EXキャリバー戦
お楽しみください!
「おはよ~…」
総一郎は、朝の7時に起床した後、朝支度を済ませて台所へ向かうと、母親の早織が家族の朝食を作っていた。
「おはよう、総一郎。もうすぐ出来るから待ってなさい」
「あいよ~」
母親に返事を返した総一郎は、リビングへ向かうと父親の兵吾の姿が見えた。その父親は、目の前にある座卓の上に何かの書類を散乱させ、頭から煙を出しながら、座卓に突っ伏していた。
「おはよう、父さん。どうしたの?今日は仕事休み?」
「ああ、今日は休みだ…」
父親の声に生返事を返し、総一郎は座卓に散らばっている書類を一枚手に取って見て見ると、目を疑うような物が書かれてあった。
「えェ…父さん…これって…」
「ああ…そのまさかだ…まさかオ〇ホを作る事になるとは…」
「何故に?〇ナホ?」
「スポンサーからの要望で、採精も出来る様にしてくれって言われたらしい…それに社長はまたうんって頷いちゃってね…急遽作る羽目に…ウギギ…性的興奮なんて十人十色なのに誰でも興奮できる物を作れって?…無理です…」
「無理だってちゃんと伝えた?」
「ああ、ちゃんとはっきり言ったぞ?でもな…「兵吾君ならできる!いや、これは君にしかできない事だ!」って言ってさ…聞く耳持たねぇんだな…これが…」
「あちゃ~…」
悲しみを含んだ兵吾の言葉に、総一郎はその仕打ちに顔を覆った。
「万人受けするエロス?勘弁してくれ…顔や体のデザインだってまだ決まってないのに…もうね、今の状況を言うならこういうしかないね。「エロってなんだ!?」っと…」
「真理かな?」
「真理?…その心理は人体錬成すれば、それが見られるって奴か?…検索、人体錬成 やり方…」
「父さん!それは、いろいろ持って行かれちゃうから止めておいた方がいいよ!
「そうか…うお!?38800件ヒットした!」
「禁忌の術と言われているのに結構知れ渡っているんだね…」
「朝ごはん出来たわよ~」
母親の声に、姉と妹も一階へ降りて来て全員がテーブル着いた後、朝食を取り始めた。そしてその後、朝食を食べ終わった姉と妹がリビングへと向かってしまい、座卓の上に散乱した書類を見て、一悶着起きてしまったが、総一郎の援護で父親の尊厳は守られた。
「なんて事があったんだよ」
「お父様も大変ですね…しかし、万人に受け入れられる性的興奮ですか…ふむ…」
総一郎は自分の部屋に戻ると、スマホに表示されたマギアに先程の出来事を話した。話を聞いたマギアは、何かを考えるポーズをしばらくすると、何かを閃き、手をポンと叩いた。
「マスター!いい事をおも…」
「その閃きは、きっと碌な事にはならないから止めて置け!絶対だぞ!絶対に止めておけよ?」
「そうですか…(マスター!それは、所謂フリと言う奴ですね!分かりました!全力で実行してやりますよ!)」
マギアが閃いた事は、良くない事だと直感で理解した総一郎は、大事な事なので2回言ったが、それはマギアに伝わってはいなかった。むしろ、フリだと考えたマギアは、内心で全力で行おうと決意してしまった。
「そろそろ、インしておくか~」
まだ、約束の時間ではないが、何かあった時の為に早めにインしようと考えた総一郎は、機器を頭に取り付け、ゲームを起動しログインを開始した。
「ん?ソウルか…チーッス!早速だけどアレについて説明を求む」
「おはよう。ホワイトローズ。アレとは…ってなんだあれ?」
ソウルがログインを完了すると、目の前にホワイトローズがいた。そのホワイトローズは、指先を上空に向けると、ソウルもその指先を追って視線を上空に向けると、そこには巨大はウィンドウが表示されており、「EXキャリバー戦まで後、3時間24分45秒」と表示されていた。
「あれは、ソウルの仕業じゃないの?」
「身に覚えがありません…」
「ちょっと上まで行って確認してみるわよう!」
ソウルと一緒にログインしたティーが、上空に表示されたウィンドウに向けて飛んで行ってしまった。
「マスター、どうやらあれは運営が用意した物のようです。どうやら今回、私達の戦いは注目されているようですね」
「そうなんだ…まぁそれは当然かもしれないな…」
「あの船、EXキャリバーっていうんだね。異世界語で船体に書かれていたから解らなかったよ…」
「ホワイトローズさん…そこに驚くのですか…」
