七匹の堕ちた神獣 2
お楽しみください!
「それはな…軍となったモンスター達を掻い潜り、真の姿の神獣を倒さないといけないって事だ」
「モンスターの軍団‥‥真の姿‥‥ですか…」
ソウルは、ジェラルドの言葉に驚愕すると、ジェラルドは一度だけ頷いて話を続けた。
「先ほど、神獣は崇める者達を軍と成して他の神獣を攻め始めたと言ったな?その力は楽園を追放された時に変わったのか、崇拝者達からモンスターになったようだ。そして、真の姿と言うのは4本の前足に2本の後ろ足をしていたようだぞ?」
「俺達が最初に戦った時は、普通の熊のように四足でしたが…更に2本増えると…」
「増えるだけではなく、全てが強化されるらしいぞ?」
「あれからさらに硬くなるのですか…もう俺の銃弾は効かないと思った方が良いですね…」
ソウルは、ディスペアーストーカーとの戦闘で自分が撃った弾丸が、効いて無い事を思い出しどうするかと考えていると、ジェラルドが一枚の紙をソウルに渡した。
「手帳には特殊加工された銀の剣が通ったとあった。だから同じ特殊加工された銀の弾丸なら問題なく行けるはずだ。これはその特殊弾の製造方法が書かれてある」
「キラー弾ですね」
「ああ、そうだ。それと、そこに書いてある銀のインゴットの下にある素材を変えるだけで、別の効果を持つ弾が作れるから、いろいろやってみるといい」
ソウルは、紙に書かれた製造方法をよく見ると、銀のインゴット×1の下に乾燥ポピタン草×2、水性クリスタル×1、狂桃の花弁×2と書かれており、ここを変えれば言い訳かと納得して頷いた。
「手帳から読み取れたものは、今はこれ位だが…何か質問あるか?」
ジェラルドの言葉を聞いて、特に無かったソウルは首を横に振って答えた。
「じゃあ、今から準備してリイルフの集落に向かおう。再集合は、30分後でいいか?」
「分かりました。俺も急いで準備してきます」
「ああ、かなりの激戦になると思うから、しっかりな」
「はい」
ソウルは、ジェラルドに会釈して店から出た後、そのまま競売所へ向かい必要な物を購入しに行った。
「マスター?」
「んあ?どうした?」
競売所に向かい、オカーネンの許すがきり素材を購入した後、近場の空き地で錬金術を使って、特殊弾を製造と量産していたソウルに、マギアが話しかけて来た。
「カペラさんとカールさんはちゃんと天国と言う場所に行けたのでしょうか?」
「どうした急に?」
マギアの急な質問にソウルは驚いた。
「いえ、ふと気になったので…それに、私は機械です。人の魂と言う物がよくわかりません。更に言うなら天国や地獄と言った物が非現実だと言うエラーが出るのです…」
「…エラーね…確かに俺達、人はあるかもわからない物を信じている。魂や神やら天国と地獄といった物だな…だけど、目に見える物では無いと分かっていてもそれらを胸の内で「感じて」いたり「信じて」はいる」
「私にはそれらを感じるセンサーが無いので分からないのです…」
「ん~…センサーとかそういう物じゃないと思うぞ?」
「というと?」
ソウルは、錬金窯を一定のスピードでかき混ぜながら難しい表情をした。
「証明できない物を説明するって難しいな…そうだな…きっと俺達は、共鳴しているんだと思う…」
「共鳴ですか?」
「ああ…でも、これは俺の意見だから正解ではないと言う前提で聞いてくれ」
ソウルの言葉にマギアは頷いた。
「共鳴…と言っても体の何処かにある物が実際に共鳴してるわけではなく、他者との関りや出来事で「共鳴」しているんだと思う。例として挙げるなら~誰かの歌声が誰かの心を安らかせたり、逆に誰かの悪意が誰かを悲しませたりするよな?それが、胸の内側で痛みを感じたり感動で震えたり…その「共鳴反応」が魂の正体なんだと思う」
「それは共鳴ではなく共感ではないのですか?」
