額の傷
いよいよ本編です!
それではどうぞっ☆
どうして私は生きているの?なんで?私は……
私は椿ヶ原フーカ。15歳。私の額には傷がある。その傷はこんな理由でできた。
幼い頃、私は暗い教会の隅に捨てられた。何故かは分からないけど長い長い時間ずっと待ち続けていたような気がする。
その教会はひとけのない静かな路地の奥にポツンと建てられている。そんなに大きくもなく、あまり綺麗ではない。
2,3歳の頃、私は椿ヶ原氏に拾われた。椿ヶ原氏には子供ができなっかたので丁度いいと言っていた。椿ヶ原氏は私をかわいがってくれ、いつも新品の洋服を着させて羽の髪飾りを左側に付けていた。
そんな裕福な暮らしをしていたある日、それは12歳の暑い夏の事だった。
塾からの帰り、私は一人で私が拾われた教会の前を通った。その教会は家から近かったため、よく通っていた。
しばらくして、私に突然の雨が襲った。向こうの山は晴れ渡っているのにここだけが雨が降っているように感じた。
それはまるで教会の前に来るなと……雨が誰かに操られているかのように。
少し経つと雷が鳴り響く。雨も強くなってきた。私はあいにく傘を持っていなかったので、しょうがなく塾の勉強道具が入った手提げを傘代わりにした。
そして次の瞬間。
「ドンッ」
私の頭の左側に雷が落ちた。原因は、あの羽の髪飾りに付いた金具だったらしい。
その音を聞いた近くの住民がすぐに救急車を呼んだ。
そして1時間30分後……。私は死んだ。
特に痛みはなかった。「あぁ、こういう運命なんだなあ」としか思えなかった。
――――そんな理由でこの傷ができた。
そして、私は闇の中を彷徨っていた。天国も地獄もなかった。あるのは一面に広がる闇のみ。
時間の感覚も薄れはじめていたそのとき。
ある一筋の光が見えた。
ずっと暗い闇の中にいたため、少しの光でもかなりの眩しさがあった。
だけど私はそんなことも気にせず、ただ光に向かって歩き出していた。
段々光が近くなり、そうっと触れてみた。
すると、私の手が触ったのはごつごつした男だと思われる手。私がびっくりしていると、男が私の手をつかみ、ぐいっと引っ張った。
されるがままに私の体が動いた。トン、と足が固い地面に着くのが分かった。
「生きろ」
突然の声。耳元で囁く大人の男の声。私はとっさに思考回路を巡らせた結果、男の声は私の手をつかんだ男だと思った。
「生きろ」と言う言葉を理解できなかったため、男の顔がある方へ目を向けた。
……男の顔は逆光で分からなかった。
「お前に全ての力を与える。だから生きるんだ!そして―――――」
段々聞き取りづらくなり、光が闇を覆った。
「まって!!」
つかまれた手を離されたからとっさに叫んだ。
だけど間に合わなかった。
気付いたら私はあの教会の前に立っていた。
さてさて……。どうだったでしょうか。
こんな風に、私の小説は一章一章短いのでまぁ…読みやすいかな~とか思ったりして。
次はフーカが生き返ったその後を投稿します☆
それではっ!