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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
隻狼と氷狼の銀弾武踏
137/329

アハァァァ↑!

完成しました!


お楽しみください!


誤字脱字報告はお気軽どうぞ。

「失礼します」


「おお!ソウルさん!子供達を守ってくれてありがとう!それに、我らと友好関係にある氷狼の長親子も救ってくれたそうじゃないか!本当に感謝いたす!」


「友好関係があったんですね」


 ソウル達は、リイルフの集落の長老宅にお邪魔し、長老に顔を見せると開口一番に感謝を伝えて来た。ソウルは、集落と狼の間に友好関係がある事を耳にするとそれに驚いた。


「うむ、元々この土地は氷狼の縄張りだったのじゃ。そこに安住の地を求めて彷徨っていた儂らの先祖がこの土地にたどり着き、氷狼の許可を得て集落を開いたのが始まりじゃ…最初はいざこざや武力による衝突もあったのじゃが、時間を掛けて友好関係を築いていき、今の関係性を持てたのじゃ。だからソウルさんがしてくれた事は、この集落にとってとてもありがたい事なのじゃ」


「なるほど…もしあの場で狼達が死んでいた場合、大変な事が起こっていたのですね」


「そうじゃ。一歩間違えただけでも氷狼族と戦争になっていたかもしれんな……怖や怖や…」


 長老が体を振るえさせ、両手を胸のあたりで合掌させると、軽くこすり始めた。


「して…これから儂らはどうするべきかのう…」


 長老は、視線を下に向け困り顔をすると、ソウルは首を傾げた。


「これからとは?」


「ユニークモンスターの事じゃ…聞けばあのモンスターはディスペアーストーカーと言うではないか…昔から伝えられてきている話を鑑みるに、儂らは存亡の危機に直面していると言っていいだろう…」


「その話を深くお聞きしても?」


「ああ、いいじゃろう。だが、この話は長いから簡潔に言わせてもらうぞ?」


「はい」


「先ほど、儂らの先祖は彷徨っていたと言ったな?それはじゃな…儂らの元の故郷はディスペアーストーカーに滅ぼされてしまったからなんじゃ…。そう…事の始まりは一人の少年がディスペアーストーカーに襲われて呪いを付けられたことから始まのじゃ…」


 長老は、目を細めて語り出した。


「その少年はある日、友人達と森へ薪拾いへと出かけ、ある一匹の獣に遭遇してしまった。その獣は大きく恐ろしい見た目をしていた。少年は勇気を振り絞り、自分をおとりにして友人達を逃がした後、獣から逃げ回った。だが、子供の足ではすぐに追いつかれてしまい、獣から深い傷を負ってしまった。少年は自分の命もこれまでかと思ったその時、助けが入った」


 長老はそのまま視線を壁に向けると、ソウル達も釣られて壁に視線を向けた。視線を向けた壁には、古代エジプトを連想させるような絵が、壁に刻まれている事に気が付いた。


「少年を助けに来たのは、強力な魔物を専門にしている冒険者の男であった。その男と獣は激闘の末、獣を退かせる事に成功し、少年を街まで連れて帰って来た。男はすぐに少年を治療士の元へと運び、3日3晩の治療の末、何とか命の危機は脱したのだが、少年には謎の呪いに掛かっていた」


「その呪いとはディスペアーストーカーの呪いだったわけですね」


 ソウルの言葉に、長老は深く頷いた。


「そうじゃ…じゃが当時は何の呪いか分からなかったのじゃ…呪いに詳しい呪術師でさえも初めて見る呪いじゃと言っておった…。だから当時、最高位の解呪魔法を使える司祭に解呪を依頼したのじゃが‥‥それがまずかった…」


「呪いが伝染してしまった…のですね」


「良く知っておるのう…そうじゃ。その呪いは街の9割の住民に伝染してしまったのじゃ…そこから地獄が始まってしまったのじゃ…」


 ソウルは壁の右の絵に視線を移すと、多くの屍の上で遠吠えしている獣の絵があり眉を寄せた。


「獣の前では剣や魔法、外壁でさえも意味をなさなかった…。そしてあの地獄から生き残ったご先祖様達は彷徨いこの場所にやって来たという訳じゃ」


「なるほど。ですが今回は呪いは伝染しておらず、大丈夫なはずでは?」


 ソウルの言葉に長老は首を横に振った。


「ディスペアーストーカーの呪いというのは、呪い掛けられた当人以外にも、その呪いを付けられた場所にいた者にも微弱についてしまうらしいのじゃ……その事を知ったのは、故郷が滅びて数年後の事じゃった…もっと早く知っていれば‥‥」


