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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
冒険への準備編
11/328

試作パイルバンカー

はい!すみません!だいぶかかってしまいました!

Pixiaの強制終了と無保存で時間がかかってしまいました!

前回短い話だった為今回は原稿用紙20枚分書きました!


「さて、じゃあまずは材料から集めないとな…」


 ソウルはパイルバンカーを製作に必要な素材が集められる場所聞くため、銃士ギルドの中に入って行った。


「あ!ソウルさん!何かいい案見つかりましたか?」


「一応は…どこか素材が取れる場所は無いですか?鉱山とかがいいです」


「あ!それならここで管理している鉱山がありますよ!…でも禄に整備してなかったのでモンスターが巣穴にしているかも…」


「そのぐらいなら問題ない、と思う…場所はどのあたりですか?」


「そうですか!じゃあちょっと待っててください!」


 ハリーベルは受付の下から一枚の木札を取り出した。


「この木札を持って場所に向かうと鉱山があるエリアに入ることができるのでお持ちください、それと地図にマークしておきますね」


「?…エリアに入れる?何か結界でも張ってあるのですか?」


「いえ、この街の北にある所にゴンドラがありますので、船頭さんに木札を渡せば鉱山がある場所に連れてってもらえるんです」


「なるほど…じゃあさっそく行ってきます」


「吉報をお待ちしてます」


 早速街の北に向かい船頭に木札を見せると、船頭は怪訝な顔をしながらもゴンドラを出した。


「帰るときはここにあるベルを鳴らしてくれ、さっきの場所にあるベルと連動してるから鳴らせばわかるからな」


「はい解りました、ありがとうございます」


 船頭が戻っていき、自分の銃を抜いて武器に確認をした。


「ここから鉱山まで約4分…油断せずに行こう」


 鬱蒼とした雑木林を掻き分けなから進むと鉱山の入り口にたどり着いた。


「ここか!ちょうどいい広さに切り開かれた場所もあるしちょっとここで作ってみるか…」


 簡易錬金釜をそこに置き、なけなしの素材で片手型の鶴橋を作り出した。


「後は、松明作って~っと…」


 そこら辺に落ちていた乾いた枝に、松脂に浸した布切れを巻き付け、前分解した紙薬莢の火薬を少量付着させて燃やした。


「よし、作ったつるはし…OK、明かり…OK,武器…OK! いくぞおらぁん!」


 鉱山の中に入り、暗い道を松明の光に頼りながら採掘ポイントを探していった。


「順調、順調」


 暫く進み、採掘ポイントを見つけ次第つるはしで叩き、素材を取っていくと少し開けた場所にでた。


「ん?なんだこれ…」


 足元に転がっていたひびが入った球体を手に取ってみると弱弱しい光がゆっくりと点滅していた。


「これは…手か?…こっちは足」


 松明で周りを照らしてみると、石でできた人型の残骸がそこかしこに散乱していた。


「これは…ゴーレムってやつか?じゃあこれはコア?一応持って帰るか…」


 球体をアイテム欄に入れ、銃を手に持ち周りを警戒しながら進んでいった。


「そろそろ、限界か…いったん戻るか…」


 その後、特に何も起こらなかった為、採掘しながら奥へと進んでいくとアイテム重量限界が来たので戻ろうとした時、大きな何かが這いずる音が聞こえてきた。


「何の音だ?」


 這いずる音は次第にソウルへと近づいていき、音が最大になった時、急に音が止まった。


