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世界で2番目に変な街  作者: 草原 草原
1学期編 転校~七夕まで
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第20話 普通なのにツチノコ扱い

R18を付けるほどではないですが、ちょっとしたエロ要素が含まれます。苦手な方はご注意ください


色々あり、追試は丸暗記で皆合格した。馬鹿の癖に短期記憶が得意なおかげで、追試を一発合格できる香川に白石と赤坂が殺意を抱いていたが、毎回の恒例行事みたいなものなので特にハプニングなどはなかった。

追試を嫌がっていた音無だが、追試もしっかりと勉強していき、しっかり一発合格していた。音無の方が普通なのだろうが、このクラスでは珍しいことなので追試組はツチノコを見るみたいな目で見ていた、らしい。


「そういえば、この街って梅雨はないの?6月中旬なのに、そんなに暑くもないし雨も全然降ってこないよね?」


ここにきて1年経っていない音無が疑問を口にする。


「あれ?そういえばそうだね。去年の6月も雨全然降っていない気がするよ」


その言葉に香川が便乗する。


「それは俺も知らないな。蓮、何か知っているのか」


博識の梶井も知らないようだ。珍しい。


「学校の地下室には行ったことがあるか?」


「ない気がする。確か理事長室があるところだよね」


代表して香川が答える。好奇心旺盛な香川がないということは、他の人も恐らくないということだろう。


「学校の地下室から続く一本の超巨大な柱があるのは知っているか」


「あーなんか、不自然に大きな柱が通っていた気がするね」


「それは屋上まで続いていて、その柱を操作することで、降水量とか天気とかを操作できるらしい」


「なにそれ、無茶苦茶便利じゃん」


音無がうらやむ。


「確か1年動かすのにマグニチュード7の地震を起こすレベルのエネルギーが必要になるらしい。この街だから運用できているが、他の街だとまず動かせないらしいぞ」


「とんでもない量のエネルギーが必要じゃん。というか、この街なら動かせるということには突っ込んだ方がいいの?」


「まぁそのおかげで世界で2番目に変な街という称号と共に、世界で1番住みやすい街という評価も貰っているからな」


この街は世界で1番住みやすい街という称号も貰っているのだが、実は街人口はそんなに高くない。そういうことも住みやすい要因となっているようだ。


「ついでに世界で3番目に住みたくない街という称号も貰っているが」


梶井が補足説明をする。一般人には住めない(僕たちが住んでいる)区画とはいえ、日常的に爆発が起きたり、グラウンドに地雷を埋める狂人がいたり、一夜にして明らか違法建築な建築物が立ったかと思うといつの間にか消えている街に住みたい人間は、そういないということだろう。


「というよりここよりも住みたくない街って何なの?」


「さぁ?日常的に爆発が起きたり、宇宙人が住んでいる街なんじゃないの?」


音無の疑問に香川が雑に答える。


「ここも大差ないよね」


「それはそうだねー」


それを受けた音無の答えに香川が納得する。少なくとも日常的に爆発を起こしているのは香川だし、現在、音無が宇宙人判定している人物は僕か香川だぞ。本当にそれでいいのか。




6月は学校的には何もない月だが、社会的には夏休みに向けてとても忙しい時期になってくる。


「ということで遠藤君、8月にぴったりの爽やかラブソングを頼まれたんだけど、ここにいると爽やかな何かもラブソングもアイデアが思い浮かばないんだよね。何かいい案ない?」


音無からなかなかのキラーパスが飛んでくる。


「爽やかラブソングって言ったら、海とかになるんじゃないのか」


「それはそうなんだけど、そんな出しつくされたアイデアで歌を書いても楽しくないじゃん?もっと『そんなアイデアがあったのか!?』となるようなアイデアはない?」


それはあまりにも無茶が過ぎないだろうか。


「夏で涼しそうな事を書いていったらどうだ?なにかいい案が思い浮かぶかもしれないぞ」


「うーん、夏でも涼しいと言えば・・・海でしょ、かき氷でしょ、アイスでしょ、後は・・・」


なぜ水しか出でこないのだろうか。


「風鈴とか、うちわとかもっと他にあるだろ」


「そんなのもあったね。うーん、でもぱっと来ないなぁ」


「こういう時は第三者の意見を聞くといいらしいぞ」


「なるほど」



音無はまず、香川&梶井コンビに涼しさを感じるモノと言えば何か聞き始めた。


「普通にクーラーだろ」


「あの・・・梶井君、そういうことじゃくて、その爽やかさみたいなものを感じるものはない?」


「・・・ないな。俺は基本、夏に外に出ないんだ。クーラーの効いた部屋が一番涼しい」


と、梶井からは現実的な答えが返された。


「香川さんは何かない?」


「そういうので言えば制汗スプレーかな。あれ結構涼しいんだよ?特にこれ。これはね・・・」


そして音無の話をガン無視で自分の発明品についてのアピールが始まった。


「どうしよう。全く参考にならない」


音無は一旦、諦めて香川の話を聞き流すことにしたみたいだ。あと香川、その制汗スプレーに発光効果はいらないと思うぞ。



次に白石に聞くことにした。


「涼しさを感じるもの?私、どんな寒くても最終的には熱くなる小説を書いているから。分からない」


「なるほど」


「でも真夏の日にクーラーをガンガンにつけて、背中に氷を押し付けて『寒い』って言っているのに下を見ると膨張しているから、『本当は暑いんでしょ』とか言いながら・・・」


その後、聞くに堪えないエロ話が展開されたのでここでは割愛させていただく。音無、頼むから白石の毒牙にはかからないでくれ。



最後に赤坂に聞くことにした。


「涼しいと感じるもの?そうだな、物理的に涼しくするのは簡単だが涼しいと感じるものとなると難しいな・・・ドライアイスとかどうだ?見てて涼しくなるだろ」


意外にも赤坂が一番真剣に質問に答えてくれた。というよりも他が突飛な回答をしすぎたというのもあるのだろう。


「!それだ!いいね、ドライアイス」


さらに音無にぴったりとはまったらしい。


「ありがとう」


そう言って音無は作業部屋に戻った。



それから3日経ち、デモ音源が完成した。音楽には全く詳しくないが恐らく早い方ではあるのだろう。


「どう?涼しさと甘酸っぱさは感じた?」


「・・・ラブソング感は強いが、肝心のドライアイスが消えかかっている気がするぞ」


「そう言われればそうかも。変えるなら1サビとBメロの歌詞かな?」


「あえてBメロは変えずにAメロのラブソング感を薄めてドライアイスを前面に押し出したらどうだ」


「なるほど。ドライアイスが消えるにつれて恋が進んでいく感じだよね・・・だったら、完全に消えきったら恋が成就するようにしたらいい感じになると思わない?」


「でもそれだと後1メロくらい追加しないといけないぞ」


「うーん、一旦作ってみるね」


そう言って音無は作業に戻った。

白石が登場するとどうしても18という数字が見えてきてしまう。いつのまにかR18がついていたらそういうことだと思ってください


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