 長老は、何かを思い返しながら悔しそうに握り拳を作った。


「呪いを付けられた時に近くに居た人…ティーと子供達ですね…」


「ええ!そんな!ソウル!どうにか出来ないの!?」


 ティカルの言葉に、ソウルは顎に手を当てて悩み始めると長老が口を開いた。


「…方法は無い事も無い…じゃが、これは賭けじゃ…」


「その賭けとは?」


「先ほど強力な魔物を専門にしている冒険者の男の事を言ったじゃろう?もしかしたらその男がどうにかできる術を知っているかもしれん」


「もしかして、その男は地獄を生き抜いたのですか?」


 ソウルの言葉に、長老は頷いて話を続けた。


「あの男はあの地獄の中で勇敢に獣に立ち向い生き残ったのじゃ。そして安全に解呪できる方法を探しに旅立っていった。もしあの男が居なかったら全滅していたかもしれんのう…」


「その男の名前は?」


「ジェラルドと言っておったな」


 長老から聞いた名前に、ソウルは目を大きくさせて驚いた。


「その様子から察するに…」


「いえ、知り合いではありませんがジェラルドさんに手紙を届ける様に言われているのです。そして居場所も知っています」


「おお!おお!なんという巡り合わせじゃ!なればソウルさん、お願いいたす!彼をこの集落にお呼びしてはくださらぬか!」


「ええ、もちろんです。急いで呼んできます。なのでくれぐれも早まった真似をさせない様にお願いしますね」


「ああ、約束しよう!頼む!」


 ソウル達が長老宅を出ると、ソウルの所に子供達が集まって来た。


「わんわん大丈夫?」


「どうにかなる?」


「どうなる?どうなる?」


「拙者の相棒は如何に?!」


 子供達は、不安な表情をしながらソウルを見上げて来ると、ソウルは膝を折り子供達の視線に目を合わせた。


「大丈夫。これからどうにかできる人を連れて来るから、皆は親の言う事を聞いて待っていてくれ。約束できるか?」


 ソウルは真剣な表情で子供達の目を見ると、子供達は頷いて答えた。


「よし、いい子達だ。アゲハさん子供達をお願いします。万が一の事が起きてしまったらこの子らを守ってあげてください」


「ええ、必ず。…あ、そうそう。今回の事が済んだら受講料全額免除にしますから、ソウルさん達も必ず無事で帰ってきてください」


「了解です」


「ジャバワーク展開します」


 マギアが、展開したジャバワークにソウル達は乗った後、垂直に離陸して行き、ジェラルドがいると思われるレビアの街に針路を向け出発して行った。





「ねぇ?ソウル?さっき言っていた万が一とかはやまった真似ととかどういう意味?」


 レビアの街に向かって飛行している最中に、ソウルの前に座っているティカルが、ソウルに質問して来た。その質問に対しソウルは、眉を寄せて質問に答えた。


「あの子供達が原因で集落が危険に晒されているとしたら、周りの大人はどうすると思う?」


「え?それって……まさか!あの子供達を殺しちゃうって事!?」


「それが無い…とは言い切れないしな…よくて集落を追い出されるか、最悪一家ごと殺されるか…」


「そんな!そんな事ってあり得るの!?だってこの世界はゲームで…」


「そう、ゲームだ…だがこの世界の住人は現実の人間と言ってもいい位、高度に判断する能力を持っている…それが良い意味でも悪い意味でもだ…ティカル、現実の人間はああいう危機的状況になった時、()()()()()()?」


「それは…」


 ソウルの言葉にティカルは、その先を言う事が出来なかった。歴史を紐解けば、人類は他人を犠牲にして生き残って来た側面があり、さらに言えば、現在ですら他人を犠牲にして利を得ている人が数多くいた。


「善意で動く奴や悪意で動く奴、恐怖故に親兄弟を切り捨てて自分は助かろうとする奴…いろんな奴が沢山いる…」


「でも、そんな悪い人ばっかりじゃないよね?きっといい人だって沢山いるはずだよ」


「ティカル…善悪の判断はそういった知識があるからできる事だぞ?俺達は学校と言う場所でいろんな事を学ぶことが出来た。歴史(かこ)を知る事が出来たから「それは間違いだ」と言う事が出来るんだ。一応この世界にも教育機関はあるらしいが、それは限られた者しか入れない場所だろう。だからほとんどの住民は、間違っていてもそれが最善の方法だと勘違いするし、簡単に迷信を信じ、掟に縛られてしまう。あそこは集落だからそれが顕著に出るだろう」