「なんだ?…いったいなんだ?」


 松明で周りを確認してみるが何もなく、恐怖が襲ってきたためソウルは急いで鉱山から出ようとした。


「うお!」


 後ろに振り返った瞬間、大きなヘビのような頭が、松明の光に照らされ迫ってきているのをギリギリで回避した。


「びっくりした!びっくりした!よく回避できた!こわいわ!」


 運よく回避できたことのうれしさと、驚いたことによる動悸によって早口で言うと、松明を近くに置き銃を構えた。


「巨大な蛇…いやあれは…」


 蛇が鳴らす独特の音を出しながら、松明の光に照らされた全体像がゆっくりと現れると、蛇の頭、鱗に覆われた人間のような体に両腕が生えていた。


「ナーガってやつか!…喰らえ!」


 3回発砲すると、一発目は鱗に弾かれ、二発目が体を仰け反らせ、三発目がようやく体に入った。


「再生…した…?」


 だが、三発目のナーガの体に入った弾が、逆再生されるように体の外に出るとナーガの鋭い爪がソウルを襲った。


「!?…マジか…」


 ギリギリで躱せたと思ったが、HPの半分を持っていかれるダメージを受けていた。


「シャァァァァァ!」


 両手を地面に置き頭を下げたナーガが、爆発したような勢いでソウルに噛みつこうとしたが、何らかの予備動作と考えたソウルは、前転回避で避けた。


「だめだ…このままじゃ勝てない…」


 撤退する事を決め松明を回収し、鉱山の入り口へ至る道へ全力で駆けだした。


「シャァァァァァァァァァ!」


 後ろから聞こえてくるナーガの音に、最大の恐怖が襲い声すらも上げられず、ただひたすらに走り続けた。


「はぁ…ハァ…はァ…」


 鉱山から出たソウルは、しばらく入り口から中を覗いていたが追ってくる気配が無い為、警戒を解きその場に座り込んだ。


「マジか…あれと闘わないといけないとか…キッツ…ハァー怖かった…どうすっかな…」


 ソウルはしばらく休憩した後、最初に思いついた打開策はパーティを組んで挑むを思いつきウィンドウを開いた。


【アナウンス:ここは特殊エリアな為、チャット、フレンド機能、パーティ編成 は行えません】


 警告文がウィンドウのフレンド欄を押したら現れ、ソウルは顔を覆い仰向けに寝転んだ。


「マジかー…ソロで何とかしないといけないのか…」


 そうしてソウルは、今できる事を考えアイテム欄を開いた。


「金属素材は限界まで取ったから一つくらい武器ができるか?…いや、ここは防具と弾を作って持久戦?…うーん…」


 どうすればいいか考えたが、答えが出ない為目線を変えて、ナーガの事を考えた。


「あの再生力は脅威だな…確か再生っていうのは切断とかしても細胞が無事だから再生するんだったっけ…?じゃあ燃やして再生を阻止、または遅らせたうちに倒し切れば…いける?…必要なのは、燃焼ダメージを与える物と倒し切れるほどの火力か…」


 まずは燃焼ダメージを与える物を考え始めた。


「着弾と同時に爆発、できるだけ広範囲かつ燃焼が続くようにしないといけないか…?いや、爆発はいらないか…液体燃料、または半液体燃料を当て同時に着火する物が必要か…」


 アイテムの説明を一つ一つ確認しながら使える物を探していった。


「凝固草 液体を固める性質を持った草 品質23 鮮度 3 、燃える石灰 空気に触れると燃える 品質34 、ブレース鉱、一定の力が加わると簡単に崩壊する 品質 40 、ネバールの実 ベトベトする液体を出すが熱が加わると甘くなり液体もサラサラなる 品質40 鮮度20 この辺りが使えるか…」


