憎しみの果てに 3
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カールの遺体を回収したソウル達は、商人ギルドが用意して来た棺桶に遺体を入れた後、その馬車に乗って、そのまま教会に向かった。
「ここよ~」
ソウル達が、カールの遺体と共に馬車に揺られていると、少し遠くから聞き覚えのある、女性の声が聞こえて来た。ソウルがその声に反応して、馬車から顔を出して確認してみると、その声の主は商人ギルドのデリアだった。そのデリアの近くでは、数人の男達と魔術師のようなローブを着た人がおり、数人の男がスコップで、魔術師の様なローブを着た男が魔法で、必死に墓穴を掘っていたのが見えた。
「お疲れ様です。カールさん回収してきました」
「お疲れ様。ありがとうね」
「でも、こんな夜更けによく教会が許可を出しましたね?」
「まぁ、ちょっとしたコネを使ったわ…御布施も大分収めたけども…」
「いくらくら…いえ何でもないです…」
馬車から降りて、デリアと会話したソウルは、いくら位払ったのか?と聞こうとしたが止めた。それは、商人ギルドの支部長をしているデリアが、遠い目をしている事から、かなりの大金を払ったんだなとソウルは察したからだった。
「姉御!墓穴の用意できました!」
「姉御って呼ぶな!馬鹿!それにここでは静かに報告しな!」
デリアは、報告して来た男の尻を蹴った後、一枚の紙を男に渡した。
「はいお疲れ!それを受付に渡せば、今回の報酬支払われるから、しっかり受け取ってから帰んな。寄り道するんじゃないよ!」
「へい!それじゃあ、失礼します!」
墓穴を掘り終えた男達と魔術師の男は、デリアに深々と頭を下げた後、雑談を交わしながら帰って行った。
「今の方達は、臨時で雇った方々ですか?」
「いや、商人ギルドで面倒見ている奴らよ。まぁ…あいつ等の見た目通り、元は悪人だったけど、今は心を入れ替えて真面目に仕事しているわ」
「元悪人?という事は、今回のカールさんの件に関わっていた人もいますか?」
「いないわ。だって、あいつらが悪事から足を洗ったのは、カール君がうちのギルドに入るずっと前だもの。それに、あいつらああ見えて義理堅いのよ?弟分みたいだったカール君に害を成すのはあり得ないわ」
「なるほど…」
「それに、カール君達が襲われた日、あいつらは全員ギルド内にいた証言や証拠もあるもの」
「そうなんですね。あっさり帰ったので疑問に思ってしまいました。すみません…」
「真夜中だからよ。ちゃんとした葬儀は、明日…じゃなくて今日の昼、お日様が出ている時にやるわ。だから、寄り道せずに帰れと言ったのよ」
デリアは、自分のポケットから懐中時計を取り出して、時間を確認しながら言い直し、ソウルはその言葉に納得して頷いた。
「じゃあ、早速…あれ?一人いないわね?」
「ああ、ジェラルドさんはミルコスさん達を呼びに行きました。彼らが到着するまで少し待ってください」
「領主様を?…分かったわ」
ソウルの真剣な表情を見たデリアは、何かを察して頷き、ジェラルド達が来るのを待ち始めた。
「すまん、待たせたな…」
「いえ大丈夫ですよ」
1時間後位して、ミルコスとその執事を引き連れたジェラルドが、教会に到着し、ソウル達に遅れた事を謝罪した。
「本当にこの葬儀に出席すれば解決するんだろうな?」
「ええ、その可能性は高いですね。ただ、貴方にはこれから苦しむ事になると思います」
「なに?!」
「肉体的の痛みではありません。精神的にです」
「どういう事だ?」
「それは後々…では、始めましょう」
ソウルの号令に、ミルコスと執事以外の全員が頷き、馬車に置かれているカールの遺体が入った棺桶に集まり始めた。
「デリラさん。最後に顔を見ますか?」
「…遠慮しておくわ。泣いちゃうから…この涙はお昼に流すから…」
「そうですか…」
ソウルは、デリラに確認をしてみたが、そのデリラは首を横振りながら、若干の涙声で答えた。
