第2章 反能力者主義 その7
第2章 反能力者主義 その7
晃、朋が加わり、順調に敵勢力を無力化できてきた。
生徒会棟周辺、学生寮周辺、A~C棟周辺と鎮圧し、残るは体育館周辺と校庭のみとなった。
「2つの校庭は隣接してるから、あと2か所か」
「なぁ銀、あと2か所なら、一気に攻略しないか?」
「一気にって、まさか二手に別れるつもりか?」
俺の問いに、「あぁ!」と力強く答える晃。
晃の横にいる朋も「そうしよう!」と賛成の意を唱える。
「わたしもそうしたい! ちょっと暴れ足りないっていうかさ♪」
そう答える朋の目は輝いているように見える。
「しょうがない、ならそうするか」
「さっすが銀! 話がわかるぜ!」
「なら、どう別れるか?」
俺が少し考えると、俺の横にいた楽々浦先輩がそれならと声を上げる。
「それなら、体育館周辺を中森くんと早瀬さんに任せるのはどうかな? 非常用のサイレンも鳴り始めたから、敷地内に残ってる生徒や先生たちはみんなそこに避難してるはずだから」
「なるほど、それならいいかもしれませんね」
俺と楽々浦先輩で二人して納得していると、晃が不思議そうな顔をして尋ねてくる。
「そういえば、なんで避難先が体育館なんだ?」
「体育館はね、地下に非常時用の避難シェルターがあるんだよ。学校中の人が収容できるくらいの広さがあるの。非常食も2週間分はあるんだー」
楽々浦先輩の説明に、へぇーと声を上げる晃と朋。いや、だけど二人とも、感心してるけど、約1か月前に知識として教わったはずだぞ?
「よし、それじゃあ俺と朋で体育館周辺を担当するぜ!」
「あぁ、わかった。それじゃあ俺と楽々浦先輩で校庭を担当する。それじゃあ残り2か所、最後まで気を抜かず行こう!」
こうして、二手に別れて、残りの2か所の攻略へと進んだ。
ほぼ同時刻、B棟内。
「非常時用の放送も流れて、避難はだいぶ進んだみたいね。宇佐見くんたちはうまくやってるかしら?」
逃げ遅れた人がいないか各施設内を周っていた如月会長も、残すところ、このB棟のみとなった。
「施設内まではロボットはいなかったし、安心できたのはいいのだけど、なんだか拍子抜けだわ」
1階、2階、3階と見て回り、4階への階段を上ろうとしたその時、異質な雰囲気を感じ取った如月会長は、歩みを止める。
(上に“何か”いるわね。ロボット? 違う。もっと何かこう……。ここからは能力で気配を消した方がいいわね)
自身の能力で気配を消し、慎重に階段を上り、4階へと辿り着く。
そして、4階の端末室前まで着き、確信した。この先に、“それ”はいると。
端末室に入ろうとしたその時だった。
「なるほどね、お姉さんが如月蓮花か」
端末室の中から、“それ”に声をかけられた。
(気配を読まれてる!? まだ能力を発動してるはずよ?)
「あはは♪ まだ能力を発動してるはずって、驚いた顔だね? でもねでもね、別に“消滅”がお姉さんだけの専売特許じゃないんだよ?」
子供のような声が部屋の中から響いて聞こえてくる。
声の主を確認するため、如月会長は急いで端末室へと入る。
と、同時に肩をぽんぽんと叩かれた。
バッと慌てて振り向くと、そこには一人の少年が立っていた。
(いつの間に!?)
サッと少年と距離を取り、如月会長は少年へ尋ねる。
「ふふふ、さすがに驚いたわ。あなた一体何者かしら?」
そして、静かに戦闘態勢へと移行した。