 だが、これだけでは足りないような気がして、雑木林の中に採集しに出かけた。


「とりあえず限界まで採取だ!採取して錬金!これが勝利の鍵だ!」


 気力と勇気を全開にしながら、銃を片手に採取していき遭遇する動物、小型のモンスターを一掃する勢いで行った。


「よし、戻るか…」


 解体道具を持っていないので、動物をドロップ抽選でアイテム化し、ギリギリ動ける位まで採取した後、数十分かけて鉱山の入り口まで戻り設置してある簡易錬金釜に座った。


「ププピピの毒葉!甘味がある液体を半液体させて劇毒に変えてしまうと書いてあるからこれを混ぜて燃焼榴弾を作る!」


 釜の中に燃える石灰、ブレーズ鉱、ネバールの実、ププピピの葉、金属素材、火薬、中和剤(緑)(青)を入れかき回していった。


「お!虹色になってきた!よし!」


 釜の中が虹色に光だし一つのアイテムが完成した。


【アナウンス:榴弾(燃焼)(毒)×3 が完成しました。】


 榴弾を釜から取り出してみると、弾頭が卵のような形をしており太い薬莢を纏っていた。


「あ、作ったのはいいけど、これを撃ち出すやつ作らないと…」


 前回のような錬金術で銃を作るとモデルガンになってしまう可能性があった為、一つ一つ部品ごとに作っていくことに決めた。


「親方の教えが無かったらちゃんとした物はできなかったな…よし一つ完成だ」


 釜から片手で握れる位の筒を取り出した。


 次々に素材を釜に入れ銃のパーツを作っていき、すべての部品がそろい組み立てていくと、単発で撃てる中折れ式の拳銃が出来上った。


「これにさっきの榴弾を…よし!うまく入った!…発射!」


 発射された榴弾は、卵に円柱を付けたような形で飛んでいくと、鉱山の入り口付近に着弾し半液体がまき散らされ燃え始めた。


「…あれ…? すぐ消えた…?マジか…まだ足りない素材があるのか…配分が違うのかはたまた入れる順番か?」


 榴弾の効果がすぐに消えてしまった事に、ソウルは首を傾げ原因を考えた。


「素材はこれで合ってると思うんだけどなぁ…入れる順番を変えてみるか…それでだめならやっぱり素材が足らないんだろう…」


 金属素材、火薬、中和剤の部分は固定し、前四つの素材を変え24通りの榴弾を製作した。


「…うーん全部試したけど効果はいま一つ…やっぱり何か足らないのか…」


 アイテム欄を開きこれは、っという物を探していった。


「ほかに使えるものって凝固草しか無いなぁ…他はパッとしないし…」


 試しに、ブレーズ鉱、燃える石灰、凝固草、ネバールの実、ププピピの葉の順番で榴弾を作り釜から取り出した後、拳銃に装填、発砲をしてみた。


「お!これは!…いい感じだ!」


 激しい炎が燃え上がり燃焼も長い時間を維持していた。


「凝固草…ほかの材料で固まると思ったから抜いたけど必要だったか…じゃあちょっと組み替えて作ってみるか…」


 だが最初に比べて効果が薄い物ができ、凝固草を入れた最初の組み合わせが正解だと考えた。


「後は、回復薬と榴弾の量産、パイルバンカーを作るか…どうせ防具を作ってもいい物はできないだろう…ここは攻撃特化で行こう!」


 ソウルは、雑木林で限界まで採取し弾、薬、武器の製作に取り掛かった。


「まずは…パイルバンカー!君に決めた!」


 金属素材と中和剤を入れて一本の杭を作り出したが、ギリギリ釜の入り口から取り出せる大きさで出て来た為、取り出すのに難儀した。


「ヨッコイショー!‥‥大きすぎると取り出せなくなるな…気を付けよう…よし、次だ」


 釜に同じ素材を入れ、回転弾倉をイメージしながら釜をかき回していく。


「装弾数は8発の回転弾倉…完成!次は、4発の回転弾倉っと…」


 次々に部品パーツを作っていき少しずつ組み立てていった。


「おっと、ここがこう動くから…少し削らないといけないか…作り直しか…」


 組み立てして問題個所が見つかると新しいパーツを作る、そんな事を繰り返していると一つのアナウンスがチャット欄に現れた。


 【アナウンス:錬金術 スキルがLV3になりました。特性 が解放されました。SPを消費して獲得できます】


「ん?特性?」


 スキル欄を開き確認してみた。


 【 錬金術 】 Lv3 ≪特性≫ SP1500 (各アイテムが持つ特性が確認できる)


