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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
カドゥケウス
164/330

次なる旅立ちに向けて

新章です!お楽しみください!


次回更新は8月4日 0時 更新です!

 ソウル達は他のプレイヤー達と協力して、リイルフの集落に建てた防壁や瓦礫等を撤去し、伐採した場所に儀式や魔術で木々を生やした後、お世話になった住民達に挨拶を済ませ、アークライトの冒険者ギルドに戻って来ていた。


「終わったわね~」


「終わりましたね~」


「まさかあの有名な儀式?に参加できるなんて思ってもいなかったよ…」


「皆さんノリノリでしたね!」


「あの動きは~…本当に意味があったのだろうか?…楽しかったけども」


 冒険者ギルドのテーブル席で、各々感想を話していると、丁度そこに注文していた料理をギルドの給仕が運んできた。そして、全員が料理を受け取った時、ソウルが仲間達の顔を見回した後に口を開いた。


「食いながらでいいから、次の冒険の話をしようか」


「次の冒険ですか?…いただきます!」


 マナリアが合掌しながら言った後、目の前のトマトスープのスパゲッティをフォークで巻きながら、ソウルに聞き返した。


「ああ、前回と前々回は俺達が求めている冒険じゃなかったからな…今回はそういったものにしたい」


「え?俺達が求めていなかったってどういう事?…あ、旨ぁ…」


 アップルがソウルに訊ねた後、3ポンドあるソースが掛かったステーキ肉にナイフを通し、切り取った肉をフォークを使って上品に口に運ぶと、あまりの美味しさに顔を綻ばせた。