「あのウィンドウについてはフーン、便利なものだねぇっていう感想しか無いね。それよりもあの戦艦の名前、有名な聖剣の名前なんだね!うちの飛行船が落とされたのも納得だよ!」
「ホワイトローズさんのセリフは、運営の人達を泣かせる刃のような物ですね」
「それは~剣だけにってか!?誰ウマぁ!」
「ユメミルクおはよう」
会話の途中で、ユメミルクがソウル達に近づき、マギアにツッコミを入れた。その場にいた三人はユメミルクに挨拶すると、ユメミルクも挨拶して上空のウィンドウを見上げた。
「皆、あれを見てソウルが何かしたのか?って言って騒いでいたけど、どうやら違うっぽいな」
「っく!運営がやった事なのに俺が原因にされるとは…ウギギ…」
「運営が?へぇ~…」
「今回が初めてなのか?」
「ああ、俺が知る限り初めてのはずだぞ?。あれが表示されてフォーラムもお祭り騒ぎになってるしな…」
「で、そこで俺のせいになっていると?」
「おう!「ま た ソ ウ ル か ? 」とか「ガタッ!(AA略)またソウルか!?」とか「なんだ、またソウル(救世主)か…」とか椅子に座り直すAAが大量に書かれてあったぞ?」
「誠に遺憾である…」
「大丈夫、今私があのウィンドウは運営が用意した物だって書いておいたから。あ~でも、今回の事になんで参加できないの~とかなんであいつらばっかり…とかの書き込みも多いね」
ホワイトローズは、ウィンドウを表示し、下にスクロールしながら言うと、ソウルは困った表情になった。
「根に持つ奴が出てきそうだなぁ~…PKの標的になりそうだ…」
「その時はPKKのソウルだ!と言われるような恐怖を振りまく存在になればいいんじゃね?」
「碑文使いになれと?3つの傷跡を探す旅をしろと?」
「あれもⅩthは双銃使ってるし行ける行ける!」
「あれ、設定的にチート使ってるから!チート使ったら垢banされちゃうから!」
「マスター?用意しましょうか?」
「するな!!」
ソウルは、ウィンドウを表示しているマギアを止めた。それはもう真剣な表情だった。
「あ、そういえばソウル、総団長がログインしたら会議テントに来てくれって~戦艦戦終わった後の話をしたいらしいよ?」
「りょうかい~」
「ひゃぁぁぁぁさむいわよぉうぅ…かなり飛んで見たけど、ちっとも届かなかったわよう…」
「って!冷たぁ!どこまで上がって行ったんだ!?」
ソウルとマギアは、会議テントに向かおうとした時、上空からティーが降って来るとソウルの両肩に跨り着地した。ティーの体は冷え切っており、その冷たさがソウルに伝わると、ソウルは体を震わせた。
「はぁ~ご主人ぬくいわぁなのよう…」
「こっちはすごく冷たいのだが…」
肩に乗ったティーが、ソウルの頭に抱き着きソウルの体温を奪って行くと、ソウルは顔を青くしながら会議テントへ向かって行った。
「おはようごさいます」
「お?きたわね?こっちこっち~」
ソウル達が会議テントの中に入って行くと、ルージュ達と参謀役、ホワイトローズとユメミルクを除いた各隊長達が大きな机を囲んで話し合っていた。ルージュの手招きに導かれたソウル達は、その輪に入って行った。
「戦艦戦後の話し合いだと聞いてきましたがあってますか?」
「ええ、そうよ。最終確認って感じね」
「了解です」
「じゃあホープちゃんお願いね~」
「わかったのじゃ!」
「(いたのか…)」
ソウルは、テーブルの下に居て見えなかったホープに、少し驚いた表情をした。その表情を見たホープは、まるで「いたのじゃよ?」と言わんばかりのドヤ顔をソウルに向けた。
「よいしょっと」
ホープは、テーブルの上に乗りその場で正座した後、アイテム欄から指さし棒を取り出した。その後、テーブルの中心に置かれた、立体映像装置に映された基地の地図を棒で指し始めた。
「じゃあ、説明を始めるのじゃ。儂らはあの戦艦を撃破後、すぐさまPTを再編成し、盾2、アタッカー4、ヒーラー2を1PTとし、敵基地に突入するのじゃ。敵は待ち構えていたり、あの基地のセキュリティを使ってくる可能性が高いのじゃ!なので楽園攻略班と基地制圧班に分かれて動くのじゃ!ここまでで質問は?」
ホープは、その場にいた全員を見回したが、誰も手を上げなかったので話を進めた。
