自分ができる戦い方
完成しました。投稿です!お楽しみください!
今回は短いです!
ソウルは、今回の作戦に参加したPTメンバーに感謝の言葉を送り、PTを解散した後、ジャバワークに乗って帝都へと向かっていた。何故帝都へ向かっているかと言うと、帝国の南西にある「星屑の丘」であの戦艦と戦う事を伝える為と、村や街に長距離砲の流れ弾が当たらない様に、12天逢魔が張った障壁を出来るだけ張ってほしい伝える為だった。
「マスター?障壁は必要なのでしょうか?」
「ああ、一応な。もし、何かしらの原因で設置した爆薬が起爆できなかった場合、長期戦は免れないしその長期戦で、こちらが村や街がある場所を気にして動ける範囲が狭まるのは避けたい」
「なるほど、不安要素を減らしておくという事ですね」
「そうだ」
「あの障壁は戦艦からの攻撃を耐えられるでしょうか?ルージュさんの攻撃で破壊できそうでしたが…」
「う~ん‥俺、あの障壁は本当に全力で張った物だとは思えないんだよなぁ…」
「確かに、あの時のロウカは気合を入れて張った、と言いましたが全力で張った物だとは言っていませんでしたね」
「ああ、だから期待したいと思う。…そう信じたい」
「俺達は信じていたんだ…彼女が張った障壁がしっかり守ってくれる物だって…この時のソウルはそう信じて~…」
「おいぃ!不安になるナレーションみたいな事言うんじゃねぇよ!」
ソウルはマギアにツッコミを入れ、帝都へと向かっていた。
「住民が戻り始めて来ていますね。マスター。活気もありますよ」
「ああ、いい雰囲気だな」
帝都に到着したソウル達は、帝都へと入り、街中を歩いている住民や商売に精を出している住民の顔を見ながら城へと目指していた。どの住民も顔に陰りは無く、誰もが苦しみから解放されたかのように生き生きとし、日々の生活を送っていた。
「到着っと。すみませーん!皇帝に用があるので通りますよ~」
「ん!?待て!なんだ貴様は!?急に来てなんだ!?それに皇帝に用だと!無礼であろう!」
城門を守る門番に話をして、城へ入ろうとしたが止められてしまった。ソウルはその門番の顔をよく見ると、ずいぶん若く身に着けている鎧も真新しい事から「俺の事を知らない新人なんだな~」と思い、ソウルは新人の門番に「ソウルが来た」と帝国騎士団長に伝えてくれと頼むが、武器を向けられてしまった。
「貴様!騎士団長様をも侮辱するのか!?怪しい奴め!捕縛する!」
その新人は、首に掛け下げていた警笛を鳴らすと、城の中から武装した兵士と騎士が現れソウル達を囲み始めた。
「おっとーこれは不味い状況ですね!マスター!」
「なんで嬉しそうなの?」
ソウルとマギアは両手を上げ、無抵抗のポーズを取ると、何故だかマギアが嬉しそうな声色で状況をソウルに伝えた。
「なんだ一体!さっきの警笛音はなんだ!?」
その声の主は、慌てて城門にやってくると、ソウル達を見て目を見開いた。
「な!?ソウル殿!?なぜこんな事に!?」
「あーっと…騎士団長さん。とりあえず何とかしてください…」
「あ…ああ、皆の者。この方は問題ない!この方はこの帝国を救ってくれたソウル殿だ!緊急警戒を解き通常警備に戻れ!駆け足!」
帝国騎士団長が、ソウル達を囲んでいた兵士や騎士に指示を出すと、言われた通りに駆け足で城の中へと戻って行った。
「一体どうしたのです?」
「いやぁ…門番の人に通っていいか聞いたら、こんな事になってしましました。まぁ、突然来た俺も悪いので、門番の人を責めないであげてください」
「そ…そうですか?そういう事なら分かりましたが…今日はどうしました?」
「皇帝に急いでお願いしなきゃいけない事がありまして…」
「急いで!?緊急案件ですか?では、着いて来てください!」
帝国騎士団長の後ろに付いて行き、ソウル達は皇帝がいる執務室に向かって行った。
「リアノス皇帝陛下!ソウル様がいらっしゃいました!緊急に伝えたい事があるようです!」
