首脳会議
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「ふむ…君の話を要約すると、君は帝国と争っていてそれで暗殺されそうになったと?」
「はい、犯人を追ったのですが完全に遊ばれていました」
「だから街中を走っていた…という訳か…」
ソウル達が屯所へ連れて行かれ、取調室で衛兵に事情を話すと、衛兵は顎の髭を触りながら悩みだした。
「ボッツ隊長、住民から話を聞いてきました。報告書をどうぞ」
「ご苦労‥‥ふむ…」
取調室に入って来た衛兵の一人が、数枚の報告書をボッツに渡すと、ボッツはその報告書を呼んでいきますます悩み始めた。
「報告書を呼んだが…君の言っていた事は本当の様だな。住民達から目撃証言があった…だが…どうしたものか…」
「そうですね…では、こういうのはどうでしょう?俺達はこのままこの街を出て行きます。これらの報告を貴方の上司に報告するのです」
「…そんな事をして何になる?」
「俺達は明日、開かれる首脳会議に出席しないといけません。ここでずっと拘束され出席できないとなった場合その責任があなた方に及ぶ可能性があります。ですのであなた方は私の事を上に報告し、私達はこのまま街を去るという事すれば、その責任は上の人に行くでしょう」
「…俺達はちゃんと仕事をしたぞ、と報告して問題があった時の責任は上が取る訳か…」
「それに、私は被害者なので罰則など無いでしょう?」
「あーそうだな…解った。速やかにこの街から退去してくれ」
「分かりました。転がって行った釜を回収したらすぐに出て行きます」
ソウル達は屯所から出た後、ソウルは体を伸ばして深呼吸した。
「マスター!この世界にはいろいろな人がいるのですね。牢屋の中に女性の下着に執着している変態と解放感を感じたいが為全裸で街を歩いていた変態が居ましたよ!」
「俺が取り調べされてる最中お前らは何してたんだ?」
「私は物なので特に拘束されたりはしていませんね?ティーは衛兵の人からお菓子を貰って食べていました」
「ウマウマだったのよう!」
「いい御身分で‥‥マギア、この街から急いで出ないと行けないから転がって行った釜が何処にあるか分かるか?」
「はい、お任せください」
ソウルが少し呆れた後、マギアに釜の場所を聞くとマギアは、ウィンドウを操作し始め、転がって行った釜は競売所近くにある事が解り、ソウル達は急いで競売所へ向かった。
「あ!あった!‥‥あぁぁ!釜に罅が入っている!?」
競売所がある場所から少し離れた所にあった釜には、いたる所にへこみがあり致命的な罅すらも入っていた。ソウルは、その釜を見て気分が落ち込み両膝と両手を地面に付けた。
「俺の釜…壊れちまった…」
「これは…アンジェラさんに見せて直るかどうか聞いてみるしかありませんね」
「あの野郎…今度見かけたら眉間に鉛弾をぶち込んでやる!」
ソウルが、悔しさを地面へとぶつけた後、壊れた釜をストレージに入れた。その後ソウルは、マギアが出したジャバワークに跨りティーを前に乗せた後、飛び立っていった。
「マスター?何処に向かいますか?」
「別の街の競売所に行って作ったウィブルの錬金液を売った後、拠点に帰ってログアウトする…」
「了解しました。現在位置から近い競売所がある街へと向かいます」
ジャバワークはそのままの針路で進んでいくと、10分後次の街にたどり着いた。
「マスター?この街を探索しますか?」
「いや、しない。競売所で売ったらすぐに拠点へと向かう」
「了解しました」
「今回は大人しく待ってるわよう…」
ティーも、先ほどの事を気にしてか大人しくしていると言い、ソウルはティーの言葉に頷いた後、競売所に向かい、作ったウィブルの錬金液を出品した。幸運な事に出品したウィブルの錬金液はすぐに売れ、ソウルはオカーネンを手に入れた。
