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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
ΖΩΗの楽園
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決断

完成しました!


トゥコウ…ゴホン!投稿です!お楽しみください!



 ホワイトローズの飛行船薔薇の女王(ローズオブクイーン)に乗り、帝国にあるツワーノの町に向かっていたソウル達は、飛行船の船室内で椅子やソファーに座り雑談していると、雑談の話題が今回の取引になった。


「ソウル?帝国は大人しくノインを渡すかしら?」


「分からない…が、何かしてくるとは思う。…まぁこっちもただで返すつもりはないが…」


「何をするつもりなの?」


「あいつ等を煽って先に手を出させる。まぁいろいろと仕込まないと行けないけど…」


「大義はこちらにあると言いたいわけね。でもそれって…いや…そう…」


 アップルは何かを言いかけたが、悲しい表情をして言うのを止めた。ソウルはアップルの表情を見て、何を言いたいのかが解り、落ち着いた声で話し始めた。


「アップルの言いたい事は解る。卑怯じゃないか?と言いたいんだろ?俺の仕掛けで大義名分を得るなんてマッチポンプじゃないか?と、確かにそうだな…」


「それを解っていてもやるのね…」


「ああ、それが必要だからやる。例えその事で仲間から後ろ指刺される事になっても、例え罵声を浴びせられれる事になってもだ」


「そこまで…ねぇソウル?その先に何があるというの?何が得られるというの?」


「さぁ?その場所に立たないと何を得たのか分からないな…でもな…これだけは言える…俺のした事で誰かが助かる。アップルが言う先の未来で自分に得る物が無くても、誰かが明日を迎える事が出来るなら俺は躊躇わない。高笑いしながらやってやる」


「それって自己犠牲じゃない!」


「自己犠牲?いいや違うな。俺がやろうとしている事は、自ら自己犠牲と言う椅子に座り上手に演じながら誰かや自分が犠牲にならないようする事だ」


 ソウルが、眉間に眉を寄せアップルの目を見つめながらいうと、マナリアが少し怯えた表情をしながらソウルに問いかけて来た。


「ソウルさん…その犠牲に帝国の関係ない人は含まれているのでしょうか?‥‥拠点にいたプレイヤーの人達がソウルさん達が潜入しに行ったとき、飛行船を置く所を爆破したって言ってました…その爆発で一般の方にも多く死傷者がでたって聞きましたが…」


「そうだな…それは間違いないよ。仲間達を逃がす為に俺は爆弾のスイッチを躊躇わずに押した。そしてその結果沢山人が死んだ。何故躊躇わなかったか?それは、敵だからだ。」


「敵って…普通の一般人がですか?」


「マナリア、あそこに居た住民は一般人ではないよ?奴らの協力者さ」


「それはき‥‥!」


「詭弁だ!と言うつもりか?マナリア考えても見ろ…あそこに居た人達は何をしていた?」


「何って飛行船の整備とか‥‥補充とか…」


「そう、飛行船を整備したり、足りない物を補充したりする人たちだらけだ。そして、その整備された飛行船を使って奴らは何をして来た?」


「!!‥‥」


 マナリアはソウルの言いたい事に気が付き、それ以上口を噤んでしまった。


「あいつ等がやっている事は直接的か間接的かの違いだけだ。そしてそこに何の罪もない一般人がいる訳がない。まぁ、当然知らなかった、知らされてなかったと言う奴もいるがそれは関係ない。一度でもあそこにある飛行船に携わったらそれは俺達が倒さないといけない敵になる。そして敵となったら一切の躊躇はしない」


「慈悲はないの?」


 口をつぐんだマナリアに変わって、アップルが悲しそうな表情をしながらソウルに言うと、ソウルはアップルの目を見てその質問に答えた。


「慈悲…慈悲か…下手に慈悲や許しを行えば、俺らが守っている人達に危害が出る可能性があるからな…恨み、憎しみ、怒りそんないろんな感情を持った奴がその場しのぎの言葉を言って、許されたらどうなるか…言わずとも分かるだろう?」


「だから全員殺すって事?」


「…そんな、俺もむやみやたらに殺すことはしないよ。殺すのは悪意ありと分かった時だけだ」


「それって分かる物なの?」


「ああ、分かる。ただ目を見ればいい」


「目?」


「詳しく言えば目に映る心を見る…って言っても分からないだろうし、目の動きを見て判断するんだ」


「目の動き?」


 ソウルの言葉に女性二人が首を傾げて聴き直した。


「ああ、実際に見ればよくわかる。それと…」


「マスター、ツワーノの町に到着しました」


「分かった」


 ソウルが言葉を途中まで言いかけると、ティーと一緒に船内を探検していたマギアが、ツワーノの町に到着した事を伝えた。ソウルはそれに頷き、椅子から立ち上がり船室の扉の前に移動した。


