中を走っていたが、数m先に街角が見えた所で、マギアが警告して来た。
「右の街角を曲がったらすぐに障害物があります!」
「あいよ!」
街角を曲がると、すぐ目の前に手押し車を使って樽を運んでいる男性がおり、ソウルはその樽を馬飛びで飛び越えた後、すぐ走り出した。そしてその数秒後に、何かが壊れる音と男性の怒鳴り声が後ろから聞こえて来たが、ソウルは後ろを振り返る事なく光の道を辿って行った。
「マスター!この先の大通りには馬車などが多く走っています。お気を付けください!」
「ん?など?‥‥え!?ここを突っ切れと!?マジか!」
ソウル達が、大通りに出て最初に見た光景は、住人達やプレイヤー達が、様々な生き物に馬車や荷車を引かせている光景だった。現実世界では、馬車等を引くのは馬が定番だったが、ソウル達が今いる世界は異世界な為、ロバ程の大きさの生き物が一頭だけで、大人50人を一度に運べる様な、大きな荷馬車を引く等あり得る世界だった。
「ここを横断するとかマジかよ…車並みの速さで動いているじゃねーか…」
「何の問題もありません!大丈夫です!現実世界の車より遅いですよ?…3kmほど」
「殆ど誤差じゃねーか…」
「マスター!急いでください!追いつかれますよ!?」
「ええい!やるっきゃねーか!」
ソウルが後ろを確認すると、もうすぐと言う距離までチンピラ達が迫って来ていた為、意を決して大通りを横断していった。
「バカ野郎ぉ!危ねぇだろ!」
「うわわ!」
「な!?飛び出してくるな!」
「てめぇ!何処に目付けてやがる!」
「クレイジープレイヤーか!?」
「スイマセーン!」
ソウルが大通りを横断した事で、御者達から多くの叱声が発せられたが、ソウルは片言で謝罪しながら大通りを渡り切り、後ろを振り返った。
「流石のあいつ等もここは渡ってこないか…」
「どうやら迂回してくるようですね!数十秒稼げましたよ!」
「う~ん…稼いでもなぁ…アップル達からはまだ何の連絡もないし、このまま逃げ去る訳にもいかないよなぁ…」
ソウルは、チンピラ達が自分達を見失わない様にわざと歩くような速さで進み、程よく近づいて来た所で全力疾走に切り替えて進みだした。
「マスター!前方に障害物があります!」
「箱ぉ!」
しばらく光の線に従って進んでいると、道を塞ぐようにして置いてある木箱と横転している荷馬車があった。どうやら、横転している荷馬車の持ち主があその道で事故を起こしてしまい、運んでいた荷物を道に落としてしまっていた様だった。ソウル達は、その道に散乱している置いてある木箱の上を、側転する様にして飛び越えた。
「クソが!邪魔だ!」
「何だお前ら!?ああ!俺の安全だけど怪しい白い粉が!」
「何だそれは!?ゴホッ!」
ソウルの後ろで、木箱が割れる音と事故を起こした男性の謎の言葉に、後ろを振り返りたくなったが、我慢して走り続けた。
「マスター、次はこの建物を昇って行ってください」
「…俺はとあるエツィオさんやどこぞに所属しているアルタイルさんじゃないんだけどなぁ…」
そう言いながら、体をバネの様にして壁を昇って行き、建物の屋根まで上ると、チンピラ達も壁を昇って来たが、その途中で落下してしまう者が多く出てしまった。
「こういうのはちょっとしたコツがあるんだぞ?ほら~ガンバレ~ガンバレ~♡‥‥ドカ〇ン…」
「貴様!馬鹿にしているのか!?」
「Exactly!」
ソウルは、壁を昇ろうと頑張っているチンピラ達に応援の言葉を掛けながら、最後の言葉を小声で言うと、馬鹿にされている事に気が付いたチンピラ達は怒り始めた。その怒り狂っている真下、チンピラの一人が怒号をぶつける様にソウルに言うと、ソウルは頭に着けているウェスタンハットを片手で取り、そのまま胸の位置に移動するお辞儀をした。