執務室の扉を3回ノックし、帝国騎士団長が部屋の中にいる皇帝に向かって言うと、入室を許可する声が聞こえ、ソウル達は執務室に入って行った。
「おお、ソウル殿!緊急という事だがどうなさった?」
「明後日の昼過ぎに異世界の戦艦と戦う事になりました。場所は帝国の南西にある「星屑の丘」です」
「…ん?異世界の戦艦…?それはもしや例の奴か!何故そんな事に?」
「ええ、実は…」
ソウルは転職の大社の長ソラと先代のナガトがやらかした事、山とその近くにあった村が戦艦からの長距離攻撃で吹き飛んでしまった事を、マギアがその時に取った画像を表示しながら説明した。
「これはひどい…いや、恐ろしいと言うべきか…人が一瞬で蒸発し壁に人影が写るなど…」
「ええ、脅威ですよ。なので先ほどあの戦艦に爆薬を仕掛け、おびき出す算段を付けた所です。あいつらが大人しく出て来るとは思えませんが、星屑の丘が戦場になるのは間違いないでしょう。なので皇帝は12天逢の一人「結防のイチコ」を今すぐ呼び戻し、各街や村に障壁を張る様に言って欲しいのです」
「確か、明後日の昼過ぎと言いましたな…猶予は1日半か…分かった!至急呼び戻し、障壁を張るよう命を出そう。ソウル殿、参考に出来る様な砲撃の威力が分かる物はありますかな?」
皇帝がソウルに聞くと、マギアが一枚の紙を皇帝に渡した。
「こちらに書かれてあるのは、あの戦艦の長距離砲の威力を数値にしてまとめた物です。こちらを彼女にお渡しください。役に立つはずです」
「ありがとう。感謝する」
「俺らが戦艦の撃沈に成功したら、その戦艦は帝国所有としてください。その戦艦の残骸を切り売りして今回の戦費に当てたり、他国との取引に使う成りご自由にどうぞ」
「!!…ソウル殿…そこまで…」
ソウルの言葉に、皇帝は目じりに涙を浮かべた。
「では、この件よろしくお願いします。あ!最後にですが、俺達があの戦艦と戦闘中は誰も近づかない様にお願いします。今回は守る余裕が無いと思うので」
「相分かった。必ず守ると約束しよう」
「では、失礼します」
皇帝と帝国騎士団長は、その場でソウル達を見送った。出て行った二人を見送った皇帝達は、ため息を吐いた。
「大社の事は、同盟国同士で話さなければいかんな…つまらん不信感で世界を危機に陥れるなど、困った事をしてくれたものだ…」
「それについては、私達も気を付けなければいけませんね。情報を伝える相手を選ばなければいけない立場の人間ですから…」
「そうだな。そうしなければ国として成り立たんしな…見る目を養う様、息子達にもよく言っておこう……さて早速、仕事に取り掛かるかのう。帝国騎士団長へ命ずる!結防のイチコを至急帝都へ呼び戻せ!」
「は!」
皇帝は命を下すと、帝国騎士団長は敬礼し執務室から出てた後、行動を開始した。
ソウル達は、帝国での用事を済ませた後、拠点へと戻り訓練場へと足を向けていた。
「マスター、訓練場で何をするのですか?」
訓練場に着き、案山子を目の前にしていたソウルに、マギアは質問を投げかけた。
「オカーネンが無いから何も作れない。だから訓練に時間を費やそうと思う」
「素材を採集して作るという事も出来ますが…」
「俺が必要になるのは弾と回復薬だけだしな…そんなの3時間位で終わると思うし、今は訓練してプレイヤースキルを高めておこうと思ったんだ。このままだと強くなっていくアップル達に置いて行かれるからな。少しでも技術を上げておかないとな、ただでさえ弱いんだし」
「了解しました。では、前回やった訓練方法をやりますか?」
「いや、最初は案山子を叩いで自分のDPSをチェックした後、改善点を洗いだして行こうと思う」
「了解しました。では1分測定、5分測定、10分測定どれにしますか?」
「5分で頼む!」
「了解しました。3カウントで始めます」
