幕間
今回 幕間なので少し短いです!
ですが、お楽しみください!
次回更新は7月28日 木曜日 0時更新です!
Wonderful Planetを運営や開発している、ブレインアクション社の会議室の一室で、2人の男性と2人の女性が話し合っていた。
「それで~…彼は神獣を倒したっていうの?」
「ああ。バッチリ見てたから間違いないよ?いや~アレには感動したね!あんなフィニッシュムーブを決めるなんて!しかも全部マニュアルでだ!すごいと言うしかないね!」
「…そう」
一人の男性が、興奮しながら女性に報告をしたが、その女性はどこか冷めた様な対応で聞いていた。
「私も見ていましたが…彼はいい子ですね。住民が死んだ事に責任を感じて、素直に頭を下げたのですから…ただのデータの塊ではなく、ちゃんと一つの命として見てくれている…これはとても嬉しい事ですよ」
「…そう」
報告を聞いている女性とは別の女性が、彼を褒めたが、先程の男性性と同じく冷たい対応だった。
「もー!彼の何が気にくわないんすか!?ソフィアさん!配信ではあんなに盛り上がっていたのに!」
「彼がどうこうと言う事じゃないわ!私、彼の事はすごく好きだけど…銃が!銃が嫌いなのよ!」
今まで沈黙していた男性が、うんざりするような態度でソフィアに訊ねた。するとソフィアが、自身の眉を寄せて反論する様に答えると、その答えを聞いた男性も眉を寄せて口を開いた。
「…う~ん…ソフィアさんの過去起きた事には同情しますが…それとこれとは別でしょうよ!?」
「だって…」
「だってじゃないっすよ!前回のバージョンアップでとあるジョブをナーフしたのだって、そのトラウマが原因でしょ?俺達に相談もせずに独断専行でやったみたいだったし…」
男性がキレ気味にいうと、ソフィアが顔を伏せた。
「まぁまぁ近堂さん。俺達ジョブ担当は気にしてませ…いや、するな!あれのせいでスケジュールがだいぶ遅れたし!」
「堺…フォローはちゃんとして…」
「…無理だわ!はっはっは!」
キレ気味に言う近堂を宥め様とした堺だったが、自分達のチームのスケジュールが遅れた事を思い出して止めると、ソフィアがツッコミを入れ、堺はそのツッコミに笑いながら、首を横に振って答えた。
「酷い!酷いわ!四十崎はどう思う?」
堺の言葉に傷ついたソフィアは、この場にいるもう一人の女性に、助けを求める視線を向けた。が、四十崎は「何言ってんだこいつ?」と言いたそうな表情で、ソフィアを見つめた。
「怒られて当然ですよ。勝手に指示を出してやったのですから…」
「ソンナー!」
ソフィアは四十崎に助けを求めたが、助けて貰えない事にがっかりし、机に突っ伏して泣き始めた。
「で?どうするっす?彼や彼のジョブは?」
泣き出したソフィアを無視して、近堂が話を進めると、残り二人が悩み始めた。
「しばらくこのままにするしかないんじゃない?」
「四十崎さん…まじっすか?」
「ええ、だって私達…数か月先までスケジュール一杯だもの…」
「そうだよなぁ…ただでさえブラックな労働だもんなぁ…余裕ないよなぁ…」
2人はしばらく考えた後、四十崎が最初に口を開き、堺がその言葉に同意する様な言葉を呟くと、その二人の答えを聞いた近堂は「本気か?」と言いたそうな表情をした。
「ただでさえパワードスーツに制限を付けちゃったんすよ?…このまま静観して、彼がこのゲームを止める様な事になったら目も当てられないっすよ?すでに彼は、このゲームの顔になりつつあるのだし…」
「それそれ!それについて聞きたかったんだけど…なんで制限を付けたの?」
近堂の言葉に、ビクッ!と体を動かす人物がいた事に三人は気が付いた。
「ソフィアさん…マジっすか?」
「ソフィア…貴女…」
「あんた…マジかよ…」
「ち…違うのよ!管理AIにバクを修正するよう指示を出したらああなっちゃったのよ!」
