きな臭さから始まる魔法習得
お待たせしました完成したのですぐ投稿です!
おたのしみくだしゃい。
「はー倒せた…勝てないと思ったけど、あそこで回復せずに突っ込んだのは正解だったか…」
その場に座り、チャットを確認するといろいろ獲得していることに気が付いた。
【アナウンス:ナーガ を倒しました。 SP3000 獲得 さらに初心者応援キャンペーンの効果でSP+30% 加算されます。】
【アナウンス:蛇人の鱗 ×30 蛇人の革 ×10 蛇人の鋭爪 × 4 魔導書(水) を獲得しました。】
【アナウンス:称号【ジャイアントキリング】を獲得しました HP+300 STR+20、VIT+10、INT+14、DEX+15、AGI+17,LUK+22 MP解放されている場合、MP+220】
【アナウンス:称号【孤高なる者】を獲得しました。 HP+150 各ステータス+5% MP解放されている場合、MP+30】
【アナウンス:称号【創造神へ至る道】を獲得しました。 INT+20 職業別でステータスアップ 銃士:DEX+20】
【アナウンス:【銃士ギルドを救え1】第3条件でクリアしました! 報酬として6000オカーネン マジカルストーン 3個 SP4000 を獲得しました。】
【アナウンス:シークレットクエスト【銃士ギルドを救え4】を発見しました!銃士ギルドに報告すると開始されます。】
「いろいろ獲れたな…まずは魔導書を確信してみるか…」
アイテム欄を開き魔導書の説明を見て見ると、【魔導書(水)】 MPを解放したのちこの本を使うと 水魔法、 が使えるようになる。と書かれていた。
「魔法かーこれもどうにかしなきゃいけない事だよな…まぁいまはMP解放してないし、後でいいか…次、称号!」
称号欄を開きスクロールしながら新しく獲得した称号を確認する。
【ジャイアントキリング】 「自分の推定Lvを超える高Lvの敵を単独で倒したものに贈られる称号、この称号は自分の推定Lvより敵の推定Lvが離れていればいるほど獲得時の恩恵が大きい」
【孤高なる者】 「パーティー推奨の敵を単独で撃破した者に贈られる称号」
【創造神へ至る道】 「自分の製作した物で強敵を倒し勝鬨を上げた者に贈られる称号」
「あー【ジャイアントキリング】は獲得しちゃったらもう効果は変更できないのか…ちょとまずったかも…まぁ仕方ないか…【孤高なる者】は…パーティ―推奨…あれ?でもここって…もしかしてギルドになんか報告したらパーティー組めて挑めた?…ハハッ!やっちまったなぁ!」
自分の思い込みが逆に難易度を上げていた事を知り、妙な笑いがこみあげてきた。
「思い込みってやべぇな…可能であることなのに不可能にしてしまう…ちょっと考えたら解る事もあるのに確認すらしてなかった…はぁーもうちょっと頭柔らかくして視野を広げよう」
ソウルは立ち上がり砂を払うと、まだ明るいうちに松明を作り火を灯した。
「ボス倒したから採掘ついでにいろいろ見て回るか…」
投げ捨てた単発拳銃を回収し、ナーガが出てきた横穴に入ると一つの朽ちて錆びだらけの自動拳銃が落ちていた。
「うへぇ…でかい拳銃だけどちょっと力を入れたら崩れ落ちそうだ…アイテム欄に入れとこ…」
銃をしまい横穴を進んでいくと、周りが骨だらけで中央が少し窪んでいる場所に出た。
「ここが奴の巣か…何かあるかな?」
骨の中を漁っていくとボロボロの革コートやら鎧、折れた剣、へし折られた杖、弦が切れた弓が見つかりコートの内ポケットには一つの手帳が入っていたが読めない位損傷していた。
「なにか…大事な物っぽいしこれらもアイテム欄に入れとこ…他には~」
動物の骨らしき物を掻き分け、採掘ポイントを見つけるとつるはしで叩いてみた。
「金鉱石!やったぜ!」
金が出たことに喜び、そのポイントが無くなるまで叩いたのだが、どうやらレアアイテムらしく最初に出た一個のみの結果だった。
「出なかったか…銀鉱石も一個出たけど後は鉄鉱石やら、だったな…あ、魔水晶っていうのも出てたな…」
アイテム欄を開き魔水晶の説明を見て見ると、【魔水晶】魔法道具を作り出すのに必要な触媒となる水晶 と書かれていた。