「のじゃ!基地攻略班はハピネスカラー、ブラッドローズ、クラウン、ホープの4人が担当するのじゃ。楽園攻略班はソウル、ユメミルク、ルージュ、ホワイトローズ、ピンクパンサーの5人が担当するのじゃ。今楽園はどうなっているのか分からない状態なのじゃ!だから慎重に動いて攻略するのじゃ~」
「ねぇ?ソウル?今楽園ってどんな風になっていると思う?」
ホープの説明を聞き終えると、ルージュがソウルに向かって質問して来た。
「私の予想だと、楽園には砦が建設されている途中だと思います。なので、侵入するのは容易いと思いますが…」
「罠が設置されていると考えるべきね」
「はい。なので罠を見破る事が出来るプレイヤーを先行させて調べてもらうか、最前にいるPTと一緒に行動させる方がいいですね」
「【看破】持ちのプレイヤー…分かったわ」
ソウルの言葉を聞いたルージュは、フレンド欄を開いて該当するプレイヤーを探し始めた。
「最後にこれだけはしっかり覚えて置くのじゃ!儂らの目標は一つ!ボトワン・ベルナーの首を取る事なのじゃ!この事だけに全力を尽くすのじゃ!」
「「「「「了解!」」」」」
ホープの言葉に全員が気合を入れた声で答えた。そして、細々とした物事を済ませた後、ソウル達は完全に修理されたホワイトローズの飛行船「薔薇の女王」に乗り込み、星屑の丘に出発した。
「さてぇ~、大人しく来るかな~」
「どうだろうな…来たとしても、視認できた瞬間に撃って来ると思うぞ?」
「ほぉ~じゃあ、操縦士の腕の見せ所だね~期待しているよ!」
ホワイトローズに声を掛けられた、飛行船の舵輪を持って操縦している隊員の一人が、体をビクッとさせた。
「仲間を緊張させてどうするんだ?まったく…彼が下手な操縦して、敵戦艦からの攻撃を回避できず、当たった時、もし俺が死んだら後ろに続く艦隊は全滅するんだぞ?更にはこの星に住んでる住民の大半は死に絶え、生き残った住民は空に怯え続けながら地下生活を送る事になっちまうだろ!だからこれ以上緊張させるのは得策じゃないな!」
「そうだね~!」
「(この人らは鬼か?)」
ソウルとホワイトローズを除いた、ブリッチにいる隊員達が心の中でそう思った。
「そういえばお前の所の副隊長のミミランジェさんは?」
ふと、誰かが足りないと感じたソウルは、ブリッチを見渡し、副隊長のミミランジェが居ない事に気が付き、ホワイトローズに尋ねた。
「今日はお見合いだって~」
「おや?ついに結婚かな?」
「う~んどうだろうね~本人はやりたくないって言ってたからなぁ」
「何故?」
「さぁ?理由は教えてくれなかったよ?」
「ふむ…相手は極度の軟弱マザコン野郎だと見た!」
「いくらかける?」
「1万オカーネンかけてやらぁ!」
「いいね!私は、相手がドがつく変態だと知っていたから嫌がっていたに2万オカーネンを掛けるよ!」
「(この人達…サイテーだな…)」
再び隊員達は心の中で呟いた。
「後5分で目的地に到着します!」
隊員の一人がホワイトローズに報告すると、ソウルとホワイトローズの顔つきが切り替わり、真剣な表情となった。
「目的地に到着次第、全周囲警戒!どんな反応も見逃さないで!」
「了解!」
「さぁて…気合入れて破壊しようか!」
ソウルは気合を入れなおし、開戦するのを待ち始めた。
年頃の娘を持つお父さん!どんなに疲れていても、娘さんが嫌がりそうな物はしまっておいてください。尊厳をマモレナカッタ…人にならない様に!
今はどうか分かりませんが、採精の時はエ〇本渡されるらしいっすよ?何か虚しくなりますね…それが大事な医療行為だとしても…
実際に検索したら、38800件出ました。
マギアは、よからぬことを企んでいる!
戦艦には異世界の文字でEXcaliburと書かれています。
運営は僅か半日で用意しましたが、プレイヤーの反応は今一だったようです。それもこれもソウルって奴のせいなんだ…
ソウルは、ハ〇ヲ並みに友の名前を大声で叫んだりしません。そして、碑文等は実装されてないのであしからず!
ミミちゃんお見合い中!どうやら上司の知り合いらしいそうですよ?
モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!
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