学校
お久しぶりです。前回とはだいぶ期間が空いてしまいましたね。
……ちゃんと、生きてますよ?
道中寝っ転がっていた猫を愛で、飼い主が死んだのか餓えた様子の飼い犬に食べ物を投げ。ゾンビという至福を邪魔する輩を粉砕する。結果、随分と時間をかけて登校することとなった。
世紀末ヒャッハーなゾンビワールドなのだから、登校時間を守るもなにもない。校則どころか法律も危ういのだから。
モブキャラ・陰キャの基本スキル『隠密』を使って、学校の敷地侵入後も生存している生徒に気取られずに歩き回る。
それも、長くは続かない。ただでさえ、非常時。ゾンビ一匹の存在が破滅を呼ぶのだから、見回りの役を担っている者も、そうではない者も周囲を警戒して進んでいる。
なにを言いたいのかというと。
「──あらあら、随分と遅い登校ですこと。お久しぶりね、柚山恭一くん」
……捕まらない訳がなかった。
まあ、片手にこれでもかと殺伐とした気配を放った血に濡れたバット。こんなご時世にも拘わらず物資がしっっっかりと詰められたバッグを背負い、服装は少し血が跳ねて普通とは言い難い妙な雰囲気を醸し出している。
これほどの人物、目立たない筈がない。
「少しばかり寝坊しまして。それで、会長さん。我が親友である貴女の彼氏さんはいるかい?」
スーパーリア充マンな親友の彼女にして、学内ヒエラルキーの頂点に君臨する我が校の生徒会長。少し常人にしては違和感を覚える口調だが、この少女はどっかの企業の令嬢だとかそんな感じらしいので、仕方ないと受容・納得するか、脳内翻訳を試み理解に努めるか、重要部分や意図だけ察して流せば良い。
……が。この発言、些か回りくどいというか嫌味ったらしい、実に毒々としたものだった。ま、だからどうした、という話なんですけどもね。
この人とは逆に、ヒエラルキー最底辺……だとなんか気分的に嫌だから、中層下位にいた俺。物語の主役かヒロインが妥当な彼女と存在が確認できる描写があれば上々な俺は、その実は、繋がりがあったりする。
親友の彼女──この一言だけで、済んでしまうドラマ性だとかロマンチックの欠片もないものだったが。
いや、ドラマ性はあった。主に火曜とか、崖とか、包丁とか。なんかサスペンス的なドロドロとしたやつ。
だって。俺がされた迫害──大本の原因コイツなんだもん。