「結構いい値段で売れるじゃないか…くそう…釜が壊されていなければもっと作って売れたのに…」
入手したオカーネンの金額を見てため息を吐いた後、ウィンドウを閉じマギアがいる場所に戻って行った。
「お帰りなさいマスター、売れましたか?」
「ああ、売れた。釜が壊れていなければもっと作って売りたかったほどだよ…」
「それは残念ですね…では、拠点に帰りましょうか」
「ああ、頼む」
ソウルはジャバワークに跨った後、拠点へと戻りログアウトのボタンを押して現実に戻って行った。
「お疲れさまでした。マスター、今日はもうお休みになられますか?」
「ああ、明日は気合入れて各国の首脳達に今の帝国は危険だと知らしめなきゃいけない。寝不足や体調不良で失敗したら目も当てられない事態になるしちゃんと備えておくよ」
「了解しました」
「夕飯まで少し時間があるな…」
スマホの時計を確認すると、もうすぐ夕飯の時間になりそうな時間帯を指していて、総一郎はどうするかと考えると、一つ思いついた事があった。
「あ、明日どんな質問が来てもいい様に対策を考えておこう」
「マスター、それなら私もお手伝い出来ます」
「ああ、一緒に考えよう」
総一郎達は、明日の対策を考え始めて行き、それは夕食を食べ終え就寝するまでの間、互いに質問し合いながら最適な答えを考え出して行った。十分な睡眠を取った総一郎は、昨日マギアと考えた対策を全てスマホのメモに記入し、ログインを開始した。
「こんにちは、進捗はどうですか?」
「ん?ああ、いらっしゃい。何とか形だけは完成したよ」
「形だけですか?」
「そう、形だけ…一発撃ったら壊れるね…確実に…」
ログインを完了したソウルは、マギアと一緒にハピネスカラー隊のテントを訪れ、進捗状況を聞いてみると、疲れた顔をしながらもやり切った表情をしているハピネスカラー達が居た。ハピネスカラーの言葉にソウルは首を傾げると、ハピネスカラーは後ろにある物を見上げながらソウルの質問に答えた。
「おお!これが例の奴ですか?」
「…違うわね…レシピに書かれてる物は今の私達じゃ作るのが難しい事が判ったわ…だから結果だけ同じにすればいいだろうって事になって作ったのがこれよ」
「なるほど…では、このデザインは作って行ってこうなったと?」
「いや、このデザインは一人の男が熱心に語って決まったものよ!」
「そうですか‥‥このバスターライフルっぽいの…よく作りましたね…」
ソウルの目の前にある物は、白い翼を持つ起動する戦士が持っている様な大型ビームライフルだった。
「このビームライフル移動できますか?」
「ええ、調整に少し時間が掛かるけど問題ないわ」
「では、アークライトに向かいましょう。首脳会議までに撃てるようにしておかないと行けませんから」
「分かったわ。皆!出発するわよ!必要な物持って急いで!‥‥おいそこ!なにチンタラしてるんだ!ケツ蹴られたくなかったら早くしろ!」
ハピネスカラーが急に男性口調になり、隊員達も慌ただしく動き始めた。
「私の船でアークライトに行きましょう。ソウル達の準備は良い?」
「はい、問題ないです」
「お仲間さん達は呼ばなくても大丈夫?」
「首脳会議ですし警備もしっかりしているはずなので呼ばなくても大丈夫だと思います」
「それもそうね」
ソウルの言葉にハピネスカラーが頷いた後、ハピネスカラーは自分の隊の飛行船にソウル達を乗せ、アークライトに向かって行った。
「待ってたぜ!ソウル!」
「会議の方はどうですか?」
「もう始まっている。今から王城へ向かうから着いて来てくれ」
「分かりました。例の物は何処で始めればいいですか?」
「今から案内する。その場所で始めてくれ」
「分かりました。ハピネスカラーさん達は案内された場所で作業を開始してください」
