EXキャリバー戦 3
完成しました!投稿です!
お楽しみくだしゃい!
「マスター!私の計算では、もうすぐシールドが消滅しそうです!」
「数字で表示できるか?」
「可能です。最大で表示します!」
味方の艦載機が、ソウルの後ろに付いて待機し始めた。ソウルは、突入のタイミングが分かるような物が無いかマギアに尋ねると、マギアはウィンドウに%ゲージを表示し、最大の大きさにして後ろにいる仲間達にも見えるようにした。
「皆!このゲージが0になったら、今飛行船団が攻撃している所を目指して突入して行ってくれ!例え俺が撃ち落とされてもだ!」
「「「「了解!」」」」
ソウルは、後ろにいる仲間達に大声で伝えた後、表示された%ゲージを見つめた。その%ゲージは残り3%を差していた。
「マスター!薔薇の女王でエネルギーが集束する動きを確認しました!監獄脱出時に使ったエネルギー砲を撃つみたいです!」
「了解!全員突入準備!」
マギアの報告を聞いたソウルは、頷いた後、後ろの仲間達に伝えた。そして、薔薇の女王からエネルギー砲が発射され、EXキャリバーのシールドに当たると、%ゲージが0になりソウルは叫んだ。
「全機!突入!」
ジャバワークは、全速力で斜め下に下降して行き、ソウルの言葉に反応した仲間達も、ソウルの後ろに続く様に動き出した。
「マギア!針路先にいる敵機に全ミサイル発射!撃破できなくてもいい!撃ちまくれ!」
「了解!」
EXキャリバーのシールドが消滅した事に、敵艦載機に乗った搭乗者達は驚いたが、突入しようとしてくるソウル達を見て、慌てて壁になろうと動き出してきた。だが、ジャバワークのミサイルや味方艦載機の攻撃で、壁になろうとする敵艦載機を撃ち落としていき、ソウル達は前へ前へと進み続けた。
「!?、マスター!シールド発生器の再起動を確認しました!再びシールドが張られようとしています!」
「早いな!?」
「サブバッテリーに切り替わったようです!すみません!サブバッテリーがある可能性を失念していました!」
「反省は後でいい!急いでくれ!」
「はい!」
ソウル達は進み続け、シールドが張られていた場所を通過し、EXキャリバーの上部にある装甲に滑る様にして着陸した。その着陸の際、ジャバワークの足にある鉤爪が装甲を引っ搔いてスピードを殺した為、装甲には大きな傷跡が付いていた。
「シールドが完全に張られてしまいました…」
マギアが報告するとソウルは、今しがた入ってきた所に視線を向けると、シールドが完全に張られてしまっていた。シールドが張られた事で、突入できなかったプレイヤー達は、シールドに衝突する事は無かったが、ギリギリで回避している姿が多く見られた。
「突入出来た人数は!?」
「24人です…」
「っく…30人は届かなかったか…仕方ない。この人数でやるしかないな…」
ソウルは悔しさを口にしたが、それでもこの人数でやるしかないと決心して、ジャバワークを降りた後、船内に入れそうな所を探した。その時、アップルとマナリアが赤い小型機から降り、ソウルに近づいて来た。
「ソウル!」
「ソウルさん!」
「アップル!マナリア!突入できたのか!助かる!」
「何とかね、ルージュが使ってる小型機じゃなかったら危なかったわ…」
「まさにギリギリだったね…アップルちゃん…」
マナリアとアップルは、張り直されたシールドに視線を向けると、ギリギリで入れた事を思い出したのか、顔に青筋を立て体を震わせた。
「それで、ここからどう入るの?」
「それは、私にお任せください!整備用のハッチがあるはずですからそこから侵入します」
「それは何処だ?」
「こちらです!」
ジャバワークに乗ったままのマギアが、ブリッジの真下に移動した後、ジャバワークの手から蛇腹のコードが伸びてくると、コードの先端を近くの装甲に張り付けた。そしてその数秒後、その装甲が動き出し、屈んで入れる大きさのハッチが開き、戦艦内部に入れるようになった。