「でも、あの集落の人達はみんないい人そうだったよ?」


「確かに仲間意識が強い人達ではあると思うが…それは最初の内だろう。時間が立てば不安や恐怖は次第に大きくなっていく…それはまるで時間で強力になって行く爆弾みたいなものさ」


「爆弾…」


 ソウルの言葉を聞いたティカルは、その一言だけを呟き下に俯いた。


「大丈夫ですよ!ティカルさん。マスターは長老さんやアゲハさんに子供達を頼むと言ったのですから。何かが起こっても上手くやってくれるはずです。だから私達は、慎重に尚且つ確実に前に進みましょう」


「…うん…そうだね」


 マギアの励ましが効いたのか、ティカルは一度頷いた後、前に視線を向けた。


「(とはいっても、一応は保険はかけておくか…それにディスペアーストーカーと戦うとなったらある程度の戦力は必要になって来ると思うし…)」


 ソウルはそう心の中で呟くと、ウィンドウを開きフレンド欄のタブを押した。





「ん?」


 リビアの街に向かってしばらく飛行をしていると、ソウルの元にメールが届き、誰から送られてきたかを確認してみるとアップルからだった。ソウルは、アップルからのメールを開いて中身を読んでみると、合流したいという内容だった。


「アップルからメールが来て合流したいと。少し寄り道する事になるが二人とも大丈夫か?」


「私は構いません」


「え?僕は大丈夫だけど、急いでリビアの街に行かなくていいの?」


「急ぐ旅だとは思うが、この先二人の力が必ず必要になって来る。ここで合流した方が良いと思うのだが…」


「…あー確かに僕達だけじゃディスペアーストーカーには勝てないか…急がば回れってことだね」


「そうそう、急ぐガバは回れって事だ」


「それは、急いでもガバムーブするから回っても問題ないって事?それともわざと間違えたの?」


「ハッハッハドッチダロウネー。マギア、アークライトに進路変更だ」


「了解です。針路をアークライトに変更します」


 マギアの言葉の後、ジャバワークの進む先が右に流れていき、アークライトへと向かって行った。





「ソウルさーん!お久しぶりです~」


「ソウル!数日ぶりね!」


 ソウル達はアークライト国にたどり着き、待ち合わせ場所に向かうと、アップルとマナリアの二人がソウル達の方に駆け寄って来ると声を掛けて来た。


「数日ぶり。学校の方は落ち着いた?」


「滞り無く新学期を始められました」


「ええ、ようやくね…」


 ソウルの質問にマナリアは元気いっぱいに答え、アップルは悲愴感を出しながら答えた。


「はぁ…なんで私の大学夏休み短いのかしら…いくら小中高が一緒になった女子大だとしても、何も一緒にする事ないじゃない……で?この子は何処から誘拐して来たの?」


「ちょ!オイィ!人聞きの悪いこと言うんじゃないよぉ!…俺のリアルフレンドで名前はティカルだ」


「僕の名前はティカルです。はじめましてよろしくお願いします。種族はキーメラです」


 アップルがジト目になりながら言うと、その言葉に焦ったソウルは慌てて否定した。ティカルは、ソウルの上ずった声で否定する言葉に少し笑った後、アップル達に自己紹介をした。


「初めましてスイートアップルよ。アップルでいいわ」


「マナリアです。最初ヒーラーだったけど騎士に憧れてジョブチェンジしました。槍と盾を使います」


「自己紹介も済んだし、ソウル!早速マウント取りをお願いできるかしら?獲得方法はネットで調べてあるから問題ないわ!って…あれ?どうしたの?」


 ティカルに自己紹介を済ませたアップルは、視線をソウルに向けて念願のマウント取りをしようと言ったが、ソウルは申し訳なさそうな表情をしていた。


「あ~…その…アップル…すまない。今緊急を要する事が起きてる…」


「…は?…え?なに?また何かに巻き込まれたの?!」


「実はそうなんだ…」


「えっと…今のソウルさんに合うことわざみたいなものがあった様な……あ!男子三日会わざればトラブルに巻き込まれてるですね!」


「いや、それは間違ってるけど否定できねぇ…」


「ソウルだし仕方ないね。ソウしかだね」


「何故略した…?あーと実は…」


 ソウルはリイルフの集落で起きた事を二人に話した。詳しく伝える為に、マギアの解説やその時の状況を写した画像を表示し、説明していくとテイムした氷狼を見たいと二人は言い出し、ソウルはウィンドウを操作して狼親子を近くに召喚した。


