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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
隻狼と氷狼の銀弾武踏
134/329

リイルフ集落の緊急事態!

たぶん今年最後の更新!


おたのしみくださいな~

「マスター、ここが狩場の様です」


「じゃあ、早速狩ろう。獲物はビャー鳥とかいう奴だが…どんな奴だ?」


「え~っと…ビャー鳥とは、カササギに似た姿で鷹程の大きさの鳥の様です。食性は穀類や木の実ですね。生態は人里に近い所にある森を好んで木の上に巣を作り、春から夏の終わりまで繁殖を行うそうです。秋が始まる頃になると、赤道近くの温かい場所に移動し、その場所で冬を越して春になった頃に戻って来るそうですよ?」


 ソウルが視界不良の為、ゆっくりと慎重に歩みを進め、狩り場へと到着した。そしてこれから狩る獲物をマギアに尋ねてみると、マギアは、ウィンドウを開いて調べ始め、攻略サイトや公式サイトから得た情報をソウルに伝えた。


「なるほど、じゃあ最初に実っている木を探そう」


「分かりました。それと、マスター?ビャー鳥には面白い習性があるらしいそうですよ?」


「面白い習性?」


「威圧してくるそうです」


「…は?威圧?」


「ええ、テリトリーに入ったものをこうジーっと見て来るらしいそうです」


「なんか地味に嫌な鳥だな…」


 ソウルは微妙に嫌な顔をしながら、森の奥へと進み、木の実が実っている木を探した。それから数分後、マギアのレーダーを使って、木の実が実っている木にたどり着くと、ソウル達はその周囲に痕跡が無いか探し始めた。