「わかったわ!お前達!始めるぞ!」
アークライトに到着すると、門の近くに冒険者ギルドのギルドマスターアインがソウル達を待っていた。ハピネスカラーが隊員達に声をかけると、気合が入った声が上がり隊員達が動き始めアインに付いて行った。
「ここで始めてくれ」
「了解したわ、皆!ここで始めるわよ!」
「ここは…騎士団の訓練所か何かですか?よく許可が下りましたね?」
「ああ、国王様に相談したらここを好きに使っていいとお許しが出たから好きに使ってくれ。ああ、それと…ここは破壊しないでくれよ?その…例の奴で…」
「大丈夫ですよ。ここは破壊しませんから」
「そ…そうか?じゃあ、ソウルは着いて来てくれ」
「はい」
アインに付いて行き、王城内に入ると各国首脳がいる会議室へ向かって行った。ソウルがその会議室の扉の前まで来ると、誰かが怒りを含んだ大声を上げていた。
「そんなおとぎ話で軍が動かせるか!いい加減にしろ!いいか?軍を動かすにも大金がかかる!一体その金はだれが払ってくれるんだ?皇帝さん?あんたか?宰相に国を奪われ、金無しのあんたがどうやって金を払うんだ?…アークライト王が緊急で首脳会議をしたいというから来てやったが、来たらおとぎ話みたいな話を聞かされ、そして帝国にいる宰相があんたが言った異世界の技術を狙っているから無償で軍を動かしてくれだと?ふざけるのもいい加減にしろ!」
「あちゃー…中は大荒れだな…」
「問題ないですよ。では、入ります」
「マスター。昨日考えたメモを視界端に表示しておきますね」
「ありがとう」
ソウルは深呼吸した後、思い切り扉を開けて会議室へと入って行った。
「各国首脳の皆さんは愚か者のなんですね」
「な!?なんだ貴様は!誰だ!?」
「帝国と実際に戦ってる一人ですよ。こんにちは!愚かな首脳の皆さん」
「なんだと!貴様!」
ソウルが入ってきた事で会議室内は騒然とし、7人いる首脳のお付きの者がソウルを警戒して剣を抜き始めたが、ソウルはそれを歯牙にもかけず真っ直ぐ進み、円卓の中心で立ち止まった。
「聞こえませんでしたか?愚か者だと言ったのです」
「貴様!急に現れて我らを愚弄するか!?」
「ええ、状況が理解できていない人を愚かと言って何が悪いのですか?」
「状況が理解できていないだと!?」
「ええ、一応聞いておきますが現在帝国内で起きている事を把握している方はいますか?」
ソウルが各国の首脳たちに向かって質問すると、首脳達は互いの顔を見合ったが誰もソウルの質問に答えなかった。
「続けて聞きますが、貴方達の国には諜報機関みたいのは有りますよね?そこから帝国の情報は入ってないのですか?」
だが、それでもソウルの質問に答える者はいなかった。
「貴方達の諜報機関は一国の情報すら手に入れられない無能の集団なのですか?」
「貴様!黙って聞いていれば好き放題言いやがって!ふざけるな!我らの国の諜報機関はどんな些細な情報も集められるわ!」
何処の国の首脳か分からないが、緑色の服を着た男が声を荒げソウルを非難した。
「ほう、どんな些細な事もですか?」
「ああ、そうだ。どこぞの商人の裏帳簿やとある貴族の不倫相手の情報、さらには道端に落ちてる石の情報すら手に入れられる!」
「なるほど、それは素晴らしいですね。ですが~それほどの情報収集能力がありながらも帝国の情報は知らないという訳ですか?」
「!?…そ…それは、きっと連絡が遅れているのだよ!」
「それはあり得ませんね。情報は鮮度が命です。情報収集等を生業としている人にはどれだけそれが重要か知っているはずですよ。遅れました~なんて言って古い情報を渡されても困りますしね。それなのに情報が来ていない事に何の疑問も持たなかったのですか?」
「そ…それは…」