ソウルが銃を抜き、数歩後ろに下がって構えると、マギアからブザーのような音が三回鳴り、ソウルは案山子に向かって攻撃を開始した。そして1分、2分と時間が経過し3分の終わりが近づいてきた頃、ソウルの動きがグダグダになって行ってしまい、5分を迎えた頃には散々な結果で終わってしまった。
「…マスター?」
「途中でいろいろやろうとしたらグダグダになってしまった…」
「それより4分40秒位からタコ踊りみたいな動きになっていましたよ!?」
「タコ踊り?そんな馬鹿な動きする訳…」
「ほらぁ」
「ほんまや!」
マギアが録画した動画を見たソウルは、動画内でタコ踊りをしている自分の動きに驚いていた。
「何故驚いているんですか…」
「自分ではそんな動きしてるとは思わなかったんだ…」
「DPSも論外レベルですね。もう一度やりますか?」
「自分の武装や動きを整理してからもう一度やろう」
「分かりました。では現在のマスターが所持している武装はΣウェポン、ブルーローズ、右腕のショットガンですね」
「ああ、最近はΣウェポンの銃しか使ってないな」
ソウルは、実際に銃を手に持って確認したり、右腕から銃口を出したりしながら言うと、マギアがそれを否定する様に体の球体を横に振った。
「それでは、宝の持ち腐れになってしまいます。今から私が考えた最適な動きとその動きに合わせた武装の使用とタイミングをお教えしますので、その通りに動いてください」
「分かった」
マギアが大きめのウィンドウを表示すると、そこにはデジタル化されたマネキンが映し出され、ゆっくりとした動きだした。ソウルはマネキンの動きを真似をし続け、どのタイミングでどの武器を使えばいいか学んでいった。
「…マギア…このβブレードで斬り付けた後すぐにαトリガーへ換装して射撃するって難しくないか?」
「普通なら難しいですが、ブルーローズを使用すれば問題ないと思います」
「なるほど、最初はゆっくりやってみるか…」
ソウルはゆっくりとした動きでβブレードを振り、ブルーローズを使ってαトリガーに換装した後、銃口を案山子に向けて撃つまでやると、マギアがとんでもない事を言い始めた。
「そうです。その動きを1秒以下までに完了させてください」
「ふぁ!?」
「マスターならできます。出来るはずです」
「…ほんとかなぁ?」
マギアの言葉に疑問を感じたが、ソウルは言われるがまま、先ほどマネキンの動きと換装を織り込んだ攻撃を練習していった。そして、その練習は次の日も続けて行い、夜9時を回った時、練習を切り上げて素材を採集しに行った。2時間かけて素材を集め、拠点へと帰ってきたソウルは早速釜を設置した後、素材を釜に入れていき、弾や回復薬など作っていった。
「この位でいいだろう。今日は早めに落ちて明日に備えよう」
「了解です。マスターお疲れさまでした」
ソウルはマギアの言葉を聞いた後、ログアウトボタンを押し、現実世界に帰って行った。
このゲームは戦闘しても区切られたエリアはないので、流れ弾にも注意しなければいけません。まぁ、実際気にする必要はほとんどないのですが、長距離攻撃をしてくる(もしくはする)場合は、周りに気を付けないといけません。
新人の門番は、戦争後に入隊した人なので、ソウルの顔を知りません。ソウルの顔や姿を見た人は、あまり多くないです。帝国軍に降伏勧告に行ったときは遠すぎてそれがソウルだったという事も少ないし、横に魔王様が居ましたのでそっちに視線が行った、という理由もあります。
そろそろバラバラに使っているソウルの武装も、いろいろ織り交ぜた動きにしようかと思います。なのでこのタイミングで出しました。ガンカタみたいな動きや、武術の歩法や重心の移動など、超高度AIが考えた有効な動きをソウルに教えています。
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前回、NPCは死んだら基本復活はしませんと書きましたが、不死属性を持つNPCは居ます。