「木の実の食べかす、フン等の痕跡は見つかりませんね…」


「いや、必ずあるはずだ…ん?これは…」


 ソウルは、眼鏡を一度外して足元にある物を確認してみると、木の実の食べかすを発見した。


「マスター、よく見つけましたね。そんな小さな食べかす」


「ほとんど欠片と言っていいほど小さい物だけどな…これがここにあるという事は…」


 ソウルは、しばらく何かを考え始めた後、その近くにある木を昇り始めた。


「あった!これがこちら側に付いてるなら~…」


「マスター何を見つけたのですか?」


 マギアも上昇して、木の上にいるソウルに尋ねてみると、ソウルは見つけた物を指差した。


「木の実の痕跡だ。鳥がそこの木の実を取った後、この木で食べたんだろう。これを見るからに…南に飛んで行ったと見た」


「え?分かるものなのですか?」


「いや、勘だ」


「え?勘ですか?」


「そう、勘だ。まぁ口で説明するのは難しいから今は黙って着いて来てくれ」


「分かりました」


 木から降りたソウルは、眼鏡を掛け直し、南に向かって歩みを進めていった。マギアはソウルの勘に不信感を抱きながらも、黙ってソウルの後に続いて行った。





「ん?なにか…視線を感じる…」


「マスター、居ました。11時方向です」


 南に向かって森の中を進んで行ったソウル達は、何かの視線を感じ、その場に立ち止まって辺りを確認してみると、マギアがビャー鳥を見つけソウルに報告した。


「お?じゃあ早速‥‥あ、今持ってる銃だと強力過ぎてミンチにしてしまうな‥‥」


「どうしますか?一度戻って狩猟用の道具を借りてきますか?」


「いや、ブルーローズで何とかしよう」


 ソウルは、右腕の銃口を展開した後、ブルーローズで弩の形にして行った。


「マスター?散弾の方が良いのではないでしょうか?」


「いや、俺達はただの狩猟に来たわけじゃないだろ?これも修行だよ」


「そうでしたね。でも当たりますか?」


「当たるまでやるんだよ!」


「マスター…そこは一発で仕留めてやる!とか言ってほしかったです…」


「そこまで自惚れちゃいないよ…」


 ソウルは、ブルーローズで弩の形にした右腕をビャー鳥にむけた。銃口を向けられたビャー鳥は、ソウルを睨み殺してやる、と言うようにソウルを睨んで威圧して来た。


「圧がすごいな…この圧をアゲハさんは学ばせたかったのか?」


「すっごい睨んできてますね…あ、マスター!ビャー鳥が逃げそうですよ!」


「逃がさん!」


 ソウルの右腕から、銀色の矢が発射されるとビャー鳥の胴体に見事当たり、木の上から地面に落ちて行った。


「お見事です。マスター」


「回収と血抜きを頼む」


「了解しました」


 マギアに回収と血抜きを頼んだソウルは、次のビャー鳥を探し始めた。幸いにも痕跡はすぐに見つかり、2羽目も狩猟する事が出来たが、3羽目がなかなか見つからなかった。


「3羽目のビャー鳥…見つかりませんね…」


「焦っても仕方が無いし、少し休憩するか…」


「休憩ですか?なら、近くに川がありますよ?」


「じゃあ、そこで休憩しよう」


「了解しました。では、案内いたします」


「頼む」


 ソウルは、乾いた枝木を拾いながらマギアの案内で川へと向かって行った。そして川に到着すると、集めた枝木で焚火を作り一息ついた。


「焚火の火を見ていると、ホッとするな…」


「それは、揺らぎと言う特別なリズムがあるかららしいそうですよ?」


「揺らぎ…ね…あ、飲み物も用意すればよかったな…」


「あれ?マスター?そういうのは常備していませんでしたっけ?」


「道具はあるけど、肝心の茶葉とか豆とか用意していない…」


「なるほど、道具は用意して持って来たけど、食材を持って来るのを忘れたキャンパー状態なのですね」


「…家族や友人に責められて、涙目になりながら近くのスーパーに買いに行かされるがセットだな…」


「旦那さんがお酒飲みながら、キャンプ設営していたから「車出せない」と言って奥さんが激怒するも入ってそうです」


「その時、奥さんが「なんでお酒はしっかり用意しているのに食材は忘れるのよ!」って言う」


「旦那さんは旦那さんで「はぁ!?食材はお前の担当だろ!」って言い返して喧嘩になり…」


「友人が「まぁまぁ、俺が車を出しますよ」って言って仲裁する…」


 ソウル達は焚火の火を見ながら、キャンプでよく起こりそうな事を言い合っていると、少し遠くの方で鳥の鳴き声が聞こえて来た。


「マギア」


「はい、ビャー鳥の鳴き声に間違いありません」


「…ビャー鳥ってビャーって鳴くからビャー鳥なのか?」


「その認識で間違いないかと」


「そうか…」


 ソウルは焚火に土を被せて火を消した後、マギアと共に、鳴き声がした方向へと向かって行った。ビャー鳥が続けて鳴いてくれた為、すぐに見つけることが出来、無事に3羽目を狩猟する事に成功した。そして、ソウル達は3羽目を回収して道場に戻ろうとした時、近くの木が大きく抉れているのを見つけた。


「マスター…これは…」


「獣が牙を研いだ後…には見えないな…」


「魔力反応がありますね…ここで戦闘でも起きたのでしょうか?」


「その魔力反応は、つい最近の物か?」


「少々お待ちください………はい、1日前の物ですね」


「これは…氷か?」


「魔力で出来た氷ですね」


 ソウルは大きく抉れている木の根元に、氷の破片を見つけ、マギアに見せると魔力で出来た氷だとマギアは答えた。その後ソウルは、他に何かないか周りを調べてみると、大型の動物の足跡と犬の足跡を見つけた。


「これは…熊の足跡か?犬の足跡は小型と大型の2つだな」


「マスター、ただの熊ではないようですよ?」


「…よく見ると、馬の足跡っぽい物もあるな…なんだ?前足が熊で後ろ足が馬?魔物か?」


「魔物ですね。それも厄介な魔物です」


「厄介な魔物?…まさかユニークモンスターか?」


 ソウルの言葉にマギアは頷いた後、ウィンドウを開いて一つの画像をソウルに見せた。


「名前は「ディスペアーストーカー」。狙った獲物がどんなに遠くに逃げても、どこまででも追いかけて来る執念深い魔物です。更には物理耐性、魔法耐性も高く並の武器では傷をつける事すら不可能でしょう。そしてユニークモンスターなのでHMPもそこら辺のボスより高いです」


「そのディスペア―ストーカーに狙われているのは、足跡の犬種もしくはそれに準ずる生物の可能性が高いか?」


「はい」


「そうか…マギア、急いで集落に戻るぞ。この事をアゲハさんに伝えて、集落の住民が迂闊に森へ入らない様にしておこう」


「了解しました」


 ソウルは眼鏡を外した後、マギアと共に集落にある道場へと帰って行った。





「アゲハさん!緊急事態だ!」


「むぐゥ!」


 ソウル達が道場に戻って大声を上げると、お菓子を頬張っていたアゲハが驚いて、お菓子をのどに詰まらせてしまった。


「ゲホっ…ゴホッ…ズズゥー…ハァー…びっくりした…もう、ソウルさん!驚かせないでください!死ぬかと思いましたよ!」


「すみません!ですが、緊急事態です!」


「え?緊急…一体何が…」


「ユニークモンスターの痕跡を狩場で見つけました!今すぐ集落の偉い人に伝えてください!」


「ええぇ!それは大変!ソウルさんちょっと付いてきてください!皆!貴方達は、急いで家に帰りなさい!」


 庭で遊んでいた子供達は、ただならぬアゲハの様子を見て、驚きつつも返事を返し、各々の家へと帰って行った。そして、ソウルはアゲハと一緒に道場を出た後、集落の中心にある巨樹へと向かって行った。


