デート 1
モノローグで前回は終わった。
そして今回はモノローグから始めようと思う。
とかなんとか考えていると。
「ゆりあー、ご飯食べよ」
今度は兄さんが私に抱きついてきた。
いつの間に私の腕からすり抜けたのかしら。
そんなことを考えつつ抱きつかれた腕を解くことも忘れリビングに向かった。
なんか重いけど、まあいいか。
いや良くないけどリビングについたし、いいか。
テーブルには朝ごはんが出来上がっていた。
今日も美味しいご飯を食べながら今日の予定を聞いてみた。
もしかしたら、お出かけするかもしれないから一応ね。
「んー、今日の予定は……。お兄ちゃん、デートしてきます」
「えーーーーー。やだあああああああああああ。てか誰と。そいつしばく」
「落ち着きなよ……。相手はゆりあもよく知ってる、みゆきだよ」
「はあああああ?あの魔女なんかとデート?ありえない」
酒田みゆき、高校二年生。
魔女で男たらし。
だから私はあの魔女が嫌い。
そうは言っても、私は彼女よりも年下だし兄さんの友達なのでそれなりに付き合いはある。
兄さんが高校生になったときに仲良くなった女友達の一人。
そして、兄さんが唯一家に連れてきた女でもある。
おそらく、兄さんもあの魔女に気があるのだろう。
話しが脱線してしまったな。
デート、するんでしょ。
これは追跡せざるおえない案件だわ。
「ゆりあ、そんなにいやそうな顔するなよ。別にみゆきと付き合ってるわけじゃない。だから変なことしたりしないし……」
「そっか、ならいいや。あ、どこ行くのか教えて? 」
兄さんは案外たやすく行き先を教えてくれた。
少しは人を疑うことを覚えるべきだよ、兄さん。
心の中で兄さんには届かない説教をしたところでご飯を食べ終えた。
食器を片し、お互いの部屋に戻る。
私は兄さんが用意してくれた服に着替え、メイクをする。
まあ、口紅を塗ってビューラーでまつ毛を少し上向きにするだけなんですがね。
肌はそれなりに自信があるから、下地塗って、ファンデ塗る必要はないのだ。
この服、なんか派手……。
てか、ミニスカだと足が出過ぎるんだけど……。
まあ、ニーハイ履くからいいかな?
十分後……。
支度終わった……。
それと同時に。
「ゆりあー。俺、そろそろ行くけどゆりあも出かける? 」
「うんー、今行くー」
廊下から大きな声で話しかけてくる兄さんに、大きな声で返事をする。
財布とスマホをバックに入れて兄さんのいるであろう玄関へと行く。
「ごめん、待たせちゃったかな? 」
「ゆりあ、その言い方だとデートの待ち合わせ場所に来た彼女みたいだぞ。まあそれはいいんだけど。ゆりあはどこに行くんだ? 」
「んー、城下町にお散歩しに行くかなあ」