「ん~それだと、説明できない物がある。例えば~造語で作られた曲とかだな。あれは何言っているのか理解できないけど、いい曲だなって感じるし詞を見て初めて理解するだろ?それは、その曲を作った人がそういうニュアンスで作ったからだ。そういう「感じて震える」部分だから俺は共鳴と言ったんだ」
「なるほど」
「それで…だ。最初の質問に戻るが、カペラさんとカールさんが天国に向かったか?と聞いたな?…その答えを最初に言うと「分からない」だ」
「えぇ!?分からないのですか!?」
マギアは、ソウルの答えに落胆した。
「ああ、だって実際に見た訳じゃないからな。でもな…そうであってほしいと願っている。だから俺は、あの時カペラさんがバラガを殺すのを止めたんだ。あそこで憎しみのままバラガを殺せば、彼女の魂はきっと救われないだろうと、永遠に苦しむ事になるだろうと思って、止める言葉を投げかけたんだ…でも、俺の人生経験では「共鳴」させる事は出来ずに、ありきたりな言葉しか言えなかったけどな…」
ソウルは苦虫を嚙み潰したような表情をしながら話を続けた。
「俺は小さい頃、祖母ちゃんに連れられていろいろな所に行って、いろいろな人に出会って多くを学んだが…人を救える程の言葉は持ち合わせてないという事があの時分かってしまった…あ、いや別に自惚れてはいないぞ?ただな…あの時もっといい言葉があったはずなんだ。きっと…その言葉を思いつけなかった自分が悔しい…」
「マスター…」
「あ、自分語りになってしまった…はぁ~ダメだな。…で、話を戻すと、天国や地獄っていうのは少しの「信じる」でいいんじゃないかと思う」
「少しの信じるですか?」
「ああ、誰かの魂は天国で安らいでいる。逆に生前、悪逆非道を行った奴は地獄に落ちて苦しんでいる…と思っておけば十分じゃないかな?それらを確認できるのは自分が死んだ後なんだしな…」
ソウルは、錬金窯の中の完成したキラー弾を取り出し、時間を確認した。
「あ、もう時間が無い!マギア!製作急ぐぞ!」
ソウルは、再集合の時間が差し迫っている事に気が付き、大急ぎで弾類やポーション類を作り始めた。
「(マスター‥‥マスターは人だから確認できる可能性があると思いますが…機械の私はどうなのでしょうか?遠い未来、私もいずれ壊れてしまうでしょうが…その時私の‥‥)」
マギアは、ソウルの背中を見ながらそう考えたが、途中で考えるのを止め、ソウルの作業を手伝い始めた。
「お邪魔します」
「お?来たな?準備は良いか?」
「はい大丈夫です。あ、でもうちの女性陣が眠すぎて今日来られないそうなので、後で二人が来たらリイルフの集落に二人を送って貰う事は大丈夫ですか?」
「ええ、分かったわ」
「ありがとうございます」
ソウルとマギアはティカルと合流した後、集合場所であるネファーの店に向かった。そして店の中に入って行くと、完全武装のジェラルドがソウル達に声を掛けて来た。ジェラルドに言葉に返答したソウルは、ネファーに視線を移すと、アップルとマナリアの事を頼んだ。
「じゃあ、テレポートを開くわね」
ネファーが、魔法陣か書かれている床に向かって呪文を唱え始めると、魔法陣の上に空間の歪みが発生した。
「じゃあ、行って来る」
「気を付けてね。あなた」
「おとーさん行ってらっしゃい!」
ジェラルドは、妻と娘に挨拶した後、空間の歪みの中に入って行った。ソウル達もジェラルドに続いて空間の歪みに入って行くと、見覚えのある場所に出た。
「ここは…リイルフの集落の入り口ですね?」
「ああ、集落の中にテレポートを開くと騒がれるからな」
ジェラルドの言葉にソウルは納得すると、ティカルが何かを思い出したような表情で口を開いた。
「そういえば、クローゼットの中にゲートがあったゲームがあったよね?今思うとあれってすっごい迷惑だよね~」