「二人共、さっきの話を聞いて俺といるのが嫌になったらいつでも言ってくれ、すぐ脱退手続きをするから。あ、あとさっき言いかけた事なんだが、人が悪に落ちるのは直ぐでも悪人が善人になるのは残りの人生と後悔から来る償いを続けて行ってなれるかどうか、という事を覚えておいてくれ」


 ソウルはそれだけを言い残し客室から出て行くと、残された二人は目を合わせた。


「なんだかさっきのソウルさん…怖いです…」


「ええ、そうね…私達は本当の意味で理解してなかったみたいね…ユメミルクさんが言っていた事の意味ようやく理解したわ」


「アップルちゃんもソウルさんのお友達に言われた事があるの?私は騎士になった後拠点に帰る飛行船内でホワイトローズさんから言われました…今後ともソウルと共にいるなら覚悟した方がいいって…」


「私は拠点にいた時たまたま話す機会があってその時言われたわ…「時にソウルは冷酷な鬼の一面を見せる事があるけど、それは誰かの為に動いていてその必要があるからなんだ…その姿を見た周りの奴らは上部しか見てなくてソウルの近くに居た人にもあざ笑いながら指をさしてくる。だから、ソウルと一緒に行動してくなら覚悟を決めて付き合って行ってくれ。少しでも嫌だなと思ったり、めんどくさいなって感じたら早めにソウルから離れた方がいいぞ?早めに離れないと後戻りできないから」って」


 アップルの言葉を聞いてマナリアは下を向いた。


「アップルちゃんはこの先も付いて行くの?」


「…マナリア?…今私がその答えを言ったら、その答えに流されず自分の意志をはっきり言える事が出来る?」


「それは…」


 アップルの言葉にマナリアは頷くことは出来なかった。先ほどのソウルの目を見て、自分がこれからやろうとしている事に疑問を持ってしまい、アップルの意見を聞いてどうするか決めようと考えたが、アップルの答えを聞いたらそれに流されてしまう自分も居た。


「どうするかは自分で悩んで答えを見つけないと行けないわね…私もマナリアも」


「そうだね…」


 アップル達は、表情を曇らせただ客室の扉を見つめていた。




「あの…マスター?アップルさん達にあんな風に行って大丈夫なのですか?」


 客室から出たソウルは地上へ降りる為、飛行船の格納庫へ向かっている最中、マギアが不安そうな声色で質問すると、ソウルは足を止めずにマギアの質問に答えた。


「聞いていたのか?…マギア?……これから先、今と同じような事が起きないって確証は無いだろ?もちろん自ら進んで殺し合いをする訳ではないが、この先も多くの命を相手にする事だろう。その時、少しでも迷いがあれば隙が生まれる。その隙は例え一瞬でも致命傷になる事だってある。俺らは死んでも生き返る事が出来るが、住人はそうじゃない無い。マギア?俺達プレイヤーの本当のゲームオーバーってなんだか知っているか?」


「本当の…ゲームオーバーですか?そうですね…「ゲームが詰んだ」って事でしょうか?」


「惜しいな。正解はプレイヤーが「もういいや」と思った時だ。もういいやと思った時、もうそのゲームはやらなくなる。その後別のゲームに行ったり、別の趣味に走ったりして人それぞれだが始まりは「もういいや」からだ。どれだけ熱中していてもどれだけそのゲームに時間を使っても、ゲームだから簡単にやめる事が出来る。この世界(ゲーム)ではそれが特に顕著に出るだろう」


「なるほど、「もういいや」ですか。分かる気がします」


「じゃあ、どうしたら「もういいや」とは思わず続けられるか?それはな、楽しい事がまだこの先に待っていると思わせる事だ。マギア…俺は…その先が見たい、その先に続く楽しい物あると信じたい、だから俺が持つ全部を使って少しでも前に進むんだ。アップル達には悪いと思うけど、今後俺と一緒に来るなら早めに決断してもらう。いつまでも迷って決断するのが遅れた時、そのせいで誰かが死んだら後悔で足が止まってしまうだろう」


「足を止めない為にこの先何万人殺す事になっても進み続ける覚悟を持てという事ですか?」


「ああ、そうだ。その為にならアップル達の会話に出た自己犠牲の椅子にも笑いながら進んで座るし、他人から狂鬼と後ろ指刺されても俺は気にしない。アップル達がここで降りると言ったらそれはそれで仕方ないしPTに残れと強要するつもりもないしな」


「そうだね~決断するなら早い方がいいよね~」


 格納庫に到着すると、いつの間にかソウルの後ろにいたホワイトローズが声をかけて来た。


「私も昔いろいろあったけど、早めに決断していたから今こうしていられる。まぁ一度決断したら後は進むだけだからね、楽だったよ。さて、彼女達はどうするのかな?」


「ホワイトローズさんの過去に一体何が?」


「まぁ…ちょっと親がね…あの時ソウルがお前はどうしたいんだ?って言ってくれたから、あの時私はこうしたいって言って決断したから今こうして遊んでられる…あそこで決断できてなかったら今頃‥‥考えたくもない未来になってたよ」


