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2014年/短編まとめ

悲鳴少女

作者: 文崎 美生

壊れそう、壊れる。


いや、もう、壊れてしまっているのかもしれない。


日常にはストレスがつきもので。


日常に不満は当然あって。


でも、それを吐き出す場所は見つからなくて。


だから苦しい。


だから痛い。


日に日に溜まってゆく毒は、分解されることはなく体を蝕んでゆく。


苦しい苦しいと叫んでは涙を流す日々。


笑顔の裏は涙なのだ。


私はいつだって泣いている。


助けを求めている。


届くはずのない心の叫びを…ただひたすらに押し殺しては自分を痛めつけるのだ。


あぁ、助けてよ……誰か。


私の叫び声に気づいて下さい。


喉が潰れる程に、狂いそうな程に叫び続けた。


心を保っていつもの私を保ってきた。


………今日までは。


でも、とうとう、堪えきれなくなった。


グッと目を瞑り視界を真っ暗にして、声と喉に集中させて。


今までの全てを黒い塊を吐き出す。


反響するのではなくただただ広がってゆく私の叫び声は、空気に溶けて消える。


この声が潰れてでなくなれば叫ばなくていいですか?


苦しくなくなりますか?


………そんなことはない。


自分の声で耳が痛む。


どんなに叫んだって世界は変わらなくて、日常は変わらない。


私の存在も変わらないから、この何かもわからない黒い塊も消えない。


私はこうして何度だって叫び続ける。


黒い塊を消し去るために。


この塊が何なのかを知るために。


唯一の私を救い、苦しめる術。

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