「それって太古や遥か未来に行ける超有名なゲームか?勇者なカエルとか確定カンストダメージを叩き出す古代娘とかが出て来る?」
「そうそう、それそれ」
「歓談中申し訳ないが、依頼者の所に案内してくれないか?」
ソウルとティカルが有名なゲームについて話していると、ジェラルドがソウルを急かす様に話の間に入った。ジェラルドの言葉を聞いて平謝りしたソウルは、リイルフの長老がいる巨樹に向かって行った。
「長老さん、ジェラルドさんを連れてきましたよ」
「おお!?ソウルさんか?こっちに上ってきとくれ!」
長老宅の玄関をノックしたが、返答はなかったので、失礼と思いながらも玄関を開けて長老を呼んでみると、上の階から長老の声が聞こえて来た。その声に従い、ソウル達は階段を上がって長老の所に向かって行った。
「こちらが、ジェラルドさんです」
「貴方が依頼者か?俺は、レビアのジェラルド。魔物ハンターだ」
「ようこそおいで下さった。儂はこの村の長老のホンガ・ヤカヤと申す」
ジェラルドと長老のヤカヤが互いに挨拶をすると、ソウルやティカルの耳にアナウンス音が聞こえて来た。
【アナウンス:重要キャラが目的地に到着したので、第1フェーズを終了します。そして終了と同時に第2フェーズが開始されます。】
【アナウンス:リイルフの集落を防衛せよ! が開始されます。今から現実時間で2日後に、リイルフの集落に大量のモンスターが攻めて来るので リイルフの集落 を防衛してください。防衛戦について詳しく知りたい場合はHELPをご参照してください。】
「2日後か…」
「ん?どうしたのじゃ?」
「長老さん、今から2日後に大量のモンスターがここにやってきます。俺達は急いで防衛戦の準備をしないといけません」
「なんと!?それは誠か!?ふぅむ…そう言えば来訪者には未来予知の能力があると聞いたことがあるな…分かった!今から戦士長を呼ぶから少し待っていてくれ」
「分かりました」
ソウルは、アナウンスの内容を長老に伝えると、長老は驚いた顔になり、近くにあったベルを鳴らした。そして、その数分後に何処かへ行っていたユナが帰って来ると、長老がいる2階に上って来た。
「呼んだ?」
「ああ、ユナ!急いで戦士長をここに呼んで来てくれ!」
「緊急事態みたいね…分かったわ爺様!」
ヤカヤのただならぬ雰囲気を察したユナは、急いで家から飛び出して行くと、数分もしない内に一人の男性を連れて戻って来た。
「長老様、お呼びですか?」
「今から2日後に大量のモンスターが押し寄せて来る!お前達戦士は、そこにいるソウル殿達と一緒に急いで防衛の準備をせよ!」
「大量のモンスターが!?分かりました!急いで準備します!えっと、ソウルさん?私の後に着いて来てもらってもいいですか?」
「分かりました。ジェラルドさんはどうしますか?」
「ヤカヤ殿と少し話した後、そちらへ向かう」
「分かりました」
ジェラルドの言葉に頷いた後、ソウル達は戦士長の後に続いて行き、防衛の為の準備を始めて行った。
強敵は2つの姿を持っているのは基本。古事記にも書いて~…はないですね!
魂、それは実際に見る事は出来ないですが、確かに感じる物。魂が震える現象なので共鳴すると言ったわけです!
意志ある機械は心が宿るのだろうか?宿ったならば、器が壊れた際、その心は何処へ行くのだろうか?
クロノシリーズはBGMが最高。
私がFF14復帰している間に、2400越え…いいい一体何が…(驚愕)
お読みくださりありがとうございます!大感謝を申し上げます!
モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!
いいね! ありがとうございます!
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