帝都攻略戦3
用事があって完成が遅れました。申し訳ござらにゅ!
お楽しみください!
「ほら!どうしたさね!?」
「「「うわぁぁぁ…」」」
アンジェラが投げたフラスコが爆発し、帝国軍兵士達は悲鳴を上げながら吹き飛ばされ、建物に激突したり、爆発で吹き飛んだ手足を抑え、流れ出る血を止めようとしていた。
「ぢがどまらねぇぇ…」
「おやおや?怪我したのかい?じゃあこいつをかけてやろさね…」
アンジェラは、鞄から取り出した薬品を呂律すら怪しくなった負傷兵にかけると、失ったはずの手足が生えて元に戻ると、その事に兵士は驚きただ茫然とアンジェラを見つめた。
「これで元通りさね。それじゃあ…まだ戦おうさね!」
「うわぁぁぁぁ!」
アンジェラが汚物でも見る様な目を兵士に向けると、その視線の恐怖に耐えられなかった兵士が全力で逃げ出し、アンジェラはその兵士を目で追いながら、鞄の中から紫色の薬品が入った試験管を取り出した後、逃げて行く兵士に向かって試験管を投げた。投げられた試験官が兵士に当たった後割れると、中に入っていた紫色の薬品が空気に反応し雷を発生させ、兵士を感電させて黒焦げにした。
「……これはひどい…」
「大惨事大戦じゃねぇか…」
「吹き飛ばして、治して、恐慌状態にした後感電させる…あの人が味方でよかったよ…本当に」
ソウルとユメミルクが、アンジェラ達の戦闘を見て顔を青くしながら思った事を言葉にし、ホワイトローズの言葉を聞いた来訪者達は、その言葉に全員が頷いた。
「うわぁぁぁぁん!師匠ぅ・・・もう許してくださいぃぃぃ!」
「何だい?もう終わりさね?」
帝国軍の兵士達と一緒に戦っていたアリーだったが、先程の光景を見て心が折れてしまい、アンジェラに向かって土下座しながら命乞いをすると、兵士達もそれに続き土下座で許しを請い始めた。
「ちぃ…しかたがない…全員武装解除して大人しくしているといいさね。アリー!あんたは一人前を取り消すよ!もう一度最初から鍛え直してやるから覚悟するさね!」
「ソンナァ…」
「じゃあ、戦うさね?」
「いえ!もう一度最初から鍛え直します!」
アンジェラは目を鋭くした後アリーに尋ねると、アリーはすぐさま立ち上がり、涙目になりながら返事を返した。
「アンジェラ殿ぉー!」
慌てた声が城門から聞こえ、ソウル達はその声に反応し後ろを振り返って見ると、数名の騎士を連れたセルゲイ達がマウントに乗って来ていた。
「アンジェラ殿!何故勝手に持ち場を離れたのですか!?」
「相変わらずあんたは五月蠅いさねぇ~いちいちそんな大声出さなくても聞こえているさね。そんな事だと孫に嫌われるよ!」
「それは嫌だぁ‥‥ではなく!何故持ち場を離れてここに!?それと貴方に付けた部下が泣きながら我の所に来たのですよ!彼に一体何をしたのです!?」
「何ってそりゃあ…いやが‥(ゲフン)…少しお話しただけさね。持ち場を離れたのは~…暇だったからさね?」
「(え?暇?しっかりとした役割あったはずだが…ん?あ?え?)ん゛ん゛ん゛ん‥‥?」
アンジェラの答えに理解が追い付かず、セルゲイは腹の底から唸り声を上げ頭を抱えて悩み始めた。
「お悩みの所申し訳ございませんがセルゲイさん。皇帝は今どちらに居られますか?」
「ソウル殿…皇帝はもうすぐこちらに来るはずですが…ソウル殿聞いてもよろしいですかな?作戦とは何でしょうか?役割とは?…」
「え?えっと~辞書を引けば答えが乗っているはずです…よ?」
セルゲイに質問されたソウルは、思わずいい加減な言葉で返してしまいった。答えを聞いたセルゲイはそれに従い、鞄から辞書を取り出すと目的の物を探し始めてしまった。
