表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

講座作品

想いは時を超えて

作者: 四方木 友予

某小説講座に送った作品。

小道具を生かした内容で、原稿用紙5枚程度という内容でした。

それでは、どうぞ。

 心電図が鳴る。まだ生きているよと、叫ぶように。

 私は目の前のベッドで眠る幼馴染みの手を握った。

 連絡があったのは昼一時半を過ぎた頃。哲之と私の共通の親友から電話が入り、哲之が倒れて病院に運び込まれてきたと告げられた。

「早苗、大丈夫?」連絡をくれた看護師の裕美がそっと私の肩を支える。「哲のバカ、なんで彼女にも心臓の事を伝えてないのさ」

「きっと隠してたんだよ。私に心配させないように」

「でも、倒れたら何にもなんないじゃん」

 白い病室に光が射している。その光は哲之を私の手の届かないところへ連れていくかのようで、私は哲之をさらに強く握った。哲之の心音が少しだけ速くなる。

「君が早苗ちゃんかね」

 声の方を見ると医師が立っていた。私が頷くと、裕美は先生に問いかけた。

「センセ、どうかしたんですか」

「うむ、実は伝言を預かっていてね。彼が意識を失う前にね、言われたんだが――」


 早苗、もし俺がいなくなっても、約束は果たして欲しい。

 心配して付いて行きたがった裕美を病院に残し、私は小さい頃に哲之とよく遊んだ公園に駆けていった。小さな公園の隅の植え込みの下にまだあるはず。哲之が倒れたのですっかり忘れていた。そうか、今日だった。

 植え込みのところに着くと、私は素手で地面を堀り始めた。

『なぁ、タイムカプセルって知ってるか?』

 それは哲之が思い付いた遊びで、未来の自分に宛てた手紙を埋める、というものだった。

『今、俺たち七歳だろ。開けるのは二十年後の今日、二人一緒に開けるんだ。絶対だぞ、約束だ』

 そうよ、二人で開けるって言ってたのに、なんで今私はひとりで掘っているの。

 涙がこぼれ落ち、地面に水玉模様を作っていく。拭う事もせずに、ひたすら掘った。掘って、掘って……指先にかたい物がぶつかる。間違いない、昔ここに埋めたタイムカプセルの缶だ。

 表面についた土を払い、蓋を開く。手紙は無事に残っていた。子どもの頃の私たちの文字が無邪気に並んでいる。

 私は地面に座ったまま、汚れた手で手紙を開いた。自分宛の手紙ではなく、哲之宛の手紙を。

━━みらいのオレへ

   オレからオレへ、いいたいことは ひとつだけだ。

   いまのオレは さなえちゃんに きもちを つたえられていない。

  だからもし、みらいのオレが

  さなえちゃんと つきあってるなら、

  いまのきもちが かわってないなら、

  きょう、いまここで プロポーズをしろ。

  ケッコンしてくれって。

   がんばれ、みらいのオレ!

「なに、これ……」

 手に力が入り、手紙がクシャリと音をたてた。おそらく哲之はこの手紙を私に読んで欲しかったのだろう。

「死んじゃったらどうしようもないじゃない。私は何も聞いてないよ。哲の口から、ちゃんと聞きたかったよ。ねえ、哲」

 誰もいない公園で思わず声をあげて泣き出す。止めようと思っても止まらない。

 すると影が差し、私は後ろからふわりと抱かれた。

「勝手に俺を殺すな。もう泣くな。あと……好きだよ、早苗。結婚しよう」

 聞き覚えのある声だった。いつも優しく、イタズラ好きな哲之の。

 強引に向き合わされると、そこには病院で眠っているはずの哲之がいた。

 本当に死んでしまって、幽霊になってここに来てしまったのだろうか。私は哲之の手を握ってみる。温かく、確かにここに哲之がある。

「だからこの作戦やめようって言ったじゃん。早苗、訳わかってないし、完全に今の状況理解できてないって」

 いつの間にか裕美も来ていたようだ。さらに絡まっていく私の思考を、哲之がゆっくりと話し、解こうとする。

「倒れたのも心臓病ってのも、全部俺の嘘。病院の先生にも演技してくれって頼んだんだ」

 センセに協力してくれって頼んだのアタシなんだけど、と裕美がこぼす。

「早苗にちょっとしたサプライズなプロポーズをしたかった。それだけ」

「それだけって……」

 まだ私の頭は話に追い付いていない。でも、ひとつだけわかっている答えがある。

 それでさ、と裕美が私の肩を叩いてきた。

「散々人を騒がせたこのプロポーズ、早苗は受けるの、受けないの?」

「もちろん、喜んで」

 さっきまでの涙とはまた違ったものが、私の頬を静かに流れていった。

指摘された大きな点は、

『ドッキリだとはいえ、人の生死に関するものはやめましょうよ』

という感じでした。

気持ちを素直に伝えられない主人公とその相手なら

このドッキリで仕方ないかなぁ、とも。

私の書いた人物、気持ちをハッキリ伝えてますからね!

直球で伝えろよって話なんだと思います(笑)


そして、一体どれが小道具やら(笑)

一応タイムカプセルが小道具のつもりでした。

とりあえず期間内に課題を終わらせなくては

という焦りから生み出された作品です。

課題の規定外れていますね、えぇ。

そしてまたラストが駆け足……。文字数に完敗。

あと、自分の語彙力、表現力にがっかりです。


課題の教材のような表現は思いつかなかったんですよ……。

もっと時間がほしかった。いや、あっても思いつかないですね。


評価だけでも飛び跳ねるくらい喜びます。

辛口コメントも甘口コメントも大歓迎です。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