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第一章⑨

大学のデータベースから抜き取ったであろう学生証の顔写真を見て、目の前にいる早坂を見比べる。

確かに同一人物だった。顔だけは良い。あと少し頭が良いらしい。

今朝に見せられたものと相違ないと思われた。つまり、あれは偽造ではなかったということか。

裏面を確認した。裏面にも学籍番号と氏名、現住所が記載されている。住所も渋谷区とあり、虚偽ではないようだ。

この程度では、身辺調査には全く足りない。が、缶コーヒーとサンドイッチを馬鹿真面目に持っていたことを考えても、彼女と直接話している現状を考えても、早坂紅葉は多少なりとも信頼できる人物なのかもしれない。

かもしれない、だ。秘密も多すぎる。

「何ですか?人の顔をジロジロ見て」

「いや別に」全く同じように返した。

「あー、はいはい。なるほどなるほど」早坂はいつも通り、悪戯な笑みを浮かべた。ニヤニヤしながら私のことを見つめていた。

「何だ?」

「いや別に」とわざとらしく同じように返された。「しょうがないですよね。はいはい、分かりますよ」

「その考えは明らかに間違いだから、言ってみろ」

「そうですね。まず大前提として、私は結構人気があります」と早坂は胸を張った。

「はあ」と空気の抜けるような声が漏れた。

「なんですか『はあ』って。もっとリアクションしてくださいよ」

「いや、そういうのを自分で言うのは意外で」

「理系だからってこともあるでしょうけど、でも高校生の時も中学生の時も、何度も告白されてきているんです」早坂は両の掌を両頬に当てた。「これは嫌でも自分の容姿に目が行きますよ」

否定はしないでおいた。

確かに早坂紅葉という女性は、女性としては最上位の部類だろう。年齢差もありワガママと突き付けられまくっている私には理解し難いが。

「女に嫌われそうだな」

「それはもう、酷いものでしたよ」

「いじめか」

「そうですね。陰口のオンパレードでしたね。人気のある男子から告白されただけでですよ」

「大変だったな」

「フッたらそれで『理想が高すぎる』『自分のことシンデレラだと思ってそう』ってね。全くもう、女って面倒です」

「自慢話にも飽きてきたが」

「まぁそれで、なるほど自分は男の人には困らないんだろうな、って自己分析をしました。中学生の時に」

「鏡を見つめながら、か」

「そうですね。悪い気はしませんでしたよ」

試しに揶揄ってみたのだが、どれだけ冷やかしても早坂はあっけらかんとしていた。内心喜びを嚙み締めながらぎこちなく否定する輩よりは、むしろ好感を抱ける。

「私と食事をしたいっていう男性、今もやっぱりいるんですよ。なんてったって現役の女子大生ですし、ピチピチの二十一歳ですから」

「そうなんですねー。若いでしょうしー、ナンパもされるでしょうしー」

「それはもうほんとに。キャンパスでもそうですし、サークルの勧誘なんてとんでもないですよ」

「どこかに入っていないのか?」

「今のところ、興味なしです。渋谷を歩いても原宿を歩いても、それはそれは人気が出ちゃって」

「自慢はそれくらいにして、で、何なんだ?」

「容姿端麗な女子大生と二人きりで食事をしているのが、そういうシチュエーションが都築所長的には快感なんですね」

「全然違うな」

「大丈夫です。ある程度は慣れているので。落とした消しゴムを拾ってあげただけで勘違いされたこともあるんですよ」

綺麗な子にちょっと優しくされただけで意識し出してしまう純情ボーイ。そんな哀れな子に思いを馳せて、そして私は頭を抱えた。「支払いを君に押し付けたくなってきた」

「まぁ、最悪それでもいいですよ。親のクレカがあるので」

私は冗談で言ったのだが、早坂はやむかたなしといった表情だった。

「嘘だよ、奢ってやるから黙って食べてくれ」

そうして暫くは、店内の落ち着いた雰囲気に身を任せて静かに食事をしていた。どこかから流れているピアノ曲はモーリス・ラベルの『ボレロ』だった。誰でも聞いたことのある特徴的な音律で、イヤーバグのようにそれが頭から離れなくなった。