「ソウル、皇帝を呼んでどうするんだい?」
「制圧した帝国兵がバラバラになって逃げない様にします。もし彼らが逃げ出した場合、野盗化して近隣の村や街を襲う可能性があるので、皇帝の所に戻せばそれも起こらないでしょう。まぁあいつらの手の者が潜んでいる可能性もありますから、慎重にやらないといけませんが…」
「なるほどさね」
アンジェラがソウルの言葉に納得すると、ソウルはこの場にいる主要メンバーを集め始めた。
「皇帝が来るまで城の中がどうなっているか聞いてみましょう。えっと~アリーさんでしたっけ?貴女からもお話をお聞きしたいのですが、よろしいですか?」
「ひゃぁ~‥‥」
「アリー!」
「は!はい!なんでも聞いてください!」
ソウルがアリーを見つめながら訪ねると、アリーは顔を赤くしながら呆けてしまい、アンジェラの一喝で姿勢を正し敬礼して答えた。
「では、彼らの中に隊長格の人はいますか?」
「はい、あそこに居る髭面のマイケルさんです」
突然名前を呼ばれたマイケルが驚き、こちらに視線を向けると、ソウルはマイケルに向かって外国の手招きをして呼び寄せた。
「貴方がここに居る兵士達の隊長でよろしいですか?」
「はい…そうですが‥‥何か用事が?」
「ええ、今城の中がどうなっているのか教えてください」
「いいですが…その前に俺…私達はどうなるのですか?」
「今こちらに皇帝が向かって来ているので、到着したらそのまま皇帝の傘下に入ってもらいます。だから馬鹿な事して逃げ出したりしないでください。もしやらかしたら…」
ソウルはそう言いかけアンジェラに視線を向けると、アンジェラはニヤリと怪しく笑い、マイケルはアンジェラの顔を見ながら何度も頷いた。
「わ…分かりました。部下にもその事を伝えておきます。それで~城の中の状態でしたね」
「はい、作戦司令部の場所、城を守っている兵士の数出来る限り教えてください」
「はい。今城の中はゴート軍務大臣の側近や同朋の私兵達が防備を固めているはずです。作戦司令部は城の3階、玉座の間で行われてます」
「今城の中に12天逢はいますか?」
「いません。先日宰相様が今回の戦いに参加せよと12天逢の方々に要請したのですが、それに応じたのはほんの数名だけで、残りの方々は様子見だけすると公式に発表しました。なので、今城にはゴート大臣達しかいないはずです」
ソウルはマイケルの言葉を聞いて、内心ガッツポーズを決めていた。今回の戦争で一番不安だったのは今だ現れていない残りの12天逢の存在だった。彼らの情報はとても少なく、グリムニルや参謀達も頭を悩ませており、唯一言えるとしたら潜入時に得た名前だけで、皇帝やノインに尋ねても何かの契約があるらしく、話せないとの事だった。
「そういえばロウカが言っていたのですが、女狐とは誰です??」
マイケルから12天逢は居ないと言われたが、先程ロウカが女狐と言っていた事を思い出し、その事をマイケルに尋ねてみた。
「女狐…?ああ、6守天魔のお一人、結防のイチコ様ですね。イチコ様は帝都に障壁を張った後、ばかんす?というものに行かれました。出発時、裸より卑猥な水着を手に持って皆に見せびらかしていたので、きっとどこかの水場へと向かわれたのでしょう」
「裸より卑猥な水着…だと?…ふむ…なるほど…相当な自信を持つ体と見ましたがそれで合ってますか?」
「…はい、かなりの物をお持ちです。出る所は出ていて、引っ込むところは引っ込んでいる…超が付く位のドスケベボディの持ち主ですね…」
