学術都市ベリタス
完成島下…しました!
お楽しみください!
忘れてた更新日!
次回更新は9月1日 0時です!
ですが、ワクチン接種日なので更新が遅れるかもしれません!
「あ゛~…やっと着いたわね~」
「到着するまで3時間半…流石にきつかったね…」
「旅客機のありがたみが身に沁みました…」
「最初は楽しかったけど流石に3時間は飽きる…しばらく飛ぶのは遠慮したいな」
アークライトの冒険者ギルドから3時間半、ただひたすら東へと飛び続けたソウル達は、目的地の「学術都市ベリタス」へと辿り着き、街の入り口付近に着陸した後、体を伸ばしながら飽き飽きする様に言った。
「さて、はいりますか~」
ソウルが、全員に向かって声を掛けるとアップル達は頷き、街の入り口へと向かっていた。
「街へ入られる方はこの列に並んでください!また、身分を証明する物をすぐ見せられるようにしておいてください!…はいそこ!割り込もうとしないでください!体に風穴開けますよ!」
「なかなか過激な係員がいるな?」
「その位強気に言わないと従わないんじゃない?」
「…それはそれでダメな気がする」
ソウル達は、素直に係員の言葉に従い列に並んだ後、自分達の番を待ち始め、その数十分後、自分達の番が来ると、ソウルは自分のギルドカードを、生気がなく目が死んでいる受付の男性に渡した。
「この街には何しに?」
「調べ物に来ました」
「そうですか…」
受付の男性との会話は、それだけで終わり、ギルドカードを返してもらったソウルは、微妙な顔をしながら仲間達を待った。
「…何と言うか…「返事はする。だが屍の様だ。」みたいな人でしたね?」
「きっと僕達じゃ理解できない位のストレスとかあるんじゃないかな?」
「ストレス社会がこの世界にも実装されていたのか…悲しいなぁ…」
「仕方がないわよ…だって人が生きている世界だもの。人がいる限りそういうのは必ず起こり得るわ」
「そうだなぁ…」
アップルの言葉に、ソウルはしみじみと納得した。
「で?ソウル?次はどうするの?」
「冒険者ギルドでこの街のマップを貰った後、クリウス公園と言う所に行こうと思う。そこにある像の台座に伝承が刻まれているらしいからな」
「分かったわ。早速行きましょう」
「では、冒険者ギルドまでの道をルート設定します。光の線に従って進んで行ってください」
マギアがウィンドウを操作すると、ソウルの足元から光の線が現れ、ソウル達はその光の線に従って冒険者ギルドへと進んで行った。
「この街はなかなか綺麗ね~」
「そうだね~アップルちゃん。基本的な色は白色で装飾も凝っているし、古代ローマみたいだね…実際に見たことなけど…」
「だいたいこんな感じの造形してたぞ?」
「は~…そうなんですね」
ソウル達は、街の観光をしながら進んで行くと、様々な商店が建ち並んでいる場所に差し当たった。
「あら?この場所はウィンドウショッピングができるのね?」
「見て見て!アップルちゃん!あの服!ソウルさんに似合いそう!」
「あら?ほんとね!」
「‥‥どう見ても女性物の服じゃないか…」
「似合うんじゃない?あの赤と黒のドレス?」
ティカルが、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら言うと、ソウルは心の底から嫌な顔をした。
「今更女装する事に抵抗はない…ないが進んで着る事はしないぞ?」
「僕は忘れない。高校の文化祭の時、ソウルが女装して男子生徒達を弄んでいた事を!しかもノリノリで!」
「ちょ!おま!あれは委員長が集客して来いって言うから仕方なく…じゃなくて!何故今その時の事を思い出した!?」
「「「え!?何それ詳しく!」」」
「そこの機械と二人共!聞くな!‥‥‥おいおいおい!言おうとするんじゃない!」
一機と二人に、当時の事を説明しようとするティカルの口を、ソウルは慌てながら手で押さえて塞いだが、ソウルの後ろにいる一機と二人は、聞きたそうに目を輝かせていた。
「いいか?絶対に言うなよ!?ぜった…い゛!?」
ソウルはティカルに、あの時の事を言わない様に忠告しようとしたその時、突然後ろから何かがぶつかって来た。余りに突然な事だった為、ソウルは衝撃をいなすことが出来ず、うつ伏せで地面に倒れてしまった。
「え?…なに?」
「……ぐ…だざい…」
「へ?」
「だずげでくだざい゛!!」
「うわ!早速何かに巻き込まれた!」
突然、路地から飛び出す様に現れて、ソウルの背中にぶつかって来たのは、灰色のローブを着た女性だった。その女性は、ソウルと一緒に倒れた後に頭を上げると、濁音だけの言葉でアップル達に助けを求めると、ティカルが目を大きくさせながら、何かに巻き込まれて事を驚いた。
「えっと~助けるのは良いけどそこ退いたら?下にいるソウルがそろそろキレそうよ?」
「え!?…ひゃあぁぁ!」
