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Fランク能力者の存在理由‐レゾンデートル‐  作者: トウミ
第1章 能力者学校
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第1章 能力者学校 その1

第1章 能力者学校 その1


4月1日。多くの学校が入学式を行う日。

銀髪の少年、宇佐見銀もまた、自分の通う学校の入学式に向かっていた。


「日本最大の、能力者の育成・管理を目的とした学校、国立第一能力者学校か。はは、まんまだな。なるほど、パンフレットを見る限りは普通の学校と“ほぼ”同じか。違うとすると・・・」


そっと自分の左腰に差した刀を触る。


「やっぱり武器の所持を認められてるとこか。あとは、制服がワインレッドでかっこいいのがいいな」


辺りを見回すと、自分と同じ制服の生徒を何人か見かけた。

これから始まるであろう新しい生活に、少しばかりわくわくし、銀は足を速めた。




「みなさん、おはようございます。今日からみなさんの担任をします、三栖鏡子(みすみきょうこ)と言います。よろしくお願いしますね♪」


「みなさんも知ってる通り、この学校は日本最大の……」


(一体なぜなんだ?)


入学式の後、新入生は自分の能力のランク付けを行うということで、実戦形式のテストを受けた。その結果、

(その結果、俺の能力はFランクとなった。F~Aで最低ランクだ。その理由が……)


「宇佐見くん? 大丈夫ですか?」


「あ、はい。大丈夫です」


「では宇佐見くん、続きを答えてください」


正直、自分のランクについて考えていて、担任の話など聞いていなかった。

(まずいな、初日から印象を悪くするわけには……。30秒前くらいで大丈夫か?)


「戻れ」


俺は、そう言うと、指をパチッと鳴らした。


「みなさんも知ってる通り、この学校は日本最大の、能力者の育成・管理を目的とした学校です。では、能力者とは何か? それでは宇佐見くん、お願いします。」


「はい。能力者というのは、いわゆる超能力を宿した人間のことを言います。今から10年前、黒キ原点、ブラックフォール事件の後、突如、超能力を宿した人物が現れたのが始まりです」


「素晴らしい解答ですね♪ 宇佐見くんの言う通りです。みなさん、宇佐見くんに拍手~」


パチパチと盛大な拍手が巻き起こった。


俺は今、一瞬だけ能力を使った。30秒、時間を巻き戻したのだ。

俺の能力名は『メノス』。あらゆる事象、その全てを逆転することができる能力だ。

そんな能力がなぜFランクとなったのか、結局自分の頭では理解できなかったし、納得できなかった。


カラーン、カラーン、カラーン。


「はい、それではこの時間はここまでですよ♪ みなさんお疲れ様でした」


気づくと担任のありがたい話は終わり、最初の時間が終了していた。


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