「くそ!馬鹿にしやがって!」
「おっと!」
怒号をぶつけて来たチンピラの一人が、地面に落ちていた石を手に取り、ソウルに向かって投げつけると、ソウルはオーバーリアクションで飛んできた石を回避した。
「くそ!なんで当たんねぇんだ!」
「君達がへたくそなだけ!」
「くそがぁ!」
「わ!怒った!に~げろぉ!」
ソウルは、わざとらしく言い放ち、光の線が示している方向に駆けだすと、下にいるチンピラ達もソウルに付いて行った。
「…なぁ?マギア?俺の予想だとこのルートって…」
「そうですね!公園に戻るルートです」
「…そこに何があるんだ?」
「行けば分かりますよ!」
「ああそう…」
しばらく建物の屋上を走りながら、光の線のルートを予想したソウルは、マギアに尋ねてみると、案の定公園に設定されていた。このルートの真意をマギアに尋ねてみると、意外な言葉が返答され、ソウルは少し期待しながら歩みを進めた。
「30m先に公園があります」
「分かった!」
ソウルは、ブルーローズを使って屋根から降りた後、全速力で公園に入り、クリウス像がある中心で立ち止まった。
「ハァ…ハァ…ようやく…観念したのか?」
「おやおや?どうやらお疲れの様ですね?どうしたのです?」
「こいつ…ふざけやがってぇ…」
ソウル達を追って、走り続けていたチンピラ達は疲れてしまい、肩で息をしていた。更には、先程の怒号を言う気力すらなくしている様だった。
「先ほどの質問ですが~全く違いますね。諦めた訳ではありませんよ?」
「生…ハァ…言うんじゃねぇ…ス~ハー…囲まれた状態でどうしようって言うんだ?」
「知りたいですか?では、やってみましょう!マギア!やれ!」
「了解です!」
ソウルの合図で、マギアから最大音量の警笛が鳴り響いた。
「おい…てめぇ!やりやがったな!」
「はい!やりやがりました!」
ソウルは、挑発する様に言い返すと、すぐ近くに居た衛兵がソウル達がいる中心に集まって来た。
「お前らか!?この辺りで騒ぎを起こしているのは!」
「助けてください!この人達に追われているのです!」
「なんだと!?おい!そこのお前ら!少し話を聞こうか?」
「クソがぁ!」
破れかぶれで殴って来たチンピラを回避し、ソウルはワイヤーフックの形にしたブルーローズを近くの屋根に向けて射出した。
「よっと!それでは皆さん!ごきげんよう!」
「逃げんなぁ!」
「おっと!お前達は逃がさんぞ?」
ブルーローズで屋根に上ったソウルは、帽子を胸の位置に置くお辞儀をした後、この街の図書館に足を向けると、チンピラ達もその後を追おうとしたが、この街の衛兵達がそれを許さなかった。
「あそこに衛兵が集まっていたから公園にルートを設定したんだな?」
「そうです。適当な場所で警笛を鳴らしても来るまでに時間が掛かったり、来ない可能性があったので確実な方法を取りました」
「よく衛兵の場所が分かったな?」
「私にかかれば青い人ホイホイです!」
マギアの間違っている言葉を訂正しようと思ったソウルだったが、自信満々に言うマギアの姿を見て、訂正するのを止めた。
「(このままにしておくか…その方が面白そうだし…)」
ソウル達は、屋根伝いで図書館へと向かって行った。
街中チェイス話 ア〇シンクリードとかを参考にしています。
大通りのイメージは貿易要素があるゲームで荷運びしているPC達です。NPCの周りでわちゃわちゃしているアレです。
ガンバレ♡ガンバレ♡〇カベン!
良いのかい?そんなホイホイ間違って…俺は(ry
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