その曲のことを早坂に言うと「二〇十六年あたりに著作権がなくなりましたからね」と言った。相も変わらず凄い知識量だ。

「ストリートピアノでも弾いてほしいね」

「どういうのがお好みですか?」

「そうだなぁ」と私は食事を止めた。「有名どころを出してミーハーだと思われたくはないけど、事実ミーハーだしなぁ」

「もう、ちゃちゃっと決めてくださいよ」

「せっかく弾いてもらえるならお金を払ってでも聞きたいレベルのがいいんだよ」

「私は、下手じゃないですよ」早坂がむっとした。

「君の技量じゃない。ピアノ曲の方だ」

「有名どころのでいいですよ」

「じゃあ、『パガニーニによる大練習曲第三番』だな」

早坂は目を細めて、私のことをじっと見つめてきた。

「フランツ・リスト?」

「そうだ」

「『ラ・カンパネラ』?」

「その通り」

「嫌ですね。『ラ・カンパネラ』って言えばそれを指すのに、わざわざ『パガニーニによる大練習曲第三番』ってフルで言うなんて、それこそ背伸びですよ、おこがましい」

ストレートに言われて面食らった。

「弾けるか?」

「当たり前ですね。鐘を鳴らすようなものです」

「英語に出来そうな比喩表現だな」

「あれ、伝わりませんか?」早坂は小首を傾げた。

「分かる。簡単だって言いたいんだろう」

「違います。鐘、です」

「鐘?」

「文字通り、鐘を鳴らすようなものです」

私は遅れて、ようやく早坂の言わんとしていることに気がついた。

こんなことに気付かなかったとは、何とも赤面ものだった。

「そうか。大分時間が掛かってしまった。そういえばcampanellaはイタリア語で『鐘』の意だったな」

「良い曲ですよね、あれ。初めて最初から最後まで弾けた時は嬉しかったなぁ」早坂は過去を振り返るように遠くを見た。

目の先に映るのは店内の様子ではなく、彼女の中高生の記憶だろうか。

「ピアノの練習ってのに凄く興味がある」

「やっぱり弾いてみるべきですよ」

「いや、そうじゃなくて。基本的にコンクールにしろ動画にしろ、僕みたいな一般人は完璧に弾けているところしか見られないわけだろう?どういう風に練習を進めていくのか、それがすごく気になる」

「そんなの、楽譜を読んで手を動かして弾いてみてを永遠と繰り返すだけですよ」

「そう、それを見てみたいんだ。完成した映画だけじゃなくてメイキング映像だったりNG集であったりを見たいのと同じだな」

「なかなかマニアックですね。ピアノの練習って大変なんですよ」

「だからこそだよ」

「でも男性からすると、ピアノを弾いている女性の姿ってセクシーらしいんです。可憐で優美で清楚で綺麗で。なるほど私のそんな姿を都築所長は生で間近で直接見たいと」

「もういい」

これからデザートの時間だ。私は甘いものが好きなので、心が躍った。ストレスにも甘いものが適切だ。

「それはそうと、君に仕事を頼みたくなってきた」デザートのガトーショコラを少しずつ食べて、タイミングを見計らって早坂に言った。

追いかけられるのも御免だ。置いてけぼりにしたところで、早坂はどこまでも付きまとうだろう。

であれば、あえて行動を共にすることで監視をする、というのも悪くない気がしていた。

どうしてそんなことをしなければならないのかは、未だに分からなかった。これでは卑劣なストーカーに屈して交際を泣く泣く認めるのと同じではないか。

「はい、何でも言ってください」早坂は自信満々だった。

「早應大の西キャンパスは分かるか?」

「分からないです。私は慶稲大学の人です」

「その、本キャンから歩いて行ける距離に西キャンパスってのもあるらしい」私は丁寧に説明した。「で、調査したい人物が西キャンパスから歩いて行ける距離にあって、色々調べたいことがあるんだ」

