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075:地下3階1

地下3階。ここは4階への階段が複数用意してあって、少し構造が複雑だ。これは3階と4階がセットになったエリアが何カ所かあるからでもある。

その上で部屋が連続するエリアとダークゾーン、それに専用の鍵がないと入れないエリアを用意。

最終的にはその専用鍵エリアを目指してもらうようになっているので、まずは階段を見つけて下りて探して、また戻って別の階段を見つけて、という形を取ってもらう。何体か上層で出すには強い魔物も配置してみたし、楽しんでもらえるといいね。


『3階は4階があってようやく魅力の出るフロア、セットで考えていますからね、少し地味な印象は拭えません。専用鍵のエリア以外にも驚きを提供できるような場所を用意すべきだったでしょうか』


悩ましいわよね。4階とセットにして4階の方に見所を持っていったら3階が地味になるっていう。仕方がないのだけれど、そこはもう専用鍵エリアで元を取りましょう。


『本当に悩ましい。このエリアに関しては多少の自信はありますが、他はいずれ手を入れたくなるかもしれません。彼らの行動を良く観察させてもらいましょう』


本職の冒険者の戦闘以外の能力が見えてくるかもしれない。期待が高まる。


─────────────────────────


調査としては最低限5階となっているので、3階はちょうど半ば。

そしてその先の目標として可能ならば昇降機を発見、さらに6階への階段を見つけると決まっている。

1階は相変わらず角を曲がったところにいるラットを盾で押しやっている間にさっさと通り抜ける方法でパス。

2階は魔物との遭遇そのものを回避して最短ルートで3階へ。

最初のラット君には本当に申し訳ないと思っている。どう考えても割に合わない仕事だ。

出会うのは毎回バカみたいにレベル差のある冒険者たちで立ち向かうことすらできていない。もう少し出現場所を下げて、だめだと思ったらさっさと逃げるように調整した方がいいだろう。毎回毎回本当に申し訳ない。


初のフロアなので問題はここから。

階段を下りた場所からすぐ次の部屋で戦闘が発生する。登場するのはジャイアント・ポイズナス・スネークという強くも弱くもない魔物だ。

そんなスネーク君なのだが、盾で動きを押さえているところを剣で切りつけるだけのひどく簡単な戦闘だった。ターゲットとして固定されている相手を攻撃するだけなので、別のところからの攻撃に対応できずにすぐに終わるのだ。うーん、何というあっけなさ。

部屋の中央に配置しているから正面の扉から入ってきた相手にまず攻撃を開始するし、そこでターゲットが固定されてしまうから振り回した尻尾が後から出てくる相手への牽制にもならない。悲しい。相手が強すぎるから何の参考にもならないという事実だけが残ってしまった。


その後の連続する部屋はフリアが活躍。

鍵とか罠とかは付けていないから単純に気配の有無だけしか見るところはないのだけれど、それも的確に把握されてしまってスネーク君たちがなすすべもない。

ジャイアント・ポイズナス・スネークと、コンストリクター・スネークっていう2種類を用意したんだけど、どっちも大差なし。悲しい。

結果宝箱の宝石5個も軽く回収されてしまいました。

そしてこの連続する部屋の見所の1つ、専用の鍵が必要な扉が発見される。

扉のノブの上に5センチ程度の幅のスロットが付いていて、そこに専用の鍵をはめることで開くようになっている。現状では何の手がかりもないこともあって、地図を埋めていくうちにどこかで手に入るなり手がかりを得られるなりするだろうと考えたようだ。

むふ。悩んでおくれ、ここのために歩き回っておくれ。


そしてその後の展開も変わりなく。魔法の出番すらなくスネークたちが倒されていく。さすがにスネーク単体で何かができるような相手ではなかった。

盾を構えて頭部を待ち受けこれを弾く、振り回される尻尾に対して剣を刺し動きを押さえる。それだけ。悲しい。

ただ唯一特殊個体を配置しておいた離れた部屋はわりと頑張った方だった。かもしれない。ような気がする。入る前から音と気配から特別大きなジャイアント・スネークがいるものと把握されるジャイアント・コンストリクター・スネーク君。

扉を開けると今までとは比較にならないほど大きな、シュルシュル、ズルズルという蛇の動く音が聞こえてくる。

そこへマジック・ミサイルが戦闘開始を告げるように放たれ、巨大な蛇が痛みに身もだえする。

部屋を埋め尽くすほどの動きを見せる巨体が動く様はそれだけで恐怖を感じさせるものだったけれど、部屋の広さ自体は今までとそう変わらない。そうなるとその巨大すぎる体を思うがまま動かすには少し狭かった。

