EXキャリバー戦 2
完成しました!
おたのしみくださいにゃ!
「前方1300の地点に空間振動を確認しました!」
「来たぞ!」
「出現と同時に撃って来る可能性があるよ!全船に回避行動を取る様に伝えて!」
「了解!全船に回避行動を取る様に通達します!」
飛行船のセンサーに反応があり、その言葉に反応したホワイトローズが、全飛行船に回避行動を取る様に指示を出した。そしてそのすぐ後に、センサーが検知した場所の空間から突然戦艦EXキャリバーの姿が現れた。
「敵戦艦の船首にエネルギー集束反応を確認!撃ってきます!」
隊員の一人が叫ぶように報告すると、EXキャリバーの船首が4つに分かれていき、照射装置が姿を現すと、その照射装置から極太のエネルギーが照射された。だが、それを予測していたソウル達の飛行船団は回避に成功した。
「全飛行船回避成功!味方の被害報告ありません!」
隊員の一人がホワイトローズに報告すると、ホワイトローズは頷いた。
「よし!急いでこっちの攻撃が届く距離にまで接近!ソウル!」
「了解!接近します!」
「あいよ!起爆する!」
ソウルは、アイテム欄から起爆スイッチを取り出し、ダイアルをAllに回した後、起爆スイッチを押すとEXキャリバーの照射装置から爆発が起こった。
「爆発が一回だけだと!?無線範囲外だったのか!?」
「敵戦艦から強力なジャミング波を検知!これにより各飛行船との通信が出来ません!」
「ジャミング!?小癪な事を!飛行船との連絡は回光通信機を使って!」
「了解!ヘリオグラフを用意します!」
ホワイトローズが指示を出すと、通信士の隊員は目の前の端末を操作し始めた。
「残り200で有効射程距離に入ります!」
「全砲門開いて!有効射程に入り次第一斉射撃開始!」
「了解!全砲門開きます!」
ソウル達の飛行船団とEXキャリバーとの距離が縮まって行き、薔薇の女王は砲撃を開始した。薔薇の女王が攻撃した事で、後ろに続いていた飛行船団からも砲撃が加わり、EXキャリバーの周囲が黒煙で覆われ始めた。
「効いてるか?」
ソウルは、ブリッチからEXキャリバーを見つめて呟いたが、EXキャリバーの周辺に透明な何かが揺らいだのが見えた。
「ネガティブです!こちらの攻撃が敵戦艦に届いていません!強力なエネルギーシールドが張られていて、ぞれが原因かと思われます!」
「起爆スイッチは…やっぱりだめか…」
「敵艦に動きあり!副砲を起動し艦載機を出してきました!」
こちらの攻撃がエネルギーシールドに阻まれ、ソウルは試しに起爆スイッチを押してみたが、ジャミングされいて設置された爆薬は反応しなかった。EXキャリバーは、小型の照射装置を艦全体に展開し、二輪車の車輪部分に機械的な翼を付けた小型戦闘機と異世界製の武装を施した機工兵装が数多く出撃して来た。
「こっちも艦載機を発進させて!機工兵装の相手はハピネスカラー隊に!」
「了解!小型機を発進させ、ハピネスカラー隊に出撃要請を出します!」
「俺も出撃する!」
「はいよ。ヘマしてやられないでね~」
「頑張る!」
ソウルはブリッチを退出した後、格納庫へと向かって行くと、格納庫ではジャバワークが土台に固定された状態でいた。
「マギア、出番だ。状況は理解しているか?」
「はい、こちらでも確認していましたので大丈夫です」
「よし、じゃあ行くか!」
「はい!」
ソウルはジャバワークに跨ると、ジャバワークを固定している土台が動き出し、格納庫のハッチが開き外の風景が見え始めた。外ではすでに味方機と敵機との戦闘が起こっており、いたる所で爆発が起こっていた。
「まるで火薬庫が爆発したみたいな激しさですね!」
「今からそこに突っ込んで大暴れだ!」
「ロックンロール!と言う奴ですね!」
「ああ!そうだ!」
