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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
隻狼と氷狼の銀弾武踏
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神獣戦

皆さん、日々の生活お疲れ様です。


次回更新は6月23日0時です!

 第3防壁が破壊され、ソウル達は北西の遺跡に向かって飛行していると、周りの森に対し、不自然と言って良い程の円形に広がっている空間がある事に気が付き、ソウルはあそこに遺跡があると考え、その空間に着陸して行った。


「ここが目的の遺跡だな…マギア、周囲に敵は?」


「ありません」


「いないの?私はてっきり魔物が(ひし)めいていると思っていたんだけど…」


「私もそう思っていました…それにしても…不気味な雰囲気してますね…この遺跡…」


 マナリアが遺跡を見ながら言うと、その場にいた全員も遺跡を見ながら頷いた。今、ソウル達が見ている遺跡は、マヤ文明のピラミッドを思わせる様な雰囲気の建物で、いたる所が森に侵食されており、崩壊して地面に転がっていたと思われる巨大な像の頭が、木に持ち上げられて尚且つ絡まった状態の木が、一番の存在感を出していた。だが、そんな木々の生命力を感じられる場所でも、聞こえてくるのは風に揺らされた木々の音だけで、動物の鳴き声は一切聞こえてこなかった為、異様な不気味さを出していた。


「敵が居ないというなら好都合だ…だが、罠という可能性もある。ここはなるべく早くで慎重に行こう」


 ソウルがピラミッドを見ながら言うと、その場にいた全員が頷いた。


「マスター、ここから先がマウント使用不可エリアになっております。お気を付けください。それとですが、ここの下から強力な反応がありました。多分これがディスペアーストーカーだと思われます」


「分かった」


 ソウルがマギアの注意に頷き、ジャバワークから降りると、マギアの声が聞こえたプレイヤー達もマウントから降りて、武器を点検し始めると、ソウルは右甲にある召喚器に視線を移した。


「(RGAVは後一時間で使用可能か…きついな…今の俺であいつを倒せるのか?)」


「おいおいソウル、どうした?そんな難しい顔して?まさか怖気(おじけ)づいたのか?」


「ん?あ…そんな顔していましたか?ジェラルドさん?」


「ああ、していた」


「そうですか……そうですね…実はすごく不安ですよ…今の俺で倒せるのか?という不安が俺の中で渦巻いてます…」


 ソウルは、少し困った様な表現をしながら、右手を何度も閉じたり開いたりすると、前にディスペアーストーカーに切られたガントレットの切断部分から、金属同士を軽くぶつける様な金属音が聞こえた。


「はっはっは!不安?上等じゃないか!相手は神獣なんだし仕方がないさ。でもな…ソウル…今の俺じゃないだろう?()()()()()


 ジェラルドの視線と言葉を聞いて、ソウルはその言葉の意味を考えるとハッとした。その言葉の意味とは、「一人で戦う」のではなく、この場にいる「全員で戦うのだぞ」という意味だった。「不安もあるだろう…だが、お前ひとりじゃないんだぞ?」と激励する言葉であり「一人で戦っている気か?自惚れるな!」と叱咤する言葉も含まれていた。


「…そうでしたね…防壁の事で弱気になってました…悔やむのも嘆くのもこれが終ってからです!行きましょう!」


 ソウルの言葉に全員が頷き、ピラミッドの頂上にある扉へ向かって行った。









「あれだな?」


「はい、間違いありません」


 ソウル達がピラミッドを昇り、頂上にある扉を通ると、そこに一つの魔法陣があった。その魔法陣をマギアが調べてみると、地下に通じている魔法陣らしく、ソウルが勇気を出して魔法陣の上に乗ると、光が無い真っ暗な場所に転移した。ソウルが、アイテム欄から松明を取り出し、火を灯して辺りを調べると、その場所は一本道だという事に気が付いた。数秒後にマギアが転移してくると、ソウルとマギアは一本道を進んで行き、右側の壁が大きく崩れている壁を発見した。ソウル達は、その崩れた壁から先を覗いてみると、巨大な洞窟が広がっており、その最奥にはまるで眠っているかのように静かにしている神獣がいた。


「ソウル?作戦はどうする?」


 いつの間にかソウルの後ろにいたアップルが、ソウルに話しかけてくると、ソウルは眉を寄せて答えた。


「情報が足りない…しばらく観察したいんだが…出来るか?」


「回避主体って事ね。大丈夫任せて」


「皆さんもそれで大丈夫ですか?」


 アップルの後ろにいるプレイヤー達にソウルは同意を求めると、プレイヤー達とジェラルド、アゲハの二人は頷いた。


「よし、じゃあ氷雨と銀牙、ティーをを呼ぶからすこし待ってくれ」


 ソウルはその場に松明を捨てた後、手早くウィンドウを操作してティーと狼親子を呼び出した。そして、先程決めた作戦を1人と2匹に伝えた後、ソウルはΣウェポンをホルスターから抜くと、銃砲身を額に付けて呟き始めた。


「(俺は最強の銃使い…俺の撃つ弾丸は確実に当たり、敵を死に追いやる魔弾だ…俺ならできる…敵を悉く撃ち貫き、残る物はただの静寂のみ…)」


 祈る様に呟きながら自己暗示をかけ、自身の感覚が次第に鋭くなっていく感覚を感じたソウルは、意を決して洞窟の中へと入っていった。


「先手は貰う!」


 ソウルが片足を洞窟に入れると、洞窟全体が明るくなっていき、神獣「ディスペアーストーカー」の姿がはっきりと分かるようになった。その姿は前の姿とは大きく変わっており、熊の上半身に2足の前足が追加された6足になっていて、金属質の体毛が金色に輝いていた。更には、全体的に筋肉質になっており、体毛で覆われていようともはっきりと分かる程の隆起した筋肉をしていた。また、その筋肉のせいか大きさも変わっており、3mあった体長が6m程になっていた。ソウルは、その姿を目にしても怯むことはせず、ディスペアーストーカーが行動を起こす前にΣウェポンを発砲した。


