リイルフ集落 防衛準備 行
お楽しみください!
次回は5月5日0時更新です!
「おっす!ソウル!各リーダー達を集めて来たぞ!」
「それとご要望の土木建築に強い人達もね~」
ソウル達が、屯所内で必要な事を話し合っていると、友人二人がプレイヤー達の代表と生産職のプレイヤー達を連れて屯所に入って来た。
「ありがとう二人共。早速だけど、これを見てくれ!」
「なにこれ?サ〇エさんハウスでも召喚するの?」
「いや、このサザ〇さんハウスはこの集落だ。で、茶色の部分が防壁」
「ああ、上から見た予想図って事?」
ホワイトローズの言葉にソウルは頷いて話を続けた。
「リアルならこの規模の物を作るとしたら、かなりの年月がかかると思いますが…この世界には魔法やら機工兵装やらありますよね?それらを駆使していけば、一夜城並みの時間で出来ると思うのですが…どうでしょうか?」
ソウルは、自分が書いた絵を頭の上に掲げて、その場にいた全員に見せながら言うと、プレイヤー達が騒然とした。
「あのー!いいんですか?そんな大規模な物を作っても?」
プレイヤー達が騒然とする中で、一人の女性プレイヤーが手を上げてソウルに質問すると、ソウルは深く頷いて口を開いた。
「はい、許可は貰ってあります!ただし、終ったら元に戻すと言うのが条件つきですが…。まぁ、終わったら後で植林すればいいし、今回の襲撃に耐えられる物だったらしっかりとした物でなくても大丈夫です」
「あ~…なるほど…長く使う訳じゃなく、今回の襲撃に耐えられればいいから基礎とかの工程をすっとばしてもいい訳ですね…それなら…」
女性プレイヤーは、視線を下に向けながら小声で呟き、何かを思考し始めた。そして、その数秒後、考えがまとまったのか、視線をソウルに向けて頷いた。
「大丈夫です。いけますね」
「ほんとうですか!?あ~えっと貴女のお名前は?」
「私は、ユニオン「7 Colorsのウイです。今回は薔薇乙女騎士団の友人に誘われて参加しました。よろしくです」
「ウイさんですね。よろしくお願いします」
ウイが自己紹介すると、ウイに周りに居たプレイヤー達が驚いた表情をしていた。ソウルは、その表情の意味が分からず、近くに居たホワイトローズに視線を向けると、ホワイトローズはウイ説明をし始めた。
「有名プレイヤーの人だよ。と言っても戦闘とかの話じゃなくって生産職の方で、だね。彼女がデザインするユニオンホームはすっごくいいらしいよ?」
「なるほど、建築デザイナーの方でしたか…」
「リアルは卵なんですけどね…それもなかなか羽化できない方の‥‥」
ウイが、突然自分のリアルを話し、表情が暗くなった。ウイの言葉を聞いたプレイヤー達も「リアルはやっぱりそうだよね~…」と言いたそうな雰囲気を出し始め、これはいけないと思ったソウルは、慌ててウイに話しかけた。
「では!ウイさんに建築関係の総指揮を任せたいと思いますが、皆さんもそれでいいですか?」
ソウルの言葉にプレイヤー達は頷いたが、その決定に否という男性プレイヤーが現れた。
「おう!ちょっと待ちな!そこの卵の嬢ちゃんより、現役で!!大工している俺に任せろ!」
「失礼ですがお名前は?」
「おう!よく耳かっぽじいて聴きやがれ!俺の名前はEarthBeatのケンザオだ!」
ケンザオと名乗った男性プレイヤーが、大声で自己紹介するとまたもプレイヤー達が驚愕し始めた。ソウルは、今度はユメミルクにその理由を尋ねる為に視線を向けると、ソウルの視線に気付いたユメミルクが説明し始めた。
「このおっさんのユニオンとうちとは仲のいいユニオンでな~。いろいろ頼んだり頼まれたりしている関係だ。それで、このおっさんの所のユニオンはいろいろな伝説を持ってるんだよ。例えば~わずか一日で全壊した日本式の城を立て直したりとかだな!」
「おう!あの時はリアルで城の修繕した経験が役に立ったぜ!」
サムズアップをソウル達に向けて笑いながら言うと、卵のお嬢ちゃんと呼ばれたウイが苦笑いしながら若干キレた口調で反論し始めた。
「確かにリアルでは卵ですが、この世界では一目置かれてるんです!この前だって依頼人に「いいデザインだな」って褒めて貰ったんですから!」
「ヘッ…なんでぃ!?ちょっと澄ましたデザインだったってだけの話じゃねぇか!俺達は、そこに長年人が住む事を考えて実直な建築をしている!チャラチャラしたものなんぞお呼びじゃないね!」