ジャバワークを固定していた土台の拘束機具が外れると、出撃可能のランプが灯り、それと同時にソウル達は勢いよく開かれたハッチから出撃していった。
「うおっと!」
目の前で破壊され、爆発した敵小型戦闘機の残骸をスレスレで回避した後、ソウルは、ジャバワークの銃で敵小型戦闘機の操縦者を狙い、引き金を引いた。
「クッ!小型機のシールドが厄介だな!」
発射された弾丸は、操縦者を捉えてはいたが、透明なシールドに阻まれてしまった。
「銃器の攻撃でシールドエネルギーが減少する事も確認しました!そのまま撃ち続けてください!」
「そのシールドエネルギーが無くなった時がチャンスか!」
「はい!」
ソウルは連続で引き金を引き、放たれた弾丸がシールドに当たってエネルギーを減少させ続けると、シールドが消失したのを確認した。そこにすかさず、搭乗者に狙いを定めて発砲すると、弾丸は搭乗者の体に当たり、小型戦闘機は墜落していった。
「マスター!ミサイルの装填完了です!発射タイミングは、マスターに任せます!」
「了解した!」
ジャバワークのミサイル2発で、敵小型戦闘機を破壊でき、多用していたので先ほどまで装填中だったミサイルが使える様になり、ソウルとマギアの敵撃破率は上がって行った。そして再びミサイルが装填中となった時、マギアのセンサーに敵の反応があった。
「警告!敵機が後方から3機向かって来ています!」
「振り払えるか?」
「難しいです!」
「分かった!迎撃する!」
「了解です!それと、付近に居る味方に援護要請を送ります!」
「頼む!」
ソウルは、体の向きをジャバワークの後方へ向けた後、喰らい付いて来た3機の敵小型戦闘機に銃口を向け、発砲し続けた。敵機からの攻撃を避けつつ、ソウルは攻撃をして行ったが、その攻撃は1機に集中した攻撃ではなく、3機のシールドを同時に消失させる為の分割した攻撃だった。
「マスター!今から20秒後に味方機の前に出ます!」
「分かった!」
マギアが数を数え出し、残り2となった時に銃を連射しシールドを消滅させた。
「ソウル!伏せろぉ!」
「うわ!」
突然の声に従い、ソウルは上半身を倒しジャバワークに密着するような形で伏せると、ソウルの背を平たい金属が通り過ぎ、後ろに食いついていた3機の小型戦闘機とその操縦者達も纏めて両断した。
「援護ありがとうございます!ハピネスカラーさんですか?」
「おう!そうだぞ!」
「その剣すごいですね!戦艦も一刀両断できそうです!」
「それほどでもないよ?このグラビットンソードは重量を操作する事しかできないし、硬すぎる敵だとぽっきり言っちゃうから大したことはない…まぁその分安いから使ってるんだけど…」
ハピネスカラーの言葉が最後に行くにつれて、周りに悲愴感が漂い始めた。
「ハピネスカラーさん!大丈夫です!この戦いに勝ったら億万長者になれるかもしれませんよ!」
「億万長者…そう…そうだよ!ここで暗くなってる場合じゃないんだよ!稼がなきゃ!じゃあね!ソウル!」
ソウルの言葉で、やる気を取り戻したハピネスカラーは、機工兵装の背中にあるジェットを吹かし、敵が密集している所に突撃していった。
「あの何といいますか、心の入れ替え?が速いのは餓えを知っているからでしょうか?」
「あの人もまた…餓える狼だった…のかもしれないな…」
「マスター…私、その言葉を聞いて半額シールが貼られた弁当を奪い合う人達を思い出しました…」
「ん?なんだそれ?閉店時間間際のスーパーで乱闘する奴ら等知らんな…」
「知ってるじゃないですか…!?…マスター!EXキャリバーの内部で連続した爆発が起こったのを確認しました!どうやら時限爆符が爆発した様です!」
「攻め時だ!マギア!通信は?」
「今だ回復していません!」
「仕方ない、一度ホワイトローズの所に返るぞ!」
「了解です!」