「皆、聞いてくれ!これから戦艦内部へと侵入する!6人PTを4組作り、それぞれ別のルートで目標のジャミング装置がある場所に向かってくれ!ジャミング装置がある場所についたら他のPTを待たずにすぐに破壊してくれていい!先にたどり着いたPTのリーダーは、他のPTに連絡。連絡を貰ったPTはすぐさま第二目標のブリッチ制圧に動いてくれ!ジャミング装置を破壊した後、作戦を続ける事が困難だと俺が判断した時は、PTリーダーに撤退の指示を出すから注意しておいてくれ!何か質問は?」
ソウルは、仲間達を見回したが手を上げる者はいなかった為、話を続けた。
「マギア、ジャミング装置の場所は何処にあるか分かるか?」
「はい、この戦艦の船腹中部にあります!」
「分かった。その情報をPTリーダーに送っておいてくれ」
「了解しました」
ソウルは、PT申請を送りPTを組み始めた。ソウル達のPTメンバーはソウル、アップル、マナリア、ヴァルハラ所属の蹴撃士ホッパーと治療士のハチドリ、爆薬設置作戦に参加した薔薇乙女騎士団所属のココナ2でPTが結成された。
「では、各PTリーダーに情報を送ります」
「まず俺達のPTが先行する!分かれ道があった場合はそこから別々に分かれて進んで行ってくれ!マギアは、ここで小型機を破壊されない様に守っていてくれ!」
「「「了解!(です!)」」」
ソウルが、先頭に立ちハッチを通って戦艦内部へ入って行くと、仲間達もソウルの後に続いて入って行った。
「(待て!)」
ソウル達は戦艦に侵入し、突き当りに差し掛かると、ソウルは小声で全員停止する様に指示を出した。その後ソウルは、アイテム欄から表面が鏡の様に磨かれた金属片を取り出し、その金属片を使って通路先を確認すると、複数の敵が杖のような物をこちらに向け待ち構えていた。
「(敵は4人。遠距離攻撃をしてきそう武器を持ってこちらを狙っている)」
「(どうするの?)」
「(これを使う)」
アップルの質問に、ソウルは閃光手榴弾をアイテム欄から取り出した。
「(これが炸裂したらアップルとホッパーさんは速やかに待ち構えている敵を排除してくれ)」
「(分かったわ)」
「(排除ならマカセロー)」
「(レディ!)」
ソウルは、二人の頷きを確認した後、壁にバウンドさせる形で敵が居る方に投げた。炸裂音が聞こえると、アップルとホッパーは飛び出して行き、待ち構えている敵を排除しに向かっていった。そして2拍置いた後に、ソウルも銃を抜いて進んで行くと、先に進んだ二人が敵の排除に成功していた。
「このまま進み続ける!隠れている敵に注意して進め!」
ソウルは、後ろの仲間達に指示を出し、敵兵が持っていた武器を急いで回収した後、先へと進んで行った。その途中の分かれ道で各PTは分かれて行き、ジャミング装置がある船腹へと目指していった。
「敵よ!」
「マナリア!前に!」
「了解!」
「アタッカーの二人はマナリアの後ろへ!後衛はアタッカーの後ろで援護だ!」
「あひゃひゃ!ひゃぁぁぁ!」
ソウル達が下へ行ける階段を見つけ、そこを降りて行き、1人通れる位の狭い通路を通ると、アップルが敵がいるのを見つけた。その声に反応したソウルは、仲間に指示を出すと、PTメンバーも指示通りに動いたが、敵が持つ杖のような武器から放たれた赤い光線が、アサルトライフル並みの連射で放たれ、その攻撃はマナリアの盾に集中した。豪雨の様な攻撃を、盾一つで防いでいるマナリアは、その恐怖からか変な声を出しながらも、ゆっくりと前に進んで行った。
「マナリア!もう少しよ!頑張って!」
「ちょ!ちょっと!アップルちゃん!押さないで!」
「スラリン!GO!」