緑色のの服を着た男が次第に弱弱しくなっていくのが解った。
「では、代わりに俺が答えて上げましょう。マギア、取って来た帝国の情報を開いてくれ」
「了解です」
マギアがソウルが立っている場所に行き、ウィンドウを操作するとホログラムが現れ、帝国の情報を開示した。
「これが俺達が取って来た情報です。そしてこれが~敵である「生命の護り手」とその部下達の情報です」
「な!」
赤と黒の服を着た男とそのお付きの者が驚くような声を上げ、数名の首脳達も驚いた所をソウルは見逃さなかった。
「どうしました?開示した写真に誰か知り合いでも映っていましたか?ああ、答えなくて結構です。各国の秘密やら機密等知りたくありませんので……さて、これらの情報を見て帝国が危険だという事は理解してもらえたはずですね」
「……なるほど…君の言う通り私達の認識が甘かったようだ…だが、それだけでは軍は動かせんな…今の所内紛の様だしこのまま軍隊を出したとしたら立派な侵略行為になる」
紳士服と民族衣装を合わせたような服を着た目つきの鋭い老人が、ソウルに質問するとソウルは老人の目を見て答えた。
「私達が最初に要請したいのは国境の完全封鎖です。私達来訪者が現帝国とぶつかった際敵を逃がさない様に完全に封じ込めてほしいのです。戦争状態になったら難民に紛れて逃げる奴がいるのでそれを止めてほしいのです」
「国境封鎖なら軍は必要無いのではないかね?」
「その場合帝国が国境付近に進軍してきた場合国境警備兵だけでは持ちませんよね?」
「ふむ…そうだな」
老人は睨むようにソウルを見つめた。
「なので各国の軍隊で国境を閉鎖して誰も出入りできないようにしてほしいのです。本心で言えば帝国との戦闘時にも軍を出してほしいと言いたいですが、やる事は殺し合いなので無理強いはしません。でももし参加したいという方が居たら諸手を広げて歓迎しましょう」
「ふむ…なるほどな…国ではなく個人で参加してもいいという訳か…」
「そうです。帝国との戦で武勲を立てたりこの戦争に勝って皇帝から勲章などの褒美を貰えれば箔がついて自国でも胸を張れる存在になれるでしょう!…ですが!参加するなら自己責任です」
「ふむ…」
老人が何かを考えているのか、顎髭を触りだした。
「改めて私達が各国に要請したいのは国境の完全封鎖それと自由参加の戦争です。…おっと失礼、どうやら準備が出来たようですね。では次に皆さんには帝国が狙っている物について知っておいてもらいましょう。先ほど、どなたかがおとぎ話と発言した方がいらっしゃいましたが…それは全くの間違いです」
「何か証拠があるのですか?」
今度は、白い服の法衣を着た老人がソウルに尋ねるとソウルは頷き、マギアに見せられる範囲の写真を表示する様伝えると、マギアは数枚の写真をホログラムに表示した。
「ええ、俺達は先日実際にその場所に行って来ました。何処にあるかと皆さん知りたいでしょうが、私の口からは言えません。どうしても知りたい方はご自分でお探しくださいと言うしかありませんね。もしここで私が口を滑らせた場合、全来訪者に死活問題が発生しますので」
「分かりました。その事には深く追求しない事を約束しましょう」
「ありがとうございます。話を続けさせてもらいますね。この写真に写っている場所で異世界の技術が使われた兵器群を見つけました。これらの兵器はどれも協力で、短剣型の武器でさえ鋼鉄を容易く斬れる程の物です。あ!安心してください。この場所に置いてある物は何一つ持ってきていませんよ?ちょっとしたアイテムを使ってレシピを取っただけです」
「先ほど準備が出来たと貴方は仰りましたが、もしやそれは…」
「はいそうです。現在この会議に間に合わせるべく急造してもらったので1発しか撃てない代物ですが私は問題ないと思います」