 説明欄がよくわからなかった為獲得してアイテム欄を開き確認してみた。


「おお!こういう事か、アイテムが持つ特殊性能が見れると…Lv上げたら継承やら、変更やら出来るのかな…」 


 今は特に必要がないのでウィンドウを閉じ、パイルバンカー作りに没頭していきFDVR機の警告が出るまでやり続けた。


「一旦ログアウトして、用を済ませたら即ログインだ!」


 ログアウトボタンを押しソウルは現実に戻っていった。




「やっべ!限界が近い!」


 急いでトイレに駆け込んだ総一郎はホッと一息の後、用を済ませ、また自分の部屋に戻り時計を見た。


「結構時間たってたんだな…もうちょっとしたら夕飯の時間だ…タイマーセットしておこう」


 FDVR機を着け設定からタイマーをセットしログインを始めた。


「もう少しで完成だ…」


 ソウルは部品を取り付けていき数分後、一つのパイルバンカーが完成した。


「試作型パイルバンカー完成!」


挿絵(By みてみん)


 このパイルバンカーは、弾頭と火薬部分を別にすることで杭を撃ちだす動力と射撃を可能にした物で、杭の部分が突っ張り棒のように二重になっており、バネを利用した仕組みで伸縮していた。また射撃可能な部分が杭の下部に付いてあり、合計で4回攻撃ができる代物だった。だが射撃については至近距離で使うことを想定してある為、遠く離れた敵には素直に別の銃を使った方がいい命中精度である。