「ヒャッハー!新鮮な蹴玉だぁ!」
アップルは、マナリアの背中を押して前に進んで行き、テイマーのココナ2がスライムを天井に這わせ、敵の頭上にたどり着いた時に合図を送ると、スライムは天井から落下して敵の頭に取り付き、包み込み始めた。突然上から落ちて来たスライムに驚いた敵は、攻撃をするのを止めてしまい、それを好機と見たホッパーが前に出て、敵の頭に飛び蹴りを入れて頭と胴を分離させた。その分離された頭がまだ無事な敵兵達の所に転がって行くと、敵兵士達は恐慌状態になってしまい、その場から逃げ出し始めた。
「目合わせちゃったんだなぁ…」
ソウルは、逃げ出して行く兵士を見た後、ふとハチドリに視線を向けた。
「え?なんでこっちを見たんですか!?あれは、あの二人の戦い方が異常で特殊なんです!ほんとですよ?!私や他の仲間達は普通なんで大丈夫です!だから、そんな疑うような目を向けないでください!」
「ただ見ただけで何も言ってないのに言い訳されて、キレられたのだが…解せぬ…」
「えぇ!?」
「はっはっは!ハチ自ら墓穴掘ってやんの!やーい!被害妄想野郎!」
「うっせ!童貞野郎!」
「どどど、童貞関係ないだろうが!それにそれはお前も言える事だろ!?」
「うっせ!うっせ!」
互いに地団駄を踏み、口喧嘩を始めた二人だが、収拾がつかなくなりそうなので、ソウルは銃口を上に向けて数発発砲して二人を黙らせた。
「今はアホな事している場合じゃない!先へ進むぞ!」
「「えぇ?だってこいつが…」」
「あ゛ぁ?」
「「イエ…ナンデモナイデス」」
2人を黙らせた後も更に進み続けたが、他のPTが先にジャミング装置がある場所にたどり着き、破壊したとの報告を貰ったソウルは、残りのPTリーダーにブリッジに向かう様指示を書いたメールを出した。
「駆け足でブリッジへ向かう!邪魔する奴は即座に排除だ!」
「「「了解!」」」
ジャミング装置を壊した事により、通信が出来るようになり、PTが爆薬を仕掛けた付近に居ない事を確認した後、ソウルは起爆スイッチを押して爆薬を爆発させた。
「ソウル!ここから外の様子が見えるわ!」
駆け足でブリッチに向かっている最中、アップルが舷窓を見つけて、ソウルはその舷窓から外を覗くと、エネルギーシールドが完全に消滅し、飛行船の攻撃も戦艦に届く様になっていた。更には、高度も少しずつではあるが下がって来ており、航行能力も失われて行っているとソウルは考えた。
「このまま中にいるのは危険か…仕方ない!ブリッチ制圧は中止!全員脱出する!」
「うぇ!?マジか!」
ソウルの急な変更にホッパーが、不満が混じった声で言った時、ホッパーの後ろで爆発が起こった。その爆発は装甲を吹き飛ばし、直接外に出られるほどの大穴が出来ていた。
「ここに居たいのなら俺は止めないが?」
「いえ!隊長に付いて行きます!sir!」
ソウルは、ほかのPTにも脱出指示を送ると、全PTから了解のメールが届いた。ソウル達は急いで入って来た整備用ハッチがある場所に戻って来ると、すでに2PTが脱出しており、3PT目がハッチから出て行こうとしていた。
「俺達が最後なのは、ジャミング装置を破壊した後真っ直ぐ此処に来てた可能性が…」
「ほら!そんな事は良いから早くソウルも出た出た!」
ソウルは不信感を抱いたが、アップルに背中を押され、渋々ハッチから外に出ると、ジャバワークが両手にガトリング砲を装備して発砲し続け、様々な武装を使いながら敵艦載機を攻撃している姿が目に入って来た。
「マギア!脱出だ!」
「了解です!マスター!」
ソウルはジャバワークに跨った後、ジャバワークは離陸していった。他のPTメンバー達も艦載機に乗って離陸を開始し、戦艦から離れていった。
「全味方の離脱を確認。この場を離れます!」
「いや、ちょっと待ってくれ」