「相手は女性ですか?」

「いや、男だよ。大学院の一年生」

早坂はスプーンを置いて、スマホを取り出した。素早く画面をタップして、何かの検索を掛けていた。「早應大の西キャンパスって理系学部が置かれているんですって」

「知ってる」

「その人の所属は何ですか?」

スマホで調べた内容を思い出した。「理工学術院だったかな」

「その人が伊藤麻衣さんの失踪にどうかかわっているんでしょうか」

「去年、伊藤麻衣は軽いストーカー被害に遭っていたことが分かった」

「ストーカー被害に軽いも重いもないと思いますけど」女性を代表するように、早坂がぴしゃりと言った。上目遣いでジロリと睨んできた。

「気分を害したのなら謝るが」小生意気な態度には慣れてきたが、早坂に「怒り」は似つかわしくないと思った。「なんだ、被害に遭ったことがあるのか?」

「都築所長、サイテーですね」早坂はガツガツした勢いでデザートを頬張った。

「それはそれで、その元ストーカーってのが住んでいる場所に行きたい。西キャンパス近くの学生会館だと」

それ以外にも、調査で明らかになった伊藤麻衣について、時系列に沿って早坂に説明した。手持ちのカードについては伏せておいた。

「伊藤家の周囲からウロチョロと嗅ぎまわって、凄い行動力ですね」

「言い方に悪意しかないな」

「そもそも伊藤家ってどこにあるんですか?」

スマホの画面を見ながら、伊藤家の住所を読み上げた。早坂はそれをメモしていたので「顔が割れているんだから行ったりするなよ」と忠告した。

「それで、元ストーカーね。大学に籍は残ったけど小説同好会からは追放された、と。なるほどなるほど」

「安易に推理しているな?」

「まっさかぁ。でも無関係だと断定するのもアレですね」

「そうだな。可能性を一つ一つ潰していかないといけない」尤もらしい安直な仮説を言った。「その人物は伊藤麻衣のことを諦めていなかった」

「怪しまれないために一年間は休眠して、今になって麻衣さんを我が物にしようとした、と」

「考えられないことではないな」

食事を終えて、私持ちで会計をした。

渋谷区にあるにもかかわらず低価格で量も多く、何よりも美味しかった。このクオリティならまた来店することがあるかもしれない。

早坂は律儀にも「ご馳走様でした」と言ってきた。そぐわない礼儀正しさに「ど、どうも」と私はドギマギしてしまった。

「ストーカーの行動原理は分かりません」早坂は立腹した様子で、誰かに文句をつけるように言った。

これも女性を代表しての発言なのか、それとも被害者の一人としての発言か。

詳しく聞きたかったが、止めておいた。

「分析するに、妄想では完全に自分の物であるにもかかわらず、現実では全く自分の物にならない、自身の存在すら歯牙にもかけられていない、個人として認定されていない、そのギャップを受け止められず攻撃性に繋がっているんだろう」

物事が理想通りに運ばないことがストレスに繋がるのは個人として理解できる。

しかし、恋愛での不遇が想い人への攻撃に繋がるというのは、共感できるものではなかった。

「ありそうですね。うまくいかない恋愛が攻撃に繋がるっていうの。なんてみっともないんでしょう」

W駅に行くために、渋谷駅へ歩いていった。平日の夜とあって道が混んでいた。疲れ果てた表情のサラリーマンがゾンビのように駅へ吸い寄せられていく。想像するに、車内で爆睡するのだろう。

どんな仕事についているのだろうか。どんなポジションについているのだろうか。

職場の最寄りが渋谷駅なのであれば、結構な企業に勤めていそうなイメージがある。しかし、行きも帰りも満員電車に飲み込まれるというのは、私には想像に難い苦痛だった。

横二列になると通行の邪魔になりそうなので、早坂が前を歩き私は彼女の背中を追いかけた。

「生物になら起こり得ることだ。提示された報酬を没収されると攻撃的になる。猫にエサを見せつけた上で、食べさせずに目の前で没収すると攻撃されるっていうのを見たことがある」

