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時間回帰の荒御霊  作者: 佐守 竜空
ぐだぐだな序章編
13/16

「退屈は人を殺す」

お久しぶりです。……という挨拶が、自分の作品では当たり前になってるんですよねー(苦笑)


まさか、半年開いてるのにキープしてくれてる方がいるとは……(感想が付いたのは軽く予想の埒外でした)。

 代わり映えしない授業風景、友人とのバカ騒ぎ、クラスメイトとの他愛もない会話──そんな、平和そのものといっていい日常。


 日常で起きる物事は、すべて起伏に乏しい味気ない一コマであると同時に、特出すべき掛け替えのないものでもある。




「…………飽きた」


 好きな時に起きて、適当になにかを食べて、好きなもの読んで遊んで、また適当に食べて、好きな時に眠る。あの生存者との交流を最後に、悠々自適な、自堕落ともいえる毎日を送っていた。


 たしかにそれは、夢のような環境だろう。しかし、人は慣れる。その幸福を普通だと感じてしまう。普段は平穏を望んでおいて手に入れば次には刺激を求める──、それも人が持つ姿のひとつなのだろう。


 それをこの男は、と自分で言うのもアレだが。そう自分を皮肉気に第三者の目で分析する。


 マイナス補正のフィルタが掛かっている自己評価だ、己の気分を降下させるだけなのは必至だ。この作業をやってしまうのは癖のようなものと黙認しており、仕方がないと半ば諦めが入っている。


 この自嘲気味な考え方が冷徹に物事を判別させているのだろうか。己を含め全ては等しく無価値だ……といったような。


「さて、暇つぶしはなににするか……」


 刺激を求めるのは確定事項だ。あまりにも快適すぎて、退屈を持て余し気味になっている。


 少しだけ思考し、脳内に遊べそうな候補をリストアップしていく。が、なかなか惹かれるようなものは。


「……あるじゃないか」


 そう。飛び切りのいいものが。


「命の恩人様の様子でも見に行くとしますかね」


 世界が変わって被害が最も大きかったのは、当然だが初日『世界事変』だ。被害が大きいと言うことは、生き残れた人間は一芸に秀でていたり運が良かった者ばかりだ。正直、俺のような凡人、凡人以下の人間は即退場していただろう。


 死んでいないのは単純に運が良かっただけ。虐めとも言えない幼稚で陰湿な〝迫害〟があって、学校という環境に一時期嫌気がさしたためだ。


 やることは決まった。


「さて、学校行くか」


 準備を終え扉を開け──、


「dihagdkfsajfgjeaw!!」


 判別不可の絶叫をあげるゾンビが一体、姿を現した。



──退屈は人を殺すという。


 暇と退屈は違う。退屈とは、目的もなく暇を持て余している状態だ。

 変化のない日々というのは精神を蝕んでいく。目的がなければ気力は湧かず向上心は無くなり、次第に動くことすら億劫になっていく……。


 気分が沈んでいく一方なら、そりゃ鬱にもなるし、何事も面倒だと一蹴、気力も沸かなくなるだろう。死にたくもなる。


 このように、退屈が原因で死ぬような目に合う人間はごく少数。しかも、物凄く運の悪い部類に入る。















 もちろん瞬殺した。

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