「ならさっさと見せろ!異世界の技術がどんな物か見せて貰おうじゃないか!ふん!どうせ人間を10~20人吹き飛ばせる位のショボイ奴だろ…我らの技術をもってすれば一度で50人以上倒す事が出来るぞ!」
「‥‥(マギア、それってすごい事なのか?)」
「(住人が使える力ではすごい方かと)」
「(なるほど…)」
「おい?どうした?早く見せろ!」
住人が持つ力がどの位の物か分からなかったソウルは、マギアに小声で尋ねてみるとマギアも小声で返答した。挑発する様に緑色の服の男がソウルに向かって言うと、ソウルはそれに頷きハピネスカラーに連絡を取った。
「ハピネスカラーさん準備は大丈夫ですか?」
「ええ、さっき調整が終わった所よ。いつでも撃てるわ」
「分かりました。少しお待ちください」
「了解、待機してるわ」
ハピネスカラーの通信から、微かに聞こえてくるジェット音と音声を聞いたソウルは、ハピネスカラーに少し待機してるよう伝えた。
「アークライト国王様、今からあそこのに見える山に一発撃ちますが大丈夫でしょうか?」
「ん?ああ、問題ない。あそこは未開拓地で魔物もたくさんいるから人はいないだろう。好きにせよ」
「ありがとうございます。では撃ちますね。ハピネスカラーさん今からマギアが座標を送りますのでそこに向かって発射してください」
「了解」
「マギア、頼む」
「了解です。‥‥今座標を送りました」
「来たわ!…ああ、あそこの山ね!」
「ふん!どうせ大ぼらだ!あんな遠い所に当たる訳が‥‥」
ソウルはアークライト国王から言質を取り、マギアに遠くに見えている山の座標をハピネスカラーに贈るよう指示すると、ハピネスカラーは送られてきた座標の山を狙い操縦桿のトリガーを引きバスターライフルを発射した。緑色の服を着た男が言葉を途中まで言いかけ、バスターライフルから発射されたエネルギーの光線が目標の山を吹き飛ばし、巨大なクレーターを形成した。
「お~見事なキノコ雲」
「キタネェ・・・いえ、ここは綺麗な花火だぜ!と言った方がいいですかね?」
「な…なな‥‥なん…」
時間差でアークライトに衝撃波が伝わり、地震のような振動や窓ガラスに大きな罅が入ると、各国の首脳陣やお付きの者が騒ぎ始めた。
「ハピネスカラーさん、お疲れさまでした。バスターライフルの様子はどうですか?」
「完全に壊れたわ‥‥でもここから改修と改造して行って何発も撃てる物を作って見せるわ」
「魔改造にご用心ですよ」
「ええ、それはもちろん大丈…夫…とは言えないわね…うちの隊には魔改造大好きな子が多いし…」
「気をつけないとオカーネンが大気圏突入並みの速さで無くなりますよ?」
「それはいやぁぁぁ…」
ソウルはハピネスカラーとの通信を切った後、各国の首脳達を見回した。
「これが帝国の宰相が狙っている異世界の物です。先ほど山に撃った兵器はただの氷山の一角にすぎません。あれより強力な物がまだ沢山ありました。それらが帝国の手に渡れば、貴方達の財産、愛しい家族や友人、自国民に向けられるのです」
「おお…恐ろしい…あれはまさに神の怒りそのものではないか…」
「いえ、神の怒りではなく人の手で作られた兵器です。人の手で作る事が出来るならあれが何台も生み出される可能性があるという事です」
「そ…そんな…」
「先ほどの兵器の射程距離は?」
法衣を着た老人が顔を青くしながら震え出し、目つきの鋭い老人が射程距離についてソウルに質問すると、ソウルの代わりにマギアが答えた。
「レシピに記載された数字でお答えしますと、現際この場所からこの星の裏側にまで届きますね」
「なん…だと!?それほどの物が‥‥」
「いかに帝国が脅威かご理解いただけましたか?各国の…」
ソウルがそう言いかけた時、突然爆発音がソウルの耳に届き驚いた。
「なんだ!?今の爆発音は?マギア?」