「魔法関連の物か‥‥街に帰ったら魔法関連のギルド探してみるか…」
この場所にはもう何もないような感じがして、元来た道を戻り、採掘しながら鉱山の入り口に戻っていった。
「ハァー太陽の光が体に染みるんじゃー」
体を伸ばし深呼吸した後、ソウルは桟橋に戻りベルを鳴らした。
「おう、お前さん長かったな!じゃあ戻るかい?」
数分待ったのち船頭に戻るかと言われ、ソウルは頷いて船に乗り街へと帰還した。
「おかえりなさい!素材は集まりましたか?」
銃士ギルドのハリーベルが笑顔で迎えるとソウルは鉱山で起きたことを話した。
「え?…ナーガ?新しい武器を作って倒した?…ハァ?」
「これが、証拠です」
一枚の蛇人の鱗を取り出しカウンターに置くと、ハリーベルは目玉が飛び出そうになる位目を見開き、机に置かれた鱗を凝視した。
「コココココ、これ、これって!」
「(鶏?)ナーガの鱗です」
「あばばば…ナーガが出た!?えっと騎士団に連絡…ああ、でも長年管理できなくて放置していたからギルドの責任問題が…」
「落ち着け! もう倒したから問題は無い! それよりも他にやるべきことがあるだろう?!」
混乱しているハリーベルを元に戻す為、一喝するような声で言うとハリーベルはハッとして落ち着いた。
「すみません…取り乱しました…」
「いや、問題ない…さて、これからやるべき事は、この武器を売った金で街に税金を納める事、そうすれば立ち退き位なら撤回されるんじゃないのか?」
「確かに…維持費がかかっているって言われているのでお金を生み出せる事を示せたら問題ないと思うのですが…それを売っても大した額には…」
「いや…この一つだけを売るのではない」
ソウルの言葉にハリーベルは首を傾げた。
「これを量産して各パーツごとに売る、もちろん本体も売るが自分で改造できるようにするんだ、そしてこれを動かすにはこの炸裂火薬が必要だ…この炸裂火薬が目玉と言っていい」
「な!なるほど!この火薬がうちでしか製造できない、売ってないとなれば需要は高まりますね!」
「後は宣伝だがこっちはうまく行くか解らないからまだ後でいいだろう…」
「こ・・・これがうまく行けば…ゴクリ…」
「ああ、大金を生むことができるだろう…さて、じゃあまずは小型、中型、大型のパイルバンカー製作だ」
「はい!お願いします!奥に製作室があるので使ってください!」
「お願いしますじゃない!お前も手伝うんだよ!」
「え!そんな!私は受付の仕事が!ちょ!引っ張らないで!いやぁぁ…」
カウンターを乗り越えたソウルにハリーベルは襟首をつかまれ引きずられながら奥の製作室に連れていかれていった。
それから4日後、ひたすら制作と採取を繰り返し量産体制と販売数を揃えた。
「このぐらいでいいかな…後は人でも雇って、生産数増やせば問題ないか」
「は…はい…雇用はこちらでやっておきます~」
「お疲れさん、でもまだ忙しくなるんだよなぁ」
「ユルシテ…」
ハリーベルの目の下のクマがはっきりとわかる位疲弊し、涙目で許しを請うがソウルは首を横に振るだけだった。
「さて、次は宣伝だ」
ソウルはフレンド欄を開きホワイトローズに連絡を取った。
「今大丈夫か?」
「〔問題ないよー〕」
「パイルバンカーが完成したから宣伝してくれないか?とりあえず盾に装備できる小型のパイルバンカーと炸裂火薬つけて送るから」
「[え?!本当にできたの!?これは胸アツ!]」
ソウルはウィンドウを操作して、フレンド項目からメールに小型のパイルバンカーと炸裂火薬 ×50 を添付し送信した。
「今送った!送った!」
「[来た来た!ウォースゲー!これだよこれ!なんちゃってパイルバンカーなんて目じゃないぜ!宣伝だったね!派手にやらしてもらうぜ!]」
「キャラがぶれておまんがな…」
「[おっと!じゃあ期待して待っててね!]」
ウィンドウを閉じ友人の宣伝に期待しながら、次のやれる事を考えた。
「うーん…後は売れるのを待つだけだが無駄に時間を浪費するのもな…ここらで魔術関連のギルドに行ってみるか…」
