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転生の革命家  作者: みおゆ
第一章・革命軍は名を上げて
20/111

1-11 強引な打開策

「……え」


 ―― 〈瞬間転移魔法(テレポーテーション)〉が使えない。


 最悪の事実が判明してしまい、ツナグはヒトリに抱きついたまま放心状態となってしまった。


「ありゃー。それじゃ、なんとかここからうまいこと、この状況を打破するっきゃない! だよ!」


 一方、キズナは前向きだ。「ちょっとわたし、このへんを探索してみるよー!」と、迷宮の奥へ走り出してしまった。


「迷宮側もそう簡単に、黄金花(オウゴンバナ)を取らせまいとしているわけか」


 ウィルがそう呟くと同時に、誰かの足音が聞こえてきた――音のほうを見れば、探索へ出かけていたはずのキズナが、走り出した方向とは反対側の道から現れたのだ。


「あれ!? 真っ直ぐ走ってたはずなのに……ツナグたちがいるよ!?」

「――ふむ、これで確定だな。僕らは完全に迷宮内に閉じ込められている」

「どうしてお前はそんな冷静なんだよ!」


 ツナグは声を上げたが、しかし、いくら喚いても状況は変わらない。


 どうにかして迷宮から脱出する(すべ)を見つけなければ、ツナグたちは一生迷宮から出られず、ただジワジワと体力を減らしていき、死へ近づくのを待つばかりとなってしまう。


 そんな結末はもちろん、誰も望んではいないはずだ。


「な……なんかこういうときって、魔法かなんかで打開できるとかないのか?」


 ツナグは言うが、キズナは首を横に振るだけだった。


「魔法を無効化したり解くのって、かなり高度なことなんだよ。さらに迷宮っていう大きい術を解くなんて……わたしの力じゃ到底ムリ、だよ」

「な……なら、三大卿(さんだいきょう)っていわれるくらいのヒトリさんなら……!」

「わたしはキズナのように多彩な魔法を使えるわけじゃないのさぁ。あくまで、わたしの武器はこの槍だからねぇ」


 ヒトリは槍を召喚し、自慢げに見せつけた。


 ツナグにとって、そんなものを今見せつけられても何も解決にならないのだから、ただ腹が立つだけである。


「ど……どうしたもんか……」


 脱出の糸口を掴めず、黄金花(オウゴンバナ)の元へも辿り着けないこの状況が、この場に非常に重苦しい空気を作り出していた。


「なあ……思ったのだが」


 そんな中、ウィルは何かを思いついたのか口を開く。


「真っ直ぐ行ってもダメなのなら、()()()()()()()()()()()()()()?」


 ウィル以外の三人は同時に首を傾げた。


「この迷宮へ入るときもハッチを通って地下へと進んだだろう。だから、さらに下層へと進んでいけば、きっと黄金花(オウゴンバナ)に辿り着けるのだと思うのだ」


 ウィルの意見に、ツナグは「で……でも」と、口を挟む。


「地下へ行こうにも、地下へ続く道すら見つからない状況なんだぞ? そんなんだってのに、どうしたらいいんだよ」


 ツナグの反論に、ウィルは「頭の固い奴だな」と前置きし、こう答える。


()()()()()()()()()()()()()()()()()、簡単なことだ。だから、ツナグ……」


 ウィルは床を指差しながら言う。



「――君のその〈革命拳(カクメイケン)〉とやらで、床を叩き壊して穴を開けろ」

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