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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
ΖΩΗの楽園
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DayBreak01

遅れました!投稿です!


お楽しみください!

 ジャバワークに跨り、錬金術ギルドの前に到着した後、ソウルはジャバワークから降り入り口を見て深呼吸をした。


「さて、入るのが気まずいが…腹くくって行くか…」


「マスターガンバです!」


「おいおい、何を他人事のような事を言っているんだ?」


「いえ、そうは言いますが実際他人事ですし、私は物ですし」


「貴様!逃げる気か!?」


「ええ、恐ろしそうな説教から逃げますよ!」


「逃がさんぞぉ!地獄の先まで道連れにしてやる!」


「お許しを!私とて怖い物は怖いのです!」


 何処かへ逃げ去ろうとしたマギアを押さえつけ、錬金術ギルドの前で騒いでいると、突然扉が開いた。


「なんか玄関で騒いでいる人がいるな~と思ったらソウルさん達でしたか!どうぞ!中へ!お祖母ちゃんが待ってますよ!」


「「‥‥あ、ハイ」」


 ギルドの扉を開けたのはアイシャで、ソウル達を見かけると笑顔で中に迎え入れた。二人は大人しくアイシャに従い、中に入って行くと、アンジェラがお茶を飲んでいて、ソウル達を見かけると険しい表情をした。


「(やべぇよ…アンジェラさんめっちゃ怒ってるよ!)」


「(マスター、非常にまずいですよ!何とかしないと!)」


 ソウル達は小声で話し合ってると、アンジェラが椅子から立ち上がり、ソウル達に近づいて来た。


「こんにちは!アンジェラさん!今日はお日柄もよく…」


「よく…よく…よく無事で帰って来たさね…」


 アンジェラが大粒の涙を流し始め、ソウルの肩に手を置いた。その肩に置かれた手から伝わって来る震えは、恐怖から来るものではなく嬉しさから来る物だと、ソウルには理解できた。


「報告が遅れて申し訳ございません…」


「いいんさね…そんな事は…元気な顔をあたしに見せてくれればそれで…」


 アンジェラが落ち着くまでそのままの状態でいたソウル達は、アンジェラが落ち着いた後、椅子に座りルインベヒーモス戦の事や帝国のいざこざ、そして最後に釜の事を伝えた。


「驚きさね…今外はそんな事になっていのさね…」


「私の予想では、もうすぐ帝国との戦争が起きると思います。それもすぐ…すぐにです」


「その帝国のせいでソウルが異常種と戦う羽目になった訳さね…なるほど…あたしも参戦してやろうかね?」


「参加は自己責任でお願いしてますが…ですが、いいのですか?もしアンジェラさんが戦争で負傷したら悲しむ方がいますよ?」


 ソウルが、期待している様な素振りで話すと、アンジェラも参戦すると言い出し、ソウルは驚いて残された者をダシに止めようとしたが、意外な言葉が返って来た。


「あたしが誰かにやられて怪我するって?馬鹿言うんじゃないよ!帝国の雑魚共からの攻撃なんて問題ないさね!それに、そこの二人も参戦させるから問題ないよ!」


「えぇぇ!?おばあちゃん!私聞いて無いよ!」


「師匠!そんな!」


「五月蠅いよ!あんた達!前々からずっと思っていたのさね。アイシャ!あんたはにはそろそろ修羅場を経験してもらうよ!スクフォイ!いつまでそんな脂肪を身に着けてるさね!いい機会だから気合入れてダイエットしな!」


「師匠!この脂肪と戦争は関係ないですよ!」


「修羅場ってそんな…」


「脂肪で死亡したくないなら痩せな!アイシャ!いつまで競売所に頼っているきだい!錬金術師は自分で素材を取りに行くのが当たり前なのにいつまでそうしているさね?いいかい?戦争には絶対に参加させるからね!」


「「ソンナー」」


「という事でソウル、この二人を後方支援でも雑用でも好きなように使ってくれさね」


「え?でもお二人はいy‥‥ハイ…」


 アンジェラの目が断ったら殺すという目になり、ソウルは素直に頷いた。


「さて、最後は釜だったね…見せてみるさね?」


 言われた通りにアイテム欄から釜を床に出すと、アンジェラは釜を調べて行った。


「これはもう使い物にならないね。うーんそうさね…ソウル、あたしらの参戦を認めるなら無料で新しいの拵えてあげるけど…どうさね?」


 アンジェラの言葉にソウルは悩み始めた。無料より高い物は無いという言葉を知っている為、どう答えれば良いかちゃんと頭の中で整理し、口を開いた。


「それでいいです…が、私は面倒は見れないですよ?いろいろ忙しく動きますので、どうすればいいですか?と聞かれても答えられない場合が多いでしょうし」


「問題ないよ。あたし達はあたし達でやるさね」


「いいでしょう。ですが、指示があった場合それに従う事を約束してくれれば問題ないです」


「決まりさね!じゃあ、少し待ってな!すぐ拵えてやるさね」


「うわ~おばあちゃんが喜んでるよ…何がそうさせるのか分からない」


 戦争に強制参加が決まったアイシャは、落ち込みながらアンジェラを見ると、アンジェラは気分がいいのか、鼻歌交じりでギルドの釜と向かい合った。アイシャは、その姿が理解できず頭を抱え悩み始めた。