「はぁ!?私のデザインがチャラチャラした物ですって!?ふざけないでよ!?」
「実際そうだろ!?」
両者は一歩も譲らず、激しい視線の火花を散らしながら口論を始めてしまった。そして、その二人の様子を見ていたマギアが、ソウルに質問して来た。
「マスター?二人が不毛な口論を始めてしまいましたが…今の気分は?」
「中間管理職の人が胃痛持ちになる理由を知った気分だ…」
ソウルはマギアの質問に答えた後、一度だけため息を吐き、言い争う二人に一つの提案を出した。
「おーい!こっちを手伝ってくれ~」
「了~解~」
「ちょっと邪魔するよ」
「邪魔するなら帰って~」
屯所内で大体の話し合いが終り、リイルフの集落の住人達とプレイヤー達が協力して、集落の周りに防壁が建てられ始めた。いたる所で作業音が聞こえ、手伝いを求める声や冗談交じりの会話など多くの声もソウルの耳に届いて来た。
「防壁の外に罠を仕掛けてくれる人がいて助かったな…後必要な物は~…武器防具関係か?」
「医療品の準備もしないといけませんよ?マスター?」
「あーそうか…ホワイトローズ?医療品製作に人回せるか?」
「う~ん…こっちも手一杯だけど…なんとかしてみるよ~」
「すまないが頼む」
「ソウル?引っこ抜いた木々は何処に置いたらいいかって連絡が来たぞ?」
「それらは一度生産職達がいる場所の近場に置いといてくれ!先尖らしてバリケードにしたり、製作の素材になるからな」
「了解した」
屯所内で大体は話し合ったが、細々としたものは何も決まっていなかった為、問題が起こればその都度指示を出していった。ソウル自身も指示を出すだけでは無く、手伝いが必要な場所に赴き、丸太を隙間なく繋げて作った壁にロープを通し、他のプレイヤー達と一緒になって地面から起こしたり、先を尖らせた木を固定する為の穴を掘ったりなど行った。それらの作業をしながらも、屯所前にマギアを置いて受付とし、質問があるプレイヤーに答えて行った。
「ありがとう!ソウルさん!こっちはもう大丈夫!」
「あいよ~」
そしていろいろと手伝いながら数時間が立ち、女性プレイヤーがソウルにお礼をを言うと、ソウルは片手を上げて返答した。
「さて、次は…」
次の手伝いに向かおうとした所、屯所前にいるマギアから通信が入って来た。
「マスター魔返し鍛錬の依頼が来ております」
「あー…分かった。丁度手伝いが終った所だから生産職の人達がいる場所に向かう。魔返し鍛錬は一人じゃできないからマギアも来てくれ」
「了解です。立て看板を立てたのち向かいます」
ソウルはマギアとの通信を切った後、立て看板とは?と頭の上にクエッションマークを浮かべながら生産プレイヤー達が集まっている場所に向かって行った。
「すーみませーん!鍛冶場貸してください!」
「おんや?ソウルさん?今度は鍛冶ですか?空いてる所なら好きに使ってください」
「アザマス!」
ソウルが、生産職の人達が集まっている集落のすぐ外側に到着すると、見覚えがあるテントを見つけ、テントの中に入って行った。そのテントは、白いバラの紋様が天井付近に刺繍されており、以前ソウルが魔返し鍛錬を行ったテントだった。テントの中にいる人も顔見知りだった為、許可が下りた事に魔法の名前の様な感謝を言うと、空いている鍛冶場に向かい、魔返し鍛錬の準備を始めた。
「お待たせいたしました。マスター」
「お?来たな。でだ、何を作ればいいんだ?」
「このオリハルコンインゴットをロングソードの刺突剣にしてもらいたいらしいそうです」
「‥‥ロングソードの刺突剣?なんじゃそりゃ?」
「全長をロングソード位で身幅は平らで肉厚に、そして切先は刺突剣の様に鋭く尖らせてという事みたいですね」
「難しいな…絵とか設計図とかは無いのか?」
「一応依頼者の方にそれらの確認をしてみたのですが、絵で説明すると余計におかしくなるので書いてはいないとの事です」
「マジか…う~ん…とりあえずやってみるか…」
「一度違う素材で試し打ちしますか?」
「そうだなぁ…そうしよう」
ソウルは、アイテム欄から適当なインゴットを取り出し、そのインゴットを炉に入れて熱し始めた。そして数分後、真っ赤に赤熱したインゴットを炉から取り出し、金槌を使って叩き始めた。
「ここを…こうしてっと…」