「え?!ちょっと!どういうことです?!転職ですか!ここまでやって銃士ギルドを捨てる気ですか!あたし(ギルド)を捨てないで!」
「おい!放せ!また尻をもむな!捨てる訳じゃない!製作物に魔法関係を取り入れられないか見に行くだけだ!っていい加減に!しろ!」
「はぁ…ハァ…ナイスヒッp…おごぉ!」
ハリーベルの頭に肘を落としハリーベルを引きはがし銃士ギルドを出た。
「まったく…誰だよ…あんな設定した奴…」
プリプリ怒りながらマップを開き、魔法関連の施設を探すと魔導ギルドという所を見つけた。
「お!あるじょのいこ…さっそくいこう」
街の東側、銃士ギルドのちょうど反対に位置するところに魔導ギルドがありソウルは、そこへ向かった。
「すみませーん、魔法の事を教えてほしいのですが―」
「はぁい…こちらへどうぞぉ…ふぅ」
受付から聞こえてきた声に誘われて向かってみると、よく見知った顔で出る所が出ている体つきをしておりまさに、妖艶という言葉が似合う女性がいた。
「あれ?…突然失礼ですが、ハリーベルさんと血縁関係がある方ですか?」
「あらぁ~姉をご存じなんですね~ということは銃士の方ですねぇ…」
「はい、私の製作物に魔法が何か使えないか、と思いこちらに伺いました」
「あらぁあらぁ、そうなのですねぇ大丈夫ですよぉ当ギルドはぁそんな…「ならん!」」
二階から降りてきた老人が、怒りをぶつけるような声で受付の女性とソウルの会話を遮った。
「あらぁ…支部長…」
「ならん!ならんぞ!銃士の奴なんぞに高貴なる魔法を教えるなんぞあってはならん!」
「理由をお伺いしても?」
「我が伝統ある魔導ギルドに火薬くさい銃士が出入りしている事が解ったら、評判が落ちてしまう! 品のない武器を振り回し、がさつ者が我が物顔で通りを歩く…そんな糞のような奴らに我がギルドの敷居を跨ぐ事は儂が許さん! ええい! くさいわ! 帰れ! 失せろ!」
言いたい放題の老人に、内心激怒しているソウルは笑顔の表情を作り固めた。
「なるほど!この魔導ギルドを心の底から愛しているのですね! すごいですね! 私のような者は貴方のギルドに対する愛への思いに足元すら届かないでしょう! そのようなギルド愛を持つ貴方様はさぞ、世界に名を轟かせ知らぬものがいない程の崇高たるお方なのですね! この無知たる愚か者にお名前をお聞きしてもよろしいですか?」
「ふん!糞の割には理解しているではないか!いいだろう!わが名はランドリン・ガメルフ!かつて世界を恐怖に貶めた邪龍ペペモスを討伐し! 世界の海を制覇し、アストラ山を越えるほどの財宝を手に入れ数々の国で美姫に愛され賞賛された男! 【殲滅創鬼】のガメルフとは儂の事じゃ! その糞が詰まった頭に叩きこんでおけ!」
「おお!あの【殲滅創鬼】様でしたか!これは知らず、ご無礼を働き誠に申し訳ございません!ですが私も高貴たる魔法にあこがれる身、ここはどうか貴方様のお慈悲でチャンスをもらえないでしょうか?」
「ほう…そこまで言うのならお主の言うチャンスという物をくれてやろうではないか…クックック…ここから北にあるゴンドラに乗って、とある場所にナーガがいるからそれを一人で倒した後、ナーガが巣している場所で魔水晶を取ってくるがいい!まぁ今のお前じゃ無理だと思うがな! なんせ糞じゃし! はっはっはっ!」
「わかりました、その言葉に間違いはないですね?じゃあ妹さんあなたが証人です」
「馬鹿め!阿呆が!本気にしよって!…でもいいじゃろう!そこまでやれたなら魔法を習うことを許可してやろう!」
「解りました、では失礼します」
「帰れ帰れ! ああ、くさい」
ソウルに向かって鼻をつまみ払うよう様に手を振るとソウルは笑顔のまま魔導ギルドを出ていった。
「あ!お待ちくださいぃ銃士さ‥‥‥ひゃぁえぇぇ!」
ハリーベルの妹はソウルを追いかけ顔を見た瞬間腰を抜かすほど恐怖した。
「失礼…」
ソウルは凍えるような声で言った後、鉱山へと向かった。
「がぁぁぁぁ! ざけんなぁぁ! クソジジィィィ!」
怒号のような声を出しパイルバンカーで鉱山の岩壁を叩き続けた。