「カールさんにこのベールを入れてっと…後は蓋をして釘打つだけですね…あれ?釘は?」
「この棺桶は下から蓋をスライドさせてロックする奴だから、釘は不要よ」
「そうなんですね…初めて見ました…」
「この棺桶は、とある依頼者が職人に「棺桶に釘を打つのは忍びないから、釘が不要の棺桶を作ってくれ」という依頼をしたのが始まりなのよ。で、これが大ヒットして今ではこのスライド式棺桶が主流になってるわ」
「確かに、安らかに永眠しているのに近くで釘を打つ音を出されたんじゃ迷惑ですね」
ソウルは、デリアの言葉に頷いた後、静かに棺桶の蓋をスライドさせていった。
「後は墓穴に入れて埋めるだけ…ミルコスさんとそこの執事さんも手伝ってくださいね」
「あ?ああ…」
「‥‥分かりました」
ソウルとジェラルド、ミルコスと執事、アップルとデリアの順に並んで棺桶を馬車から出し、墓穴の隣に棺桶を置いた。
「では、司祭様。お願いします」
「分かりました」
デリアは、棺桶を地面に置いた時、丁度教会から出てきた司祭に頭を下げて言うと、司祭は嫌な顔を一切せずに頷き、棺桶に向かって祈りの言葉を唱え始めた。
「ん?…そろそろか?」
司祭が祈りの言葉を言い始めてすぐに、急な寒さを感じたソウルが、二の腕を摩りながら呟くと、突然棺桶の横に青白い人型が現れた。
「な!バ…化物!?」
「旦那様!お下がりください!」
「皆さん!落ち着いてお下がりなさい!今、退魔の術をするので!」
「騒ぐな!」
急に現れた青白い人型を見て、慌て出したミルコス、執事、司祭の三人に怒鳴る様に言い放ったソウルは、三人を黙らせ、注目された。
「カールさんの奥さん、カペラさんですね?」
ソウルが、青白い人型に優しく言うと、青白い人型は頷いた後、棺桶に寄り添った。
「あア…アなた…コこにいたノね…」
魔物化した原因か、カペラは片言交じりの言葉で呟くように言った。
「お…おい!何をしている!?今すぐこの化物を退治しないか!?」
執事に守られているミルコスが、ジェラルドに向かって叫んだが、ジェラルドはただ横に首を振った。
「呪いをどうにかしたいならこのまま静かにしていろ…」
「な…なんだと!?」
ミルコスは、周りを見渡してカペラを退治してくれる人を探したが、誰一人その場を動こうとするものは居なかった。
「ミルコスさん、今回の真実を話します。その真実を聞いて、今後どうするかで呪いの行方が決まって来るので心していてください」
「真実だと!?この化物が私ら家族を呪ったのではないのか!?」
「ええ、そうです。それに間違いはないですが…そもそも何故呪われたのでしょうか?」
「それは、私の息子が彼女にやらかしたからだろ!」
「それだけなら、息子さん一人だけでいいじゃないですか。貴方の奥さんや娘さん達が呪われる必要なないですよね?」
「‥‥確かに…」
ソウルの言葉を聞いて、ミルコスは眉を寄せた。
「逆に言えば「呪われる理由があった」という事です」
「馬鹿な!」
ミルコスは、目を限界まで見開いて驚いた。
「カペラさん…そうですよね?」
ソウルは、棺桶に寄り添うカペラを見ながら言うと、カペラは棺桶を見つめながら頷いた。
「一体…妻と娘は何をしたというのだ‥‥」
「‥‥カールさんを殺したんですよ」
「!?」
ソウルの言葉にミルコスは絶句した。
「貴方の奥さんと娘さんが実際に手を下した訳では無いです。そうだよな?執事さん?」
突然、ソウルに名指しされた執事は、体をビクッと動かした。
「ミハイル?」
ミルコスに名を呼ばれた執事のミハイルは、額から一滴の汗を流した。
「ミハイルさん、貴方はカールさんに馬車の御者をする様に指定して依頼を出し、その依頼が終った帰り道で盗賊に扮して襲撃した。その襲撃で混乱している真下、カールさんの馬車に近づいた貴方は、特殊な薬品を塗った針をカールさんが操る馬に差して馬を操った後、暴走に見せかけて崖まで走らせた。そして、その崖の上でカールさんを殺害後、崖下に馬ごと馬車を落下させた…」
