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第7話:わざと経験値を与えない理由とは?

 それをみて驚愕した。美しすぎる女の子だ。年齢は15歳くらいだろうか。


絶世の美女というワードでもまだ足りないくらいの完璧な顔と、誰もがうらやむような非の打ち所のないスタイルをもってそこに立っていた。


 ・・・裸で。


 慌てて魔力を支払い、適当な服を購入し、真奈が着せてやっている。

羽としっぽに関しては、本人の意思によりしまうことができたので、普通の人間の服を着ることが出来た。



 一段落して、従魔はしゃべり始めた。


「初めまして、ご主人様。わたしは悪魔。昔は地球にいたこともありますので、人間についてはそれなりに知っているつもりです。ご主人様のお役に立てるよう精進いたしますので、これからよろしくお願いします。」


 かわいい声で丁寧にそう告げた。俺はしばらくぼーっとしてしまったが、すぐに気を取り直して答えた。


「おう、俺の名前は亮だ。よろしく。」

「真奈です。よろしくね。」


ふたりとも短い挨拶をした。

生み出す、という表現をしたが、もうすでに記憶などを持っているらしいので、召喚といった方が正しそうだ。まあ、この世界に生み出す、という意味では間違っていないか。



 「ご主人様、いきなりですが私に名前をつけていただけないでしょうか。」


「おう、いいぞ。ただ俺はネーミングセンスがゼロだからな。真奈、なんかいいのあるか?」


「うーん、じゃあ、イブとかどう?」


「イブ。とても響きがいいな。それにしよう、おまえはイブだ。」



俺も真奈も、名前にあまりこだわりがない。名前とは、ただの記号のようなもので、呼ぶときに便利だ、くらいにしか思っていないのだ。重要なのはその人の中身であると考えている。


「ありがとうございます。気に入りました。」そういってイブはうれしそうにほほえんだ。




 俺には思い描いているビジョンがあり、そのためにやることがたくさんある。準備期間の35日を効率よくフルに使っても足りるのか不安なほどに。

 ちなみに、ステータス画面の時刻の隣に、‘あと34日’と書いてある。おそらく、あと5回後の“リセットタイム”の瞬間までが準備期間なのだろう。



 レベル上げの前に、あるスキルを獲得する。【パーティー補助】である。パーティーに関する設定を行うことが出来るスキルだ。


 まず、パーティーにイブを加える。

そして、‘イブと俺には経験値がいきわたらない’という設定をした。これは、設定できることのなかでも、最も無駄な機能といえた。経験値をいきわたらなくしたからと言って、その分を他の人がもらえるという訳ではないのだ。普通に考えれば、無駄もいいところだろう。


 それを見ていたイブは不思議そうな顔をして言った。

「なんで亮様と私への経験値を遮断するのですか?」

「ああ、それはな・・・。」


 そういって、従魔について得た知識を説明をした。さすがは、カスタマイズで“頭脳”に大量のポイントを割り振っただけあり、こちらの意図を読みとってくれた。


「なるほど、そういうことでしたか。ご主人様達ほど頭脳明晰な人間は珍しいでしょう。そのようなお二人に全力で私を強化してもらえることがうれしいです。」



 どういうことなのかというと、これは“従魔強化”に関係している。経験値を一気にたくさん得てしまったことで、同時に2つ以上レベルが上がった場合、飛び越したレベルの分の“従魔強化”は行うことが出来ない。


 だから俺たちは、レベルを上げるのに必要な経験値がどのくらいなのかを徹底的に調べ、慎重に魔物を倒してレベルをあげていこうと考えたのである。この調査のために、俺のレベルはまだ上げずに4のままで止めておくのだ。


 これらの作業がどれだけ大変なことなのかは、言わなくてもわかるだろう。それでも俺と真奈はやる。最強の従魔を作ることが、この世界で二人が楽しく生き続けるために必要だからである。 


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