アップルの言葉を聞いた女性は、ゆっくりと視線を下に向けると、下敷きになっているソウルの目と合い慌てて横に退いた。その時のソウルの目は、「早くどけ‥退かないとぶっ殺すぞ?」と言っている様なヤバイ目つきで睨んでいた。
「…無様に転がされ、新品の服に土を付けられた挙句に突然助けてくださいと他人を巻き込もうとしてくる…新手の当たり屋か何かか?謝罪一つもしないそんな貴女に対してキレそうなんだが…」
ソウルは立ち上がった後、服に付いた土を払いながら怒りが混じった声で言うと、ローブの女性は慌てて頭を下げた。
「す!すみませんでした!!」
「…はぁ…いいでしょう…で?何に追われて…って聞くまでもないですね」
ソウルが、女性が出て来た路地に視線を向けると、チンピラ風の男達が数人出て来た。
「おい!姉ちゃん…いや、兄ちゃんか?ああ、もうどっちでもいい!そいつをこっちに渡してもらおうか?」
「いいですけど…その前に事情を話してください」
「あ!?そんな事お前に…!」
「待て、分かった。事情を話す…そこの女は、俺達のボスから金を借りたんだが、そいつはあろう事か返せないと言ったんだ。だからうちらが経営している娼館で働いてもらおうとしたんだが、少し目を離した隙に逃げ出してな…だから…」
「ふ~ん」
絶望の表情をしている女性を他所に、チンピラ達の中にいた優男が事情を話し始めたが、ソウルは全く聞いていないような素振りで、足首に付いた土を払うような動きをしていた。
「おい!?聞いているのか!?」
「聞いてるよ~…あ~…借金の取り立てに行ったら返せないと言われて、娼館に売り飛ばそうとしたけどマヌケムーブしちゃって逃げられちゃったって話だろ?」
「マヌ…ああ、そうだ」
ソウルの言葉に、チンピラはカチンとしたが、そこは我慢して同意した。
「で?この話は本当か?」
「しゃ…借金何てしてないわよ!それにこの街では娼館は禁止されてるのよ!?何処に連れて行く気だったのよ!?」
「ッチ!ああ!めんどくせぇ!こいつら殺して連れて行くぞ!」
「おい!待て!」
優男の隣に居たガタイのいいチンピラが、痺れを切らして懐からナイフを取り出すと、ソウルに斬りかかって行った。が、ソウルとその男の間に、アップルが割り込むようにして入って来た。
「どけ女ぁ!」
「よっこいしょ!」
ガタイの良い男は、アップルにナイフを振り下ろしてきたが、アップルはスッと一歩踏み込み、難なく振り下ろして来た腕を掴み取った後、そのまま一本背負いを行った。
「っく!」
アップルに背負い投げられた男は、頭が地面と衝突する寸前に、慌てて開いている腕で頭を庇ったが、アップルは、掴んでいた腕を放し、後頭部に蹴りを入れた。
「見事な雷!俺達じゃなきゃ見惚れちゃうね…あ~念のために聞くけど殺してないよな?」
「大丈夫よ!誓って殺してないわ!」
「わぁ!マスター!この男のHP3残ってます!確実にヤバイ音したのに生きてますよ!」
マギアの言葉を聞いて、アップルはフフーンと胸を張った。
「で?次こうなりたい奴はいるか?…それと警告するが生かすのはこいつので最後だ」
ソウルの睨みで、チンピラ達は数歩後ろに下がった後、その中の一人が逃げ始め、それに続く様にチンピラ達は逃げ出し始めた。
「おい!こいつを回収していけ!馬鹿共!なんでいつも置いて行こうとするんだ!?」
ソウルは、チンピラの一人に向けて石を投げると、その石は優男の尻に当たった。石が当たった優男は、言われた通りに瀕死の男を回収した後、路地の奥へと消えて行った。
「ありがとうございました!助かりました!」
「いや、貴女はまだ助かってないですよ?」
「え?!それはどういう…」
「まぁそれは後で言いますよ。着いて来てください。ここでは一目が付きすぎるので」
今いるこの場所は、様々な商店が建ち並んでいる通りな為、人通りが多く、ソウル達を囲むようにして野次馬が出来ていた。更には、騒ぎを聞きつけた衛兵達も、こちらに向かって来ている姿が見えたので、ソウル達は急いで冒険者ギルドへと向かって行った。
移動時間が長いと話のネタも尽きるし、寝ちゃう人が出ちゃうのもシカタナイネ!
受付の人が死に体になっている理由は…今はまだ秘密。
文化祭の時、女子達が悪乗りして総一郎を女装させました。最初執事服の原案イラストを見せて同意を得る→衣服作成時にメイド服に変更したという具合です。そして、総一郎は祖母から一流の教育を受けていた為「仕方ねぇな…」と言いながらもプロ根性が出てしまったという訳です。
見事な雷…俺じゃなきゃ見逃しちゃうね!
どう見ても〇してる技だけど、生きているので不殺です。
ソウルは土を払う仕草をしながら、地面に落ちていた石を回収していました。
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