ソウルは、フレンド欄を開いてホワイトローズに通信を取った。
「ホワイトローズ!ブリッジに大穴を開けられるか?」
「出来るよ~」
「頼む!ここでEXキャリバーを落とす!」
「了解~射線上に立たない様にね~」
ソウルは、ホワイトローズと通信を切った後、その数十秒後に薔薇の女王から、中火力のエネルギー砲が発射され、EXキャリバーのブリッジに穴を開けた。
「マギア!」
「了解!突入します!」
その穴からブリッジへと侵入し、ソウル達がその中で最初に目にしたのは、艦長席に座ったダミアン・ベイルが口から泡を出しながら、ブツブツ何かを呟いている男が一人いるだけの風景だった。
「あ?なんだ?頭おかしくなっちまったか?」
「お前…そうだ!お前だ!お前が!お前が現れてから全部おかしくなった!途中まで上手く行っていたんだ!だけどお前が現れておかしくなった!滅茶苦茶になった!ふざけるなぁ!このままいけば金も女も地位も思いのままだったのに!?お前がぁ許さんぞ!!」
ソウルは、ダミアンの憎しみの言葉を聞きながら、アイテム欄から爆発弾頭を取り出し、銃口から装填した。
「で?許さないからどうした?クソ食いのイカレ野郎?」
「死゛ねぇぇぇぇ」
ダミアンは近くにあった剣を抜いて、ソウルに斬りかかろうとしてきたが、それよりも早く銃口をダミアンに向け引き金を引いた。発射された爆発弾頭は、真っ直ぐダミアンに向かって行き、爆発した。
「きたねぇはな…」
「来たねぇ花火だですね!マスター!」
「先に言われた…」
しょんぼりしたソウルは、爆発弾頭を装填し、その場を離脱すると同時に、引き金を引いてブリッチを破壊した。
「マギア、さっきとブリッチを破壊した威力が違うんだが?」
「前にマスターに渡した爆発弾頭は、すべて火薬の量が違う物になっています。どの位の威力がいいのか決めかねていたので…」
「マギア…そういう事は最初に伝えてほしかったな…」
「あれ?言ってませんでしたっけ?」
「言ってないな」
「すみませーん!」
「はぁ…」
マギアに呆れた後、視線をEXキャリバーに向けると、船体のいたる所から爆発が起き、地面に向かって沈んでいった。そのEXキャリバーの姿を見て、ソウルは少しだけ虚しさを感じた。
「マスター?」
「いや、何でもない!次の作戦に移ろう!」
「了解です!集合地点に向かいます」
ジャバワークは、飛行船団が着陸している所に向かっていった。
突入の気分は、マ〇カーのレーススタートを待っている気分。
サブバッテリーを乗せるのは基本…だと思う。
マギアの手から出した蛇腹コードの先端には、ナノマシンがあり、そのナノマシンがどんな物にもくっついてハッキング可能になります。
マナリアが変な声を出した場面は、作者がC〇Dというゲームで盾片手に敵陣に突っ込んで行った時に上げた奇声です。
ホッパーとハチドリは真理者の腕編の終盤で出て来た、ヴァルハラに所属している二人です。
よく口喧嘩する中で、仲がいい二人です。BL要素はありません!
爆発弾頭は、キュクロプス戦に使った先込め式の榴弾です。
モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!大感謝です!
ブックマーク登録もよろしくね! ありがとうございます!ありがとうございます!すごく励みになってます!ありがとうございます!
書き忘れてた!ダミアンがおかしくなっていたのは、信じていた部下に逃げられ、戦艦も撃沈寸前、そんな大失態をやらかしたストレスでおかしくなっています。
EXキャリバーとの戦場を湖にすればよかったと後悔。そうすれば、「聖剣を湖に返した奴だ!」というネタが使えた…
ソウルが虚しさを感じたのは、異世界で大戦を生き残ったのに、最後は悪者に利用されて沈んだからです。