 早速動かしてみようとしたが、肝心の炸裂火薬を作り忘れてた為、弾頭と火薬を急いで製作した。


「回転弾倉を展開、弾頭セット、炸裂火薬セット、よし!」


 鉱山の岩壁に向けてトリガーを引いた。


「うお!すごい衝撃!」


 二発同時の発砲音が響き渡り、撃ち出された弾頭と杭が岩壁を破壊したのを見た後、ソウルはパイルバンカーに異常がないか確認してみると全く問題ない状態だった。


「これなら…奴に勝てる!」


 勝利への確信を得るとまた雑木林に入り、回復薬の素材を集め製作し、手持ちのアイテムをすべて使ってパイルバンカーの弾、銃の弾、榴弾を製作していった。


「おっとタイマーが鳴った…ちょうどだな…」


 ちょうど最後になったアイテムを作り終えると、FDVR機のタイマーが鳴りソウルは錬金釜やらその辺に置いていた製作アイテムを片付けてログアウトボタンを押した。




「奴に挑むのは明日にしよう、今日は英気を養うのだ―」


 FDVR機を外しながら独り言をつぶやき、一階に降りると家族全員がリビングに集まっていた。


「あれ?みんなどうしたの?」


 総一郎が声をかけると父親が一枚の紙を渡してきた。


「今日はラーメンの出前取ろうって話になってな、何食う?」


 メニューを見てどれを食べるか考えた総一郎は、辛子味噌タンメン(大盛り)とチャーハンを頼んだ。


「じゃあ、注文するわね」


 メモ帳を片手に母親が、電話が置いてある玄関に行き総一郎はリビングの床に座りテレビを見た。


「ちわ~再彩来軒です~ご注文の品お届けにあがりました~」


 原付のエンジン音が外から聞こえインターホンから男性の声が聞こえてくると、有栖と美咲が商品を受け取りに行き母親が男性にお金を払った。


「よし、それじゃ(((いただきます)))」


 父親の声の下、手を合わせて言った後、汁が飛ばないようにゆっくりとゴム付きラップをはがし食べ始めた。


「そういえば何故に出前?」


「いや、テレビでラーメン特集しててな…それを見た母さんが今日は出前にする?って言って美咲と有栖もうなずいてこうなったわけだ」


「ラーメンの味はいつも醤油頼んじゃうな~有栖はいつも塩、お母さんと総ちゃんは味噌、父さんは特に決まってないし」


「いやぁラーメンはその日の気分で選んでるからな~うん、旨い」


 家族との会話を楽しみながら食事を終えると、食べ終えた食器類を洗い玄関先に置いた総一郎は自分の部屋に戻り、対ナーガ戦の作戦を考え始めた。


「(最初に榴弾を使って周りもしくはナーガに当てた後視界を確保、続けてナーガの再生力を停止、または遅らせた後、銃で攻撃。榴弾、銃、パイルバンカーの順番でナーガのHPを削りきる!問題は防御力が無いからナーガの攻撃が、尋常じゃないってことだ…掠っただけでHPの半分を持って行くやつだ…まともに喰らえば即死だろう…まさに一瞬の油断が命取りだな…)」


 椅子の背もたれに体を預け天井を見た。


「(攻撃は避けるしかない…回避できるアイテムやらスキルなんてないからステータスを上げて対処するしかないか…このゲームにスタミナゲージが無くてよかったよ…いや…一応あるのか?息上がったしな…)」


 総一郎は洗面所に行き歯を磨き始めた。


「(残りのSPを全部使ってどこまで上げられるか…)」


「あれ?総兄ぃ?もう寝るの?」


「うん、こぉうてぇとぉふぁふぁかぁう゛がらぁぬぁー(うん、強敵と闘うからなー」


「強敵?ゲームのやつかー早起きして戦うって事?」


 有栖の言葉に頷きで答えた総一郎は口を漱いだ。


「明日は決戦だ…集中力が切れたら一撃で終わってしまうほどのな…」


「はえーなんかすごいね!頑張ってね!じゃああたしはお風呂入るー」


 総一郎は洗面所から出て自分の部屋に戻るとそのままベッドに入り目をつむった。




「よし!トイレも食事も済ませた!準備よし!俺は!やーってやるぜ!」


 気合を入れて、機器を頭につけログインを開始した。


「よし準備だ!」


 靴ひもを結びなおし、榴弾を紐に括り付けて弾帯のようにしたものを身に着け、動いても問題ないか調整した後、銃にマガジンを入れ装填し腰につけた紐に単発の拳銃も引っかけた後、ゆっくりとパイルバンカーを片手で持ち肩に担いだ。