「グガァァァァァァァァァ!!」


 放たれた弾丸が、ディスペアーストーカーの胴体に当たったが、金色の体毛が弾丸を弾くと、攻撃された事によってディスペアーストーカーが動き出し、大きく咆哮を上げた。その咆哮があまりにも大きく、尚且つ洞窟内だった為に反響し、ソウル達は数秒の硬直のデバフが付いてしまうと、その場から動けなくなったソウルに向かって、ディスペアーストーカーが発射された砲弾並みの速さで突進して来た。


「くそ!」


 ディスペアーストーカーの突進が、ソウルに当たるまで4mとなった時、ソウルのステータスから硬直のデバフが消えると、ソウルはブルーローズを紐状にし、右に射出してギリギリ回避したが、僅かに当たっていたらしく、ソウルのHPが8割減っていた。


「(チィ…掠っただけで8割持って行きやがった…)」


 ソウルが内心で舌打ちしていると、ヒーラーから回復魔法が掛かり、ソウルのHPを全開まで回復させた。その間、盾持ちのKUNIMOとマナリアがディスペアーストーカーの前に立った。


「マナリアさん!【ヘイトスティール】を合わせて!」


「はい!」


 盾持ちの二人が、息を合わせてスキルを使うと、ソウルに向いていたヘイトが二人に集まり、ディスペアーストーカーは、4本の前足を叩きつける様に二人に向かって攻撃し始めた。


「一撃が重い…」


「このままじゃ…」


 盾持ちが二人掛りで攻撃を凌いでいるが、思いの外ディスペアーストーカーの攻撃が重く、捌いて行くのが難しくなっていくと、ディスペアーストーカーの後ろからヘラルドとアップルが、攻撃を仕掛けた。


「せい!」


「【一撃破砕】!」


 ほぼ同時の攻撃だったが、アップルのスキル攻撃は金属を叩いた音を出しただけで、ダメージは入っていなかったが、ジェラルドの特殊銀で作られた剣が、深くディスペアーストーカーを切り裂いた。


「グオォォォォォ!」


 ジェラルドの攻撃が通り、ディスペアーストーカーが苦痛の鳴き声を上げた後、ディスペアーストーカーは、二人を巻き込むような形の後ろ回し蹴りを繰り出した。その回し蹴りに巻き込まれた二人は、慌ててガードするが、強力な脚力をしている為、二人は吹き飛ばされ、洞窟の壁に衝突した。


「【アクアボール】」


「【ショックウェア】」


「【アイスストーム】」


「【エアランス】」


「【フレイムピラー】」


 魔法職のプレイヤー達が魔法で攻撃すると、ディスペアーストーカーのHPバーが、微妙に減少して行き、その後も魔法攻撃を喰らっていたディスペアーストーカーが、両腕を顔面でクロスさせた後、その両腕を十字に切る様な動きをしながら、腰の位置に移動する動作をしながら咆哮した。その動きは、まるで空手家の挨拶のような動作で、咆哮は何かのスキルを使ったようだった。


「【マジックリフレクター】」


 ディスペアーストーカーを中心とした全方位に向かって、プレイヤー達が使っていた魔法が反射されると、プレイヤー達は慌てて回避したり、盾職の後ろに隠れたり等の回避行動を取った。ディスペアーストーカーの反射攻撃を回避できず、ダメージを負ったプレイヤーの数は多くいたが、戦闘不能者はいなかった。


「物理もダメ…魔法もダメ…通ったのはジェラルドさんの剣だけか…ユメミルクとホワイトローズはどうやって神獣を攻略したんだ?」


「拘束魔法やスキルを使ったゴリ押しですね…あの時は1日全部使ってやっと倒せましたよ…」


 ディスペアーストーカーの反射攻撃時、ソウルが滑り込む様にKUNIMOの後ろに隠れると、友人二人が、どうやって神獣を倒したのかをKUNIMOに訊ねた。そして、その答えを聞いたソウルは渋い顔をした。


「1日使ってか…けど今はそんな時間はないな…」


「あのおじさんが斬った所を攻撃するのよう!斬り傷にスパイスを捻じ込んでやるのよう!」


「…かなり痛そうだけど、それしかないか…」


 マナリアの後ろに隠れていたティーが、両手を上下に振りながら言うと、ソウルはジェラルドがいる方を向いた。


「ジェラルドさん!ディスペアーストーカーを攻撃してください!防御はこの二人がします!ガンガン行ってください!」


「分かった!」


「俺達はジェラルドさんが斬った箇所を攻撃するぞ!」


「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」


 プレイヤー達の「了解」を聞いたと同時に、ソウル達は動き出した。

やっぱ森の遺跡は、マヤ文明が似合うかもしれない。


ソウルだって弱気になります。人間だもの。


Q なんでソウルが最初に突っ込んだ?

A 初見殺しを予想してソウルが最初に攻撃しました。

補足 案の定、初見殺しがありました。ソウルはブルーローズがあったから回避出来ました。(掠って大ダメージを受けましたが)もし盾持ちが最初に攻撃していると戦闘不能に陥り、PTが瓦解していました。


【ショックウェア】は妙に甲高い声で唱えてください。


傷口にスパイス…痛そうだ…嫌、実際痛い。


モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!


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