「人を! 汚物! みたいに! 言い! やがってぇぇぇ!」
リロードし再び岩壁に杭を向けた。
「ただ、学びに来ただけなのに最初から言いたい放題言われる筋合いはねぇぇぇぇぇ!糞老害がぁぁぁぁぁ!」
思いっきり叩きつけ岩壁がえぐれ位破壊すると深呼吸をした。
「スゥー…はぁ―…チクショウメェェェェl…はぁー…」
空に向かって叫ぶとある程度落ち着きを取りもどした。
【アナウンス:称号【怒れる人】を獲得しました。】
チャット欄が開きアナウンスが出たがすぐ閉じた後地面に座った。
「はぁーもう頭にくる…それにしても…ナーガ倒して魔水晶取ってこいだ?…そんなのもうやったつうの!怒りが溢れて思わず撃ち殺す寸前だったから出たけど、もうやってあるぜって言ってあいつの顔に叩きつけてやればよかったな……あれ?…ちょっと待てよ…なんでここにナーガがいるって知っていたんだ?銃士ギルドも放置して誰も確認してないはずなのに…」
自分が言った言葉にきな臭さを感じたソウルは少し調べてみる事にした。
「まずは…どうするか…調べるって言っても手掛かりがないしな…うーん…最初の街の冒険者ギルドマスターなら顔が広そうだし聞いてみたら何かわかるか?…でもな…この街の事は知らないか?…一応聞いてみてダメだったらほかの案を考えてみるか…」
フレンド欄からアインを選択し連絡を取ってみた。
「もしもし?今大丈夫ですか?」
「〔ああ、大丈夫だぞ!何かあったか?ドラゴンが出たか?それともスタンピードか?〕」
「いえ、そういった類の物ではなく今、アクアクリスタリアにいるのですが魔導ギルドのランドリン・ガメルフについて何か情報は無いか知りたくて連絡しました」
「〔あぁん?あの糞ジジイの事なら知ってるぞ!また何かやらかしたのか?〕」
「また?…ああ、ええっと実はですね…〕」
アインに魔導ギルドで起こった事とソウルが感じたきな臭い事を伝えた。
「それは…災難だったな…うーむ…確かにおかしな話だな…分かった!ちょっとこっちでも探りを入れてみる それと糞ジジイの事詳しく聞きたいならアンジェラさんを訪ねると言い、なんたって…」
「ん?」
アインが突然会話を止めると数秒後焦った声が聞こえてきた。
「〔ああ、すまない、こっちで問題が発生した!とりあえずこっちでも動いてみるから何かわかったら連絡する!〕」
「解りました、ありがとうございます」
「いいってことよ!じゃあ後で」
ソウルはフレンド欄を閉じ、最初の街に向かうため飛龍運送がある場所をマップで確認した後、その場所に向かった。
「飛龍運送をご利用いただき、ありがとうございました」
他のプレイヤー達と最初の街に戻ってきたソウルは、その足で錬金術ギルドへ向かった。
「すみません、アイシャさん、アンジェラさんはいますか?」
「あ!ソウルさん!おばあちゃんに御用ですか?」
「ええ、ちょっとした問題が発生しましてアンジェラさんが詳しい話をお聞きしたく参りました」
「その顔…きっと大変なことが起こったのですね~!すぐ呼んできます!」
アイシャは駆け足で奥に入っていくとなにか落胆した様子でアンジェラが出てきた。
「まったく…うるさいねぇ…もうちょっと御淑やかにできないのかい?」
「もう~!そんなこと言ってる場合じゃないの!ソウルさんが!大変なの~!」
アイシャに腕を引かれたアンジェラがソウルの顔を見ると眉を顰めた。
「ソウル…何かあったさね?それも錬金術がらみじゃない事が…」
「はい…実は…」
魔導ギルドで起こった事、ナーガの件を伝えるとアンジェラはひどく落胆し顔を手で覆い上を見た。
「あの愚末弟また、やりやがったな!今度という今度は許さん!ぶっ殺してやる!」
「アンジェラさん!落ち着いてください!まだ証拠がないです!このまま断罪しても逃げられます!」
「むぅ!……そうさね…すまないソウル…ちょっと落ち着こうか…アイシャ…お茶を入れてきておくれ…」
アイシャが言われた通りに、ティーポットにお湯を入れカップにそそぐとオレンジ色の紅茶がアンジェラを落ち着かせた。