「なんか…映画で見たことあるような動きしちゃったな…まぁいいか!いくぞ!」


 松明を持ち鉱山に入って進んでいくと、ゴーレムの残骸がある場所に出た。


「確か、この先の場所で出くわしたんだったな…」


 単発の拳銃を取り出し松明で暗い坑道を照らしながら慎重に進んでいった。


「ここだ…ここで出たんだ…」


 広場のような場所に出ると遠くの方から這いずる音が聞こえてきた。


「でてきたな…ここがボスエリアだったか…」


 松明を放り投げ、音が聞こえてくる方へ榴弾を撃つと壁に着弾し広場が少し明るくなった後、広場の横穴からナーガが出てきた。


「出たぞぉ!出たぞぉぉ!」


 開幕榴弾を発射しナーガに当てると、ナーガは悲鳴のような声を上げ暴れだした。


「しまっ!」


 一瞬だけ目線を放し銃に持ち替えようとした時、暴れまわるナーガの尾が襲い掛かりソウルの体を弾き飛ばした。


 壁に激突し地面に転がると残りのHPが3しか残っていなかった。


「これは…やべぇ…生き残ったのは幸運だな…あ!ステータス上げるの忘れてるじゃないか!」


 急いで回復薬を取り出し体に振りかけた後、ウィンドウを開きAGIに6ポイント上げ60にした後、VITに5ポイント上げ30にした。


「素早さとHPを上げたぞ、これなら二発くらいなら耐えられるかも…」


 もう一度、榴弾を撃ちナーガに当てると再び暴れ始めたが、ソウルは攻撃範囲外にいた為当たらず銃を持ち替える事ができた。


「撃ちまくる!」


 ポンプアクションとボルトアクションが合わさった銃を構え引き金を引いた。


「シャァァァァァ!」


 暴れていたナーガが、そこら辺の石を掴み投げ飛ばしてきたが、当たる数歩前で横に回避した後射撃を繰り返した。


「シャァ!」


「おっと!その攻撃はもう見た!」


 ナーガが両手を地面に着き頭を下げ突進してくるがソウルは余裕をもって回避できた。


「よっと!」


 岩投げ攻撃を回避しすぐ別の弾倉を交換した後、発砲し続け少しずつではあるがダメージを蓄積させていった。


「そろそろ切れるか…」


 広場の明かりが次第に暗くなっていくのを感じたソウルは、単発拳銃に持ち替え、3発ほど広場の壁に当て明かりを確保した。


「シャ!」


 殴り攻撃をしゃがんで回避し榴弾をナーガに当てた後、距離を取り銃を持ち替えた。


「もうすぐ半分だ…」


「シャラララ!」


 HPが半分を切ると、ナーガが両腕を頭の上に振り上げ水が集まったと思うと、針のような鋭い雨が降ってきた。


「魔法か!」


 ナーガの位置から直線を描くように飛んでくる針の雨に、ソウル飛ぶように回避をするがどうやら足に当たってしまいHPが危険域になってしまった。


「くそ!回復する暇がない!」


 針のような雨の攻撃がやんだと思ったら今度は、高圧水流を出して攻撃してきた。


「うおぉぉ!」


 ナーガの動きを見て見ると片手を突き出した時に、ソウルがいる地点に攻撃が飛んでくることが解り、手の動きを見て回避に徹した。


「シャァァシャァァ!」


 次の攻撃が来ると思い身構えると、地面の水たまりがナーガに集まっていきHPが回復していった。


「嘘だろ…回復かよ…」


 ソウルのつぶやきに答えるかのようにナーガがまた両腕を頭の上に振り上げた。


「させるかぁ!」


 単発拳銃を取り出し榴弾をナーガの頭に当てると、ナーガが怯み集まっていた水が四散していった。


「もう一度あの攻撃を喰らえば終わりだ、もうこのままいくしかない!」


 全ての榴弾を使い切る勢いで射撃しながらナーガに近寄って行き、手持ちの榴弾が尽きると単発拳銃を投げ捨てパイルバンカーを手に持ちナーガに突撃を仕掛けた。


「くたばりやがれぇぇぇぇぇ!」


 ソウルは叫ぶような声でパイルバンカーのトリガーを引いた。


「ジャァァァァァァ」


 燃焼と毒でもがくような動きをしているナーガに何度も引き金を引き続け、襲ってくる両腕の攻撃を回避しながらパイルバンカーのリロードを済ませた後、また引き金を引き杭と弾丸を発射させた。


「ジァアアアアアアァァァァァァ‥‥」


 そして残り2発になった時ナーガが断末魔を上げ、地面にゆっくりと倒れ伏した。


「はぁ…ハァ…」


 ソウルは黒い霧になっていく倒れたナーガの姿を見るとしばらく放心状態になってしまい、数分そのままの形でいたが徐々にうれしさがこみあげてきた。




「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!」




 ソウルは心の底から叫び、パイルバンカーを高らかに掲げ、勝鬨を上げた。


ソウルは気づいていない…ナーガが出たことをギルドに報告すればパーティー組んで挑めることを…

そして別にナーガを倒さなくても別のイベントが進んで他の場所から素材が取れることができるという事…


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― 新着の感想 ―
[一言] 弾倉が4発……劣化ステークじゃん
[気になる点] 場面転換した時に空間を広めに開けるか線で区切るかした方がわかりやすくなると思います。 [一言] 面白いので頑張ってください
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