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第19話:どう考えてもこれが最強の要塞でしょ

 なぜ俺たちの計画が強いと言えるのか。それを説明する。



 もし、敵が俺たちの拠点を目指すなら、ずらりと並んだ俺たちのヴィラの“特殊結界”を避けて、果てしない遠回りする必要がある。‘壁の結界’とヴィラの“特殊結界”に挟まれた、壁沿いのたった一カ所のタウンから入るしかない。


 特殊結界と壁の結界に挟まれたタウンをいくつも通り、この世界の一番隅のタウンで曲がり、さらに進んでやっとホームにたどり着くのである。



 四方八方からホームを攻められる人は大変だろうが、俺たちは、ただ大きな一本道を守っていればいいのだ。しかも、その道は世界の‘角’に合わせて一度折れ曲がる。まっすぐ進むよりもさらに大変だろう。ここは、真奈のアイディアである。


 

 この一本道には、イブに【洗脳】された強力な魔物を大量に配置する予定である。一本道の通路と言っても、タウン一個分の幅はあるので、細くても幅200m、太い方は幅500mもある。だが、幅が太かろうが、それぐらいなら何とでもなる。敵の一切の通り抜けを許さない様々な仕掛けをいくつも考えているのだ。さらに、時間が経てばもっと“疑似水晶”が手に入る。次の“リセットタイム”では俺と真奈のを合わせて19個だ。それを使ってあらたに従魔を生み出すのもいいだろう。



 結界で完全に閉じてしまうことは‘悪手’だが、結界を利用した通路をつくり、入り口を一カ所だけでも開けておけば全く問題ない。長い一本道のようなタウンの通路は、最強の要塞と化すだろう。使えるのはヴィラ9個分だけだが、通路をより長くするために、世界の‘端’の‘壁の結界’を存分に活用させてもらった。


 ここまですべて、計算ずくで進めてきたつもりだが、ただのラッキーがあるとすれば、初日にいきなりブラックドラゴンを発見できたことだろう。最初は、【飛行】をつかって世界の‘端’を目指そうと考えていたのだが、この世界が予想以上に広いと知り、なにか他の手段が必要だと判断した。そしてライブラリーで調べてみたときに、ドラゴンの飛行速度の桁違いな速さを知ったのである。これならいけるとそのとき確信したのだ。



ちなみにもし俺たちと同じような考えを持った人が四人以上いて、俺たちよりもはやくに四つの‘角’を占領されていた場合は、仕方が無いので‘辺’の部分を利用しようと考えていた。‘辺’全てが埋まることはないだろう。



 なにはともあれ、実際に計画が成功してしまえばこっちのものだ。あとは、準備期間終了までひたすらイブの強化と、俺たちの要塞作りをしようではないか。呼び名がないと不便だということで、この一帯の俺たちの領域を、“ライトアングル”と名付けた。この世界の‘角’で、直角に曲がった形をしているからだ。直角を英語でright angleという。いつも思うが本当に安直だと思う。



まあそれはいいとして、今日はひとつの段落だ。盛大に祝おうではないか。といっても、食べ物は、完全に食べ飽きたいつもの携帯食料しかないのだが。ベッドとかは購入できるのに、なぜおいしい料理は魔力で購入できないのか、不思議で仕方が無い。まあどうせ、神の意地悪なのだろうが。


 もう真夜中だというのに、三人はさまざまなことをはなし、深夜テンションで盛り上がってしまった。気がつくと三人とも寝落ちして、起きたのは午後2時のことであった。



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