 ホワイトローズが体を震わせながら言うと、格納庫のハッチが開いて行き、足元より下にツワーノの町が見え始めた。


「そういえばツワーノの町の何処でやるの?」


「あ~それは聞いて無かったな。まぁ行けば案内役が来るだろ」


「つまり街に着いたら急に襲われる可能性もある?」


「ある…かもしれないがそれは下策だな」


「なるほど、一応注意しておいた方がいいと…皆聞いてたね?注意しながら降りるよ!」


「「「「「「「了解!」」」」」」」


 ホワイトローズの言葉に、その場にいた隊員達が大声で答えると、トンボの羽が生えた菱形の乗り物に乗り込み、地上に降下していった。ソウル達も乗り物に乗り込み、ふと周りを見渡すと、辺り一面薔薇乙女騎士団が保有するすべての飛行船とヴァルハラの船から小型機が発進し地上を目指していていた。その風景を見たソウルは壮大さを感じ、感動した。


「こうしてみるとすごい風景だな」


「人数が多いユニオンだからね、大規模ユニオン同士が戦った時はもっとすごかったよ」


「ホワイトローズもそれに参加したのか?」


「したよ~その時は隊長になって間もない頃だったけど、いや~あの時はすごかったって言う言葉しか出てこない位激しくてすごかった…」


 ホワイトローズがしみじみ思い出しながらいうと、ソウル達が乗り込んだ乗り物が地上へたどり着き、乗り物から降りて大地を踏みしめた。


「ようこそ!ツワーノの町へ!」


「…出たな!変態!」


「ああ、なんだかあなたにそんな目で見られ変態呼ばわりされると興奮してきますね!」


「…(きっしょ)」


「はぁ~…取引は何処で始めるんだ?」


「町の中央にある広場でやります。着いて来てください。ああ、住民は全て避難させましたので安心してください」


「用意がいい事で…」


「12天逢の一人なので民を守るのは当然です。それに戦いが始まるかもしれない場所に住民を置いておく方がどうかしてますよ」


「そうか…」


 ソウル達が地面に両足を付けると、目の前に暗爆のイルクスが目の前に現れた。イルクスは大げさなお辞儀をしてソウル達を歓迎し、ソウルの言葉で背筋を震わせると、ホワイトローズが小声で呟いた。その後イルクスの案内で町の中心にある広場にいくと、西と東にに二つのテーブルと椅子が置いてあり東側には帝国の兵が何かしらの作業をしていた。


「では、西側にあるテーブルをお使いください。まだ始まるまで時間がありますので、ご自由にどうぞ」


「分かった」


 イルクスは再び大げさなお辞儀をして東側に向かって行った後、ソウル達はここが会場となる事を伝える為、ウィンドウを開いた。


「(ホワイトローズ…そのまま聞いてくれ)」


「(ん?謀の相談?)」


「(ああ、そうだ。あいつ等には先に攻撃してもらわないと行けない。だから帝国の一兵士を薬とかで錯乱状態とかに出来ないか?)」


「(薬を使うよりももっといいのがあるよ?うちの隊にはいないけど、ブラッドローズ隊にそういう謀が大好きな隊員が居たはずだし…)」


「(‥‥ブラッドローズ隊の人達って怖いんだな…)」


「(やべぇ人しかいないよ…分かった。連絡とってみるよ)」


「(頼む)」


 ソウルは、ウィンドウを操作しながら帝国側を見ると、ソウルの視線に気づいた兵士の一人が驚いて体を強張らせた。


「さぁてぇ…ここから正念場だな」


 ソウルは東側を睨んで、これから始まる取引に気合を入れなおした。


これから先ソウル達はいろんな命と向き合う事になるでしょう。だからソウルは女性二人向かってこれからたくさんの人を殺す事になる、嫌なら離れてくれて構わないと言ったわけです。そこには善も悪も無いただの殺し合いでしかないし、フルダイブ型のゲームだから感触も残る事になります。


目は多くを語るという事です。


いろんなゲームをやっている皆さんも経験があるのではないでしょうか?「もういいや」と思ってやってたゲームを終えた事を。トロコンしたからもういいや、このゲーム長くやって来たけどさすがに飽きてもういいや、いろんな「もういいや」がありますね。まぁそれはゲームだけに限った話ではないと書いておきましょう。


ホワイトローズさんの過去に山あり谷ありさらに台風警報です。


暗爆のイルクス が 現れた ! ソウル の 口撃 ! 暗爆のイルクス の 変態度 が 上がった ! 。


ブラッドローズ隊は本当にやべぇ人達の集まりです。


モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!評価ありがとうございます!


ブックマーク登録もよろしくね! 登録ありがとうございます!励みになっております!


誤字脱字報告ありがとうございます!


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― 新着の感想 ―
[一言] 変態紳士はレベル(格)が上がると手がつけられないですからね~ そんなキャラは・・好き!!
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