答え合わせ
『昨夜11:00頃、東京都八王子市、高尾山の道中にて20代後半と見られる男性の遺体が見つかりました。犯人は未だ見つかっていません。一昨日も箱根山にて別の遺体が発見されたため連続殺人事件として警視庁を中心に調査を進めています』
そうテレビの中の人間が言う。連続殺人事件。続いて人を殺す事件。なんで人間は普通にそういうことをやるの?そう犯人に聞きたい。
そういえば一昨日、普通にムトファイしてたな。昨日は時間がなくてやれてないんだけど。
僕はどこらへんにもいる普通の都民小学生。ムトファイのような一対一で戦うゲームが好きで、外に出ることは学校以外ほとんど無い。家に帰ってきて、宿題したら、即ムトファイ。
そう考えながら朝ごはんを食べていた。いつもの月曜日。
『速報です。先程もお伝えしました連続殺人事件に新たな動きがありました。捜査関係者への取材によりますと、遺体のそばに録音機があったことが判明致しました。その録音機に録音されていたものは、被害者の声とみられます。〔もう、俺は死ぬんだ〕そう記録されていましたと捜査関係者の方からお話を伺いました。また新たな情報が入り次第、お伝えしていきます』
録音機......?普通はいらないと思うんだけど。なんで録音機なんかいるんだろう。と思いながらテレビの時計盤を見たら遅刻寸前の時間だった。07:50。気づいてよかった。朝はいつも両親は仕事に出かけているので、一人だけになる。急いで学校の支度をし、家を出る。
学校から帰ってきた。今日は憂鬱な漢字50問テストがあった。僕は頭が悪いから、解けなくて当たり前の日々を過ごしている。クラスメイトはみんな100点取ってるから後ましいな、なんて思ったりする。でも僕には出来ない。両親が元々勉強できないから。得意数料、そんなものは無い。特抜と言うならば、ムトファイのみ。
これから僕は友達とムトファイをする。その友達は、幼稚園の頃から仲が良く、趣味もあっている。いわゆる親友ってやつ。しかも、手強いからいい対決になる。本日のムトファイ大会、開幕。
「やっぱ君強いな。いつも負けてしまうよ。途中まではいいんだけどなあ。悔しいい」
「そう?僕はさらに勉強頑張れって言われてさ、地獄の中だよ」
友達のプレイヤーが『今まで生きていた時間、楽しかったよ』と言いながら死んでいく。いつもテストで高得点を取って、取れることに羨やましい。
気がついたら夕方になっていた。なんで楽しくない時は長く感じて、楽しい時は短く感じるの?気やっぱ人って頭おかしい。
お母さんが帰ってきた。夕ご飯を食ベて、普通に同じ生活で送った。生きているだけで万々歳。
次の日、お母さんが机の上にメモがあった。
「昨日、あなたが寝た後に警察の方が来たの。少し前からある連続殺人事件あるじゃん?それの事情聴取を午後からしたいんだって。よろしくね。愛しているわ、母より」
警察が事情聴取を行いたい、だって。よくわからないけれど、僕は至って普通の小学生だ。僕なんかが関係しているもんか。今日もテレビの大トリは連続殺人事件だ。
『最近東京都と神奈川果で発生している連続殺人事件ですが、昨日18:00分頃、東京都奥多摩町、御岳山の麓で新たな遺体が発見されたということです。この死体のそばにも録音機があり、〔今まで生きていた時間、楽しかったよ〕と記録されていました。現在、街の人にも事情聴取を行っています。皆様のご協力をよろしくお願い致します』
18:00。昨日友達と対決していったのが15:00頃。ちょうど3時間後だ。早く犯人が捕まってほしい。でも、今日は何故が違和感を感じてしまう。なんでちょうど3時間後なの?遠和感を感じないのは逆におかしいのだ。
『それでは、今日のコメンテーターに聞いてみましょう。コメンテーターの青山ミツルさん。本日は朝早くからありがとうございます。本日はよろしくお願いします。早速なのですが、連続殺人事件について青山さんはどう思っていますか?」
僕と同じ回答をしませんように。07:30。もう時間がない。午後からの事情聴取のネタをなくさないで。お願いします。一生のお願い。
「はい。私自身もこの事件についてはあまり良く知らないのですが、気になる点が二つあります。犯人はなぜ録音機をそのまま置いていったのか、それと、録音されている音声に違和感があること、です。まず、そもそも録音機を置いて逃走するなんて普通考えられません。わざと録音機をおいていくことに対してなにか意味があるのではないかと思っています。もう一つ、録音されているものは、1980年代を代表するゲーム「ムトリートファイター」のK.O.シーンの音声ととても似ていて、なにか共通点があるのかと思いました。実際私も遊んだことがあるのですが、一致しているようにも思えます。以上です』
『青山ミツルさん。ありがとうございました』
その見方、考え方はなかった。そう言われてみれば、僕が遊んだ日に絶対事件が起きているのだ。まさかだけど、僕が関係している......?いや、考えないでおこう。
今日の学校でちょっと彼に話してみるか。
学校についた。もう彼は座って本を読んでいる。本が楽しいとか意味がわからない。この事件を彼が知らなかったらどうしよう。
「おはよう」
「おはよう。今日は珍しいね、そっちから話しかけてくるなんて」
「あ、うん。ちょっと君に話したいことがあってさ」
「なになに?」
「あのさ、最近起きている連続殺人事件あるじゃん。それさ、今日のコメンテーターさんの言っていることがあっているならの話するんだけど、僕がやっている日に必ず誰かが死んでいるんだよ。これについてどう思う?」
「......」
急に彼は落ち込んだような顔をしながら下に垂れ込み、何も喋らなくなった。僕、そんな酷いこと言ったかな。十五秒くらい待ってようやく彼が顔を上げ、笑顔でこっちを向いてから彼はこう言った。
「僕だよ」
どうでしたか?
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