「恋愛でいう『報酬』っていうのは」

「恋人関係というステータスだったり、二人きりでのデートというアクションだったり、相手を独占するということだったり。恋人としての多幸感だな」

「それが現実にならないから、ストーカーになるんですか」

「興味深いのは、その『報酬』は第三者に提示されたものでもなく、自分で勝手に繰り広げた妄想に依っている点だな」

「被害者からしたら堪ったものじゃないですね」

太陽が沈んでも渋谷は明るかった。むしろ夕方よりも活気づいている。駅から離れたところには居酒屋など飲み屋が多く、スーツを着た男性が歩行者に声を掛けていた。

キャッチというやつか。条例で禁止されている、と聞くが。早坂という女性と二人で行動しているので、そいつらが私に声を掛けてくることはなかった。

「勝手に妄想されて、それが現実にならないからって恐怖させるだなんて」

「『相手が自分のことを恐れている』という事実を論理的に認識することはレアだろう。脅せば脅すだけ『相手が自分のことを考えてくれる』と錯覚している可能性もある」

「都築所長は、何か詳しいですね」早坂は少し振り返って、疑いの目を向けてきた。

「勉強したことがあるからな。で、ストーカー被害に遭ったことは?」今一度聞いた。

「またその斬新なセクハラ」

「そんな意図はないが。じゃあいいや」

「それで、伊藤麻衣さんの交友関係は分かったんですか?『勉強合宿に行く』って言ってたんでしょう?」

伊藤麻衣が背後にいて、私を誘導しているかもしれない。その可能性は、ひとまず黙っておいた。

「もしもその発言が本当だったとしたら、僕も見つけられていないグループに麻衣さんが属していることになるな」

「ありえますか?」

「ありえるっちゃありえる。交友関係を完全に調べるのは難しいんだよ。SNSでの繋がりは公開されていないと特定し辛い」

「確かに。周りには分かりませんもんね」

渋谷駅からの電車は、予想通り満員だった。時間は夜十九時前なのだ。当たり前といえば当たり前だが、相変わらず不快だった。

令嬢の早坂はそれでも何ともないという澄まし顔で人の波に押されていた。吊り革に精一杯手を伸ばしていた。

電車の乗り換えの際に、早坂が聞いてきた。

「勉強合宿に行ったのが本当なら、伊藤麻衣さんはその通りに行動していたってことになりますよね」

「あぁ。家族に告げたことも月曜日に出発したのも事実だとしたら、連絡が取れないということは何かトラブルがあったということだ」

「誘拐とか?」

「あるいは事故とか」

「事故ですか?」

「あぁ。山奥のどこぞの別荘で宿泊する予定だったが、人知れず事故にあった可能性」

「怖いですね。もしくは、その元ストーカーが裏で操っていて、今も伊藤麻衣さんは監禁させられている、とか」

「どこのミステリー小説なんだか」

「私は、伊藤麻衣さんが無事でいてほしいって思います」

「僕もだよ。もしも犯罪に巻き込まれて今も尚保護を求めているのであれば、すぐにでも探し出さないといけない」

「でも、嘘を吐いた可能性もあるんですよね」

その場合、伊藤麻衣は何か壮絶な計画を立てているのかもしれない。が、伊藤麻衣の安否を心配する早坂に、そのことは告げなかった。

W駅から降りて、西キャンパスへ向かった。こんな時間でも通学路を歩く大学生と思しき生徒はゼロではなかった。むしろ、サークルの飲み会か何かか、飲み屋の前でワイワイと賑わっていたところもあった。

「『勉強合宿に行く』という伊藤麻衣の発言が嘘だと仮定すると、どうなると思う?」

現状、最も可能性が高い仮定だ。なぜならこれは、吉田有香と大津亮子、そして溝口愛と話した結果であるからだ。彼女たちの不自然さは、伊藤麻衣という存在に結び付けられるのだ。

とりあえず、早坂を試すことにした。

「家出、でしょうか?伊藤家はワケありなんでしょう?」

「単純な家出で済めばいいんだけどな」

「単純じゃない家出ってどういうのでしょうか。二度と戻らないって感じですか?」

「いや、最悪の想像をするのならもっと悲惨かもしれない。だから調査する」

仮説を列挙すれば、可能性の高低が生まれる。しかし、どれだけ可能性が低くとも全てを調べ尽くし、可能性を潰していく他ないのだ。

そうして真相に辿り着く。

根気のいる作業だが、諦めると二度と辿り着けなくなってしまう。

遠ざかるのは真実ではなく、いつも自分なのだ。

十九時になった頃、私と早坂は早應大学の西キャンパスに到着した。キャンパスから帰宅していく人とすれ違うことが、この時間帯でもあった。疲れてはいるものの、誰もが前を向いて真っすぐ歩いていた。

鉄筋コンクリートやらガラス張りやらの融合で、早應キャンパスのと比べると、こちらは理系らしく近代的な建物に映った。この時間でも様々な部屋に明かりがついたままで、今も研究に心血を注いでいることが分かる。

不夜城、と言うんだっけか。

そこから地図アプリを開いて、中原奏が教えてくれた学生寮を探した。調べてみると、大学提携寮である学生会館は西キャンパスから歩いて十分以内の距離にあった。

そこに、伊藤麻衣の元ストーカーである本田俊樹が住んでいるという。

進行方向に注意しながら、地図アプリの指示通りに進んでいった。大学近くの通りとあって賑わいがあり、車の通りは少なかった。露出狂など不審者などの心配もなさそうだった。

「さすがに暗いですね」

飲食店の間であったり街灯の間であったりには、暗闇が佇んでいた。そこに誰もいなければ、大都会ほどの自由はなかった。

「そりゃあ夜だからな。親御さんは心配しないのか?」

「さすがに大学生ですから」

早坂は渋谷区の良いところに住んでいる、いわば良家の子女だ。

伊藤家とは違って、あまり干渉はされないのだろうか。

「君のところはどうだ?両親の教育について、思うことはあるか?」

「えー、ないですよ」

「まさか、君は小学校から私立のボンボンなのか?」

「あら、その通りです」

絶句した。ワガママで自分の意志を何が何でも貫き通すのは、これが理由か。

その被害を、どうして私だけが被らなければならないのか。ここまで来たら、早坂家の両親に直談判すらしたくもなる。

お宅の娘が付きまとってくる。雇え雇え、と粘着質になっている。どれだけ断ってもしつこい。一体何を考えているのか。そもそも把握しているのか。

しかし私は面倒事が御免なので、さすがにしない。深刻な状況になったら、手紙を認めればいいだけだ。

「伊藤麻衣は様々な習い事をさせられていたそうだ。まぁ勉強の押し付けには否定的でも、習い事は楽しかったらしいが」

「プロを目指さない限りは、存外楽しいですしね」

「ピアノに華道に茶道に、あとは舞踊だっけか。君はどうなんだ?」

「私も一通りは。小学生の頃からそうだったし周りもそういう子ばっかりだったので、疑問も持っていませんでしたね」

「でも今もピアノを弾くんだろう?」

「そうですね。でも、他のは飽きちゃったりしています」

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