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世界で2番目に変な街  作者: 草原 草原
夏休み旅行編 終業式~
35/38

第34話 1ゲームに1回まで

「ということで友達になってくれるよね」


「う、うん。それはもちろんだけど・・・」


香川が言葉によどむ。


「なに?なにか言いにくいことがあるの?」


幽栖は純真無垢な瞳で香川を見ている。


「私達、旅行だからもうすぐ帰らなきゃいけないの」


「あー、そういうことね!大丈夫、気にしないで!」


「気にしないでって・・・」


音無が困惑した顔をしている。


「私も一緒に行くから!大丈夫だよね、れんれん」


「えっ!」


「ああ、葦田にも確認したが大丈夫って言ってたぞ」


「・・・いいの?」


「私別に地縛霊じゃないし、どこに行っても平気なんだよね。幽霊のまま一人で過ごす方がいや」


「それはそうかもしれないけど・・・両親には許可とったの?」


珍しく香川が困惑している。


「んー、ま、大丈夫じゃないかな」


この返事は絶対大丈夫ではない。


「いざとなったら10秒で行けるでしょ。れんれんなら」


「人任せかよ。皆僕に全部押し付けて・・・。10分はかかる」


「蓮が優秀すぎるのが悪い」


「異議なし。あと10分も十分短いよ」


香川と音無がなぜか僕を非難する。他のメンツも納得したような顔をしている。


「ところで、幽栖も学校に通うの?幽霊だけど」


「通えるの!?」


「えーっと、蓮どう?」


「無理なことはない」


「遠藤君、すごく嫌な顔をしているけど」


「いや、幽栖が通うのが嫌とかそういうわけでは無い。あの理事長に貸しを作るのが滅茶苦茶嫌だというだけだ」


あの学校は理事長の独裁政権なので理事長に話を通せば確実にOKサインが出る。しかし・・・。


「じゃあ通いたい!私、小さい時から病気だったからほとんど学校にも通えていないんだよね」


「ということで蓮、よろしくね」


おい、こっちの苦悩も少しは考慮しろ。



残りの旅行期間は幽栖と遊んで過ごし、あっという間に帰る時が来た。


「おー、その子が佐久万幽栖ちゃんか。かわいいな」


「えっ、かわいいなんてそんな・・・って私見えてるの!?」


「ん?幽霊とはいえ見えるだろ」


「今私、見えない設定にしていたのに・・・」


「幽栖、蓮はヤバいだけど、蓮の知り合いも大概ヤバいから注意しておいた方がいいよ」


香川が幽栖に変なことを教えている。当然その中に君たちも入っているんだろうな?


「あ、そういえば幽栖って幽霊だから吐いたり舌を噛んだりしないよね?」


香川が車に乗ってから幽栖に聞く。


「え、どういうこ・・・」


車が発車した。




「気持ち悪い・・・幽霊だから吐かないけど、気分は悪くなる・・・」


初めてでかつ、そもそも車で移動などしてこなかった幽栖は完全にKOされている。


「意外と4回目になればマシだな。いい気分ではないが」


「さぁ、帰ろー」


当然のように香川は元気のままだ。車で楽しそうにしゃべってたし、余裕が出来たっぽいな。


「待っ・・・て・・・。これが噂に聞く幽霊虐待・・・?」


そんな言葉聞いたこともない。


「幽栖に合鍵渡そうと思ったけど、幽霊ならいらないの?」


「持ち物も透過できるけど、万が一すり抜けているところを見られたら除霊されるから渡しておけ」


除霊程度では消えないだろうが。


「じゃあ、はい。この家の鍵ね。右回しが閉まる、左回しが開くね」


香川がカードキーを渡す。


「ありがと。・・・ってカードキー?回すのに?」


「やっぱりそれが普通の反応だよね。良かった・・・」


こちら側に染まりつつあった音無が常識的な反応をみて安心したようだ。


「へぇ、最新式のカードキーって回さないと開かないんだ。進んでるね」


「違う、この人も常識ない人だった」


せっかく同族を見つけた音無、残念ながら同族ではなかったようだ。




そして、夜。幽栖の好きなものは寿司、てんぷら、うどん、という日本大好き外国人みたいなラインナップだったので、今日の晩御飯は寿司with天ぷらうどん、といういたってシンプルな料理となった。