ソフィアは慌てて弁解したが、三人はその言葉を信じられず、ジトっとした目を向けた。
「私はあのバグが発生した時に見てたけど…管理AIが?ただ修正するだけじゃなく、制限を付ける修正をしたの?」
「そうよ!信じて!」
「まさか!在り得ないっすよ!」
「はいはい、またソフィアさんがなんかしたんだな?」
「私はバグを修正する様に言っただけなのよぉぉ!信じてよぉぉ!」
ソフィアは、自身の言った事を信じて貰えず、また机に突っ伏して泣き出した。
「プロデューサーのせいで彼にとんでもない迷惑をしてしまいましたね…これ以上の干渉するのは止めて私達は静観してましょう…」
「四十崎に異議なしだ」
「俺の方もそれで問題ないっすよ。余計な事してまた下方修正されたら、今度こそ彼はこのゲームやめてしまうっすから…」
「そうね!そうしましょう!」
三人の言葉にソフィアも同意した。先ほどから泣いていたはずのソフィアが、そんな事は無かったかのように、白々しく、お道化た様に、かわいいをわざと出す様なあざとく同意した。そして、そんなソフィアの姿を見た三人はイラつき、持っていたペンを折ったり、目の前の書類をクシャっと握ったり、握り拳を固くした。
「スゥゥ…ハァァ…ちょっと休憩しましょうか」
「そうだな…タバコ吸って来るわ…」
「一息入れてクールダウンするっす」
「あれ?みんな?どうしたの?」
堺、近堂、四十崎の三人は、ソフィアを無視して会議室を出て行った。
「怒らせない様に可愛く行ったけど…ダメだったみたいね…」
もし、その言葉を誰かが聞いたのなら「そこじゃねーよ!それに歳を考えろよ!」と誰もが言うと思うが、この場にソフィアしかいなかった。
「今、彼は何しているんだ?」
「あ、近堂さんお疲れ様です。会議は順調ですか?」
「…聞くな」
「あ、いつものですか…」
近堂が、会社の喫煙場所で一服した後、自分のチームが仕事している所に戻り、部下の一人に彼が今何をしているのか訊ねた。
「えっとですね…いま彼はト〇ロしている所です」
「は?〇トロ?」
「これです」
部下に液晶モニターを向けられ、そこに映っている物を確認すると、彼が住民達や他のプレイヤーと一緒に何かの儀式をしていた。その儀式と言うのは、全員一列に並びながら数歩歩いた後、森に向かって両手を下から上に上げると、植物が芽吹いたり、大きく育っていくあの有名なアニメに酷似している物だった。
「あれ?俺は夢でも見ているのか?」
「夢っぽいけど!夢じゃなかった!」
「うるせぇよ!ってこれ…これはまずい!不味過ぎる!関係各所からなんか言われたら菓子折り持って土下座しに行かなきゃ行かなくなるぞ!」
「きっと大丈夫ですよ!プレイヤーがやってる事ですから!」
「そういう事じゃねぇよ!この儀式を公式がライブ配信している事が問題なんだよ!」
「あーなるほど…それは不味いかもしれないっすね…」
「コメントとかも大草原になってるけど…やべぇよ…やべぇよ…」
近堂は、液晶モニターに映ってる光景に頭を抱えて苦悩すると、部下が何かを閃いたような顔をした。
「もし何か言って来たら知らぬ存ぜぬで乗り切りましょうか?」
「そんな事すれば炎上する可能性が大きい…」
「炎上ですか…怖いっすね~」
その後も二人は、モニターの先で起こっている事を、ただ黙って見ているしかできなかった。
ブレインアクション社での出来事。
白井・ソフィア
近堂 幹彦
堺 秀雄
四十崎 蘭
の4人話。
ソフィアさんはポンコツ。だけど過去に何かあって、銃という物が嫌いになってます。
銃士が弱体化したのはソフィアさんの独断専行&パワードスーツに制限が付いた理由&やべぇ案件発生中!
モチベ維持に評価お願いします! ありがとうごじゃいます!
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