「……」
ミハイルは、ソウルの言葉を否定も肯定もせず、ただ黙って聞いていた。
「カールさんを助けようとして後を追って来た少年に対し、誰かに言ったら妹を殺すと脅した後、何食わぬ顔でミルコス邸に帰って行った…」
「おい!待て!その話でミハイルを犯人だと言うのか?」
「確かに。少年は顔を布で覆っていて誰だか分からないと言っていましたね…」
「なら、その犯人はミハイルではないではないか!いい加減に…」
「ただ、その犯人は首に特徴的なアクセサリーをしていたのですよ…」
ソウルの言葉を聞いて、ミハイルはハッとし、首元のにある逆三角形のアクセサリーを右手で触った。
「そうそれです。ジェラルドさんから聞きましたが、それは無くなった娘さんから貰ったアクセサリーだとか?」
「ああ…」
ミルコスは呟く様に言い、頷いた。
「ミハイル…嘘だよな?…嘘だと言ってくれ…なぁ!あの男の話は全部嘘だと言ってくれよ!」
ミルコスが泣きそうな声で言うと、観念したのかミハイルはミルコスに平伏した。
「お許しください!旦那様!これもミルコス家の為だったのです!」
「我が家の…どういう事だ?説明せよ!」
「言えません!どうかお許しを!」
「ミハイル!言え!言ってくれ!」
「申し訳ございません!言えません!なので、私を処罰してください!お願いします!」
「ミハイル…頼む…言ってくれ…」
ミルコスとミハイルは同じ事を数回繰り返したが、その途中でソウルが言葉を挟んで止めさせた。
「では、その事をよく知っている人物から聞いてみましょう。カペラさん‥‥真実を明らかにする為にミルコスさんの奥さんと娘さん達をここに呼んで、呪いを解いてもらう事は出来ますか?」
カペラはソウルに頷き、上を向いた後、大きく息を吸い込んで叫んだ。あまりの声の大きさにソウル達は耳を抑えたが、ものの数秒で三体の人狼がカペラの元に集まった。
「【リベレ】」
カペラがその言葉を言うと、人狼達が黒い煙を出しながら苦しみ出し、人の姿に戻って行った。
「こ…ここは…」
人狼から完全に人型に戻り、次女と思わしき女性が辺りを見回しながら言った。
「おお!アルヴァ!ルチナ!サロメア!」
ミルコスが次女、妻、長女の順で名前を言い、三人に近づいて抱きしめた。
「これを」
ソウル達はアイテム欄から布を取り出し、全裸の三人に渡した。その布を受け取った三人は、体を隠す様に貰った布を羽織り、カペラを視界に入れると、少しの硬直の後、大粒の涙を流し始めカペラに謝罪し始めた。
「お…おい…お前達…何を…」
三人の姿に困惑したミルコスが、どうしていいのか分からず狼狽えていると、ソウルが三人に向かって言葉を投げかけた。
「三人共、何故貴方達が呪われてしまった訳をここで話してください。嘘や偽りを言って逃げようとすると、また人狼になってしまうかもしれないですから、気を付けてください」
ソウルの言葉に三人は戦慄した後、恐る恐る頷き、妻のルチナが最初に口を開いた。
「私達が呪われた理由…それは、バラガがカペラさんに行った非道が原因なのよ…あの非道が行われるほんの数日前に、サロメアに結婚話が上がっていたのよ…相手は西の領主の息子で名前は、ヴィダルくんだったわね?」
ルチナはサロメアを見て確認すると、サロメアはゆっくりと頷いた。
「結婚!?そんな話、初めて聞いたぞ!?」
「その結婚話は、まだ夫人派閥内の事だったから言わなかったのよ…本格的に決まったら話そうとは思っていたんだけどね…。それで、サロメアに結婚話を持ち掛けたら、二つ返事で了承したわ…どうやら、サロメアとヴィダル君は学園に通ってる時に深く友好があったみたいで…両想いだったらしいの…」
ソウルは、ルチナの話を聞きながらミルコスの顔を見ると、どうやら本当に初耳だったらしく、目を大きく開いて驚愕していた。
