表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fランク能力者の存在理由‐レゾンデートル‐  作者: トウミ
第1章 能力者学校
5/64

第1章 能力者学校 その2

第1章 能力者学校 その2


カラーン、カラーン、カラーン。

鐘の音が辺りに響く。


「はい、では今日はここまで。早瀬さん号令を」


「起立! 礼! ありがとうございました!」


こうして一日目が終了した。




「銀! この後何か用事あるか? 良かったら学校見学しようぜ?」


「いや、特に予定はないな。学校見学か、あぁ、行こう」


放課後になったと同時に話しかけてきたのは、休み時間中に話しかけてきて気づいたら仲良くなっていた、中森晃(なかもりあきら)。いかにもスポーツが得意というような身体つきに、短く切りそろえた茶髪の男子だ。


「あー! 晃、ずるいわよ! 学校見学、わたしも連れて行きなさいよ!」


「え? おまえも来るのか?」


「なに? わたしも一緒じゃ悪いわけ?」


「いや、そうじゃねーけどさ」


「じゃーわたしも行く♪」


この晃と仲良く?話しているのは早瀬朋(はやせとも)、このクラスの委員長を務めることになった、赤髪のボブカットの女子だ。晃とはどうも小学生の頃からの腐れ縁らしい。


「話はまとまったみたいだな。それじゃあ行くか」


俺は二人を微笑ましく眺めながら、声をかけた。

こうして3人で校内見学をすることになった。




「それにしても、銀って頭良いよな~」


「確かに! 今日やった小テスト、満点だったでしょ! しかも一人だけ! 委員長も宇佐見くんがやればよかったのに」


「いや、満点取れたのは偶々さ。それに、委員長は早瀬さんが適任だと思う」


こんな感じで3人でお喋りしながら、校内見学を始めて約2時間が経過しようとしていた。

この学校はかなり広い。それもそうだ。生徒数は700人を超えるのだから。日本最大は決して嘘ではないだろう。


この学校は、大きく分けて6つの建物で構成されている。


一般科目を行う、1~3年で各学年6クラスずつあるA棟。

特殊能力を使った実戦科目や、専用の器具を扱う特殊科目を行う教室がいくつか用意されているB棟。

各部活動を行うためだけのC棟。

それから、かなりメニューが充実し、シェフも何人かいる食堂と、食堂と渡り廊下でつながっている体育館。

最後に、生徒の自主性を重んじて建てられたという、生徒会棟だ。

設備で言えば、これに更に、男子学生寮、女子学生寮、運動場が2つ存在する。

一つの学校の敷地と考えるとかなり広い。


そして俺たちは丁度、生徒会棟の前に来ていた。


「生徒会の人いるかな?」


朋が晃に尋ねる。


「いや、いるだろ。今日の入学式に生徒会長も登壇してたじゃねーか。なぁ、銀?」


「あぁ、そうだな」


晃にそう答えつつも、違和感を感じていた。


(妙だな、人の気配が何も感じない。もう寮に戻ったのか?)


そんな風に思っていたその時だった。


「あら? 新入生の方ね♪ 生徒会棟の見学かしら?」


急に後ろから透き通るような声が聞こえた。

驚いて振り向くと、そこには長い黒髪の女性が一人立っていた。


「び、びっくりしたー! あれ? この人どこかで見たような?」


「朋、入学式を思い出せよ。今日一度見てるぞ、なぁ銀?」


「あぁ、この人はこの学校の生徒会長、名前は……」


俺が目の前の人物の名前を言おうとすると、その人物は軽くお辞儀をし、


「わたしは如月蓮花(きさらぎれんか)。3人とも学校見学かしら? よろしくね、中森さん、早瀬さん、それから宇佐見さん♪」


長い黒髪の女性、如月会長はそう答えた。そして、


「立ち話もなんですので、よかったら中にどうぞ♪」


俺たちを生徒会棟へと招き入れたのだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