「超が付く…位だと…(ゴクリンコ!)それはぜひ見て見…(((いい加減にしなさい!)))」
急に真剣な表情になったソウルがマイケルに尋ねると、マイケルも真剣な表情でソウルの質問に答えた…が、女性陣から「シリアス」と書かれたハリセンで頭を叩かれたソウルは、話を戻した。
「玉座の間から逃げられる隠し通路はありますか?」
「あります。ですがその通路は皇族の方ではないと開けられない魔法がかかっていると言われているので問題ないと思います」
「なるほど…問題だった12天逢もいない。城の中はあいつらの関係者だけ…逃げ道も無い。これなら一気に制圧できますね」
ソウルの言葉を聞いて、アップル達の目が変わって行った。その目は獲物を狙う狩人の様で、数名が嫌なニヤケ顔をしていた。
「ソウル殿、皇帝殿がこちらに到着したぞ!連れて来るから少し待っていてくれ」
「分かりました!」
辞書で答えを見つけたセルゲイが、皇帝の到着をソウルに伝え迎えに行くと、ソウル達は城へ突入する準備をし始めた。
「おお!ソウル殿!」
「わざわざご足労頂いてすみません」
「いや、ノインを無事に助け出してくれたのだ、恩人の為ならどこへだって参ろうぞ!…して~要件は?」
「これから城に突入して一気に制圧します。敵はあいつらの関係者しかいないらしいので、一緒に参りましょう」
「大詰めという訳だな?相分かった。そこの者達も余に続け!帝国の悪腫を叩き潰そうぞ!」
「「「は!」」」
皇帝は、武装解除した帝国兵達に声をかけると、帝国兵達は皇帝に敬礼した後、再び武器を取り準備を始めた。
「ソウルさーん!」
聞き覚えのある声に振り返ると、革鎧を着たノインが手を振りながらソウルへと近づいて来ていた。
「おー!ノイン!その革鎧赤魔導〇っぽくて似合ってるじゃないか」
「えへへ、〇魔導士というのは分からないですが、僕を鍛えてくれたフラウニーさん達が一式そろえてくれました!装備する時妙にボディタッチが多かったですが…」
「…そうか」
ソウルは、後であの三人はお仕置きすることに決め、視線を皇帝に戻すと、アルベルトが皇帝に何かを報告していた。
「ソウル殿、こちらは準備完了だ。何時でも行けるぞ」
「了解しました。ルージュさんそちらは?」
「こっちも大丈夫よ」
「よし、じゃあ行きましょう!作戦は突入後、近接アタッカーが敵兵の排除、盾持ちが後衛の前に出て敵の攻撃を防ぎ後衛を守る。後衛はバリケードの破壊、近接アタッカーや盾持ちの回復やサポートをお願いします!」
「「「「了解!」」」
ソウル達来訪者達と、住民の軍団は城へと向かって行った。
「一気に押せぇぇぇぇぇ!」
城へと突入したソウル達は、待ち構えていた敵を次々と倒していき、玉座の間がある扉の前まで来ると、門の前で待ち伏せていた敵軍から激しい攻撃をソウル達にして来た。だが、ソウルの掛け声と共に来訪者達が一気に押し込んでいき、扉の前にいた敵軍を倒した後、ソウルは扉を蹴破った。
「き…貴様ら!何をしておる!さっさと逆賊を倒せ!」
ソウルが扉を蹴破って入ってきたことに驚き、ゴートは後退りながら部下に指示を出すと、部下達は剣を抜き、じわりじわりと近づいて来た。
「ゴート…いい加減観念しろ…」
「なぁ!?皇帝陛下!?なぜここに!?」
「ソウル殿達の助力を借りてここに立って居る…一度だけしか言わん。全員武装を解除し、投降しろ!」
ソウルの次に入って来た皇帝に驚いたゴートがうろたえ始め、皇帝はその場にいた敵軍に投降を呼びかけた後、自身の片手に持っている槍の石突を床に打ち付け音を響かせた。その音が玉座の間に響き渡ると、ゴート以外の敵兵は観念したのか、武器を投げ捨て手を上げて降伏した。