「そして、話を本格的に進めようとしたその時…バラガの件が起こってしまったわ…」
「おい…まさか…」
「ええ、その通りよ…どうしてもヴィダル君と結婚したいと泣いてるサロメアを見て、私はミハイルに相談したの…当時はまだ大事になる前だったから、噂が広がる前に何とかすれば隠し通せると思ってね…」
「そして、相談されたミハイルさんは、バラガが起こした件の証拠隠滅を図ったという訳ですね?カールさんを殺して…カペラさんの心を砕いて狂わせて…」
ソウルの言葉を聞いたミハイルは、頷いた後下に俯いた。
「お前達は何て言う事を…」
ミルコスの姿やルチナの話を聞いたミルコスが、苦しい表情をしながら頭を抱え出した。
「ごめんなさい!あなた!まさかミハイルが暗殺と言う手段を用いるとは思いもよらなかったのよ!それに、バラガの件が王様に知れ渡った後、ちゃんとカペラさんに謝罪したわ!」
ルチナの必死に許しを請う姿を視界に入れながら、ソウルは口を開いた。
「…その謝罪で、カペラさんはカールさんの死が事故ではなく他殺だったと知った訳ですね」
ソウルはカペラに視線を向けて言うと、カペラは黙って頷いた。そして、ソウルはまだ疑問に思っている事をミハイルに訊ねた。
「ミハイルさん…質問なんですが、カールさんを襲撃する際に雇った盗賊役は何人で、事が済んだ後どうしましたか?」
「5人だ。5人雇ったが、事が済んだら全員始末した…」
「そうですか…でもミハイルさん…貴方は態とミスしましたね?盗賊がいたという証拠を残さず、目撃者の少年に顔見知りだと知らせる為、少年の妹の事を言ったり…何故です?」
「私のやった事は間違いだと知りながら行った事だったからだ…」
「つまり、態とミスをすることで捜査する者が貴方に辿り着く様にしたと、そういう事ですか?」
ソウルの言葉に、ミハイルは深く頷いた。
「なるほど…」
ミハイルの頷きを見たソウルは納得し、視線をミルコスに向けた。
「ミルコスさん、どうしますか?」
「どうすればいい?私は…もう…どうすればいいのか分からない…長年信頼していた部下が殺人を行い、妻や娘までその犯行に関わっていたなどと…それに元凶の息子も未だ行方不明だし…」
「ん?ちょっと待ってください。息子さんは捕まって服役中だと思っていたのですが…違うのですか?」
「確かに王から厳罰を言い渡されたが、それは我がミルコス家全体での話だ。息子は私の監視下に置いて厳しくしていたんだ…」
ミルコスの言葉を聞いたソウルは、慌ててカペラに問いただした。
「カペラさん、バラガはどうしたのですか?」
カペラは、棺桶に寄り添う姿のまま、片手を伸ばし、人差し指と中指を下から上に動かすと、地面から大きな物が飛び出す様に現れた。その大きな物は樹木の根が無数に絡み合い、一つの塊になっている物だった。そして、その中心部分にある根が動いて行くと、中からうめき声をあげている男の上半身が現れた。
「痛いぃ…誰か助けてぇ…俺の下半身が根っこになっちまったぁぁぁ…」
「バ…バラガ…」
ミルコスの呟きで、バラガ本人だと確信したソウルは、カペラを説得し始めた。
「カペラさん。貴女がここでバラガを殺してしまうと、貴方は地獄に落ちてしまいますよ?そうなったらもう二度とカールさんのいる所には行けないでしょう…それでもバラガを殺しますか?」
「そレはいヤ!…でも、このおトこが憎い!すべテこノ男のセいだ!王がしょケいしなイなら、私がコろす!」
カペラは、棺桶に寄り添っていた姿から急変すると、憎しみの表情を浮かべながらバラガの首を掴み、爪を食い込ませた。
「貴女の手が血に染まる事をカールさんは望んでいますか?それに、その男は殺すにも値しない男ですよ!?そんな小さい男を殺したら、貴女までそこの愚かな男と一緒になってしまいますよ!」
「なら!どうスればイい?!法や王モ役に立タなイ!私ノ愛トしい人さえ殺サれて…この憎シみは、どうスればイい!」