「さて、あの大馬鹿者の事について聞きたいってことだったさね… さっき言った通りアレは私の末の弟さ…昔っから他人の功績を自分の功績として語り、権力を笠に着て威張ったり狡賢く金を稼ごうとする奴さ…何度叩いて直してもすぐ曲がる…もう愛想が尽きちまったよ…もう弟だと思わ無い事にするさね…」
「では邪龍ペペモスを倒したということも?」
「なんだいそれは?あたしらが倒したのは巨獣ベヒーモスさね、邪龍でもマッサージに使う液体みたいな名前でもないさね!それにあいつは、どうしても付いていきたいって言ったから荷物持ちさせて安全な所で見ていただけ…そこで何か役に立てば褒められたんだろうけど何もしなかった…邪魔をしない~とかそういうのじゃなく本当に何もしてないよ」
「(あるのかな?誰かが作った?)では、世界の海を制覇しアストラ山を超えるほどの財宝を見つけ、様々な国で美姫に愛され賞賛されたっというのも…」
「ないね…第一にあいつはずっと街にいた。 冒険なんか近くの森にしか行ったことない程度だよ!アストラ山を越えるほどの財宝?そんな沢山の財宝あるわけがないさね! 最後に、あいつはあんな性格だから女に近寄っただけで殴られてたよ…だから賞賛されたって話もあり得ないさね」
「虚飾がすごかったと…ではなぜ魔導ギルドの支部長なんて役職に?」
「あたしの仲間が見かねて魔法を教えたのが原因さね…どうやら魔法の才は有ったようでめきめきと腕を上げていったんだけど途中で飽きたとかぬかしやがってね…やめちまったのさ…どうせ彼の弟子とかいい加減なこと言ってギルドに取り入ったんだろうさ…まぁそんな奴だからギルド内で問題を起こしてね、私の弟っていうのもあってクビにはせずに降格、左遷っていう形を取ったのさ…ギルドの体面もあったしねぇ…」
「【殲滅創鬼】っていう二つ名が大きかったから解雇できなかった訳ですか…なるほどなぁ」
「ブホォ!…げほッ! ゲホっ! あんたどこでその名を?」
「ちょっとおばあちゃん~…」
アンジェラが紅茶を寛大に噴き出しアイシャにぶっかけると、拭く物を取りにアイシャは奥へ消えてった。
「ガメルフが誇らしげに儂の事じゃ~って言ってました」
「アイツ…ケス…カクジツニ…」
「【殲滅創鬼】って誰の事です~?すごい名前ですね~」
「それは…むかし…若気の…ゴニョゴニョ…」
紅茶をぶっかけられた恨みを晴らそうとしているのか、アイシャはニヤニヤしながらアンジェラに尋ねると頬を赤くしながら声量がしぼんでいった。
「(とりあえず触らぬ神に祟りなし…【殲滅創鬼】については聞かないでおこう…)なるほど、ガメルフの事がよく解りました。今、冒険者ギルドマスターに探りを入れてもらっている状態なので、他に何かできる事が無いか探してみます、まぁ当てはないのですが…」
「こっちも昔の仲間と連絡を取ってみるよ…大丈夫安心しな、その仲間は正義感が強い奴だから不正があったらちゃんと正すことができる奴さね…そいつにソウルの事を話しても問題ないかい?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ連絡しとくよ…これ、私のフレンドカード、これで何かあったら連絡するさね」
「あ、おばあちゃんずるい!これ私のフレンドカードです!受け取ってくださいね!」
「はい、わかりました、俺のカードも渡しておきますね」
「ずるいってなにさね? 連絡する手段が無かったら困るだろうから渡しただけだよって聞いてるのかい?」
「やったー初めて来訪者さんとフレンドになったー」
ウィンドウを開き二人に自分のカードを送ると、アイシャは大喜びしてアンジェラの話は聞いて無い様子だった。
「じゃあ、俺は失礼しますね…って聞いて無いか…」
ソウルそっちのけでアイシャとアンジェラは盛り上がっている為、ソウルは静かにその場を後にした。
「魔法教えてほしかったんだけどなんか大事になっちゃったなぁ…」
しみじみつぶやいたソウルは空を見上げると太陽が真上で輝いていた。
アンジェラさんと恋愛フラグはないれす!あしからず!
モチベ維持のため評価お願いします!とても励みになります!ありがとう!