「あれ?言ってなかったか?俺達はこの世界の伝説のアイテムを探し求めて強くなろうとしている謎の集団だって事を?」


「謎の集団って…なんで謎を入れたの?」


「かっこいいから!」


 ティカルが春巻きを箸でつまみながら、眉を寄せて言うと、帰って来た言葉に数秒悩んだ後、納得した様に頷いた。


「そうだったのね…私はてっきりソウルが何かに巻き込まれて、どうにかそれを解決していく物だと思っていたわ…」


「私もそうだと思っていました…」


「違う違う!ほら!真理者の腕の時を思い出してみて!ちゃんと伝説を追って行ったじゃないか!」


 ソウルが、茹でられた豚肉にいろんな野菜を上に乗せた後、上手に箸で巻きながらアップル達の言葉を否定した。


「あ~あの時がそうだったのね。あの時はただ付いて行っただけだから知らなかったわ」


「アップルちゃんに同じくです!」


「マジか…あ~…そうか。じゃあ、そういう事だ。俺達はどこぞの事件屋ではなく伝説を追い求める冒険家なんだよ」


「マスターが事件屋だったら紳士な事件屋になりそうですね!いえ、なりそうですぞ!」


「おい!マギア!やめーや!それに言い直すな!」


 マギアは、Eと書かれた巨大な乾電池を両手で掴み、充電しながらふざけると、ソウルは慌ててマギアを止めた。


「まったく…はぁ…で、話を戻すが次の冒険はどうする?」


「伝説のアイテムよね?」


「ああ」


「う~ん…決めるとしてもこの世界に何があるのか分からないわね…何か一覧みたいなのは無いの?」


「一覧?…うーん…あ、一覧はないけどそういうのがまとめられた物なら持っているな」


 アップルの言葉にソウルは悩んだが、フォメルから貰った本を思い出し、アイテム欄から取り出してテーブルの中心に置いた。


「結構厚い本ね…」


「図とか解説も載っているからな」


「なるほど…あ、すみませーん!これお代わりください」


「3ポンドステーキですね!少々お待ちください」


 3ポンドあるステーキをあっという間に平らげたアップルは、近くを通った給仕にお代わりを注文した。


「ソウルさん?この本を見てもいいですか?」


「ああ、いいぞ」


 料理を食べ終えたマナリアが、ソウルに許可を取って本を読むと、何かを見つけた様な表情をした。


「ソウルさん!私これ!これ欲しいです!」


 マナリアが、本を開いたままの状態でテーブルに置き、そこに描かれていた図を指を差した。


「槍を持った騎士…マナリアはこの騎士が持っている槍が欲しいんだな?」


「はい!この絵に描かれている「閃槍の守護騎士」っていう騎士が持っている槍が欲しいです!」


「確かにこの騎士が持っている槍は中二心を(くすぐ)られるでかっこいいな…」


「次は僕が探してもいいかな?」


「もちろんだ」


 ティカルも本を手に取って探し始めたが、速読する様にページを(めく)っただけで終わった。


「う~ん…僕の種族が強くなりそうな物は無かったよ…新種族だからかな?」


「そうか…今後のバージョンアップに期待だな」


 ティカルは残念そうに本を閉じた後、アップルに渡した。


「あら?私の番?えーっと…どうしようかしら…」


 ステーキの付け合わせとしてあったポテトに、フォークを刺そうとしていたアップルは、一旦ナイフとフォークを置いて、ティカルから本を受け取ると、パラパラと読み進めていった。


「あ!これいいかも!」


「何々…「破壊の金剛槌(こんごうつち)」か…」


「え?何その反応?」


「いや、らしいなと思ってさ」


「らしいって何よ!もう!…あ、ステーキ来た!」


 ソウルの発言に、アップルはプンスカと怒ったが、給仕がこちらにステーキを持ってくる姿を見かけると頬を緩ませた。


「最後は俺だな」


 アップルから本を受け取り、ソウルはページをめくりながら、どれにしようかと悩み始めた。


「マスター?マスターの場合は銃火器関系の物が良いと思われます」


「何故だ?」


「現在新しい物を制作して使っていますが、伝説と呼ばれている物を獲得して研究する事で更なる開発が見込めるからです」


「あ~なるほどな~…じゃあこれだな。「ネオ&リーブス」っていうヤバい奴」


「ヤバい奴なの?」


 ティカルが、食後のお茶を飲みながらソウルに訪ねた。


「ああ、この伝説の最後に書かれている文章に「残ったのは焦土と化した大地と幾多の屍だけだった」とあるからな…たったこの文だけでやばい物だって分かる…」


「ふ~ん…そうなんだね~」


 ティカルはソウルの説明を聞いたが、あんまり興味ない様な生返事を返した。そして、そんな生返事を返すティカルに、ソウルは「こいつ…聞いといてそんな返事を返すとか…」と内心でイラっとした。


「《選びたいワン!》」


 ソウルが、ティカルにイラついていると、足元にいた銀牙がソウルに念話を飛ばして来た。


「おー?食べたか?」


「《美味しかったワン!》」


 ソウルは、視線を足元にいる銀牙に向けると、銀河は口元をペロリと舐めた。


「じゃあ、本を捲って行くからここだと思った時はワンと言ってくれ」


「《分かったワン!》」


 銀牙を持ち上げて膝に乗せた後、ソウルは銀牙の目の前で本のページを捲って行った。


「ワン!」


「ここだな?…何々?「カドゥケウス」か…」


「かどぅけうす?」


「カドゥケウスとは「聖なる力を伝える者が携える呪力を持った杖」やヘルメスの杖とされており、この杖が象徴するものは平和・医術・医学・医師・商業・発明・雄弁・旅・錬金術などですね!ウィキ先生に聞いてみました。」