「(っく…ダメだ…俺にはこれ以上彼女を説得できる言葉が無い…どんなに言葉を並べても薄っぺらくなってしまう…どうすればいい?…彼女を救う方法は何か…)」
カペラの憎しみが、黒いオーラとなって体から出ている姿を見たソウルは、何かできないか辺りを見回すと、カペラに近づいて行く一人の女性がいた。その女性は、次女のアルヴァだった。
「ごめん…ごめんね…かぺちゃん…私が屑兄貴を引き合わせてしまったばっかりに、こんな事になっちゃうなんて…カールさんを殺しちゃう事になって…許せないよね…苦しいよね…悲しいよね…」
「アルゥ!何ンでヨ!あんタも好キな男いたわヨねぇ?その男ト一緒ニなりタからって、私達ヲ苦しめルのヨォ!?親友ダと思っていタのにぃ…何でこんナ事するのよぉォ!」
「本当に…何でこんな事になっちゃったんだろうね…でも、かぺちゃんの気が済むなら私を殺して…」
「フざケるなぁァぁ!!」
カペラは、体中から黒いオーラを濁流の様に荒ぶらせると、その姿を見たソウルはもうだめだと思い、腰にある銃を抜こうとした。が、突然カペラから出ている黒いオーラが止まると、生前のような姿のカペラに戻った。その事に、ソウル達は驚いていると、カペラは崩れ落ちる様に地面に座り、両手で顔を覆いながら泣き始めた。
「そんな事…できないわ…親友を殺すなんて…こんなにも憎いのに…苦しいのに!殺してやりたいのに!私の心がそれを拒んでしまった…だから…できないわ…」
「まだ私の事を親友と…ごめんね…かぺちゃん…本当にごめんね…」
アルヴァは何度も謝罪の言葉を続け、カペラは悔しさを口にしながら大声で泣き続けた。
「(ジェラルドさん、なぜ彼女は元に戻ったのですか?)」
ソウルがジェラルドに近づき、カペラが元に戻った理由を小声で尋ねた。
「(心が拒絶したと言っていたから、それが原因だろうな…彼女は憎しみより友情を選んだという事だ)」
「(彼女は憎むことで呪いをかけていた。相手にも自身にも…だけど、憎しみよりも友情を選んだから、呪いの条件が成立しないから元に戻ったという事ですか?)」
「(そうだ。呪うのにもいろいろ条件があるからな)」
「(なるほど…)」
ソウルは、ジェラルドの言葉に納得した後、バラガに視線を向けると、根の塊から解放されて地面に倒れている姿が見えた。
「だが、呪いは無くなったとは言え代償を払う必要はある…あれほどの規模だ…かなり物になるとおもうぞ?」
「人を呪わば穴二つですか…」
ソウルがその言葉を言った時、カペラの体から淡い光が出始めた。
「もう時間切れね…もし…生まれ変わる事ができたなら…今度はちゃんとカールと一緒に幸せになりたいなぁ…」
「え!カペラ?ちょっと待って!私はまだ何も!カペラ!カペラァァァァァ!」
煙が風に煽られて消える様にカペラの姿が無くなると、アルヴァは何度も彼女の名前を叫んだ。だが、その声に答える者はおらず、ただ白み始めた空に響くだけだった。
ベーン君はジェラルドさんが家まで送って行きました。
元悪人と言っても、殺人はやっていない人達です。せいぜいスリや窃盗などです。
名探偵ソウル!月曜7時30分から放送…しません!
カペラさんは、学生時代に祈祷や呪術などを専攻していました。自身もそういう家系の生まれだったから人を呪う術を知っていたのです。
一人の愚かな行いが、周りの人達を不幸にしてしまう…それを隠そうとしようとして更なる不幸が起きてしまった…今回はそういう事件です。
憎しみより友情を取ったカペラさん…その心の強さに賞賛です。
ソウルも言った通り、人を呪わば穴二つです。呪いが不発で何の効果も無かったとしても、その代償を払わなければなりません。故に呪術と呼ばれるのです。
モチベ維持に評価お願いします! お願いします!お願いします!「大事なので2回言いました。」
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