遙か未来に――
掲載日:2026/10/15
遙か未来。
奇妙な問題が起きた。
「やはり、出生率は0のままか?」
「はい。我が国も他国も――」
「今では珍しい戸籍のない者たちも?」
「ええ。可能な限り調べましたが、少なくとも調べた限りでは……まぁ、戸籍がない故にあるいはいるかもしれませんが、それでも多くはないでしょう」
そう。
子供が一人も生まれないのだ。
自国も他国も含めて。
「これは一体どういうことだ?」
「皆目見当もつきません。検査をした限りでは父親にも母親にも異常を持つ者はおりませんでした」
「挙句の果てに放蕩者たち四六時中交わらせても……」
「はい。出産どころか妊娠すら」
何が起こっているのか。
人々は頭を悩ませ続けたが、遂に答えは出ることはなく、やがて人類は絶滅した。
――まさか、その答えが人類が進化し続けた結果『最早、新たな進化の可能性なし』という遺伝子レベルの拒絶反応だとは知らないままに。
完成したものはそれ以上進化することはない。
命もまたその例外にはならないのだ。