ジャバワークは頭の向きを変え、翼の推進器を最大にしてスピードを上げていき、ソウル達はホワイトローズの飛行船に帰還していった。
「ホワイトローズ!入るぞ!」
「お帰り~早速だけど沈黙したEXキャリバーの事を教えてくれるかな?」
「ああ、その為に戻って来た」
ソウルはブリッチからEXキャリバーの姿を見て、副砲の攻撃と艦載機の発進がして無い事を確認した。
「よし、動いてないな!先ほどマギアが、EXキャリバーの内部で連続した爆発が起こったのを確認した。これは、俺が作った時限爆符が原因だ」
「あ~そういえばあの時紙みたいな物を渡してたね~。あれが爆発したんだ」
「そう、だから今EXキャリバーの中にいる奴らは、慌てている頃だろう。今がチャンスと見るべきだ」
「でも、エネルギーシールドはどうするの?」
「それについては、私に策があります!」
マギアがブリッチの中心へと向かい、4面の大きなウィンドウを表示すると、作戦を説明し始めた。
「あのエネルギーシールドは本来、人間の皮膚の様にして張るものだと私の計算で導き出せました。ですが、現在あのエネルギーシールドは、風船のように膨らませた状態で張られています。この場合、エネルギーシールドの消費エネルギーは激しく、一点に集中攻撃を続けられたら、多大なエネルギーを消費する事でしょう」
「なるほど、それをしてシールドを消滅させた後、本体を叩くって訳だね?」
「いいえ、あの戦艦のエネルギーシールドは高性能なので一点の集中攻撃だけではすぐに復旧し張り直されてしまいます。なので、一点の集中攻撃でシールドが消滅した瞬間に艦載機で突入し、敵戦艦へと侵入、ジャミング装置を無力化した後、マスターの起爆スイッチを押し爆薬を起爆させます。そして可能であれば、ブリッジを制圧すればいいと思います」
「お~いいね!戦闘中に敵戦艦に乗り込んでいくのはロマンだね!後はあのシールドが張り直されるまでの時間で、どの位の人数が入れるかという問題だけか…」
「マスターを含めた数で30人ほど必要になると思います」
「タイミングが命の作戦だね~よし!やってみよう!回光通信機で各飛行船に連絡!今からこちらが指定した場所に集中攻撃をして、シールドが消滅した時、艦載機はソウルに全力で続けって連絡して!」
「了解!回光通信機で連絡を開始しします!」
「じゃあ、俺はもう一度外に出て待機している」
「よろしく!」
ソウル達はブリッチを出て格納庫へ向かい、その場所から外へ飛び出して行った後、上空で待機した。上から見える戦場は、味方の飛行船が移動しており、EXキャリバーは今だ沈黙を続けていた。そして味方とEXキャリバーの間では、ハピネスカラー隊の機工兵装達と無数の敵艦載機が激しい戦闘をしているのが見えた。
「さて…正念場だな…」
ソウルはそう呟き、シールドが消滅するタイミングを待ち始めた。
ジャミングは、プレイヤーのチャットやフレンド間の通話も使えなくなります。
回光通信機は映画「紅〇豚」に搭乗するガシャガシャして光でモールス信号を送っているアレの事です。受信した信号は、自動的に翻訳されて端末に文字として表示されます。なので初心者でも安心設計です。
マギアが格納庫に居た理由は、すぐに出撃できるようにするためです。
ハピネスカラーさん、グラビットンすごいですね!
それほどでもない。
敵艦載機はEXキャリバーのエネルギーシールドの影響はありません。また、奪って乗り込もうとしても機体に生体情報が登録されてないので、動かす事も出来ません。
モチベ維持に評価お願いします! お願いします!
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2021/10/29 マギアの作戦内容の最後、可能であれば~に変更。