「き…貴様ら!なにを諦めている!私はまだ降伏するとは言っていないぞ!武器を取れ!戦え!」
「ゴート!」
「こ…この愚かな皇帝がぁぁぁぁ」
ゴートが剣を抜き放ち、皇帝へと迫って来た。その時ソウルは銃を向けて発砲しようとしたが、横にいたアルベルト皇子がソウルに片手を向けて止めた。
「お前がそんな風になってしまったのは余の責任だな…」
向かって来るゴートに対して、皇帝は流れる様な動作で腰を落とし槍を突き出すと、槍の穂先がゴートの喉元に吸い込まれる様にして刺さり、ゴートを絶命させた。
「‥‥‥全軍に伝えよ!戦は終わりだ!このリアノス・エンラ・バルトスが敵の大将を討ち取った!今だ抵抗している敵兵は即刻戦闘を止め、投降せよと!」
「「「「は!」」」」
アルベルト皇子や皇帝の護衛としてきていた住民の騎士が、先程の皇帝が言った言葉を伝える為、動き出し、残りの騎士が敵を拘束した後、牢屋へと連れて行った。
「ありがとうございます皆さん。皆さんのおかげで帝国を取り戻すことが出来ました」
皇帝は深々と頭を下げ、ソウル達来訪者に感謝の意を示した。
「頭を上げてください。それに褒められるべきなのはノインですよ。あの時ノインが頑張って俺達の所に来なければ一番最悪な状態になっていた事でしょうし、自らの選択して奴らと戦う事を選んだのですから。まだこんなに幼いのにすごい事ですよ。」
「そうか…我が息子は立派に務めを果たしたという訳か…」
皇帝がノインの頭を撫でてほほ笑むと、ノインは照れながら笑顔になった。
「それにまだ終わってないですしね…」
「宰相…いや、ボトワン・ベルナーか…」
「はい、ボトワンがあの場所で何をするのか不明ですが、きっとよくない事が起きるのは確かですね」
「そうだな…」
ソウルは、ボドワンがあの場所で何をしたいのか考えてみると、ルージュの所に通信が入って来た。
「あーうん、分かったわ!ソウル!ククルちゃん達が手伝って言ってきたのだけど?どうする?」
「分かりました。機動力が高いマウント持ちの方を数名集めてください!俺達も手伝いに向かいます!」
「分かったわ!」
「では、まだやらなくてはいけない事があるのでこれにて失礼します」
「相分かった。余も戦後処理をするとしよう。何かあったらいつでも頼ってくれ」
「はい、その時が来たら頼らせてもらいます。では」
来訪者達がその場から去り、皇帝とノインの二人きりになると、皇帝はノインに目を向けた。
「良き者と巡り合えたのだな、ノイン…」
「うん!自慢のお兄ちゃんだよ!」
「はっはっは!そうか!そうか!」
ノインの言葉に皇帝は、心の底から喜んで笑った。
アンジェラさんは心を折った後さらに追撃して兵士にトラウマを埋め込みました。黒焦げになった兵士は辛うじて生きてはいますが、もう二度と剣を握れないでしょう。
中国に殺一警百という言葉がある…一人を殺して置いてうんたらかんたら…アンジェラさんははからずも同じ効果をもたらした…
セルゲイさんは困惑した。作戦とは?役割とは?…ちなみに孫は女の子です。
イチコはええ体しとりますと思わず道民やうちなーんちゅな人達が大阪弁になる位すごい体してます。
シリアスハリセン…それはどんなギャグキャラで不死属性持ちだとしても、このハリセンに叩かれたら最後、ムービーガンで必ず死んでしまうという恐怖のハリセン…なのかもしれない。
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