「んーおいしい。やっぱれんれん料理上手いねー」


「食べたり透過したり結構便利な体だね」


「うん、蓮が便利さを格段に上げてくれたけど、幽体状態でも食べる技術は私が開発しているんだよね」


「それって無生物でも透過したりできる?」


「もちろん」


「へぇー・・・ちょっと協力してほしいことがあるんだけど」


「なになに」


香川がこういう時は大抵ろくなことではない。


「蓮、大丈夫。ちゃんと連の協力もあおぐから。蓮が関われば変なことにはならない、でしょ」


「なら、まぁいいか」


少なくとも監視さえしておけば最悪の事態にはならないだろう。


「蓮が関わった方が変なことになると思うけど・・・」


「もちろん、奏花ちゃんも協力してもらうよ」


「えっ」


「というか皆に協力してもらうよ」


「なら、すっと言えよ」


そこまで隠したがるから結構ろくでもないことかと思っていた。


「よかった、変ないたずら道具じゃないんだね。猫耳カチューシャとか猫耳カチューシャにゃんとか猫耳カチューシャとか」


よっぽど猫耳カチューシャにゃんのことがトラウマみたいだ。


「いやー、幽栖が来たことで私の夢の一つがやっと叶いそうだな」


「で、その夢とは」


「仮面ラ〇ダー計画」


「は?」


何を言っているのだろうか、彼女は。


「リアル仮面ラ〇ダーをやってみたかったんだよね、私」


「お、おう」


「寸に聞いたところ、足りないのは安全対策と衣装の召喚の2つだったんだよね」


「私、召喚なんてできないよ」


「あ、そこは蓮の担当。転移技術知ってるらしいし」


「まぁ製造過程を見ないことと、構造を解析しないと言えるなら協力できなくもないな」


「なんで当たり前のように転移の技術が使えるの?」


「じゃあ私は安全対策?」


「うん、変身中は霊体化するように、変身が溶けると実体化する、これこそまさしく仮面ラ〇ダーっぽくない?」


「それくらいなら私でも出来そう」


「ねぇそれだと私、することなくない?」


音無が尋ねる。


「奏花ちゃんには重要な変身音と効果音、BGMを担当してほしいんだ。あ、衣装コンセプトは百合と寸に任せているから安心してね」


すでに二人には話を通していたのか。


「なぁ、俺は・・・」


「累は監督をよろしく。認識のずれがないかとか、コンセプトにずれがないかとかいろいろ確認してもらわないといけないからね」


「それ、蓮でよくないか」


「んー、蓮は、1ゲームに1回までしか使えないからね。もう1つ使っちゃったから無理」


「そんな制限カードみたいな」


「だってそんなこと言い出したら、蓮にすべて任せて外注したほうが早くクオリティの高いものができるよ?でもそれは面白くないし、達成感がないでしょ」


「それはそうだが・・・」


「ねぇねぇ、れんれんのすごさは十分わかっていたつもりだけど、そんなにすごいの?」


幽栖が音無に小声できく。


「うん、ヤバい。いざとなったら1人でゲーム台を10台追加できるからね、2日で」


「それはヤバいね。もしかして人外って本当なの?幽体離脱を専門にしていた私より知識と技術あったし」


「真実は分からないけど、人ではないと思う。香川さんの言う通り完璧超神外なのかもしれない」


こっちはこっちで変な話をしないでほしい。僕は人間なのに良く分からない種族にされそうだ。

やっっっっっと旅行編が終了!あれ、まだ夏?


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