 《我が主御用ですか?》


「ん!これが直接脳内にって言う奴ですか!」


「ああ、俺の仲間のアップルとマナリアだ。挨拶してくれ」


 《分かりました。初めまして氷狼族の氷雨です。よろしくお願いします》


「アップルよ。よろしく」


「マナリアです。初めまして」


 《ほら、自分で挨拶なさい》


 《よろしくワン》


 母狼の影から出て来た子狼の銀牙が、二人に向かって挨拶をすると、女性二人は目を大きくさせて銀牙を凝視し始めた。


「「アハァァァァァァァ!」」


 アップル達は、何処から声を出しているか分からない歓声を上げ、子狼の銀牙を抱き上げた。二人の出した声を聞いたソウル、マギア、ティカル、氷雨は目を丸くして驚いた。


「なにこれかわいいぃぃ!」


「あ!アップルちゃん今度は私に抱っこさせてください!」


 2人は銀牙を代り番こに抱き上げ、モフモフを堪能し始めた。


「ん?この子女の子なのね。えっと名前は?」


 《凛牙で…》


「銀牙だ!」


 氷雨が女の子の様な名前を言おうとしたが、ソウルがそれに被せる様に命名した名前を伝えた。


「「‥‥どっち?」」


 《凛牙で…》


「銀牙だ!!!」


 ソウルは、更に大きな声で言うと、氷雨がガックリと項垂れた。


「銀牙ちゃんね。よろしく!お姉さんたちに任せなさい」


 アップルが銀牙に向かって言ったが、銀牙はよくわかっておらず首を傾げると、あまりの可愛さにまた二人は歓喜の声を上げた。


「そういえば、二人のマウントってどこで取れるんだ?」


「アハァ!‥‥え?あーっと…ここからかなり進んだところにあるダンジョンにいるんだけど…」


「もう少し詳しく」


「えっと近くにレビアの街があるって攻略サイトに載っていたんだけど…」


「お!ちょうどいいな。俺達の次の目標は、そのレビアの街に行って、そこの街にいるジェラルドさんをリイルフの集落に連れて行くことなんだ」


「え!じゃあ!」


「ああ、マウント獲得してからレビアの街に向かおう」


 ソウルの言葉に女性二人は喜んだ。そして再び銀牙をモフモフし始めた。


「ついでにティカルもそこでマウント取っておこうか。これからの冒険に必要になって来るしな」


「わかった。ありがとう」


「マギア、ヘリを出してくれ」


「了解しました」


 ソウルの指示で、マギアは皇帝救出の際に使用したヘリコプターを展開し、ソウル達はそのヘリコプターに乗り込んでいった。


「では、アップルさんそのダンジョンの場所はご存知ですか?」


「分からないわ…サイトにはネタバレしない様に別の欄があったのだけど、そこ開いてを見なかったから…ただ、レビアの街が近くにあるっていうチャット文を見ただけなの」


「じゃあ、最初にAVR「エリアビューイングランチャー」を探してマップを広げよう。レビアの街に向かって行けばAVRの反応があると思うし、ランチャーを起動したらダンジョンの場所もわかるだろうしさ」


「了解しました。では、出発します」


 マギアが、各種ボタンやスイッチを操作してヘリコプターを起動すると、4つのローターが動き出し垂直離陸して行った。そして、ある程度の高度を確保した後、レビアの街に向かって発進した。

怖いのはモンスターもだけど身内の人間も怖いってばっちゃが一番よく言っているから!


ジェラルドさんの設定は今だ詳しく明かせませんが、種族はこの世界に多い人種です。


他のユニークモンスターの呪いも、ディスペアーストーカーの呪いと同じです。呪いを受けた人の近くに誰から居たら、微弱な呪いが付きます。さらにデバフマークは表示されません。

マギアは、生物では無く機械カテゴリーなのでファントムナイトの呪いは付いていません。


言葉にならない声って急に聞くと驚きますよね。女性が驚いた声を上げた時なんか心臓が止まりそうな程びっくりした覚えがあります。


エリアビューイングランチャーの設定覚えている人いるかな?


モチベ維持に評価お願いします! お願いします。


ブックマーク登録もよろしくね! お読みいただきありがとうございます!登録お願いします!


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