「マスター?そうしてしまうと刺突部分の根元が衝撃に耐えずにポッキリ行ってしまいます」
「難しいな…」
依頼された形に四苦八苦していると、最初に話しかけた女性プレイヤーがソウルに近づいてきて、話しかけて来た。
「ソウルさん?魔返し鍛錬ですか?見学しても?」
「いいですよ~…う~ん…どうすれば…」
「みんな~!許可貰ったわよ~!」
ソウルが、目の前の金属に悩みながら生返事で答えると、突然女性プレイヤーが大声で叫び、人を集め始めた。
「ここをこうすれ…うお!」
考えた物を試そうと視線を上げた時、ソウルの周りに数えきれない位のプレイヤー達がいる事に気が付き、ソウルは驚愕した。
「いつの間に…」
「ソウルさんが考えた魔返し鍛錬をできる人はまだいないですからね。新しい技術に皆興味津々なんです」
ソウルに許可を貰った女性プレイヤーが、ソウルの周りに集まった理由を話すと、ソウルはその女性プレイヤーの言葉に納得した。そして、それと同時にソウルの頭の中で「これだけ人がいるなら依頼された物を完璧に形に出来るんじゃないか?」という閃きが走った。
「あ~皆さん?見学だけではつまらないでしょうし、お手伝いをお願いできますか?」
その言葉を聞いたプレイヤー達は目を輝かせ、ソウルもその輝きを目にして「これは行けるかもしれない」という確信を得た。
「依頼された形は、ロングソードの刺突剣と言う一風変わった剣で…」
ソウルが、依頼された形を集まったプレイヤー達に説明すると「ここはこうした方が…」や「そこは別の素材を…」等の意見が多く出た。ソウルは、彼らの意見を図にするようにマギアに頼むと、マギアはその場にいる全員に見える様に、大きなウィンドウを空中に表示して形にして行った。
「ここに突起物付けた方がかっこよくない?」
「いや、ダセェだろ?それにそこに突起物付けると構造上の問題が出るぞ?」
「んだとぉ!?ここに突起物付けた方がかっこよくなるって!」
「いやだから!そこに!つけると!ダサいし!問題があるって言ってるんだっつうの!」
「では、二人の意見を採用してこういうのはどうでしょうか?」
「「ええやん!」」
ウィンドウに表示された剣の形を見て、プレイヤー同士の口論が起こったが、マギアが間を取りなし形を変更すると、口論していた二人は笑顔で納得した。
「大体形は決まったな…よし、じゃあ早速作ってみるか。あ、どなたか相槌お願いします」
「誰でもいいの?」
プレイヤーの一人が相槌の条件をソウルに訊ねると、マギアが代わりに答えた。
「申し訳ございません。今回はオリハルコンインゴットを使う為、鍛冶スキルLV7以上の方でお願いします」
「くっ…妖怪1足りないが!」
「SPが足りない!」
「やったぜ!LV5だ!…チクショウめ!」
マギアが出した条件に合わず、悲痛な声を上げたプレイヤーが多くいたが、条件が合ったプレイヤーが数名手を上げた。
「では皆さん、お願いします」
ソウルが、手を上げてくれたプレイヤー達にお願いすると、プレイヤー達は頷き、相槌用の金槌をアイテム欄から取り出した後、金床を挟むようにして立った。
「これから魔返し鍛錬を始める!」
「「「「よろしくお願いします!」」」」
準備が出来たプレイヤー達を確認した後、ソウルはプレイヤー達に気合が入る口調で、開始の合図を出し、プレイヤー達も気合を入れてそれに答えた。そして、魔返し鍛錬が始まり、数時間は金属を打つ音がテントの外に聞こえる位に響き続けていた。
黄昏時、汝は目にするだろう!数多の物語を!27の感情が汝らの心を祝福し、明日への希望とする為に!開け!門よ!「サザ〇さんハウス!」
魔法の詠唱みたく言ってみましたが、日曜夕方放送の〇ザエさんの事を言っています。
ユニオン7カラーズ ウイ ウイとは外国語で美しいです。
ユニオン・EarthBeat ケンザオ ケンザオは※「大工さんが墨付けをする前に家1件分を記した定木(2階建ての場合は2本作るが、この竿で全て寸法が決り重要な定木)」
※コピペ
アザス→アリガト→アザマスの順に強くなっていきます。FFでいうラやガみたいなものです。
社会では使わないようにしましょう。怒られます。
一つの事にみんなで取り掛かる姿…スキカモォ
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