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第8話 ゴブリン相手に無双

 準備が整い、狩りに出発する。


 真奈の所有する他のタウンにワープした。


 黒い部屋から、【探知】と【観察】を使用して周りを伺うと、15匹の魔物の群れがいた。


 それらは全部、ゴブリンという魔物だった。ステータスを見たが、ゴブリン達がいかに頑張ってもイブが負けることはないという確信がもてたので、黒い部屋からイブを送り出す。


 俺と真奈は黒い部屋に残ったままだ。誓約により攻撃力が0なので、今は外にでても役に立たないからである。


 イブとゴブリンの戦闘を見ていると、ゴブリンには知性が感じられた。リーダー的な存在もいて、戦略的な人員配置を行い、指示も出している。ゴブリン達はそれぞれ、弓のような武器や短剣、盾などを持っていて、それぞれの役割を理解して使っていた。


 だが、レベル1とはいえ、イブの強さは折り紙付きである。ゴブリンたちの戦いもむなしく、一分もかからないうちに全滅することになった。戦いの様子を描こうにも、ただただ無双していただけなので特筆することがない。

 

 飛んで来た矢はよけもしない、当たっても1ダメージも受けないからだ。短剣も同様。イブの防御力が高すぎて傷ひとつつかない。盾にいたっては、イブが軽くつついただけで壊れてしまった。カスタマイズでは、攻撃や防御にはポイントは一切ふっていないのにこの強さである。イブの素の強さだけでも十分やっていけるということだ。



 俺も真奈も、イブの予想以上の強さに喜び、手をつなぎながら笑い合った。


 パーティーのひとりにだけ戦わせ、二人は安全圏から眺めて笑っている。はたからみると最低な絵である。だが二人とも、全部考え尽くした上で作戦としてやっていることであり、罪悪感などは微塵も感じていなかった。論理的な理由があり、しっかりと考えて行っていることに関してなら、俺と真奈はあっさりと割り切ることが出来るのだ。



 先ほどの戦いの様子からすれば、ゴブリンが弱小魔物に見えてしまうが、そんなことはない。強い魔物、とはいえないが、全ての魔物のなかで中ぐらいの強さはあるだろう。


 そんな魔物を15匹倒したことで、真奈のレベルは気付けば13になっていた。俺とイブへの経験値をなしにしたからといって、その分が真奈にわたるわけではない。それでもこれだけ上がったという事実が、ゴブリンの強さを表している。


 真奈の現在の魔力は1451,スキルポイントは1206となった。ゴブリンを倒しても魔力は一切手に入らず、魔力の増加分はそのままレベルの増加分によるものである。

 

 大量に得たポイントを、真奈は2つのスキルのために使用した。まず、100ポイントを使い、【ドロップ率上昇】を獲得した。あとは、【観察】のスキルレベルアップにつかう。50ポイント使用し、スキルレベルが2になった。次に必要なポイントは100だった。それを支払い、レベルが3になる。さらに次は200必要だった。そしてその次は400。これらを惜しみなく支払い、最大レベルの5に到達した。


 スキルレベルの最大値はスキルによって異なる。例えば先ほどの【パーティー補助】や、新たに取得した【ドロップ率上昇】はスキルレベル1で最大だ。



「よし、オッケー。これでやっと実験を開始出来るね。」と真奈が言った。

「そうだな、じゃあさっさとハムステアのタウンに戻るか。」

「ハムステア・・・。ああ、あの最弱魔物のことですね。たしかにそれが一番確実でしょう。」


 イブにはこの世界の基本的な情報や、昨日までに俺たちがしたことについて話してある。




 こうして現在、イブがハムステアを一匹ずつ慎重に倒しているところである。もちろんその前に、【パーティー補助】による設定で、俺への経験値制限を解除してある。イブへの経験値は遮断したままだ。


 魔力を支払って紙とペンを購入し、真奈はそれをつかって懸命にメモをとっている。魔力を支払えば、たいていのものは購入できるのだ。地球で普通に使われていたようなその紙を見ながら、俺と真奈は話し合う。


「なるほどな、どんどん2倍されていくわけか。」

「そうみたいだね。でももしそのまま50まで続いたらやばいよね。何百年かかるかわからない。」

「確かにな。多分それはないと思うが、それもこれから確かめていこう。場所、移動した方がいいよな。」

「うん、次必要な経験値は多分64だし、他のタウンに行くべきだね。」


 「イブ、ありがとう、もういいぞ。ドロップしたアイテムを集めるのを手伝ってくれ。」

 「了解です、ご主人様。実験は上手くいきましたか?私も興味があるので結果を教えてほしいです。」


 イブがそう言うので、ドロップアイテムを回収しながら説明することにする。知りたい、学びたいという姿勢はとても素晴らしい。


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