思ったほどの勢いをつけられなかった尻尾の一撃は盾によって押さえ込まれてしまう。そしてそこへすかさず斬りかかられ、尻尾へ大きな傷を残す。

そして攻撃力を削ぐ弱体化の魔法が決まる。

ジャイアント・スネークの攻撃は基本的にその巨体を生かした噛みつきや叩きつけ、締め付けといった行動で、その肝心の攻撃力を削られてしまってはもう冒険者たちの防御力を突破できなくなってしまう。

正面は盾で噛みつきを受け止め、剣で切りつける。さらに回り込みながらの剣でナイフでの攻撃、最後にもう一度マジック・ミサイルが命中したところで戦闘は終了した。

この部屋向きの魔物じゃない、動きが制限されていたから対応が楽、効きやすい弱体化を狙ってみたけれど何でも良かった気がするという散々な評価。

申し訳ありません。もう少しできるかと思ったけれど、ベテラン冒険者相手では圧を掛けることすらできなかった。

出すなら広い場所でノーマルとセットにするとか、環境を用意してあげないとダメでしたね。無念。

この部屋の宝箱には罠を仕掛けていたけれど、それもあっさり解除されて宝石を回収される。返す返すも無念なり。

その後は連続する部屋のエリアを埋める形で進んでいき、配置していたスネークたちは活躍できず、宝箱の宝石もあっさり回収されていくという、見所のまったくない展開が続いてしまった。これはもう少し工夫が必要だったのかもしれない。


最後にたどり着いた鍵付きの扉の先は2階に続いての水浸しエリア。

ここのエリアに登場するのはジャイアント・フロッグたち。なのだけれど、ここも支援の必要なしと前衛の戦士2人でさくさくと倒していく。悲しいけれど、仕方がない。何かができるとすると唯一配置したトードくらいか。

部屋の中央にはジャイアント・フロッグがいて、すでにこちらを向いている。盾と剣を構え挑発すると、ジャイアント・フロッグが大きく飛び上がり足をたたきつけるように突っ込んでくる。

すでに準備ができている盾に跳ね返されたフロッグに攻撃が集中され、それで終わり。何というあっさりさ。だが、まだ終わらぬ。次だ!

やはり激しい水音をさせての戦闘は次を呼ぶ。まず左の通路から大きな水音をさせて巨大なカエルが姿を現す。ジャイアント・トードだ。

最も近い位置にいたフリアに狙いを定めたのか、そちらに向かって長い舌を飛ばすが、それを反撃や回避ではなく全力で逃げることに決めたようで、転がるようにして駆け出してそれをかわした。

そこへフォローするようにエディが盾を構えて突撃したところで、続けざまに右の通路からもジャイアント・フロッグが姿を現す。頑張れフロッグたち!

だがすでに準備を終えていた2人の魔法使いからファイアー・ボルトが放たれ、その顔に命中して激しい炎を巻き上げる。うぐぐ、何で初級魔法がこんなに強いんだ‥‥。

その間にジャイアント・トードへと突撃したエディが盾で正面から押すようにして、駆け込んだクリストと協力して切りつけ、飛び跳ねて距離を置こうと試みるところにそのまま追い掛けるようにして動いていく。跳ね回るには手狭な部屋が災いして、追い詰めて切りつけるを繰り返すことでさほど手間取らずに倒されてしまった。

ファイアー・ボルトの狙い撃ちにあったジャイアントフロッグもすでに動かなくなっている。結局何もできず、無念である。


地面が水で満たされているという状況は人にとっては不都合だ。水音がする、足の動きを制限される、そういう状況は環境に適した魔物の方に利があるのだ。

この環境の変化というのは良い効果をもたらしてくれる悪くない手法だろうと思う。冒険者たちの評価もこちらの想定と変わらず、これは時折混ぜる分には有効だといえた。

トードのいた部屋には宝箱も用意していて、それは鍵付き罠付きだったのだけれど。

水に半分埋もれたような形で置かれた宝箱の前で、水に濡れるのを構わずに腹ばいになったフリアがサクサクと解除すると、宝飾品としてのゴールド・ブレスレットを回収されてしまう。

その先は行き止まりの通路を確認してから次へと進み、扉のない水場のある部屋、さらにその先で下り階段を発見する。ここまでの階と違い水場と階段が分離した構造だ。

3階と4階をつなぐ階段は全てこの構造を採用しているので休憩するには何かしらの工夫が必要になってくる。

この階段は一度パスして地図の埋めていない通路を調べることに決めるとそちらへ移動する。そしてそこでも扉がなくて水場のある部屋と、そして扉のない場所に設けられた階段とを発見することになる。

はい。こういう仕様なのです。悩んで、迷ってほしいから。簡単に安心して休める環境を取り除き、3階と4階がいくつもの場所で接続されている構造。地図書きを頑張りましょう。上と下のつながりを間違えないように書いていかないとひどいことになりますよ。

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