「という事は、製作する時これを持っていたらバフが掛かるって事ですかね?」


 ソウルが伝説の名前を言うと、アップルが首を傾げながら聞き返すと、マギアがwikiに載っていた情報を言った。


「多分そうだろうな」


「でもこっちの世界じゃ性能が変わっているっていう事よくあるよね?」


 ティカルの指摘に、ソウルは眉を寄せた。


「まぁそうなんだが…それを言ったら予想すら立てられないだろう」


「あ~…それもそうだね。ごめん」


 ソウルの言葉に、ティカルは納得して謝罪すると、突然そこにソウルのストレージにいたティーが出て来た。


「ちょっとー!なに皆で美味しそうな物食べてるのよう!私にも食べさせなさいよう!」


「ティー?私はちゃんと誘いましたよ?ですが、あなたは半分寝ていていらないと言ったではないですか?」


「そんなの寝ぼけてたんだから無効なのよう!早く食べさせるのよう!甘いものが良いのよう!」


 ソウルの頭を抱え込むようにして、肩に座ったティーが騒ぎ出すと、ソウルは余りの五月蠅さに参り、ティーを肩から降ろして隣に座らせ、テーブルの脇にあったメニューを渡した。


「ほら、好きなの頼みな」


「分かったのよう!…えーっと…うーんと…これもいいのよう!…よし!決まったのよう!すみませーんなのよう!ここからここまで全部1つずつくださいなのよう!」


「…よく食うな…」


「甘い物は別腹で沢山食べれるのよう!」


 ティーの言葉を聞いた給仕が「少々お待ちくださーい!」と返すと、ティーはウキウキしながら甘味が来るのを待った。


「で~…何処まで話したっけ?‥‥ああ、そうだ。皆が行きたい伝説は「閃槍の守護騎士」、「破壊の|金剛槌」、「ネオ&リーブス」、「カドゥケウス」の四つだな」


「皆それぞれ違うけど…どうやって決めるの?」


「私にいい考えがありますよ!」


 アップルの疑問に、マギアが嬉々として答えると、ソウルの内に不安感が湧き出て来た。


「ルーレットで決めましょう!」


「ルーレット?」


「はい!こんな事も有ろうかと予想して私が作って置いたルーレットを使うのです!」


 マギアは、テーブルの中心に大きめのウィンドウを表示すると、そのウィンドウには3DCGで作られた丸い円盤と、2Dドットで表現されたダーツが映っていた。


「なんか…無駄に表現力が高いな…」


「ネットサーフィンしていた時「無駄は大事」という文を見つけたので、そういう物に(こだわ)って作りました!」


「ああ、そう…」


「では、先程の4つを入力して~ルーレット開始です!」


「…〈あれ?気のせいかな?今パジェ〇っていう物があった様な?〉」


 ソウルは、目を細めてルーレットを凝視していると、ウィンドウに2Dドットのマギアが現れ、ダーツを投げて当てると、ゆっくりとルーレットの回転が遅くなっていった。


「お?」


「あ~」


「あら?」


「ほ~」


 全員がルーレットの結果に、一文字や二文字の声を上げた。


「〈当たったワン!〉」


 ダーツが刺さった場所は、銀牙が選んだ「カドゥケウス」だった。


「決まったな」


「いつ出発するの?」


「今週の金曜の夜か土曜日の朝だな」


 ソウルの言葉に、アップルは申し訳ない顔をした。


「申し訳ないけど金曜日の夜は用事があって行けないわ…」


「あーじゃあ、土曜日の朝はどうだ?」


「土曜日は大丈夫よ」


「では土曜日の朝で、時間は8時位でどうだ?それと、集合場所は冒険者ギルド前でいいか?」


「おっけー」


「大丈夫です!」


「わかったわ」


「じゃあ皆、土曜日の朝8時までにそれそれの準備を済ませておいてくれ」


 三人はソウルに頷き、次の冒険に出る日時が決まると、ティーが注文したデザートを給仕が運んできた。


「思ってたのより大きいのよう…」


「…皆、すまないが手伝ってくれ…」


 ティーの発言にソウルは、全員に助力を求め、次々とテーブルに運ばれてくる甘味類をやっつけて行った。


飯テロ回


紳士な事件屋…一体誰何ブランドなんだ…


やっぱりアップルさんは物理好き


マギアは10分でルーレットを作りました。




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