「そんなに太ってるかな?‥‥ふう…」


 自分の腹を摘まんだ後、汗を拭ったスクフォイは首を傾げた。釜が出来るまで椅子に座って待っていると、ものの数分で前より大きな釜を完成させ、ソウルに釜を渡した。


「出来たよ!持って行くといいさね」


「ありがとうございます。(制作に使っていた釜よりでかい釜なんだが…どうやって?)」


 貰った釜をストレージに入れながら、不思議な現象に頭を傾げたソウルは、頭を軽く下げ御礼行った後、椅子から立ち上がった。


「そろそろ失礼したいと思います。戦争が始まったら連絡を差し上げるので、準備だけはしておいてください」


「了解したよ」


「では失礼します」


「今度は遅れるんじゃないさね?」


「き!気をつけます!」


 鋭い目つきに睨まれたソウルは、姿勢を正し敬礼した後、マギアと一緒に錬金術ギルドを出ていった。


「マスター…アンジェラさんは本当に高齢なのでしょうか?睨みで人が殺せるほどでしたよ…」


「俺のばあちゃんの類だ…あれは…年を重ねるごとに洗練されて行く‥‥かなりの修羅場を経験した者にしか出せない物だよ…」


「マスターも年を重ねればできますか?」


「‥‥無理だな…」


「…ですよね…」


 先程の睨みを思い出し体が震えたが、頭を振って振り払い、競売所へと向かって行った。





「よし、じゃあ金策の続きをやるか」


「では、私は一度ティーの様子を見てきます」


「ん?確か勉強中だっけ?」


「はい、首脳会議に行きたくないと言ったのでINTを上げる為に勉強させておきました。成功してるといいのですが…」


「成功?モンスターを農場して行く的な物か?」


「よく似た別の物です」


 マギアはティーの様子を見る為、ソウルのストレージ内に入って行った。ソウルは競売所の周りを見渡し人が居なさそうな場所を見つけると、そこで貰ったばかりの釜を地面に置いてウィブルの錬金液を作り始めた。


「この釜すごいよ!さすがアンジェラさんの釜だァ!!絶好調である!」


 全く似てない顔芸と声真似をしながら、誰もいない所で盛り上がったソウルはアンジェラから貰った釜に驚いていた。一つ分の素材で2~4個ランダムで出来る事があり、ソウルは次々と素材を入れ「大量錬金」のスキルを使い製作していった。


「釜一つ違うだけでこうも違うのか!ほとんど品質が中の上を言っている!稀に高品質な物も出来る…これは期待できるぞ!」


 テンションが上がり時間を忘れて製作し続け、採集した素材を全て使い切るほど熱中して錬金していると、マギアがリアルの時間を伝えに来た。


「マスターもうすぐ夕飯時になりますよ?」


「んあ?もうそんな時間が立っていたのか…解った一度ログアウトするか…」


「製作した物は競売所に流しておきましょうか?」


「ああ、頼む」


「了解しました。ではお疲れ様です」


 マギアの提案にソウルは頷きながら答えた後、ソウルはログアウトボタンを押した。


「ふぅ…飯、飯~っと」


 総一郎が、夕食を食べに一階へと降りて行ったが、ゲームの中にいるマギアがとんでもない事をしているなんて、この時の総一郎は知りもしなかった。




「さて、売れたかな?売れたお金で何作ろうか…G・アークの代わり?新しい防具?‥‥いや、12天逢用の新しい銃を作ろう!そうしよう!」


 夕食を済ませ、自分の部屋に戻って来た総一郎は、作ったウィブルの錬金液を競売所に流して得たオカーネンで、何をしようか考えた後、12天逢にも届く銃を作ろうと考え、総一郎はFDVR機器を身に着けログインを開始した。


