デート 2
前回、城下町に行くって言ったじゃん?
本当はね、行くつもりなかったのにさ……。
「何で城下町に来ちゃったのおおおおお」
あ、思い出した。玄関出たら、兄さんが魔法で待ち合わせ場所に行っちゃったから追跡できなかったの。
私、兄さんよりも低級だから使える魔法が限られてるの。
そのせいで、今回は追跡不可能に。もう……、本当に嫌になる。
気を取り直して、城下町を散策することにした。
久しぶりに来たから、お店がいろいろ変わってる。
きょろきょろと周りを見ながら歩いてると、なぜか沢山の人の視線を集めていた。
何でこんなにも注目されてるのかな?
まあ、いいか。理由を気にしても時間の無駄だし、まずは……。
ノート、とかスケッチブックとかを買いに文房具屋さん行こ。
ってことで来てみたんだけど。
「やばい……。テンション上がってきた……」
「あれぇ、ゆりじゃーん。今一人? 俺と遊ぼうぜ」
うげ……。何でここに斌人がいるの……。
「そんな顔をするなよ~。マイハニー」
そんな顔ってどんな顔だよ。
「キモイ。それから、私はあんたのハニーじゃない」
斌人は、中学からずっと同じクラスの男子。
話すけど、別に恋愛対象として見たことはない。
でも、そのうち恋愛対象として見ちゃう可能性もある。
のかもしれない。とか言っておく。
五時間後……。
結局、デートすることにした。否、デートしてきました。
詳しく話したいけど……、少しだけ眠くなってきた……。
よかった、家に帰ってきてて。
「おやすみ……」