「長老様!長老様はいらっしゃいますか!?」


「あら?アゲハちゃんどうしたの?」


 巨樹に到着するとアゲハは、その根元にある扉をノックした。その扉はアゲハの腰位の大きさで、リイルフ種が使うのに適している扉だった。そしてその小さな扉から、一人のリイルフの女性が現れた。


「ユナさん!緊急事態です!長老様はいらっしゃいますか?」


「え!?緊急事態!?わかった、入って!爺様は上にいるから!」


「ソウルさんも付いて来てください!」


「分かりました」


 ソウルは、腰を屈めて扉の中に入った後、巨樹に沿うようにある螺旋階段を上がって行った。


「(アゲハさん着物なのに上がるの早いな…)」


「ちょっとしたコツがあるのよ。そんな事より急いで!」


「…(思ってた事が顔に出てたか?それともあの技が関係しているのか…)」


 ソウルは、自分が考えた事がアゲハに知られてしまった事に驚きながらも、興味深いと考えながら階段を上がって行った。


「長老様!緊急事態です!」


「ん?どうした?アゲハ?そんなに血相変えて?もしかして結婚の報告か?‥‥っと冗談を言っている雰囲気ではないな…何が起こった?」


「ユニークモンスターが近くの狩場に出たそうです!このソウルさんが痕跡を見つけました!」


「なに!?それは誠か?」


「はい、マギア頼む」


「こちらをご覧ください」


 子供がサンタの白い髭を、鼻の下に付けた様な顔をしている長老は、視線をソウルに向けると、ソウルは頷き、マギアに証拠を見せる様に指示を出した。指示されたマギアは、ウィンドウを開き、ユニークモンスターの痕跡の画像とその痕跡の情報から該当したユニークモンスターの画像を表示した。


「なんと!ディスペアーストーカーが…ユナ!急いで皆を集めよ!それと、迂闊に森に入るなと伝えい!」


「分かったよ!それと戦士達を集めておく?」


「ああ、頼む!」


「はーい!」


 いつの間にかソウルの後ろにいたユナは、長老に返事をした後、急いで螺旋階段を降りて行った。


「ソウルさんと申したな?報告感謝する。それともう少し付き合ってくれ」


「分かりました」


 ソウルは、長老に頷いて答えると一通のメールが届いた。そのメールの差出人はティカルで、皆何処に行ったのか?と尋ねる文だった。そのメールにソウルは、起こった事を簡潔にまとめて返信すると、再びメールが送られてきた。


 [トイレから帰ってきたら皆居なくなってて、どうしたんだろうと思ったけど、そんな事が起きていたんだね…いや~早速というかなんというか…よく引いたね!]


「おい!それだと俺が起こしたみたいじゃないか!俺は悪くねぇっ!」


 [どこかの親善大使かな?まぁ実際彼は悪ないんだけど、ソウルの場合は…]


「おいぃ!何故そこで止める!はっきり言えよ!」


 [言っていいの?]


「すまない。やっぱりやめてくれ」


「www。じゃあ、そっちに行くよ。大きな木の所だよね?」


「ああ、そうだ。多分俺の名前を出せば入れると思うから」


「分かった~」


 ソウルはUIを閉じた後、長老に一人増える事を伝えると長老は快く頷いた。ソウルは、その事に感謝を述べた後、ティカルを待ったが、誰かを忘れている様な気がして周りを見回した。


「あれ?そういえばティーは?」


「道場にいるのでは?」


「いや、ティカルが誰もいないって言っていたぞ?」


「…マスター…嫌な予感がするのは気のせいでしょうか?」


「奇遇だな。俺もだ。…急いでティーが何処にいるのか調べてくれ!」


「了解です!全力で探します」


 マギアが、レーダーを最大にしてティーを探し始めると、とんでもない所に反応があり、マギアは驚愕した。


総一郎が祖母に預けられている時、どこぞの山でサバイバル生活をしていた事があります。その時は、祖母の友人の猟師も同行しており、その猟師から獲物の見つけ方を学んでおります。

その猟師は口数が少ない人だった為、説明するという事をせず、行動でソウルに教えました。だから総一郎も、勘だと言ったわけです。


めっちゃ見てる…いや見て来る!そりゃあもうスッゴイハースッゴイ見られてる!


ビャー鳥の他にピャー鳥、ピギャァ鳥が居ます。


キャンパーあるある。現地について道具類を広げていくと忘れ物があった事に気が付く。


夫婦げんかしても最後はなんだかんだ合って仲直り…。〇〇!するんだろ?そうなんだろ?


この章の事態がいよいよ動き出し始めました。


モチベ維持に評価お願いします! お願いします!


ブックマーク登録もよろしくね! 登録ありがとうございます!お読みくださりありがとうごさいます!


前回報告した通り、1月の3日、4日まで更新をお休みします。では新年にまた会いましょう!メリークリスマス!(遅いか)良き年越しを!(ちょっと早い)




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