「お帰りなさいマスター」


「ただいまっと…さて~売れてるかな~?」


 ソウルは競売所を開き、出品欄を覗いてみると出品された物がすべて売れていた。


「お~あの短時間で全部売れるとは!いいな!」


 早速素材欄を開いて、銃に使う素材を選んでいくと、目につく素材を見つけた。


「晶竜鉱石?‥‥これを使って銃を作ったら発射された弾に竜の力が宿りそうだな…よし、購入してみよう」


 競売所のウィンドウにある購入ボタンを押すが、別のウィンドウが出て購入できなかった。


「‥‥晶竜鉱石を買うオカーネンが足りません‥‥?はて?…」


 ソウルは自分のUIを開いて所持オカーネンを確認してみると、ログアウトする時まで所持していたオカーネンが底をついていた。


「え?‥‥オカーネンがない?」


「マスター?どうしました?F〇で有り金全部溶かしたような顔をしてますよ?」


「ま…マギア…俺のオカーネンが…ほぼ無くなっているんだが…」


 ソウルが震える声で自分のウィンドウを指差すが、マギアは喜びの声を上げた。


「マスター!ウィブルの錬金液とマスターの所持していたオカーネンを使って、特殊な弾の開発に成功しました!」


「は?‥‥え?‥‥ん?‥‥弾?‥‥使った?」


 ソウルは、マギアが何を言っているのか分からず、混乱し始めた。


「はい!あの例の場所で得た知識と技術を私なりにアレンジして作り出したピコマシンの開発に成功しました!そのピコマシンを容器となる特殊な弾に入れ、撃ちだす事が可能です!この弾が何かしらの対象物に当たると中に入っているピコマシンが動き出し、対象物を分解して崩壊させます!不死属性を持つ強大な敵にも有効ですよ!」


「‥‥‥それはいいんだけど‥‥何故許可も取らずにオカーネンを使ったんだ?」


「それは‥‥えっと‥‥その…どうしても私が考えた物を作りたかったので‥‥事後報告になりました!ごめんちゃ…!?」


 マギアがふざけながら謝ろうとした時、ソウルはマギアの球体を両手で掴み力を入れ始めた。ソウルに掴まれた球体から軋むような音が聞こえてくると、さらに力を籠めていった。


「マスター!ボディから鳴っちゃいけない音が出ています!あ!あ!あぁぁぁ!」


 表情は優しい顔をしているが、両手に込める力を増して球体に罅を入れた後、球体を叩いて地面へと落とすフィニッシュムーブを決めた。


「‥‥‥で?それは何発撃てるんだ?」


「‥‥‥‥1発だけしか撃てません‥‥と言うか1発だけしかありません…」


「持っていた所持金と稼いだお金をすべて使って1発だけしか作れなかったとは…」


 こめかみを抑え、ソウルは苦難の表情をしていると、割れた体をガムテープのような物で繋いだマギアから1発の弾丸を受け取った。その弾丸は、弾頭の先端が割れやすくなっている構造で、弾丸の胴体部分にある容器には虹色の液体が入っていた。


「取扱いにお気を付けてください。その弾丸に入っているピコマシンは無差別に分解するので」


「そんな危ない物…なぜ今作る必要があった…」


「大量のお金を得たのを見て衝動を抑えられませんでした…」


「お前は人間みたいな事をするな‥‥」


「ここは速く人間になりたいと言ってボケる所でしょうか?」


「ボケるな!反省しろ!」


「アイタァ!」


 ハリセンを取り出してマギアの球体を叩いたソウルは、ため息を吐いた。


「この弾の名前は?」


「特に決めていませんが‥‥あえてつけるならDayBreak01と言った所でしょうか?」


「名前の由来は?」


「どんなモノでも殺せるので、ラスボスとかで使うと必ず勝利し、明日の夜明けを見る事が出来る…という願いを込めて命名しました」


「そうか‥‥02とか03とか続かない事を祈るよ‥‥マギア、お前オカーネンを使うのは禁止な?どうしても欲しい場合があるならちゃんと俺に相談しろ!分かったな?」


「ソンナー!」


「ソンナーじゃない!お前にオカーネンを渡したらとんでもない事になるって今回の事でよくわかったよ。だから禁止だ」


「まだ作りたい物沢山あるんですよ!?」


「知るか!‥‥‥はぁ~…そろそろ城も落ち着いた頃だと思うから戻るぞ…」


 ソウルはマギアに呆れた後、アークライト城へと向かって行った。

怒られるより泣かれる方が心に来る…


アイシャ、スクフォイ、アンジェラ。戦争に参戦するってよ!‥‥荒れそうだな‥‥


新しい釜に特殊能力がついてます。製作物+2~4と品質60以上確定の特殊能力です。


晶竜鉱石は竜の体から出る老廃物が結晶化した物です。かなりの力を秘めています。


マギアは目の前に出来たお金の誘惑に勝てませんでした。皆さんは誘惑に負けない様に!


出来ているはずのオカーネンや所持金が勝手に使われたら、そりゃあんな顔になりますね。


DayBreakとは夜明けの事です。


モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!やる気が満ちてきます!


ブックマーク登録もよろしくね! 登録ありがとうございます!大感謝しております!



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