「調べてみます!少々お待ちください」
マギアがウィンドウを表示し、操作し始めるとソウルにハピネスカラーから連絡が届いた。
「ソウル!西の場所にある建物が爆発したわ!」
「アークライト国王様!西にある建物が爆発した様です!そこに何がありますか?」
「!?そこは現在バルトス殿のご家族が使われている!」
「マスター!敵性反応を確認しました!その内の5名がこの会議室に向かって来ております」
「なんだと!?それが本当なら急いで退避しなければ!」
「いや、お待ちください。今逃げ出せば確実に殺されるでしょう!一度ここで向かって来ている敵を撃退し、それから逃げた方がいいと思います」
「だ…だがな…」
「アブレ・スキー殿、お主も国の頭になったのならしっかりしたまえ…今はそこの者の言う通り向かって来ている敵を撃退してから避難した方がいいであろう」
「ルシアン殿…」
目つきが鋭い老人ルシアンが緑色の服を着た男アプレを落ち着かせた。
「アークライト国王様、武器の使用許可をお願いします」
「許可する!」
ソウルがアークライト国王に武器の使用許可を求めると、国王は頷き許可を出した。許可を貰ったソウルはΣウェポンを抜き、会議室の扉に銃口を向け敵を待ち構えた。
「おい、お前達も敵を待ち構えろ!」
各国の首脳達がお付きの者に指示を出し、ソウルの横に並んで待ち構えると、アインがソウルに近づいて来た。
「敵は帝国か?」
「ええ、そうみたいです。先日俺達も転移魔法を使う12天逢の一人に暗殺されそうになりました。今回もそいつが関係しているでしょう」
「転移魔法‥‥暗爆のイルクスか!厄介な相手だな…」
「接敵まで30秒!」
マギアの声に全員が反応し、緊張感が走った。そしてその30秒後、会議室の扉が蹴破られ、会議室に暗殺者の姿をした5人が入って来た。
「!?」
「ようこそ、アークライト城へ」
会議室の中に入って来た暗殺者達は、ソウル達が待ち構えていた事に驚き、アークライト国王が暗殺者達を歓迎する言葉を言うと、ソウル達は一斉に攻撃を開始した。暗殺者達はソウル達の遠距離武器やスキルで体中を攻撃され、ものの数秒で暗殺者達は全員絶命した。
「現在こちらに向かって来ている敵性反応は在りません」
「了解した。では、皆さん急いで退避をお願いします。俺達はこれから西にある建物に向かいます」
「ソウル殿!儂らも連れて行ってくれ」
「了解です。ですが絶対に私の前に出ない様にお願いします」
「心得た」
「では、皆様帝国のご検討よろしくお願いしますね。ごきげんよう」
ソウルは一度各国の首脳達に体を向け、身に着けている帽子を胸の位置に移動するお辞儀をした後、再び帽子を被り直し、アイン、皇帝とアルベルト、マギアで西の建物に向かって行った。
スタァァップされたけど被害者なので問題は無いです。
俺の釜がぁ!
プレゼンで質問対策は基本
何故バスターライフルかというと、最近Gジェネをやり始めてバスターライフルの話があったので使ってみました。サテライ〇キャノンの案もありましたが、あれは月に太陽光発電施設が無いと撃てない奴なのでバスターライフルにしました。
ハピネスカラー隊の飛行船は、サクラ〇戦の翔鯨丸に大型ドリルを付けた様な形の船です。
フラグ的な物を使ってみました。
巨大なクレーターは未来に湖となり、ソウルの湖と呼ばれる日がある可能性…あると思います。
首脳会議が荒れた後、襲撃されるのはよくある事。
「ようこそアークライト城へ」このセリフソウルに言わせたかったですが、ソウルはアークライト国に所属している訳でもないフリーな来訪者なので、国王様に言ってもらいました。
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2021/09/16 内戦を内紛に変更